空からの贈り物
今日も朝1シネマに乗り遅れてしまった。見たい映画がたくさんかかってるのに、もうあまり見れそうにない。って事で、向かう方角を変えて、この週末 Les Mauvaises Graines(25 rue Custine 18e)と言う素敵なアーバン・ガーデニングのお店で行われている Jaccoちゃんの vente privée を訪問。お知らせをもらってから、ぜひ行かねば!と楽しみにしていたのだ。私たちの再会については6月16日の記事でも触れた通り。
その時に聞いていたアクセサリー・ブランド Jacco の立ち上げもいよいよ本格始動。公式サイトもオープンして、これからますます活躍が期待できそうな彼女です。その記念すべきファースト・コレクションが並べられた店内では、彼女の友人たちの別のコレクション(お洋服と靴)も同時に販売されていた。店内の非日常的な空間とマッチしてとても、どこもこれも素敵!
2人で店番をしながら(?)、一緒にお昼のお弁当を食べながら、おしゃべり、おしゃべり。初めて会った時から思ってたんだけど、彼女は無国籍な魅力を持ちながら、どっぷり the 昭和っぽい価値観も持ってたりする(私よりずいぶん若いのにね)。なんにでも、どこにでも、すんなりと pénétrer できるしなやかさを持ちながら、クリエーターとしては一流のこだわり。そのあたりが私には興味深いし、これからも楽しみに見続けていきたい人です。Jaccoちゃん、楽しい時間をありがとう。また今度、パリか日本で会いましょう。
その後、寒空の下、どこに行こうか…と思いつつ乗ったバスが、近くのジュール・ジョフランから出ている80番のバス。小さな雪が降る景色を眺めながら「そうだ!こんな寒い日は美術館へ行こう!(それも無料の…笑)」と思いつき、モンテーニュ大通りで下車。プチ・パレへと急ぐ。ここは贅沢すぎる無料空間。今日のような週末、悪天候が重なる日は、美術館めぐりにもってこいの日なので、本当ならば一番避けたい日(人が多いから)だけど、クリスマスを控えた最終土曜日の今日は、もうどこに行っても人混みを避ける事は出来ないだろう。
入ってすぐのホールで夢のような大空間に見惚れながら、写真を撮っていた。いつ来ても感動せずにはいられない1900年の美感覚。すると受付の男性が私の方に駆け寄ってきた。「やばい、写真禁止だっけ?」と思ったら「フランス語わかりますか?」「(やっぱり怒られるのかな…と、思いつつ)はい」「この美術館は無料でご覧いただけますから、ぜひ展示を見て行ってください」「はい、それは知ってますが、特別展は有料でしょう?」「あ、特別展もご覧になりたいですか?それならそのチケットも差し上げます」「???(なぜだ???)」受付カウンターまでついて行くと「はい、これで特別展も入れますから。bonne visite!」
なんだか狐につままれたような気分で Giuseppe De Nittis の特別展を観る。日本ではほとんど知られていないこのイタリア人画家、38歳と言う若さで異国(フランス)で亡くなった彼の回顧展を見れた事は、それだけでもラッキーかも。ドガと交流があったせいか、時代的なものか、作風が少し似ている。作品の中には、ジャポニスムの影響なども見られて面白かった。 通常料金10ユーロなり。なぜかわからないけど、この突然のプレゼント、十分に堪能させて頂きました。以下おすそわけの映像。
空いていたら、お天気の良い平日の午後、ここのカフェはとても居心地が良い。でも今日はあいにく時間が遅すぎて、もう閉店。まあ、開いてたとしても今日みたいな日は混んでて落ち着かないだろうけど…。
閉館時間まで常設展などもゆっくりと見させてもらって、18時にここを出発。外に出ると雪はますますひどくなっていた。大きな羽がふわりと下りてくるような雪が、ひっきりなしに降っている。ここからシャンゼリゼ大通りに出て、コンコルドまでの間、クリスマス市をのぞきながら歩いてみるけど、欲しいものは何もない。街の中の電光掲示板が示す気温はなんと-6℃。ここらへんは舗装されてなくて足元も悪く、靴はどろどろになるし、人が多くて歩きづらいし、だんだんまた機嫌が悪くなってきた(天候に非常に左右されやすい私…)。早く暖かいカフェで腰をおろしたい…。考える事はそれだけだった。
