南仏三昧 その① - 5月組編
2012年、今年のフランス滞在は思い切って2ヶ月間を予定。そのうちの3週間は大好きな南仏にあてることにした。私の中では年々南仏滞在の重要度が増していて、いつかパリ滞在を超えるのではないかと思う今日この頃…。
3つのグループと回る南仏プロヴァンス、そしてなかなか足の向かなかったコート・ダジュールでの12年ぶりの滞在。どんな旅になるのか…ワクワク、ドキドキ!まずは通称5月組との旅が始まる…。
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5月17日に始まった教室の皆さん(5月組)との研修旅行はパリ3泊目を経て、20日から南仏入りした。早朝のTGVに乗り、まずはリル・シュール・ラ・ソルグ (L'isle-sur-la-sorgue)の朝市へと向かう。そう、今日は日曜日なので有名なこの街の朝市を目指すのだ。
お天気はパリに引き続きイマイチ…、そして風も強い。みんなで買い食いをしながら、そぞろ歩きを楽しむものの、あまりの寒さになかなか南仏気分が高まらないず、カメラもほとんど出さずじまい。でもオリーブも、ソーシッソンもほんとおいしそう!テンションは上がらなくても食い気だけは衰えないので、今回も体重増加は必至だな…。
リル・シュール・ラ・ソルグはそれなりに大きな街。特にここの日曜市はとても有名で、通常の朝市+蚤の市となるので、街も含めて全部ゆっくり見ようと思ったら泊まりで来た方が良い。でも今回はお天気のせいか、みんなのテンションもなかなか上がらず、ショッピングモードにも火がつくことなく、お昼頃、次の場所ボニウ(Bonnieux)へ移動することにした。
でもここではとうとう大雨!今回はグループ内に相当な雨女がいる模様…。雨を避けるようにカフェに入りランチタイム。でも雨はなかなか止まず、高台の絶景ポイントにも一瞬しか留まれなかった。私はまた来るから…とそこに行くことすらせず、カフェの前で雨宿りをしながら皆を待っていたけど、寒いのなんのって!こうして1日目は、完全に雨にやられながら、今夜の宿泊地ゴルド(Gordes)に向かうことになった。
ゴルドでは2005年来ずっとお世話になっている le Mas de la Beaume へ。前回、病気で弱っていたウェンディもすっかり元気になって、いつもの素敵な笑顔で迎えてくれた。私のbleue、隣の Ocre、離れの Radassière、スイートの Pigeonnier と Félicie を順番に周り、素敵なお宿をみんなで堪能した。
雨はなかなか止まず小雨の降る中、予約しておいた le Clos de Gustave まで歩いて行く。お宿からは寄り道せずに徒歩20分くらいだろうか。お天気が良い時は楽しいこんなお散歩も、悪天候のもとでは、若干億劫。明日の table d'hôte が今夜だったら良かったのに…。
初めてこのレストランに来たときには、とても感動したお料理だったけど、最近はずいぶんボリュームが減った気がする。私以外の人は、みんなワンプレート+デザート盛り合わせのメニューにしたんだけど、見てる限り私には物足りない感じの量だった。幸い…と言うか、私はア・ラ・カルトで牛フィレのグリルを頼んだら、おまけにナスとローズマリーのグラタンとおいものピューレがついてきて、それもお肉が旨い!これで食欲に火がついて、みんなと同じデザートプレートまで食べてしまった。
帰宅後はフェリシーのお部屋でおしゃべりタイム。明日は晴れますように…。
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le 21 mai 2012
と、願って眠りについたものの、やはり起きてみれば雨?とにかく激しく曇っている。どよ~んとした気持ちで階下に降りていくと、幸せな朝食タイムが待っていた。
お天気の件は残念だけど、みんなでこの食卓を囲めることはやっぱり幸せだな、と思う瞬間。 今回の旅のメンバーは半分がすでに南仏に一緒に来たことのある人たち。そして半分が初めての人たち。何度来ても、初めてでも、このお宿はみんなを幸せにしてくれるよね。
今日の予定はのんびり。ゆっくり朝ごはんを頂いて、お昼ごろお宿にアレクサンドルが迎えに来てくれて、近くのセナンク修道院へ。最近はガイド付き見学が主で、以前のように簡単に内部見学できなくなったけど、それでも修道院の外観ととその前に広がるラヴェンダー畑(花が咲くのは夏だけど…)を見るだけでも価値があるし、ここの売店は質がいいので、観光名所の変なお土産物屋さんに行くよりよほど良い買い物ができる。それにここのお手洗いは清潔で広いです(フランスではこれ重要!)。
