Vive la Provence !!!
今年も楽しい仲間が集まって、南仏5泊6日の旅が始まる。あいにく météo は最悪の1週間を予報してるんだけど、去年もそんなことを心配しつつめっちゃ夏日が続いたし、きっと今年も大丈夫!
メンバーは総勢7名。念願のフランス3ヶ月滞在を実現中のLuとSちゃんは私とパリから出発、JJとT美は24日にマルセイユ到着済み、マッキ~とM子(マッキ~の昔からの親友、東京から参加)は25日にニース到着済み。そして今日26日、みんなで合流する。
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le dimanche 26 avril 2009
南仏に行くときはいつもこのTGV、リヨン駅7h46発。この間のアルザス行きよりはずいぶんましなんだけど、やっぱり少し朝がつらい。今年はプロモーションで安い1等車の座席をゲット。眠いはずなんだけど快適な車内、旅へのワクワクもあり、おしゃべりしてたらあっという間にアヴィニヨンだった。やっぱりおしゃべり好きの私たちには2時間半って決して長くない時間。10h24にアヴィニヨンTGV駅到着後、マッキ~+M子のニースからの列車の到着を待って、さらに2時間ちょっと駅構内のカフェでおしゃべり。でもそれもあっという間だった。恐るべきしゃべくり軍団です。
マッキ~+M子を待ちながら、雨はどんどんひどくなる。でも今日1日目はSaignon(セニョン)だし、お宿に直行し、お宿を堪能する日なので、そんなに悲劇的でもない。それにプロヴァンスの雨が降り続いたと言う経験もないし…。ただ今年で4回目のセニョンだけど、パートナーとやってきた97年は夜から朝方にかけて嵐+雨、2000年に母と叔母ときた時は到着時~夜中まで大雨、結局雨が降らなかったのは去年だけなので、セニョンはかなり雨の確立が高いかも。
ゴブランのおうちを出てから約6時間私たちはしゃべり続けて、12h30頃ようやくマッキ~+M子と合流。ここから車でセニョンに行く途中、JJ+T美をIsle Sur La Sorgue(リル・シュール・ラ・ソルグ)でピックアップする。雨は少し小降りになってきたものの路肩の水たまりはすごくて、私たちの車がそこを通るたびに、ものすごい水量を巻き上げながら走る。こんな日は車道近くを歩かないに限る…。
車で2時間弱(寄り道もあったので)、懐かしいセニョンの村に到着。大好きなお宿 L'Auverge du Presbytère が今年も私たちを迎えてくれる。おなかが減ったので、まずは軽くランチ、そして素敵なインテリアを堪能すべく、みんなのお部屋を訪問。今年は全部で4部屋。Beffroi, Pigeonnier, Rose とそれぞれのお部屋に名前がついていて、私のお部屋は今年も Bleue 。テラスが自慢だけど今日はあいにく何も見えない…。だからテラス・ミーティングもなし。
どの部屋もインテリア雑誌から抜け出したようなセンスの良さ、そしてプロヴァンスらしい暖かい雰囲気。こんな家に住みたい…と、皆でため息をつき、ひと時夢心地。
夕食前のひと時、雨がやんだので少しだけお散歩。こんな天気なので、太陽が見えず少し肌寒い。でも雨の後でかすむ下界を見下ろしながら、それぞれがここへようやく来られた感慨にひたっていたんだと思う。
19時、ディナーのテーブルに着く。小さなセニョンの村にも最近はいろいろなお店が増えてきたけど、今年もお宿のレストランを予約しておいた。さっそくメインに agneau du Luberon rôtis(リュベロンの子羊)を頂く。野菜たっぷりのボリュームある1品に大満足。アミューズ、前菜、メイン、もちろんデザートまで食べたことは言うまでもありませぬ。
食事中から雨はどんどん強くなり、そして雷も。でもみんなでいると楽しくて、食後は疲れを知らないタフなメンバーがレセプション前の暖炉のサロンに集いおしゃべり(別名=班長会議)。Lu、Sちゃん、マッキ~そして私の4名。しゃべることは尽きず、リュベロンにいる感動も尽きず、深夜までたわいないおしゃべりは続いたのだった…。
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le lundi 27 avril 2009
朝、目覚ましがなる前に起きてテラスに出てみる。雨はやんだものの、あたり一面すごい霧。テラスから見える村の教会もご覧の通り、霧の中だった。
ビュフェ形式の朝食をみんなで頂き、そして朝のお散歩へ。セニョンの一番高い所にのぼる。去年は4人で大笑いしたあの高台へ今年は7人で行く。あたりが霧に覆われていてとても幻想的、初めて見るセニョンの姿だった。
いまや私の人生になくてはならない場所となったここリュベロンに初めてやってきたのは1997年。そしてそのスタートをきったのがこのセニョンの村。たくさんの思い出のつまったこの場所に去年、今年と、続けて来られたので、また来年も来ます!とリュベロンの神様に誓って村におりた。強く思うと願いはかなう…と思うから。
毎年、南仏でお世話になっているAlex.が約束の12hに迎えに来てくれた。今年も5日間車を出してもらう。毎年少しずつ仲良くなって、去年はだいぶうちとけて話が出来るようになった彼とのおしゃべりも楽しみ。今年はどんな話が聞けるかな?
