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20/04/2009

初試飲 en Bregogne

P4200199昨夜遅くにC姉の車でパリに戻り、今日はまた朝からブルゴーニュ行きの電車に乗る。昨日先にブルゴーニュ入りしているソムリエEさんの提案で、彼女の大好きなBIOワインの作り手を一緒に訪ねていくことになったのだ。と、言っても私はほとんどワインを飲むこともないし、知識もない。お役に立てることはあまりなさそうなんだけど…。以前、テレビ番組の字幕を入れる小さなお仕事をさせて頂いた時のテーマがこのあたりのBIOワインで、実際に訪れる機会が持てるなんて嬉しい限り。

8h28パリのリヨン駅からTGVに乗り、10h05にディジョンに到着、そこでローカル線に乗り換えて10h46にはボーヌに到着した。Eさんは午前中すでにBouchard社とRDVがあり、そこで働いている日本人のM.Nさんに案内をしてもらっているらしい。彼女と合流できるまでの小一時間、私は1人でボーヌをお散歩。昨日に引き続き、まぶしい日差し。街の中心を少しでも外れると、すれ違う人もないような静かな小さな街だけど、なぜかとても魅力があって、中世の趣を残しながらも、生活の質の高さを感じさせると言うか…、住民の誇りを感じると言うか…、なんだかぐぐっと惹きつけられた。あまりのまぶしさにシャッターを押すのも忘れていたので、またゆっくり泊まりがけで来てみたい所。

P4200211ちょうどランチの頃、Eさんから電話があり合流。Bouchard社のM.Nさんの案内で彼のおすすめレストラン Caves Madeleine(8, fbg. Madeleine, Beaune)に連れて行ってもらった。日仏カップルが経営するこのレストランは、まずお料理が美味しい。お手ごろ価格のメニューなのに、たくさんの中から選べるし、とても良心的で毎日でも通える感じ。そして何よりワイン好きにたまらないのは豊富なワインの品揃え。Eさんもブルゴーニュにいながら、ブルゴーニュでない、あまりお目にかかれないというワインを飲んでいた。地下のカーヴにはお宝がざくざく眠っていそう!

M.Nさんには本当によくして頂いて、関係のない私までランチをご馳走になり、そして次に行く作り手のところまでのタクシー代はBouchard社が出してくださると言う至れり尽くせりぶり。本当にありがとうございました!またいつかお目にかかれるのを楽しみにしています。

午後はEさんの大好きなブルゴーニュBIOワインの作り手 Aurelien Verdet (オーレリアン・ヴェルデ)さんを Arcenant 村にたずねる。先代のアランさん(オーレリアンさんのお父さん)も、1971年からすでにBIOワインの製造を実践していた有名な作り手らしく、そのアランさんから2003年に仕事を受け継いだ時、彼は弱冠22歳!!!現在もまだ28歳の若者なのだ。

彼のワインを扱っている業者の人と思しき先客があり、彼らは少しダラダラ気味に仕事の話をしている。私たちの登場も彼らの会話の邪魔をすることなく、簡単に握手だけして、彼らは彼らの会話を続け、何の説明もなく試飲は始まった。

オーレリアンさん自らが、私たち二人とそのおじさんにワインを注いでくれ、銘柄だけボソっと言って、自らも口に含み吐器に吐き出すの繰り返し。

ジュヴレ=シャンベルタン
モレ・サン=ドニ
ニュイ・サン=ジョルジュ

シャンボール=ミュジニー
ヴォーヌ=ロマネ

ニュイ・サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・ラ・リッシュモンヌ
ニュイ・サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・ダモード
ニュイ・サン=ジョルジュ・プルミエ・クリュ・オー・ブード

などなど、気が遠くなるような名前のワインを次々と注がれ、オーレリアンさんとおじさんの会話も延々と続くので、Eさんも私も黙々と口に含んでは吐き出すの繰り返し。ほとんど会話らしい会話をすることなく、十数種類のワインをテイスティングし終わっていた。

そこでようやくおじさんが話を切り出してくれた。「気に入りましたか?」と。そこからは一気にEさんも質問したかったことを話し始めた。Eさんの言葉はファンとしては当然の熱い気持ちがみなぎってたけど、オーレリアンさんの答えは淡々としていてどれも一貫していた。

彼は若くてとってもシャイ。シャイだけど、仕事には大きな誇りを持っていて、やるべきことを誠実に確実にやっているだけだと言う。BIO、BIOと世間は言うけれど、これは何も特別なことではなくて昔からのある手法を実践しているだけだ…と。遠いどこにあるかも知らない日本という国で自分のワインが評価されている事は純粋に嬉しそうだったけど、名誉とかお金とかそういうものの為に仕事をしているわけではなく、やるべきことを黙々とこなしていく…、誤解を恐れず書くならば、ごく普通の農業従業者の1人でしかないんだな…と言うのが私の感想。そういう姿はとても清々しくて、潔く、決して一生ピカピカになることのないその手は、とても価値のあるもののに思えた。素敵な青年です。

Eさん、今回はいい経験をさせてもらってどうもありがとう。Eさんとはここブルゴーニュでお別れ。彼女はこれから数日プロヴァンスで過ごし、帰国をする。また日本でゆっくり語り合おうね。

余談:おじさんは英国人でした。アクセントのまったくないフランス語を話すので、フランス人だと思ってたけど、もう20~30年ブルゴーニュに住んでいる英国人ワイン業者でした。親切な彼は私たちをボーヌまで送り届けてくれて 「A bientôt!」と去っていった。また会う機会あるのかな~。おそらく一期一会だろうけど、いつも旅での出会いは思い出に深く残ります…。

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