南仏プロヴァンスの12月 その1
記念すべき10回目のリュベロン、大好きなのは春の旅だけど、今回初めての12月。去年は真冬に30センチも雪が積もったと聞いてたのでちょっと恐れながらの訪問だったけど、なんの、なんの、12月でもやっぱりちゃんと太陽が私達を迎えてくれた。(天気が悪そうな写真は色調をいじっています)
いつものように早朝のTGVに乗り込みリヨン駅を出発。予定では10h24にアヴィニヨン駅に到着予定だったけど、途中列車が止まってしまい結局1時間半ほど遅れて到着。昨日に引き続き、乗り物の難?原因は前のTGVが故障して立ち往生していたため。まあついてないけど、私達の列車じゃなくて良かった。
実は今回、残念なお知らせが続々と届いていた。私がいつもお世話になっているゴルド村のお宿 マ・ドゥ・ラ・ボーム(Mas de la Beaume) のオーナー、ウェンディが体調を崩し、急遽検査入院をすることになったのだ。だから私達の到着時にお迎えが出来ない&だんな様だけでは大変なので木曜日の夜の ターブル・ドット(table d'hote お宿で夕食を出すこと)が出来なくなった…と。そして、いつも車での移動でお世話になっているアレックスは泊りがけの大きな仕事が入ったために、すでによそに行っていて、私達を駅で迎えてくれるのは5月にも来てくれたファブリス君らしい。大切な2人をみんなに紹介できないは本当に残念だけど、どちらも仕方のない理由。アレックスの場合は基本的には1人で仕事をしていて、仕事が重なった時に人を雇うわけだけど、大きなイベントの仕事は絶対に受けなければならないし、泊まりになるような長時間の仕事は、人を雇うと支払う分も多くなるから自分で行くしかないのだと前から言っていた。私も自営業の端くれなので、そういう事情はよくわかる。ただでさえお友達料金でサービスしてもらっているので、無理は言えません。でも私がパリに戻る最終日は家に戻れるので、どこか案内してくれるそうな…、それは嬉しい話だけど…。
とにかく始まった今回のプロヴァンス。一緒に来たみんなと楽しめたらそれで良い。
最初に散策したアヴィニョンでは街の中心地、オルロージュ広場に大きなクリスマス・マーケットが出ていた。ここで気になっていた Provence Lavandes を奮発。プロヴァンスの伝統で母親が嫁ぐ娘に手作りして贈っていたという素敵なデコレーション。編みこむリボンの価値で随分値段が違う。ラヴァンダンの花の部分を内に折り込んだマラカスのような形が基本形。香りが弱くなれば、丸い部分をパフパフっと押してやれば良いそうだ。香りがまったくなくなってもエッセンスをたらせばまた復活。半永久的に使える香りの置物です。
アヴィニヨンは南仏でもかなり大きな都市。それが驚いたことに、教皇庁(Palais des Papes)の前の広場に人っ子一人いない!シーズン初頭の4月でさえ、ここには人があふれているのに。まるでこの世の終わりのよう。私達6人の貸切状態だ。ある意味とても贅沢な空間。アヴィニヨンでこれだったら村々は店も開いてないのだろう。浪費しなくてすむけど(笑)
案の定、次に訪れたルシヨンは街の中心にある薬局以外、全部店を閉じていた。そんな中唯一開いていたのは、私がいつも立ち寄る雑貨店。可愛いお姉さんと少し話をしながら、いつものラヴェンダーの香りの缶詰をお土産に買い求めた。お店が閉まっていても、景色の素晴らしさは変わらない。初めてリュベロンにやってきたみんなは、あちらこちらで感嘆の声を上げていた。
今日はダウンコートも要らない奇跡的な16℃。そして快晴。フォトジェニックな村のあちらこちらを心行くまで散策して、次のラヴェンダー美術館(Musée de la Lavande)へ。日が暮れる前にお宿に到着したかった私達は1時間は少なくともかかると言われた見学はやめにして、ブティック内でラヴェンダーのミニミニ講座を受ける。その後はお待ちかねのショッピングです!ここには欲しくなるものばかりが並んでいる。これから1年以上はここに来られないので、私もその間楽しめるようにたくさん商品を買い込んだ。
