02/09/2017
13/04/2017
渡瀬恒彦を思う
4月12日「警視庁捜査一課9係」の第1話を見る。普段、自ら見ることがないタイプのドラマだ。12シーズン目の初回。重要な役どころの渡瀬恒彦さんは先月亡くなってしまった。ドラマの冒頭シーンに普通に出ていたし、亡くなってしまったなんて、とても信じられない。
日本映画にそれほど詳しいわけではないけど、映画は子供のころからそこそこ好きな方で、中学1年の時、激しく心を奪われた1本は、相米慎二監督の「セーラー服と機関銃」。中年後期になった今でも、これが人生の大切な1本である事に変わりはない。
当時、テクノロジーは今ほど進歩していなくて、まだCDも一般化していない時代。ネットで情報を検索することもできなかった時代。数か月後にTVで放映されたところで、それを録画する術もないような、そんな時代。そんな時代に、この映画を好き過ぎた私は、何度も映画館に見に行ったのはもちろんの事、LP版オリジナルサウンドトラックを買い、そこに収録されていたたくさんのセリフを自ら文字に起こして暗記していたくらいだ。セリフを聞いているだけで、そのシーンは目に浮かんだし、LPが擦り切れるほど繰り返し聞いてもまったく飽きないくらい、この映画に完全にのめりこんでいた。今見ると少々粗削りなところがあったとしても、作り手の意欲も現場の緊張感もがんがん伝わってくる、13歳だったけど、13歳の私にも、これが後世に残る傑作であることが感じられたんだと思う。
(画像はネット上からお借りしました)
17/03/2017
あの名建築がよみがえった???
少し場面は進んで、執事がhublot(円窓)のある階段を上っていくところで、ん?は確信に変わった。「私、この家、知ってる!見に行ったことある!」マレ・ステヴァンスが、ファッションの近代化に貢献したデザイナー、ポール・ポワレのために設計したポワレ邸(Villa Paul Poiret)、1920年の代近代建築だ。
一度気になると、どんどん気になり、映画を見ながら、私は自分のブログの過去の記事を検索してみた。訪問時の記事を発見。私は2005年に、この建築作品を見に行っていた。あれから、もう12年!なんと時間の経つのの早いこと。
その間に、この建築作品に起こった色々な出来事については一切知らずにいたので、突然美しくなって目の前に現れたのには、ただただ驚いた。
2016年にまたもやオークションにかけられ、Gilbert Wahnich氏が手に入れたこの豪邸。財団を作る可能性は否定していないそうなので、いつか一般に公開されたらいいのに…。
情報によると、公開当時に見たはずの映画『Prête-moi ta main』にも、この建築作品は登場しているらしい。映画のポスターは思い出せるけど、内容も、この作品が出てきたことも記憶にないんだけど…。
でも今日は気づけた。記憶の小さな断片と、目の前の状況が結びついたとき、私はかなり喜びを覚える性質です。たぶん、これを読んでくれた皆さんにもそういう体験ってあるんじゃないだろうか?
今回このポワレ邸について調べていてわかった他の事。郊外にある別のマレ・ステヴァンス作品が2つ見学可能なようなので、ぜひ次の渡仏時には行ってみたいな、と思っている。
09/02/2012
mise en scène
少し前の話になるけど、1月8日に今年の1本目の芝居として「8人の女たち」を観た。オゾンの映画同様に、ご覧の通りの豪華出演者、見ごたえのある作品に仕上がっていたのは言うまでもない。
舞台のつくりがまたユニークで、本来舞台であるところにも客席が設けられていて、観客同士で舞台を挟むようにして観ることになる。特に舞台側の席は本当に舞台上なので、演者に近いのは良いとしても、私たち、こちら側からの観客からも見られているようで、少し照れるな。照明の影響で、けっこう観客の表情もよく見えたから、あれでもし寝ちゃったら、超恥ずかしいね。
ところで、この芝居を見てからずっと気になっていることがある。この舞台、前後は観客に挟まれて、左右は袖になってるんだけど、演者は自分の出番が終わっても、いつものように袖に引っ込むことなく、袖手前に置かれた椅子に腰かけて、次の自分の出番を待つことになる。もちろん袖手前なので、観客に見られている状態は続く。
こういう演出は今、流行ってるのですか?