今日の午後は初めて南仏にやってきたT美とSちゃんのために、リュベロン・ハイライトの日。爬虫類が斜面にはりついたような形をしているセニョンを出ると、理想的な形の鷹の巣村Bonnieux(ボニウ)、カラフルなオークル色の集落Roussillon(ルシヨン)、サド侯爵の廃城で有名なLacoste(ラコスト)をまわり、最後にずっと長い間行ってみたかった小さな集落Oppède-le-Vieux(オペド・ル・ヴュー)へ。
どの集落ももちろんいつも通り非の打ち所がない。でも今日の私のハイライトはなんと言ってもオペド・ル・ヴュー。ここには初めてやってきたけど、なんだかビビビっと感じるところがあって、一目惚れ。絶対に今度はここに泊まりたいと思った。ちょうど広場には小さなカフェとお宿があって、ぜひそこに泊まってみたいと思う。集落のてっぺんには廃城があり、きっと眺めもいいはず。観光客もほとんど来ないこの集落ではきっと静かで豊かな時間を過ごせるんじゃないだろうか。来年、ここで過ごす私を思うだけで、なんだか幸せな気分…。
夕方のジリジリと焼け付くような日差しが、南仏に戻ってきたことを感じさせてくれる。リュベロンには本当に非日常的な時空が広がっている。だからこそ旅の醍醐味を味わう事ができるんだろうなあ。そんな事を思っていると、ちょうど下の方から白い馬に乗って散策を楽しんでいるご夫婦がやってきた。
夕刻、今日の遠足を終えてAlex.の車で今夜のお宿のあるGordes(ゴルド)へ。オーナーのW+M、そして幼稚園に通うようになった長女Eちゃん、そしてまだcouffinに入っている赤ちゃんJが1人増えて、私たちを迎えてくれた。
ゴルドの村はずれにある大好きなお宿 le Mas de la Baume には今回5回目の滞在。5回目にしてようやく予約が取れたchambre bleue(青の部屋)に今年は泊まる。ここのお風呂場からはゴルドの村が見えるし、寝室の窓からはここのお庭とその向こうに広がる借景、リュベロンの山々が見える。なんて贅沢なんだろう。
みんなのお部屋ももちろん順番に訪問。そんなに数がないここのお部屋たちは、この5年で一応全部見ることが出来たので、来年からは私もお気に入りのお部屋を選んで泊まることにしようっと。
お宿のすぐ近くにある絶景ポイントでゴルドの全景に見とれ、みんなで恒例の拍手喝采、万歳三唱!…は少しばかり大げさとしても、決して見飽きることのないこの風景は、私にとってはフランス絶景ダントツの1等賞だなぁ。
夕食までのひと時、それぞれお部屋でくつろいだ。ちょっとのつもりでベッドの上にゴロッとしたとたん意識を失っていたらしく、約束の時間になってもおりてこない私を心配して、JJが様子を見に来てくれた。二日酔いみたいなぼ~っとした頭でサロンにおりていくと、みんなもうテーブルについてて食べる気満々。約束の時間、すごい過ぎてたのね…すんません…。
旅立つ直前、ここのWからメールが届いて、春から週に2回だけ夕食を出すことにした…ということだった。私たちの泊まる日もその日に入っていたのでもちろん即行予約。ここは村の中心からは少し離れてるので、夕食後、おなかいっぱいになって、真っ暗な夜道を歩いて帰らなくてはならないのは、確かに少しだけ億劫。だからここで頂ける夕食にみんな期待大だった。
その日の朝にマルシェで調達した食材で前菜、メイン、デザートを用意してくれる。アペリティフとワイン(ロゼ)もついて35ユーロ。お味も量も見せ方も、どれも満足のいくもので、全員満悦。何しろ大好きなこの空間(サロン)でディナーが頂けることが嬉しくて今宵も班長会議は夜遅くまで続いたのでした…。