5月のラヴェンダー畑はまだ青々しているけど、7月に来るときには花が咲いているなんて…まだ少し信じられない感じです。
次に向かったのは、その清流で有名なフォンテーヌ・ドゥ・ヴォクリューズ(fontaine de vaucluse)。ここでも残念ながら雨に降られて、私は途中で雨宿り態勢に入る。でもここは初めての人ばかりなので「ぜひ一番奥まで歩いてみて」と見送った。川の流れにそって15分ほど歩いて行くと洞窟になっている泉にたどりつく。乾ききったリュベロンのイメージに反して、とても豊かな水量。面白いのは、専門家がいくら調べても、どこからこの水が来ているかわからないらしい。そしていつも水温は安定して18度。何かとミステリアスな水なのです。
カフェで少し休憩して、ラヴェンダー博物館に寄ってからゴルドへ。ゴルドは小さい村ながらもお買いものも楽しいところ。今までひいきにしていた雑貨屋さんの横に、さらに素敵な雑貨屋さん Provence Home Fashion が出来ていた。店内には欲しいものばかり。目の毒だ。だって今のところ私のスーツケースには1ミリの隙間もないので、買い物は7月にここに戻ってきた時にするしかない。私は夏用掛け布団のような「もの」…に目を奪われていた。在庫は2つらしい。今、支払いを済ませて7月に引き取ることも考えたけど、どう考えても持って帰れる大きさではない。
7月にまだここにあったら考えよう…。私も少しは大人になったでしょ?って事で村の☆☆☆☆☆ホテルでお茶をしてお宿に戻る。
そうそう、1年半前の冬にここで食事をしたとき、一緒にいたNHさんが気分が悪くなって、その時に親切にしてくれたサービスの男の子と再会。「on se connaît?」って覚えてくれてたみたいで、なんか嬉しいね。
今夜はお宿での table d'hôte。食べた後に歩いて帰らなくて良いのも嬉しいけど、ミゲルが作るお料理は素朴で美味しいので好き。みんなも喜んでくれるので、出来る限りここで食べられる日を選んで来ている。
出されるアペロはいつもの Muscat de Beaumes de Venise。甘いので、アルコールに弱い私でもするっと飲めちゃう危険なお酒、この地で作られる甘いワインです。今も食前酒としては愛されているけど、最近の世間の流行は何といってもキリリと冷えたプロヴァンス・ロゼらしい。
アミューズにカレー風味に焼かれたエビ。前菜にブルスケッタと冷製スープ。メインは豚肉のロースト、きのこ添え。デザートはチョコレートソースのかかった焼洋ナシ、アイスクリーム添え。
ゆっくりと時間をかけて頂く夕食は満腹感も尋常じゃありません。ゴルドでの幸せな時が過ぎていきます…。
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le 22 mai 2012
今日もお天気はいまいち。う~ん、そろそろ我慢も限界???ぜんぜん写真も撮ってないので少しストレスがたまってきた。やっぱり南仏らしい光に出合わないと、カメラを出す機会もぐっと減ってしまう。
ゆっくりと美味しい朝食とおしゃべりの時間を楽しんだ後、みんなは火曜日ゴルドの朝市へ。私は出発までの時間をのんびりとお部屋で過ごした。
お昼、12時にはアレクサンドルが奥さんと一緒に登場。今日ムスティエ・サント・マリー(Moustiers Sainte-Marie)に向かう私たちだけど、明日は車を頼んでなかったので、彼も久しぶりの休日をそこで奥さんと一緒に過ごすらしい。
今日のメイン・イベントはマノスク(Manosque)にあるL'OCCITANE の工場見学。でも15時にしか空きがなく、けっこうそれまで時間がある…って事で急きょ最も美しい村にも選ばれているルールマラン(Lourmarin)とキュキュロン(Cucuron)に立ち寄ることになった。今日はアレクサンドル完全にアウェイ。マニュ(奥さん)も一緒になって、お買いものに励む女性陣です。
工場に着いたころ、ようやく青い空が出てきた。なんだか日本を出てから久しぶりに見たような気がする、こんな青空!ようやく晴れたのに、残念ながら(?)私たちは工場の中へ吸収…。メーカーの歴史や原料や商品の説明を受けて、生産ラインなどを見学。1時間のvisite 終了時には、なぜか買う気満々に洗脳されてます(笑)。