2010年6月9日に私はパリで芝居を観ている。大好きな俳優シャルル・ベルリングが出ていたので、大喜びで見に行ったものの、ストーリー自体はとても難解で、一緒に行ったフランス人の友人も「わからない」と言っていた。ただ印象に残ったのは演出。その日のブログに私はこう書いていた。
今夜はMarigny劇場で大好きな役者の1人、シャルル・ベルリング主演の『le Donneur de Bain』を観る。内容は Mag.でも意識が遠のく時があるほど。台詞が難しかった~…けど、演出が面白い。普通芝居を終えた役者はそでに引っ込むものだけど、ここでは舞台の脇に置いてある椅子に座って、続きを傍観している。時には衣装を着替えたり、くつろいだりしながら…。【…】
私はこういう演出をこの時に初めて見たので、実に面白い発想だと思ったわけだ。でも今回の8人の女たち…これは何?まったく同じじゃないか!流行り?パクリ?昔からよくあるの?
演劇は好きだけど、別に精通しているわけでもないので、演劇界の事はとんとわからない。誰か教えてくれる人はいないでしょうか?もうずっと気になっています。
29/01/2012
往復書簡
年末に、私の演劇ライフの中心にいた 第三舞台 の解散公演【深呼吸する惑星】を2回観た。1回目は、私に第三舞台を教えてくれた長年の友人と、そして2回目は独りで別れを告げに。
公演を見て思ったことを何か言葉にしたくて、一緒に観た友人にメールを書いてみた。書いて、返事が来て、それに返事を書いて、そしてまた返事が来て…。そのあと、まだ返事は書けずにいる。
未完の往復書簡4通。
~~~~~~~~~~
私から友人へ①
今日、最終公演が終わったようですね。
私は今回は懐かしさだけで、心は動かなかったのですが
ああ、だから、彼らは解散するんだな、って
思ったりもしました。
ファンだからという理由で
彼らの公演を歓迎して崇める人はまだまだたくさんあると思う。
私も喜んで劇場に足を運ぶ一人です。
でも冷静に客観的に今回の芝居を見て
20年前のような熱狂的な感動を与えられないことを
彼らは良しとしないような
少なくとも鴻上さんはそうなのかな?と思ったりしました。
今でも他のつまらない芝居に比べたら
まだまだレベルは高いと思うけど
やっぱり20年前とは違う。
すでに10年前にもパワーダウンは否めなかったもんね。
私、中学生の時に、薬師丸ひろ子が異常に好きで
まさに尊敬していたのです。
ま、薬師丸ひろ子が、っていうより、たぶん
【セーラー服と機関銃】の彼女をね。
その私のグルだった彼女は、
彼女が大学生になるころからオーラが消え、ただの人になった。
私の興味がさめるのと時を同じくして
彼女の女優としても時代も難しくなっていった。
長い時を経て、また女優として名前が聞かれるようになった彼女を
先日、トーク番組で見たとき
すごく軽やかになった感じで、素敵に見えたわ。
誰かのカリスマになった人は、次への着地の場所や方法が難しいと思う。
鴻上さんも、あの完全な時代を取り戻せないなら、
手放すしかないって思ったのかな。
10年悩んで、葬って、重荷をおろしたところで
軽やかに生きられる場所を見つけることができるのかな。
~~~~~~~~~~
友人から私へ②
そっか。
終わりましたか。
僕は、こないだ涙出た。
何でだろう?