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le mardi 28 avril 2009
昨日に引き続き今日も快晴。去年のように暑すぎることもないし、風は強いのだけど、もう週末まで雨の心配はないそう。
火曜日の朝はゴルドの村で朝市がある。copieux な bio の朝食をみんなで頂き、元気のある人は朝市へ。私はお気に入りのお部屋でゆっくりと午前中を過ごした。
今日のメインイベントはランチ。南仏プロヴァンスの12ヶ月で紹介されてからその名が知られるようになったモーリスおじさんの Auberge de la Loube を目指す。と言ってもボニウ近くの集落 Buoux (ビュウクス)にあるので、もちろんAlex.の車が必要。予約が取れるかわからなかったし、どちらにしてもこの日は観光はしないつもりだったので、Alex.の予約もしてなかったのだけど、事情を話すといつもよりぜんぜん安い金額で請け負ってくれた。
ゴルドのお宿を出発して、レストランに向かう途中にある Goult(グルトゥ)で一度車を降りる。小さな集落だけど、ここもかなり魅力的。今日は村の中心で少し写真を撮っただけだけど、またゆっくり来てみたいところ。レストランやショップも少々有り。車に再び乗り込みボニウを通過、お宿を出てから小一時間でレストランに到着。
いつも不思議に思う、と言うか感心することがある。フランスの田舎には今日のレストランのように正確な住所がないところが多いので、カーナビも役にはたたない。だから電話をして行き方を聞いておくのが無難。でも、どの道のどの辺りを通過したら看板が出てるよ…程度の説明でたどり着けるって実にすごい!
って事で、Alex.も昨日電話をして場所を確認した訳だけど、その際自分の席も予約したらしく、一緒に食べることになった。なぜ私がこのレストランに行きたいかを説明したところ、ピーター・メイルさんとも面識がある彼は、彼の紹介したところなら美味しいに決まってるので、私たちを送っていくついでに食べてみようと思ったらしい。まあ、帰りも送ってくれって頼んだんだから、ちょっと当たり前か…。おかげで私は食事中、日本語、フランス語、両方で話さなくてはならず、若干消化不良気味(?)。
このレストランの有名な「前菜盛り合わせ」はうわさに違わず実に美味しそうだった。これを毎日食べれたら食品30品目も難なくクリアできそう!なのに私は何を血迷ったのか普通のメニューにしちゃったのだ。ここに来てこれを食べないなんて、パリに来てエッフェル塔を見ないようなものかな…?でも何を食べても間違いないので、後悔はなし。ただこの日はモーリスおじさんのご機嫌が少し斜めだった???テレビや雑誌でのあの満面の笑みが印象的で、そんなモーリスおじさんが見たかったってのもあったので、それだけは少し残念だった。15年前に彼を知ってからの経緯や彼の馬車のコレクションについても話してみたかったけど、自らオーダーを取り忙しく立ち働く彼に話しかけるのはなんとなくはばかられた。
とは言うものの、やっぱりここは長年の憧れのレストランで、それを知ってた優しい旅の友達はAlex.と私を招待してくれた。みんなとこうして南仏を旅できるのは私にとってもとても幸せなことなのに、その上なんて素敵なプレゼント!この場を借りてもう一度ありがとう!