今や日本でも大人気のメーカーL'OCCITANE。最初は創設者がローズマリーを原料に作った商品を地元のマルシェで売っていた…という逸話もびっくりだけど、飛ぶ鳥を落とす勢いで世界中に拡大している企業力にもびっくり!今も増築中の工場の隣には、フランス最大級のブティックが併設されていて、10%オフのチケットをもらったので、みんなまたまたショッピング。私は個人的にイモーテルとアンジェリックのアンチエイジング商品に興味津々!もちろん買っちゃいましたが、販売のお姉さんが言うには、私に必要なのはアンチエイジングのケアよりも水分補給だそうだ。完全に乾ききっています!と念押しされて、手渡されてた、欲しくないものも買っちまいました(汗)。ここでラヴェンダー・エッセンスの入った手ピカジェルみたいな製品も見つけて、お~!フランス(の衛生観念)もここまで来たか…と妙な感心をしてしまった。
見学にショッピング…、時間はどんどん過ぎていくので、行きたかったヴェルドン峡谷はとても時間が足りず、また次の機会に持越し。そして以前から行きたかったムスティエ・サント・マリーを目指す。1時間ほどのドライブの間に、空模様はまたあやしくなっていった。
お宿は村内の La Bastide du Paradou を予約しておいた。なかなか便利な場所にあって、インテリアはごく普通だけど、何よりお部屋が広い!今夜はこの広さがなんとなく寒い感じ。エアコンのリモコンはグループに1つという謎な面も多いこのお宿。合格点だけど、お値段もそこそこするので当然かな、という程度。次来るときは別のお宿を試してみたいかな。
夕食に予約しておいた la Treille Muscate は村のど真ん中にある2つのレストランのうちの1つだった。メールで予約した感触もよかったし、何よりも満員だった!人気があるんだね~。お料理も3品で29ユーロとリーズナブルだし、お料理も洗練されていて美味しい。サービスもよかったし、大満足のディナー・タイムでした。
食後、お宿までの道のりの一部が、なんと真っ暗!みんなで携帯の電源を入れて、足元を照らして帰ると言うハプニング付(笑)。
明日こそは晴れるんでしょうか…。
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今日は車も頼まず、ゆっくりとムスティエを堪能する日。まずはアラフォー組でのんびりと朝ごはんを頂く。ゴルドには負けるけど、朝ごはんの雰囲気もなかなかです。でもこのお宿、決して悪くはないのに、何かが変。レセプションを担当しているオヤジの笑い方も気になるし(笑)。
ともかく、今日は晴れたと言っていいんだろうか…。笑い方は変でも親切そうなオヤジのすすめにしたがって、まずは集落の周辺を1周してみることにした。約束の時間に降りていくと、いきなりみんなUV対策モードに入っていた。みんな太陽光線には敏感!
ムスティエ・サント・マリーはプロヴァンスとコート・ダジュールの中間に位置する上、山深い、鉄道網からも離れた位置にあるので、長い間来たいと思いつつ来れずにいた場所だった。もともと人気のある観光名所ではあったけど、アラン・デュカスがここにホテル・レストランLa Bastide de Moustiers をオープンしたので、その名がさらに知られるようになったのではないだろうか。私もできればそこに泊まりたかったけど、やっぱりちょっと高すぎて断念。もうちょっと大人になったら、ぜひ今度はそこに泊まってみたいわ。
こんな道をてくてく歩いて行くとやがて村全体が見えてくる。のんびり歩いても1時間かからないこのお手軽お散歩コースは、オヤジが言っていた通り、本当におすすめ。すれ違う人は誰もなく、まさに私たちだけのムスティエだった。
今日は太陽が出てるので、気温もぐんぐん上昇。暑くて、途中でヒートテックを脱がなくてはならないほど。観光客の人たちも太陽には敏感に反応している。今日はノースリーブ、短パン、みたいな人ばかりだ。
村に辿り着いた後は、みんなそれぞれにショッピングを楽しむ。私はここの有名なムスティエ焼きが欲しかったので、ショップの親切なおじいさんに色々と教えてもらいながら、大きめのお皿を買い求めた。母と私に1枚ずつ。ムスティエ・ブルーが素敵です。何をのせればお料理とお皿が栄えるだろうか?