でも、■■(私の名)と同じかどうかは分からないけれど、
心は、以前と比べて平穏だった。
僕は、彼らの芝居、鴻上さんの作品や演出に力の衰えをみるより、
自分の変化として、しみじみしてました。
いつか彼が言っていたように、
観客の個々の経験が、彼の作る物語を超えた力を持っていたら、
20年前であっても、色褪せて見えたかもしれない。
けれど、僕の場合は、やっぱり20年経った今だった。
随分ブランクがあったわけだけど、
でも、変わり続けると言った第三舞台が、
過去のどこかに止まったままだったように感じた。
それは、僕(たち)がそうしたのかもしれないね。
そして、鴻上さんも、超えられなかったのかもしれない。
でも、多分同じベクトル上に比較してもしょうがないことなんだろうね。
僕も、このことは、話しをしたかったんだ。
抱え込むのには大きすぎるってわけでもないけれど。
■■(私の名)が、薬師丸ひろ子に見た軽やかさと似たものを、
ひょっとすると、僕はあの日、彼の芝居を観た自分とかつての自分
との距離に感じたのかもしれない。
だって、手放すのが惜しくて歪むくらいの名残惜しさもなくて、
爽やかに別れを告げられるという気分だったし。
芝居を観た後で食べた定食も美味かったし。
これは自分でも意外でした。実は。
何でだろうね。
ゆっくり考えてみようと思います。
~~~~~~~~~~
私から友人へ③
■■(友人の名)にも迷ったり苦しい時期はあったと思うんだけど
きっと、きちんと着地をしたんだと思うな。
だから、さわやかに別れが告げられたんじゃないだろうか。
私はまだあの頃のまま、とても不安定な場所に立っていて
毎日が不安でしょうがない。
20年前には不安定な場所と言っても
まだ未来があったけど、
今は未来も可能性も、そうない。
まだ何者でもないけど、何者かになれるかもしれない可能性は
あの頃には、まだ希望として残ってたんだよ。
でも今は、それすらない。
20年前にすでにカリスマだった鴻上さんだけど
この20年で、やっぱり××(自主規制)になったと思う。
一緒にやってきた大高さんとは、ずいぶん立ち位置も変わってしまって
心はわからないけど、社会的に、経済的に恵まれてしまって
××になってしまった彼が、いくら下々の事を想像したとて
それは、やっぱり想像なんだろうな。
だから彼より過酷な日々を送っている者に
響くものはもう書けないのだと思う。
だから同じ土俵では生きていけない。
別のジャンルに移行する必要が出てきた。
だから、やめたんじゃないだろうか。
解散なんて、カッコ悪いよ。
解散なんてしなければよかったと思う。
続ける、変わらない、って本当に難しいし、貴重なことだと思う
今日この頃です。
~~~~~~~~~~
友人から私へ④
いやいや、単に、子育てが怒涛だからだと思う。
子供育てるって、やってみないと分からなかったことばっかり。
とにかく、自分のことは後回しにしないといけない。
無条件に優先して、自分以外の者に尽くさないといけない。
そんな感じ。
それを何とかやっていて、そしたら、心の敏感さが取れて来てしまった。
つまり、感度が鈍ってしまった。
という実感があります。悲しいけど。
だから、きちんとかどうかはともかく、着地したという自覚すらないわ。
なので、爽やかな別れというより、
正確には、それどころじゃない、ってことかも。
だから、不安を不安と感じる余裕もない。
そのせいか、こないだの彼の舞台の中に、
”解きたい謎”は、もう感じられなかった。
それは、自覚できる不安が自分の中に自覚的でなかったからかもし
れない。
禅問答みたくなってきたね。
鴻上さんの書いた戯曲の中の台詞は、今も時々口から出てくること
もあるよ。
才能とは夢を見続ける力のこと
というのもひとつ。
これは、素直に今も受けとめられて、
だから、未来も可能性も残されてないなんて思わないよ。
おめでたい、と思われても、言われても、
歳なんて関係ない。って思う。
今も時々、自分に言ってること。
確かに、解散という選択と決断については、ちょっと考えるね。
続けることを、あれだけ語って来た人だけに。
でも、明らかに、彼が輝いていた頃と、社会も世界も変わってしまった。
それは、疑いようがないことだと思わない?
その相対の中で、彼も分からないのかもしれない、とも思った。今。
つまり、彼のモチベーションを生み出すものが、
社会にも世界にも、以前のようにはなくなってしまった。
それを見つけようとあがいても、以前のように自分の中に湧き上がって、
あるいは、立ち上がってこない。
その焦りを、彼自身も何年も抱え続けて来たんじゃないだろうか。
だって、他に面白い芝居があるかっていうと、あるんだろうか?