満腹になって幸せな午後、再び車に乗ってゴルドへ。往路とは違う道を選んでくれる。Alex.の大嫌いな(笑) Apt(アプト)はやっぱり通過して、行ったことのない St Saturnin-Les-Apt (サン・サチュルナン・レ・ザプト)は車を降りて写真、写真!私達みんな、どこに行っても写真部みたいに熱心にシャッターを押してます。
今日はお昼をしっかり食べたから夕飯はな~し!ゴルドの中心で降ろしてもらって、お宿での夜会に備えておやつを買い込む。もちろん南仏のお土産や大好きな布類も買い込んで、やっぱりみんなすごい荷物になっていた…。
日が暮れるまでゴルドのカフェをはしごして、ゴルドにお別れ。またいつかこのメンバーでここに来れるといいね。
リュベロン最後の夜、LuとJJのお部屋 Pigeonnier で夜会。おしゃべりな私達の夜はこれから…。
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le mercredi 29 avril 2009
大好きなゴルドのお宿ともお別れ。今日も朝からしっかりと朝食を頂き、荷物をまとめる。こういった小さなシャンブル・ドットのチェックアウトは案外早くて、10時ごろには部屋を出ないといけない。でもその後はもちろんお庭でくつろいでも、サロンでくつろいでもOK。私達もAlex.が来てくれる12時まで、写真を撮ったり、おしゃべりしたり、思い思いに時を過ごした。オーナーのW+Mとも「また来年ね!」と1年分のビズ。私の憧れの生活を憧れの場所で実践しているまったく羨ましいご夫婦なのです…。
実はまだ南仏の旅は続くのだけど、私のテンションはど~んと下がり気味。南仏の旅も回を重ねるごとにはっきりしてきたことは、私は南仏といってもこのリュベロンと呼ばれるあたりが特に好きだってこと。だから今夜から Vaucluse (ヴォクリューズ)県を出て、Bouches -du-Rhone(ブッシュ・デュ・ローヌ)に行くのは、なんだか夢から覚めるような思いなのだ。でも午後はまだヴォクリューズ県内。気を取り直して出発!
今日は私にとっても初めての地域になるリュベロンの北側へ行く。正確に言うとゴルドの北西に位置する大きな街 Carpentras (カルパントラ)を目指して、途中にある3つの集落もついでに訪れる。まずは Les Plus Beaux Villages de France (最も美しい美しい村々)にも選ばれている Venasque (ヴェナスク)からスタート…なんだけど、ここは少し全体像が つかみにくい。次に行った Le Beaucet (ル・ボーセ)はかなり 小ぶりでお店なんかも見当たらなかったけど、プロポーションは悪くない。最も高い所に廃城があったけど、立ち入り禁止で近づけず。それでも少しでも近づこうと思ったら巨大なスズメバチが音を立ててたので、あわてて退散!怖い怖い!
朝あんなに食べたのに、もう次のLa roque sur Pernes(ラ・ロック・シュール・ペルヌ)に到着したときには空腹で、私は食べ物を探していた(笑)パン屋さんでもあれば…と思ったけど、この集落は案外大きそうで地図がないままやみくもに歩くと車に戻るのに手間取りそうだった。それならばいっそ街に出て食べ物を探そう!と言うことになり次の目的地カルパントラへ(食気優先)。
車を降りたのはカテドラル近くの商店街だった。Alex.おすすめの JOUVAUD と言うパティスリー(特にチョコレートが有名)もそこにあるとの事。そちらにむかって進んでいくと素敵なお店があり足を止めたら、そこが JOUVAUD だった。サロン・ド・テも併設されていたので軽くランチ。お店の奥ではミシンを踏む女性が何やら制作していたり、装飾雑貨なんかも売れられていたり、楽しくて時間がいくらあっても足りない感じ。ただ驚くべきことにこの店、東京にも出店しているそうだ(井村屋さんが招致したもよう)。食後に好物のオランジェットを購入。パリの有名店に比べたら、なんてリーズナブルなのかしら!美味しかったのでもっと買えばよかった…。
今日も余裕でAlex.にサービス残業をさせている。親切な彼はそんなこと気にもしてないようだけど、急いで車に乗り込み今夜のお宿がある Uzès(ユゼス)へ。ここからユゼスはけっこう離れているので小一時間はかかりそう。その途中 Alex.の住む村の近くを通るので、寄ってみる?との事。もちろん時間が許すのであれば行きたい、行きたい!!!
あれが両親の住む集落、あそこが…と、遠くに見える集落たちを指差しながら色々説明してくれる彼も嬉しそう。やっぱり地元を紹介するときってみんな気合が違う。やがて車は彼が家族と住む小さな集落の中へ。村に入ってあっという間に村の中心地に到着。これが村の lavoir、これが村の église、これが僕の家…。えええ???むっちゃ中心地に住んでるんやね~!と大笑い。彼には奥さんと9歳になる息子さんがいて、次男も去年生まれたばかり。でも正式には結婚してなかったので、今年の8月にこの村の教会(家の前!)で式をあげるそうだ!少し早いけど、心からおめでとう!