今はスペインで焼かれている安物もたくさん売られているようだけど、誰が見ても本物と偽物は区別がつくくらいに、本物は繊細で軽い。陶器なのに信じられないくらいに軽い。そして裏を見れば、目跡は3つ。これも本物の証しらしいです。
ちょっと小腹が減ったので、開いているお店で休憩、3時のおやつ。その際、話題に上がったマンタロ~(万太郎みたいだけど menthe à l'eau) を試す勇気ある姉さんたち…。本当に「万太郎」と言って通じるのか試してみたかっただけ???でもJoはおいしいって。Mちゃんは1.5ユーロなら許せるって感じらしい。しかし氷の入ってない水道水で割ったミントシロップって、どう考えてもおいしくないやろ???
その後、ますます気温が上昇する中、私たちは岩山にアタック。途中にあるノートルダム・ドゥ・ボーヴォワール礼拝堂を目指す。坂道は急で、階段になってる部分もあるけど、長年みんなに踏みしめられてきたせいか、石の表面がつるつる。滑るんです~!足元が悪いから、慎重に歩くせいで疲労も倍増。暑さのせいもあって、礼拝堂にたどりつく前に、心臓が止まるかと思いました(笑)。でも上に登らないと、この絶景は見られないので、頑張った甲斐があるってものだ。と、言う事で、今日2回目のお散歩は往復約3キロのなかなかハードなコースだった。
ちょうど下に降りてきたころ、雷もなり始めて、小雨が降ってきた。いいタイミングで降りてこれて本当に良かった~!
今夜のレストランは、私の予約メールに返事をよこさなかったお店 les Santons 。昨日のレストランと隣り合わせだ。村には目立つレストランはこの2軒しかなくて、その上今夜は隣のお店はお休みなので、こちらに行くしかない。でもサービスの女の子は感じもよくて、私たちに雨の当たらない、見晴らしの良いテラス席を用意してくれた。確かに注文を取りに来たオーナーらしき男性は、愛想も良くなかったけど、お料理も悪くなかったし、ロケーションも良いし、私は満足。
前菜にはガンバスの入ったクミン風味のさつまいものスープ。メインはカモのマグレ(ただはちみつのソースは私には甘すぎたけど)+コリアンダー風味のお野菜添え。デザートはクレーム・ブリュレ。
人手が足りないのか、サービスのタイミングはけっこうゆっくり。でも私たちは泣くくらいに大笑いしながら、待ってたので退屈時間まったくなし。時々、他のフランス人の人たちも、何がそんなにおかしいのか???って感じで私たちを見ていたので、ちょっと恥ずかしかったけどね…。
途中、アレクサンドルとマニュが入ってきて、私たちの近くの席に座ったので、びっくり。でも実は昨日のレストランにもいたらしく、激しく笑い続ける私たちを面白く観察していたそうな。確かに2軒しかないレストランだものね、会うか。久しぶりに子供抜きの2人のデート、楽しんだかな。
今夜は三日月がきれいです。
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最初の予定では、ムスティエからディーニュ(Digne)まで車で出て、そこからプロヴァンス鉄道に乗って、ニース(Nice)まで出る予定だった。それが残念な事に、鉄道は一部路線の工事中。全員が大きな荷物を持っての移動なので、面倒くさいことは避けることにして、エクス・アン・プロヴァンス(Aix-en-Provence)からTGVでニースに入ることになった。軽い鉄子(単に空の旅が嫌いなだけ)としてはぜひ一度乗ってみたい列車だけど、またこれも持越し。それはいつかここにまた戻ってこれるって事だね、きっと。
カンヌ(Cannes)を通過するころ、車窓の外は海、そして砂浜、そして水着で寝っころがる人達…異常に近い!こんなそばをTGVが走るってなんか面白い風景ね。写真は全部失敗だったけど…。
今回のニースのホテルを取るのは本当に大変だった。と言うのもこのシーズン、カンヌ映画祭があり、この週末はさらにモナコでF1が行われる。大きなイベントが2つも重なるため、部屋も不足しているうえ、料金は軒並み2倍!なんとかメインストリート、ジャン・メドゥサン大通りからもそれほど遠くない Hotel Lepante に部屋を押さえたけど、もう2度とこの時期には来ない!