映画も、テレビドラマも・・・。
どちらも、ぜんぜん観ていない僕が言っても、
何の説得力もないけどね。
やられた!というものに、最近出会っていないわ。
また、話ししたいです。
20/10/2011
おもろすぎる
今期の朝の連ドラ”おもろすぎる”。最近の朝の連ドラは、あおいちゃんの「純情きらり」を見たくらいやったけど、前の「おひさま」を”おもろくない”と言いつつ全部見てしまい、次はどうしようか…と思っていた。でもやっぱり舞台が大阪ってこともあって、ちょっと見てみると、これが”おもろすぎて”、これは半年余裕で見れそう!むしろ、毎日見るのがめっちゃ楽しみ。
前のは主演の真央ちゃんや樋口可南子さんがきれいやし、見始めるとやめるきっかけがなくて、なんとなく見てしまったんやけど、ストーリー自体はしんどかったな~。関西の人間にとっては、あのゆるりとした丁寧すぎる言葉のやりとりが、なんとも物足りなくて、もっとパンパンパ~ンと、しゃべって、笑って、時には怒って、どんどん展開していってほしい訳だ。
幸せだね~、はい、幸せですね~、本当、幸せだね~、みたいな、会話が続くと、関西人はウッキ~っとなってしまう(私だけ?)。信州ってあんなええ人ばっかりなんやろか?
その点、今度のはええわ!ばんばん言いたいことを言って、泣いたりわめいたり。”おとん”もなんとなく頼りないくせに、根拠なくえらそうやし、あのちゃぶ台ひっくり返しそうな感じ、なんか懐かしいなあ。
昔は良かった!
NHKのドラマを見てると、そう思う事が多い今日この頃やわ~。
普段、関西弁で文章を書くのは苦手ですが、今日はそれっぽく書いてみました。以下は通常バージョン。
ところで、この「おひさま」のテーマソング。毎日毎日聞かされていたので、私も毎日のように口ずさんでいたのに、もう忘れてしまった。ゆっくりと記憶の糸をたどっても、今、出てくるのは新しい「カーネーション」のメロディばかり。恐るべき頭のリセット機能だわ。あまりに気持ちが悪いので、今 you tube で確認した。一応、すっきり。
そういえば昨日、県民の特性をあばく番組の再放送で「しょっぱい」と言う言葉がテーマになっていた。私のパートナーは関東の人。最初のころ、私が「からっ」と言うと、「辛くないよ、しょっぱいでしょ?」と冷静に訂正された。
「しょっぱいだと???」
関西の人間にとっては、「しょっぱい」って言葉は聞けばわかるけど、自ら使う言葉ではない。粉もんはきらいと来てるし、関西人はボキャブラリーが貧弱とも言っていたな、確か…。頭の固い彼のために、ここは私が100歩譲って、塩辛いときには「しょっぱい」と言ってやることにした。日仏にしても、東西にしても、異文化交流は違いを受け入れることから始まるとも思うわけで、譲り合いは大切かと(笑)。
今でも少し気を抜くと、「からっ」って言ってる私に気づくけど…。笑い重視の生活の中で、私は根っからの関西人…と、日々自覚を深めています。
22/08/2011
血の婚礼
面白い演出でした。
でも、この100分間、降り続く豪雨はどこへ?
循環式でしょうか?
7トンの水って書いてあるけど…。
ただ、この映像では気にならない雨の音も、現場ではかなりうるさくて、頑張っている役者さんの声が、ほとんど聞えないという難点が…。
私が10列目でこれだから、後ろの人たちは何を言ってるか、ぜんぜんわからなかったんじゃないかしら???