なんとか日が沈む前にゴルドに到着。お宿の手前にある絶景ポイントで1日目のゴルドを撮影。やっぱりここに来るとみんな大興奮です。撮影はなかなか終わらない…(笑)
宿について車から荷物を下ろしていると、なんとウェンディがいつもの笑顔で出迎えてくれた。痩せて疲れきった顔はしているのだけど、いつもの満面の笑み。再会のビズをしながらも「え~、なんでここにいるの?体、大丈夫なの?」と私。入院の準備も万端に病院に行ったけど、とりえあずは様子を見ることになったそうだ。彼女も「mikaが遠くからやって来るのに、なぜ今入院しないといけないの???」と悔しく思っていたから戻ってこれて本当に良かったと言ってくれた。「私がいるから、明日の夕食も大丈夫よ!」と彼女。無理はしないで欲しいけど「大丈夫!」と言い張る彼女…。
ウェンディと共に1つ1つのお部屋を訪問してから、みんな荷物を運び込んだ。今回はブルーの部屋にした。ラダシエールも好きだけど、素晴らしい眺めがある分、やっぱりこの部屋が一番好き。2人ならフェリシーもいいな。部屋の扉を開けると、いつものようにむせ返るようなラヴェンダーの香り。自分の家ではここまで香りをつけるのは少し勇気がいる。この深い紫色の香りを嗅ぐたびに、ここへ帰ってきたことを実感するのだ。
N組はフェリシー。N組のMさんはお隣のオークル。NHさんとTちゃんはピジョニエの予定だったけど、水漏れのため現在工事中⇒オンクル・ジュールに変更。でもどの部屋も個性的でプロヴァンス色満載、みんな気に入ってくれたみたいです!
ゴルドはここらの集落の中では大きいほうだ。観光客も多いし、商店も多い。でもここでもお店はみんなほぼ壊滅状態。気持ちの良い青空が広がり、今日は気温も高い分、このひと気のなさに違和感を感じる。世界の果てに取り残されたかのようだ。車のない私達はやっぱりゴルド内で食べるしかないので、今夜唯一開いている村の☆☆☆☆☆ホテル La Bastide de Gordes へ。アペリティフをサロンで取りながら優雅な雰囲気に浸る…のはいいけど、暖炉の火が気持ちよすぎて、みんなとろ~っと眠たくなってしまった。お腹は減ってるけど、今すぐにでも気持ちの良いベッドに体を沈めたい気分。
(17時48分に撮影した青の部屋からの眺め)
お料理は62ユーロのメニューが1つ。もしくはアラカルトで頂くことになる。心なしか以前よりお料理の盛り付けが華やかで美しくなった気がする。シェフが変わったんだろうか?お味ももちろんホテルの格式に負けないくらいに美味しい。ただ、みんな眠たくて眠たくて、あまりそれどころではなかったんだけど…(笑)それにしても見て!この贅沢なフォアグラの量を!日本じゃ考えられない!!!
デザートを前にNHさんの体調が悪くなるハプニング発生。でもサービスの男の子がとても親切で本当に助かった。帰りはレセプションの人に泣きついて車を出してもらうのに成功。やっぱり何でも言ってみるものです。
リュベロン1日目の夜、こんな素敵な部屋にいると言うのに、私は眠い目をこすりながら手洗濯。LISMOでお気に入りのジャズを聴きながら…。でないとここにはTVもラジオもインターネットもないから…。
(左、見えにくいけどポワレされたフォアグラ2段重ね、これが前菜)
今夜のメニュー
アミューズ ナスのファルシ
前菜 このフォアグラ・ポワレ
メイン ドラド・ロワイヤル(鯛の一種)のロティ+リゾット
デザート マロンクリームのアイス、ショコラ+柑橘系ソース
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