苦労してとったこのホテルは、ちょっと古びた感じで、スタッフも若干ルーズだけど、本格的なアール・ヌーヴォーの建築って所は、少し気に入ってる。私の部屋には小さなテラスもあるしね。
ホテルのチェックインを済ませて荷物から解放された私たちは、さっそくお散歩に出発。さっき降り始めた小雨も止み、太陽が出て暑くなってきた!途中、アイスクリームを食べながら、旧市街のそばにある展望台を目指す。12年前にニースに来たときには、こんな展望台があることすら知らなかったけど、以前テレビ番組で見て、今度ニースに行く機会があれば、ぜひ上ってみようと思っていた所だった。
階段でも登れるらしいけど、私たちはエレベーターの怠け者コース。このエレベーター、動いている事をまったく感じさせないし、昇っている感覚がまったくないある意味優れもの(笑)そして恐ろしく遅い!!!でもエレベーターの扉が開くと、絶景ポイントはすぐそこ。らくちんです。
↑新しい一眼レフではこんな機能がついているので、ニースの街をジオラマ風に撮ってみた。なかなか面白い効果!クリックして大きくして見てください。
高台を降りたらもう夕食の時間。行ってみたかったお店は残念ながら小さくて満員(人気ありすぎ)。ガイドブックに載っていた良さ気なお店はなくなっていた。小さな村なら迷うほど選択肢もないけど、ここは大都市。レストランが多すぎて逆に選ぶのに迷ってしまう。おなかも減っていたので、サント・レパラット大聖堂近くで適当に選んで入ったお店は Le Bouchon Provençal。観光客しか利用しなさそうなお店が連なってる界隈。すごく美味しいわけじゃなかったけど、安いしすぐに食べれたし許せる感じのお店でしょうか(笑)。向かいのchez juliette はとても混んでいて、実はこちらに興味があったんだけど、メニューはどこもみんな同じような感じだった。
食後、マセナ広場を通りながら、ホテルに戻る。12年前にはいなかったと思われる気持ちの悪い光の彫刻(とでも言うのでしょうか?)が、広場にたくさん作られていた。時間とともに色が変わるという代物。しばらく眺めていても、なぜこんなものを作ったのか、ニース市のセンス、理解に苦しむ…。
ニースの街自体はどちらかと言うと嫌いな街。でも今回はニース周辺の美しい集落を巡るために思い切ってこちらまで足を延ばしてみた。私は今日から5泊。みんなは旅も終盤。寂しいなあ…。
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いよいよ5月組のみんなとの最終日。まずはニースの郊外、サン・ジャンカップ・フェラ(St-Jean-Cap-Ferrat)、超高級住宅地にあるロスチルド邸を見学。絵画はあまり興味がないけど、こういうお宅拝見は大好き!豪華な調度品、膨大なコレクション、優雅で広大な庭園、いいねえ~、とても非現実的!
お茶やランチが頂けるサロンもあった。時間がたっぷりあれば、お茶でもしながら、おしゃべりを楽しみたいところだけど、次は憧れのエズ(Eze)を目指すよ!
実は、私がまだフランスに留学する前に読んだ南仏の高級ホテルをまとめた本の中で、一番惹きつけられたのは、ここエズにある la Chèvre d'Or だった。特に美しい地中海を見下ろすテラスの写真が印象に残っていて、いつかぜひここに行きたいと長年温めていた小さな夢の1つだったのだ。
村の入り口にある老舗の香水屋さん GALIMARDでお買い物をした後、断崖の上にある憧れのテラスに到着。今日はお天気にも恵まれて、何とも贅沢な眺め!みんなも今回の旅、最大級の歓声を上げていた!もちろん私も!!!