家族に会う?と言うので、もちろん!もちろん!迷惑でないのならぜひ!!! 結局、家族全員出てきてくれて大撮影大会。私達も知り合って4年目、少しずつ色んな話が出来て、少しずつ仲良くなってる気がします。嬉しいね、こういう人とのつながり…。
最近、奥さんが仕事を辞めたので1室占拠していたオペールの女の子が必要なくなり、今は部屋が空いてるそうだ。「だから、だんなさんと泊まりにおいで」と親切に言ってくれるのだけど、パートナーとまた南仏を一緒に旅できるのはいつになるんだろうねぇ。仕事やめてもらわない限りきっと無理だね…ふぅ。
さてさて、ユゼスではシャンブル・ドット la Maison de la Bourgade に1泊。ダイナミックなマダム、エリザベスさんが私達を迎えてくれた。家族の名前がつけられたお部屋はどれも素敵なインテリアでまとめられていて、その質から言うとお値段はむしろ安いくらいに感じられる。4部屋しかないので、私達全員で今夜は占拠です!(写真がない…)
マダムのおすすめで日本人女性が1年前にオープンしたSous l'Amandier (rue de l'Amiral de Brueys, Uzès)を訪ねる。趣味のいいインテリアや装飾雑貨が所狭しと並ぶこのお店はとってもサンパなRさんが1人で切り盛りされていた。彼女はまったく知らないフランスという国にいきなり嫁いできて、それもパリじゃなくいきなりこのユゼスに!、それから家族を作り、子育てをし、子供の手が離れた今、こうしてお店をオープンされたとの事。年も私とほとんどかわらないのに、生き生きした彼女の姿を見ていると、私も頑張らないとな~と思った。異国で力強く生きてる彼女からたくさんパワーをもらった気がする。忙しいのに手を止めて私達とたくさんお話をしてくださって、ありがとうございました。
Rさんちでひとめ惚れした布製バッグを購入して、またいつか!と、笑顔でお別れ。次にマダムが予約をしてくれたレストランへと向かう。Le Bec à Vin (6, rue entre les Tours, Uzès)は、なるほどマダムが強くおすすめしてくれただけあって、お味、店の雰囲気、サービスの気持ちよさ、お手頃感、どれをとっても申し分がなかった。野菜を中心にした前菜の盛り合わせも、メインに選んだイカのフリカッセも、デザートのフォンダン・ショコラも、何もかも美味しくて大満足。中身のとろり感が絶妙なこのフォンダン・ショコラはLuに「人生で一番おいしいフォンダン・ショコラやった!」と言わしめたほど…。すごいね。
美味しい食事があればそれで幸せ!いやな顔をせず遅くまでお店でおしゃべりさせてくれたお店のご主人、どうもありがとう!
Rさんのお店も今夜のレストランも、またユゼスに来る機会があれば、絶対に足を運びたいお店です。
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le jeudi 30 avril 2009
夕べも帰宅はかなり遅くて、久しぶりにネットがつながったので、仕事のメールに返事をしてたらあまり眠れなかった。やっぱりリュベロンを離れるとネットが使えたりすることもあってヴァカンス気分がだいぶ薄れてしまう。他のみんなは朝食後出発まで街の散策に出かけたけど私はサロンに残り荷作り。南仏で増えた荷物を小包にして今日中に送るつもり。
ユゼスは2000年に来た時にも色々あって(2000年の南仏旅行記参照)あまりゆっくり出来ず、今回はリベンジのつもりだった。でも結局今回も十分に時間がとれたわけでもなく、あまり魅力がわからないまま立ち去ることに…。写真もぜんぜん撮らなかった。でも朝散歩した組は「ここに住みたい!」って言うくらい気に入ったらしく、来た甲斐があったと言うもの…。またこちら側に来ることがあれば今度こそゆっくりしてみたいなあ。
お宿を後にしてまず向かったのはHARIBO (フランスでの呼び名はアリボ)。1920年にドイツで創立されたグミで有名な菓子メーカーの博物館とそれに併設された大きな販売店がユゼスの近くにある。予定にはなかったのだけど、昨日通りかかったときに旅友達が猛烈に関心を示したので(笑)、今日立ち寄ることになった。
私にとっての初めてのHARIBOはフランスで「これお菓子???」と、その色彩に驚いて買ってみたROTELLA。その衝撃的なまずさに恐れをなして以来、一切手を出してこなかった。ラクリッツ、リコリスと呼ばれるこのお菓子の成分って甘草だったのね。どうりでまずいはずです。だって薬だもの。それにこの黒さ、食品着色用カーボンブラックなんだって~。お、恐ろしい…。フランス人も大好きなこのビニール・ケーブル、興味のある方は、日本でも買えるのでぜひ挑戦して見てください。
美味しいお菓子もあるらしい…(疑)。もちろんAlex.もフランス人なので彼も彼の子供達も大好き!彼も私達と一緒にショップで嬉々とご購入!私も教室用に大きなのを1つ買い求めておいた。
その後は、世界遺産の Pont du Gard(ポン・デュ・ギャール)を歩き、Tarascon (タラスコン)のSOULEIADO(ソレイアード)でショッピングを楽しみ、そしてお茶。Fontvieille(フォンヴィエイユ)でドーデの風車を眺め、私も郵便局を見つけたので1つ目のコリシモ(小包の名称)を無事発送。
ここまではいつも通り平和な時だった…けど、驚くべきメインイベントはその後予期せぬ形でやってきた!!!