09/07/2011
さびおま
今年は例年にも増して観劇イヤー。2010年末からけっこう芝居づいているのだけど、2月には「ろくでなし啄木」「時計じかけのオレンジ」を観て、3月には「金閣寺」、4月は「国民の映画」「港町純情オセロ」。どれもはずれなく、すごい役者揃い、良い芝居に恵まれている。特に「国民の映画」は、さすがに三谷幸喜が自身の生誕50周年を祝うために力を注いだ作品だけあって、見応えがあった。
少し間が空いて、今週いよいよ私の夏の演劇祭がスタート。6日(水)の「淋しいのはお前だけじゃない」で幕を開け、9月までに大人計画の「サッドソング・フォー・アグリードーター」、新感線「髑髏城の七人」、「太陽に灼かれて」「血の婚礼」「クレージーハニー」の6作品が控えている。
さて、この「さびおま」、昔の人気TVドラマの舞台化らしい。今回もその程度の予備知識でやってきた。開演の10分くらい前に席について、舞台を見渡す。今回は前から7列目のほぼ左通路側。でも高さが十分にあって、全体をしっかりととらえられるので、端であることはまったく気にならない。
開演の5分前くらいに、真横の扉が開いて、入ってきたのはなんと主演の中村獅童。ビックリしたなあ〜。そのまま私の背後付近の空席に腰を下ろしてしまった。ち、近すぎる〜!最近、こういう、あらかじめ客席に役者を仕込む演出多いね。でも開演直前のざわついたホールでは誰も彼の存在に気づかない。隣のご夫婦が驚きながら握手を求めてたくらいで、他の人はまったくと言っていいほど気付かず…。直前に駆け込んできた初老の男性は、自分の座席につくために「すみません」と、彼の前を通過。まさか自分が声をかけて通路を空けさせたのが、今から観る芝居の主演俳優とは思わないよね。けっこうこの状況が面白くて、私はニヤニヤと気持ちの悪い顔をしてたに違いない。
そのうち彼の小道具の携帯電話がなり、それに応えるところから芝居は始まった。
肝心のお芝居は、もちろんよく出来ていたし、とても面白かった。連帯保証人として急に不本意な借金を背負わされた借金取りの男が、自分がこれまで取り立てをしていた人達と共に大衆演劇一座を立ち上げて、なんとかお金を工面しようと一致団結していく人情ドラマ。まさにthe 昭和な感じのストーリー。
夏の演劇祭の幕開けとしては素晴らしい作品で大満足。キャストもなかなかに豪華だったしね。
平岡祐太はTVで見ていて、アイドル俳優かと思っていたけど、けっこうちゃんと声も出てるし、背が高いので舞台映えもするし、演技もベテランに負けてなかったょ。ギターの腕前も披露!今後の彼にも期待したいわ。
大衆演劇の大スター、大川良太郎はやっぱりすごい迫力。毎日舞台に立っている人は違うというか…。役者の色気がムンムンで、彼のおっかけ(年齢層やや高し)が大量にやってきていた。宝塚ファンに匹敵するような殺気を感じるわ。おひねりが飛んだり、お札の輪っかが首にかけられたりしてたけど、あれは芝居の仕込みなのか、本物なのか…。いや、きっと本物だと思う。だって、芝居がはねたあと、カフェでお茶を飲んでいたら、彼のおっかけマダムが、ライバル達の行動を仲間に電話報告していたもの。あ〜、こんな世界が本当にあるのね…と、しばし感心しながら、聞き耳をたてていた。
もちろん主演の獅童さんも、さすが舞台役者(歌舞伎役者と言うべきか?)!初めて見たけど、彼の渾身の演技にはみんな惹きつけられていたと思う。なるほど、もてる男なわけね。
23/05/2011
belle continuation !
カンヌが終わって、ローラン・ギャロスが始まったフランスは、1年で一番良い季節を迎えた。今にでもフランスに飛んでいきたいところだけど、それは来年までおあずけ。そんな中、またアイスランドの火山が大噴火をおこしている。去年ほどではないにしても、忘れたころにまた…。そう言えば、去年の春の旅は、出発日ぎりぎりまで火山雲の影響を懸念していたんだった。日本の旅行業界も何かと大変なこのご時世だから、去年のような混乱は起きないでほしい。
ところで、カンヌ、主演男優賞を私の愛しの人、ジャン・デュジャルダンがとりました!あ~、嬉しい限りだけど、これで彼はますます大スターになること間違いなし、だろうな。
OSS117①でも共演した彼女と再共演。この美しいポスターからは想像できないコメディの白黒無声映画のようで、どんな作品か早く見たい。
FRANCE2の20hでジャーナリストが、順調なキャリア、今回の受賞、次はハリウッドですか?なんて下世話な質問。いやいや僕はここがいいし、フランスでまだまだやることがあるしね…、ハリウッドなんて考えてないよ。でもオファーがあったら pourquoi pas ... って…
え~、やっぱり興味はあるの???