でも実は、今のパリ、そんな簡単な事がとても難しくなっている。日本だと、どの時間でも遠慮なくお茶だけを楽しめるカフェ、喫茶店、などが独立してふんだんにあるのでそんな問題は皆無。でもパリの繁華街にあるカフェと言うのは半レストランのように機能しているので、夕食の時間が近づくと、そのためのセッティングをし始めて、お茶だけのお客は隅に追いやられることになる。飲み客もOKはOKなんだけど、心地良い席は与えられない。今なら例えば外のテラス席とかね。こんな寒い日にいくら暖房があるったって、私はテラス席は嫌だ。人々の生活が根付いている所では、ちゃんといつでも飲めるカフェがあるけど(おやじカフェとか…)、最近本当に少ないね~。特にこの辺り、コンコルド~マドレーヌ界隈は私もぜんぜん馴染みの店がないので、もうお手上げだった。
ようやく店内で人が座って飲んでる姿が見えたので、それに引き寄せられるように入店…。カウンターのおやじに「コーヒー飲みたいんだけど、奥良い?」と聞くと「どうぞ!」と言う。なのに奥を仕切ってるギャルソンには食事をしないなら、あちらに行けと、それも英語で言われる始末。ちょ~むかつく客あしらいだけど、服もかばんもボトボト、靴もパンツの裾もドロドロ、なんかぬれてしまったカメラも気になってたし、そこはぐっとこらえて店の入口付近に腰かけた。あ~、本当に疲れたわ~。
しばらくすると隣にいたご夫婦が口論?よく聞いてみると旦那様の方が、エスプレッソの値段に対して随分ご立腹。も1つ向こうのテーブルの女性まで巻き込んで「エスプレッソ1杯だよ、あり得ない、こんな値段!」と騒ぎ出した。カフェでいちいち注文前に値段を見る事はないけど、なんだかふと私のカフェ・クレームはいくらだろう???と不安になった。すごいぼったくりカフェなのか???
私のカフェ・クレームは結局5ユーロ。ま、そこそこするけど、今のパリでは仕方ない値段だろうか…。きっと田舎から出てきたご夫婦なんだろうな。パリは田舎の2倍はするだろうし、それにマドレーヌ界隈と言ったらやっぱり何でも高い。少し気の毒になったけど、カフェの人たちは気にかける様子もない。「ちゃんと書いてある通りの値段だろ?」と。ま、確かにそうだ。
そうこうしてるうちにマガリから「用事がすんだ」と電話。今夜は一緒に評判のビストロ Paul Bert(18 rue Paul Bert 11e)に夕食に行くのだ。数日前に予約の電話をしたけどやっぱり予約できたのは遅い回、21時半から。う~、腹へった。マガリとレストラン近くのバーで少しシャルクトリーをつまみながら、腹へりを我慢。マガリ曰く今一番いけてる界隈は北マレ~サンマルタン運河周辺、10年前はオベールカンフ辺り、そしてこの辺りって言うのは20年前に良かった所らしい。確かに今はあまり活気がない。でも店内に入るとすごい良い雰囲気!確かに人気がある様子がすぐに見てとれた。
シンプルな料理に良い食材。きびきびした無駄のないサービスにユーモアのセンス。これこそ、まさに旨食と笑を求めるマガリと私向けのお店。2人とも大いに気に入りました!さすが名店と言われるだけの事はある。今日の私はテーマ”肉”で参ります。前菜はうさぎのパテ、ピクスル付、メインは牛(entrecôte)のグリル、山盛りフリット付(別皿)。見て~!この肉、300~400gくらいはありそう。マガリはここで、elle cale! 私はせっかくですのでデザートに突中。リンゴタルトをお願いします!少し時間かかりますけど良いですか?のお断りに、期待も膨らむ。
早く持って来ないとお腹の隙間が埋まってしまって食べれなくなるよ~などと言いながら、待つ事15分くらい???見た目も味も軽やかなタルトで、ぜんぜん問題なくするりと完食です。待ってる間に何度も私の目の前を通過していった、ビッグなパリ‐ブレストにも興味津々です。
なかなかこの界隈に来る事はないので、ここで食べる!と言う気合が必要だけど、わざわざやってくるだけの価値はあるかも…とマガリと再訪を誓う。パンも美味しいし、おすすめの1店です。
今夜も重いお腹をかかえて…遠い我が家に帰ります。おやすみなさい。
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