久しぶりの Arles (アルル)泊には以前も利用した Hôtel d'Arlatan を選んだ。アルルの市街地は車のアクセスが難しいので、大きいAlex.の車もホテルになかなか近づけない。苦労の末ようやく到着して、まずはいつものようにみんなのお部屋を訪問。食事の時間までは自由行動にして、私は今夜の夕食の予約をすることになった。
実はユゼスのマダムがアルルのおすすめレストランも教えてくれててお店のカードをもらっていた。昨夜のレストランにはみんな大満足だったので、今夜もマダムおすすめのお店を予約することに…。もらったカードを取り出して電話する。
「アロー、今夜の予約をお願いします」
「何名でらっしゃいますか?」
「7人です」
「は、はい?何名ですか?」
「7人、7です、7!」
何度か繰り返すとようやく
「お、お待ちください、マダム」
電話の向こうの動揺した雰囲気が電話越しに伝わってくる。あ~、もう6時前だし、今夜はいっぱいなのかな~、それにしても 7 がわからないなんて現場は相当うるさいのか?なんて思っていると
「マダム、お席をご用意できます。何時になさいますか?」
「出来るだけ早くお願いします」
「それでは20時でおとりしておきます」
ってな感じで予約を済ませ、私はベッドにゴロッ、深い眠りにおちていた。みんなとはロビーで19時に約束をしてたのに、いつまでたっても現れない私。ゴルド同様「また寝てるんじゃないか…」とSちゃんが電話で起こしてくれた。正解です!
全員そろって南仏最後のディナーへGO!レストランの前に到着したとき、今度は私が動揺した。だってさっき予約したときに見たショップカードのロゴマークがついてるレストランが2軒、同じ通りにある。でも名前も店構えも違っているのだ。「私、どっちを予約したんだろう…」とショップカードを取り出し改めて手にしたとき初めて気づいた。表と裏、それぞれ違う名前の店が記されている。マダムの話を若干いい加減に聞いていたので、彼女がどちらを勧めてくれたのかも、私がさっきどちらに電話をかけたのかも、わからない。あせって携帯の履歴で予約した店を確かめようとしてると、背後から男性の声がした。
「7名でご予約の方ですね」
ほんと、あちゃ~って感じだった。どう見ても私はこっちじゃなくて、あっちに行きたい。きっとあっちがマダム推薦のビストロだったんだろう。でも男性に導かれるまま、超普段着の私達は店の奥に通された。一番乗りだったので、まだ事情がよくわからなかったけど、あとから来る人来る人、割合きちんとした格好をしている大人ばかり。店のインテリアはモダンで厳格な感じはなかったけど、なんとなく「高級なんだ…」と、その事からも、サービスの人たちの雰囲気からも理解できた。
ドキドキしていると、別のサービスの男性がやってきて「このお店のシステムはご存知ですか?」と聞いてくる。小さな目を思い切り見開いて「まったく知りません」と私。
なんでも夜には1つのコースしかなく、それにワインをつけるかつけないか、それを選ぶだけ。詳細は明かされない。出てきてからのお楽しみってことらしい。きちんとわかって予約する人はHPなんかで予めお値段もわかってるんだろうけど、あっけなく店内に入った私達は表のメニューで値段を確かめる時間もなかった。たしかに少しばかり店にふさわしくない格好だったかもしれないけど、今さら値段を聞くのは野暮。旅友達もみんな「ここでいいよ」と言ってくれたので、いよいよミステリー・ディナー、スタート!
