再会
今回あてがわれた我が家ですが…、週末は日中も暖房がきかない…と言う事が判明。先週のちょうど日曜日、お昼過ぎに荷物を運び込み、引っ越し完了。その後すぐに家を出て戻ったのは夜遅く、夜だから暖房が消えているのだと思っていた。私の買った小さなファンヒーターは2000Wだから威力は抜群。だけどドライヤーをつけているようなものなので、うるさいし、1日中つけっぱなしにしておけるようなものではない。そこで昨日スタッフの方に連絡をすると、今日14時過ぎにオイルヒーターを持ってきてくれる事になった。
それまでに近所に買い出しに行ったりお昼を食べたりしながら時間を過ごす。このテルヌという界隈は決して嫌いではない。前にも書いたけど、留学時代に街歩きをした上で作った住んでみたい場所リストの1つに入っていたくらいだ。ブルジョアな界隈ではあるけれど、ヴィラージュと呼ばれる少し田舎くさい雰囲気の商店街があったり、生活にはとても便利だし、安全だし、良いお店もたくさんある。私が観光客でなければ、このエリアだけで十分幸せに暮らしていける要素があるんだけど…。でもやっぱどこに行くにも遠い。私はシャンゼリゼには用はないからな~。
物件担当のOさん、今日は日本人の旦那さまと登場。オイルヒーターは少し思ってるより小さかったけど、私のと併用すれば、この寒波でもなんとか生きていけそうだ。物件に不満はあるけれど、Oさんの親切には本当感謝している。
今日は夜1つRDVが入っているけど、それまでなんとなく中途半端な時間。そうだ!こんな時には映画館!って事で、さっそくバスに飛び乗った。今日は公開されたばかりのオドレイ・トトゥとナタリー・バイの新作「de Vrais Mensonges」を選ぶ。ピエール・サルヴァドーリ監督のコメディだ。彼らしい、そこそこ笑える罪のない作品です。色んな映画でちょこちょこ見かけるサミ・ボゥアジラ(発音は?)、彼が良い味出していた。
今日のメイン・イベントは前回の滞在で知り合ったSさんとの再会。彼女はワーホリの期限を迎え、パリを去る準備の真っ最中だった。忙しい所、時間を作ってくれて2人で行ったのは、やっぱり les Cocottes(135 rue St-Dominique 7e)。ここは彼女が1年近く働いていたお店で、6月に私たちが出会った場所。何と言っても思い出の場所である。
ここドミニク通りは、2002年に1本上のユニヴェルシテ通りに滞在して気に行った所。何と言ってもエッフェル塔がどど~んと贅沢に拝める。私はエッフェル塔信奉者ではないのだけど、ここから見えるエッフェル塔は、仰々しくなく、生活の中にすぅ~っと入ってくる見え方が好きだ。それに色々なお店が揃っていて生活もしやすい。ただ当時は、論文の提出でほとんど時間がなかったし、お金も節約モードで、こんなにおいしいお店が揃っているなんて知る由もなかった。
今やこの通りには、les Cocottes のオーナーであるコンスタン氏の第1号店 le Violon d'Ingres を始め、彼のお店は全4店舗あり、メディアでは良くコンスタン通りなんて呼ばれたりもしているようだ。
さて今夜は何を食べたかと言うと、前菜にはラングスティンのラヴィオリが入ったスープ。苦手なフヌイユが入ってると書いてあったので少し躊躇したけれど、今夜は甲殻類の濃厚なやつが食べたかった。出てくると恐怖の泡!でも泡々もフヌイユも気にならない程に旨みたっぷり。大正解です。メインは鶏肉のフリカセ。お米がホワイトソースと絡まっておいしい!デザートはここの名物タルト・オ・ショコラにするかめちゃくちゃ悩んだあげく、やっぱり少しさっぱりした味を求めてワッフルにした。なのに、なんとなんと!その後に厨房から差し入れ。食べ過ぎやんか~!と嬉しい悲鳴。
デザートのあとエスプレッソも頂き、さてお勘定の時。なんとなんと!!!届いたのは白紙の請求書。シェフもマネージャーJもなんて粋なことをするんだろう。これは2人からのSさんへの思いなんだろうな。一生懸命、働いてきた彼女へのプレゼント。私までお相伴にあずかって申し訳ない気もしたのだけど、Sさん、スタッフの皆さん、どうもありがとう。ごちそうさまでした!
でも今夜は私も少しだけお店の役に立てたかも…。食事の途中、店内でつながっているお隣のle Violon d'Ingres からサービスの男性がやってきて「S、英語もフランス語も分からない日本人のお客様がいるので手伝ってくれないか?」と言う。Sさんから差し出されて私、嬉しそうに出稼ぎに出ました。サービスの人の言葉を訳して、メニュー選びのお手伝い。なんか楽しかったな~。
Sさんとの再会は、またまた前向きな彼女からパワーをもらえて楽しいひと時だった。フランスに熱狂的にほれ込んで来たわけではない彼女だけど、その冷静な目でフランスを観察し続けた1年は、結論として彼女の人生にとってかけがえのない宝物になったみたいだ。フランスもそう、彼女にとって大切な場所になったみたい。毎日お店に出て、お客様と接し、スタッフと親交を深め、私が知らないフランス生活の側面をたくさん経験した彼女の話は、なんとも聞きごたえがある。楽しい時間をありがとうね、Sさん。これからフランスを出てしばらく旅をしながら日本に戻るそうだ。今度は2012年にパリで会いましょう!なんて、がっちり握手をして再会を誓った。もしかすると旅好きの彼女は、それまでに大阪に来てくれるかもしれないけど、パリでの再会もぜひ実現させましょうね。bon voyage, Sさん!
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