ジャン、お前もか。ファン心理は複雑なのですょ。彼には英語なんて話してほしくないし、ハリウッドからのオファーになんて、目もくれてほしくない。これからも the フランス人でいてほしいわ。
19/02/2011
des nouvlelles
新年のあいさつもすまないうちに、もう2月の終わりが見えてきた。あいかわらず、恐るべき時間のスピードだ。年末の12月24日にフランスから帰国してからの私は、しばらく筋力が衰えた宇宙飛行士のように、自宅の床暖にへばりついて暮らしていた。フランスにいた3週間は、よく食べ、よく歩き、1週間あたり約60kmを踏破。そんな事が嘘のように家の中をうろうろするだけの日々。食欲だけは相変わらず落ちることなく、3年前のダイエットがむなしいほどにリバウンド中。年が明け10日ほどして、ようやく本格的社会復帰。今度はアドレナリンが出っぱなしみたいに歩いてみたり…。そんな日々がしばらく続き、今度はあり得ないくらい仕事が立て込んできて、また外出できない、夜中PCに向かいながら夜食にふける日々。あ~、よくないな。このムラ。
昨年はフランスでも日本でもそれほどまめに劇場に足を運ばなかった。それが年末からけっこう立て続けに芝居づいている。「ファントム」「ジャンヌ・ダルク」「ろくでなし啄木」「時計じかけのオレンジ」を観て、これから春までにに「金閣寺」「国民の映画」「港町純情オセロ」が控えている。今年は例年になく演劇イヤーになるかもね。久しぶりに小栗旬の舞台を見たけど、やっぱりあの人はこういうエキセントリックな役が一番似合ってる気がする。内容は映画に忠実なだけに、同様に不愉快、でも演出はかなり面白かった。それにしても時代が忘れかけていたこの作品をよく舞台化しようと思いついたものだ。アンソニー・バージェスが1962年に描いたこの世界は、その後、正確にトレースされて、現代に至っているのが怖い。ある意味、予言小説のよう。若い時に見て、なんだか分からなかったこの作品を、今回の舞台をきっかけに見直してみるのもいいかも。目を覆いたくなるほどの残酷さ、笑えるくらいポップな60-70年代のデザインワールド、そんなことくらいしか覚えてないのでね。
毎日、色々な事が起こって、なんで?とか、おかしいやろ!とかつぶやきながらもニュースやワイドショーだけは必ず見るようにしていた。でもニュース番組でとりあげるワイドショー的なトピックや、ワイドショーの右へ倣えな番組構成、そしてコメンテーターの発言には正直もううんざり。私ひとりが何をどう思ったって、世の中は悲しいかな、何一つ変わらない。考えれば、考えるほど、むなしさだけが残る今の日本。だから最近はフランスのニュース番組ばかり見てしまっている。
TVと言えば最近一番びっくり、というか笑ったのがNHKの「江」。信長に可愛がられた姪っ子「江」を上野樹里ちゃんが演じているのはご存知の通りだけど、本能寺の変が起こった時、彼女はなんと9歳。なんだかずいぶん子供っぽいな…、やっぱり「のだめ」が体から抜けないのか???なんて思ってたけど、9歳の役をあんな長身の彼女が演じていたとは…。かなり衝撃的だった。今後、江の成長と共に、彼女がどう変身していくか、楽しみ…なような、どこまで見続けられるかどうか…。豊川さんの信長と、市村さんの光秀、よかったもんな~。彼らを失った今、少しモチベーションが下がったのは確か。
一時の早寝早起き習慣がとうとう終わりを告げて、再び深夜族の私。深夜、仕事のストレスがたまってくると、ふと、こういうのを聞きたくなりますな。
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