いったいいくらなんだろう。何が出てくるんだろう。ドキドキ、ワクワクしながら最初に出てきたのはこれ(写真右)、泡です。何を隠そう、私、口に入れる泡が大嫌い。日本のコーヒーショップでも「泡抜き」を頼むくらい。あ~、今時の泡系料理なんだ…、と少しがっかりしつつ、きっと高いのだろうからしっかり味わなければ…と思ったけど、味もとっても難しい。つかみどころがないと言うか、とってもうす味?基本、ハーブや野菜を中心にしたベジタリアン(でも魚はあり)で、なんだか薬膳ぽい。
食べ終えると間髪いれずどんどんお皿やナイフ、フォークがさげられ、新しいものがセットされる。そしてどんどんやってくるお料理はやっぱり、泡。 7皿目がやってきたとき「あ~また泡か~」と、たぶん眉間にしわを寄せてしまったんだと思う。給仕の男性がそれを見逃さず「マダム、ガンバス(えびの一種)はお嫌いですか?」と聞く。「いえ、大丈夫ですよ」と笑顔で答えたものの、この泡攻撃、いったいどこまで続くのやら…、そしていったい何皿出てくることやら…と、この頃から最初のワクワク、ドキドキは完全に不安と苦痛に変わっていった。
苦痛と言うのはおなかがいっぱいになって苦しいって意味。ポーションは小さいし、私は大食いなんだけど、でも何皿出てくるかわからないってのは、けっこう食べ方をコントロールできないと言うか、かなり途中から満腹中枢が悲鳴をあげていた。
結局13回に分けて出されたお皿の数は15。デザートだけでも4回にわけて小さな6皿が供された。最初のデザートが出てきて、ようやく終わりが見えてきたところで、またナイフとフォークの交換。「これは最後のお皿じゃないんですか?」と聞くと、「これはまだアペリティフ・デザートです、マダム」と涼しい顔。
黄色いのは黄パプリカだし、黒い帯はバルサミコ酢を使ったソース。その後もアニスやウイキョウ味のデザートが続き、最後の最後にふつーの生キャラメルを見たときはどれだけホッとしたことか(笑)
デザートを頂きながら、みんなそれぞれがだんだんおかしくなってきて、Sちゃん+マッキ~なんて面白いデザートのオンパレードに涙を流して喜んでいた(笑)
最後にコーヒーを飲みながら、値段のあてっこに興じる私達。私は希望的観測で最安値の70、JJは最高値の130を予測。結局は黄パプリカ・デザートに涙を流していたSちゃんの85ユーロが正解!景品はないけどね。
シェフが赤い光の中で最後の仕上げをしていたり、泡があれだけ必要なので泡立て専任の可愛い男の子がいたり、常に泡立て機の音が聞こえているので、少し工事現場のそばで食べているような気がしたり、終わってみれば、なんだか面白いことだらけだった。
あとでわかったことだけど、このL'atelier de Jean-Luc Rabanel (7, rue des Carmes, Arles) は2009年仏ミシュランの☆☆を獲得しているお店。アルルなので、このお値段ですんだけれど、何も知らないって事はまったくスゴイ事です。この日の夜もお店は満員だったし、当日の夕方6時前に電話して7名予約する人なんて、あんまりいないって事だろう。今となれば 7 に動揺していた現場の様子も理解できる。店を出たとき外のテラスで誰かと談笑していたシェフに「merci」「au revoir」なんて、親しげに手を振って帰ってきちゃったけど、すごい有名なシェフだったんだね~。
食に関しては冒険を好まず、超スタンダードが好きな私。決して「美味しかった~!」と諸手をあげて言うことは出来ないけど、ちょっとした間違いが引き起こしたこの偶然は、南仏最後の夜を飾るにふさわしい、楽しくて面白い、そしてスリリングな、思い出に残る時間を私達にもたらしてくれた。85ユーロの突然の出費を笑いながら許してくれた旅友達に改めて感謝です。
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le vendredi 1er mai 2009
いよいよ南仏最終日。チェックアウトが12時なので、午前中は朝食も取らずゆっくりと過ごす。今日1日はフランスは祝日。アルルでは Fête des Gardians (牧童祭)がある。その活気はホテルの私の部屋にまで届いてきた。
Alex.のお迎え、今日は14時。遅めにお願いしておいたので、みんなでお昼を食べにフォーロム広場に向かう。せっかくなのでゴッホの黄色いカフェに入ると有無を言わさず(?)「plat du jour はパエリアだよ。パエリアでいいね?」って感じでみんなパエリアを食べる羽目に。パエリアと言えばスペインの料理と言うイメージだけど、ここアルルでもこういったお祭りの機会にはよく食べるのだそうだ。近くのカマルグは米の名産地だしかな?ちょっと油っこかったけど、久しぶりの米。美味しく頂きました。ただ今日のお祭りにお馬さんたちがたくさん出演していたので、おとしものの臭いがすごくて、なんだか動物園で食べてるような気分、ではあった…(笑)