このホテルの本格的なレストランは、ミシュランでも星を取っているし、私にはホイホイと行ける感じのところじゃないけど、嬉しい事にカフェ部門でも軽食が頂けるのだ。おかげで私たちは、こんな海を見下しながら(↑)、ランチ・タイムとあいなりました~。
私が頼んだのは、このデギュスタシオン。色々小皿もついて、子羊料理もあり40ユーロ。美味しい上にこの絶景料込みだから、どちらかと言うと安いくらいじゃないだろうか。
姉さんたちもここをひどく気に入ったみたいで、今度は泊まりに来たいそうだ。こういう所には優雅にのんびり来たいから、それは2人が定年退職するときやろうか?それはあまりにも遅すぎるから、それまでにまた来ようね。
名残惜しいけど、ニースに帰らなければならない。まだみんなモノプリで買い物もしたいし、夜はレストランを予約していた。1時間に1本程度しかない路線バスを待っていたら、まただんだん雲行きが怪しくなってきた。ぽつぽつ雨も降ってきたころ、到着したバスはもうすでに満員。私たちはとても乗れそうもないし、ここで1時間、次のバスを待っても乗れるかどうかわからないなら、またタクシーで帰るか…と、さっきのホテルにタクシーを呼んでもらうことにした。
バス乗り場に戻ったら、MちゃんとJoの姉さん2名だけ。どうやらさすがにフランスも繁忙期はバスの数を増やすらしく、すぐに次のバスが来たそうだ。で、若者4名はそれで帰ってもらって、私たち3名は優雅にタクシーでニースのホテルまで帰ったのだった。それにしても、次のバスがすぐ来るなら、どっかにそう書いておいて欲しいわ~。座れなかったらしんどいけど、1ユーロの路線バスはやっぱりちょっと魅力的。ちなみにタクシーは渋滞にひっかかったせいもあり70ユーロくらいかかった…。
今夜、5月組との最後の晩餐はニースで名を挙げた日本人シェフ Keisuke Matsushima のレストランで。メンバーのHちゃん(お料理の先生)曰く、旅行中で一番おいしかった、との事。さすがにミシュランで星を取った男です。もちろん私もおいしかったけど、一番インパクトに残ったのは→でしょうか。メニューの表紙。(この写真はマスオちゃんから頂戴しました)
帰り際に、サービスの男性から、私たちの料理に対する反応でお褒めの言葉を頂いた。料理が供されるたびに、私たちが喜びの歓声を上げるのが気に入ったらしい…。へへへ、最近の日本人は感情表現が豊かなのですょ。
食後、お祭り騒ぎのようなニースの街をホテルまで歩きながら帰る。旅の終わりはいつも寂しい。私はここに残るけど、みんなとの楽しい時間はいったん終了。天気が悪かったことも忘れて、楽しい思い出だけだ心に残ります…。
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日付が変わって出発の日。夜遅くにホテルに戻り、みんなには荷造りの仕事が待っているし、私にはタクシー手配の仕事が残っている。前にも書いたけど、ニースはカンヌ映画祭とF1の影響でタクシーも不足しているのだ。朝の5時にみんなはニースの空港に向かうけど、ここのレセプションは夜中閉まっているし、タクシーは翌日の予約を取らないと言い張るので、自分で手配するしかない。昨日エズに行くときに利用したタクシーの運転手さんはとっても良い人だったので予定を聞いてみたところ、今はなんとも言えないので朝の4時半に電話をしてくれ、との事。とにかくこの運転手さんは朝の4時半までは確実に寝ないで映画祭の送迎の仕事をしているので、絶対に電話には出てくれるらしい。もし自分が来れるようなら来るし、もし来れないようなら絶対に誰か別の同僚をよこしてくれると約束してくれた。だから信頼するしかない。後は、私が寝過ごさないで4時半に電話をするだけ…。
MちゃんとJoの部屋でうたた寝をしながら、ちゃんと4時半に運転手さんに電話をかけて、またあの優しそうな運転手さんが来てくれて、無事にみんなを見送った午前5時。なんだか慌ただしいお見送りの時だった。独り残されるのはいつも、すごく寂しい…。
この風景からスタートした今回の5月組、9泊11日の旅(南仏は6泊)。みんな楽しんでくれたかな。さあ、今から少し眠って、今日は洗濯に行かなくちゃ!明日には2つ目のグループがやってくる…。
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