お祭りの行進を終えたアルルの女達は伝統衣装に身を包んだまま、携帯電話でしゃべっていたり、現代服の彼といちゃついていたり、なんとも不思議だったけど、美しく着飾った彼女達を取り巻く家族と思しき人たちは、日本の成人式で振袖姿に目を細める親御さんたちのよう。どこでも親の思いは同じって事なんだね。
14時、荷物を積みこみ、Alex.の車で最後の遠足。まずは恨みの Montmajour (モンマジュール)の修道院跡地を見て、今日メイン、les Beaux-de- Provence (レ・ボー・ドゥ・プロヴァンス)へ。祝日の今日、お天気も良く、やっぱりここはすごい人出。前に来た時も人の多さに閉口したけど、今日もすごい。どこにカメラを向けても人だらけなので、もう写真はあきらめた。そうこうしているうちにすごいお手ごろ価格の布製品を扱うお店を発見。店番の女性はむちゃくちゃ愛想のない人だったけど、お値段の安さは超魅力的。欲しいタイプの南仏風カーテンがあったので、せっかく小包を送ったところだったけど、お買い~上げ~。他にも色々と見ていると欲しいものがどんどん見つかって、最終的にはけっこう買い込んでしまっていた。ま、いっか。これも南仏の楽しみの1つだもの。
次に St.-Rémy-de-Provence (サン・レミ・ドゥプロヴァンス)へ。まずは心のバランスを崩したゴッホが入院していた精神病院(サン・ポール・ドゥ・モーゾール修道院)を訪ねる。すでに入ったことのあるLu,、JJ、私以外は中の見学に。そして私達は建物の前に広がるのっぱらで風に吹かれながらおしゃべり。去年、また一緒に来ようねって約束した南仏の旅、今年こうして実現できて本当によかったね…なんて話しながら旅の終わりを思う。今度、またこのメンバーで南仏を旅できるのはいつになるのかな。その時が今から楽しみだけど、やっぱり旅の終わりはいつも寂しい。
その後は古代遺跡を見て、市街地へ。サン・レミはこのあたりではけっこう大きな街。少しぶらりとしてから1人カフェのテラスへ。太陽をたっぷりと浴びながら撮った写真なんかを見ていたらあっという間に約束の時間だった。
この街にある有名なチョコレート屋さんで働く日本人のご夫婦はLuのお友達。いつもお話を聞いたり写真を見せてもらっていたので、どんな人たちかは知ってたけど、カフェに行こうとしていた私の前にこの二人が現れたときは、その偶然に本当ビックリ!なんか有名人に会ったみたいで嬉しくなって写真を一緒に撮っちゃいました。あとでLuに証拠写真として見せようと思ってね。でもその後、彼女も出会ったらしい。大きい街と言っても、やっぱり小さな街なのね…。
いよいよ、パリに戻る時間が近づいてきた。Alex.の車に乗り込み、アヴィニヨンTGV駅を目指す。最後に、去年も最後に立ち寄った、ローヌ川に浮かぶバルテラス島からアヴィニヨン橋を見るヴュー・ポイントに連れて行ってくれた。みんなでいっぱい記念撮影をして、the end.
20h05 アヴィニヨンTGV駅発のTGVでパリに帰ります。今年もたくさんお世話になったAlex.ともここでさようなら。たくさんのありがとうと共に、彼の大好きなHARIBOを贈っておきました。「A l'année prochaine !!!」と彼。もちろんです。来年またここを旅することを楽しみにこれから1年間仕事に励むのだ。
賢明な私達はシンデレラの魔法が解けぬうちにきちんとTGVに乗り込んだけど、しばらくは南仏に戻りたい病にかかってるんだろうな…。でも残りのフランス滞在も精一杯楽しもうと思ってます。
Vive la Provence !!!
A l'année prochaine !!!
Commentaires
今年も南仏に行った気分になれました♪
ゴルドのお宿のEちゃんはもう幼稚園?!
あの時はまだカゴ(?)に入っていましたよね?
きゃ~ 歳取るわけです!
またいつか旅のお供させてくださいませ。
Rédigé par: ryon | 15/06/2009 21:45
ryonしゃん
そうなの!可愛い女の子に成長してました。
フランス語ももうペラペラだったよ~!
またいつか一緒に会いに行こうね!
Rédigé par: mika | 16/06/2009 03:00