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04/05/2008

リュベロン三昧、南へ

le mercredi 30 avril  (Avignon 泊)

今日は8h04発のTGVに乗るためにずいぶんと早起き。結局、1時間しか眠れなかった。バタバタと身支度をし、慌しく最寄のバス停まで荷物を引きずって走っていく。リヨン駅に向かうのだが、うちからはバスの方が都合がいい。でもこちらのバス停には時刻表と言うものがないので、時間が読めずちょっと不便。何分おき間隔と書いてあっても、2本たて続けてやってくることもしばしば。もうすぐバス停…という時にバスが私を追い越して行った。これに乗らないと、早朝は本数が少なく、次のバスでは遅いかもしれない!と思い、ひっさしぶりに全力で走る。

乗ってしまうと道は空いていたので、案外早くリヨン駅に到着。旅の友、マッキ~を待ちながら、朝食用のクロワッサンと飲み物をゲット。しばらくすると彼女からTGVの乗り場の方に到着してしまった…と連絡があったので、チケットももう渡してあるし「じゃあ、車内で!」という事に。私はバスで到着したのでル・トラン・ブルーの前あたりで待っていたのだけど、ここからTGVの乗り場まではけっこう遠い。そしてホームに到着してからも先頭にある私たちの車両までは気が遠くなるほど遠かった。いったい何両つないでんねん !!! と、途中で叫びたくなるほど。ようやく車内に落ち着いて、マッキ~もでっかいコーヒーを片手に登場。そしてTGVは間もなく静かに動き始めた。

今回7回目の南仏。TVの週間天気予報を信じるなら、プロヴァンスは明日から好天気に恵まれるはず!去年のような寒い雨の南仏はもうごめんです。でも今朝のパリはまだ寒くて、薄手のセーターに春のコートだけでは、また風邪をぶり返しそうなほどだった。

睡眠不足が気になって、アヴィニヨン(Avignon)までの2時間半、できれば眠り続けたかったけど、TGVの中は相変わらず子供が泣き叫んでるし、カフェテリアやお手洗いに行く人の往来も多いし、マッキ~とのおしゃべりも楽しいし、やっぱりほとんど眠れなかった。昔に比べたらプロヴァンスの玄関口、アヴィニヨンは本当に近くなった(前4時間、今2時間半)。

10h43、アヴィニヨン駅に到着する頃、ぽつぽつと降り始めた嫌な雨、タクシー乗り場に向かうわずかな距離の間に激しくなり、TGV専用駅から旧市街のホテルまでの約10分ほどの間は土砂降りであった。でもプロヴァンスでの雨はそう降り続く事はない。案の定、ホテルに着く頃には小雨に…。きっとこのまま止んでしまうだろう。

P4300172今夜のホテル le Colbert (7, rue Agricol Perdiguier)は、レピュブリック門を入ってすぐの所にあってとても便利。小さな玄関をぬけると、レセプションの奥に可愛らしい中庭もあり、表構えから想像できない空間が広がっていた。チェックインには時間が早かったのだけど、私が「疲れているので眠りたい」と言うと快く部屋に通してくれた。年末に泊まった東京のホテルはアーリーチェックインとか言ってお金を4000円も取ったけど、やっぱりフランスはいいねえ~。そういうの取られたことない。とにかく明日からのリュベロンに備えて、アヴィニヨンではチープに!がテーマ。このホテルは☆☆なのですごくチープって訳じゃないけど、今の物価高を思うとけっこうお手ごろ。

お昼寝の前にちょっと腹ごしらえ。マッキ~がまだ行った事がないというのでフランスのマクドナルドへ。それにしても汚い…。それに一番安いハンバーガーとコーヒーとポテト小で750円くらいって…ぜんぜん、安くない。日本だったら350円くらいじゃん。100円マックってなんてありがたいんだろう。

今朝、予想外に寒かったせいかまた咳が出てきた私は、薬局で咳止めシロップを買ってホテルへ戻る。そしてしばしのお昼寝。その頃には太陽が出てきていた。法王庁宮殿(Palais des Papes)を見に行っていたマッキ~から夕方電話があった時には私も元気を回復していたので、その後おしゃべりしまくりながら街を散歩。そしてホテルのすぐ近くに見つけた素敵なセルフのお店 ZESTE (62, place des Corps Saints) で軽く夕食を食べて、明日からのリュベロンに備える。おやすみなさい。

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le jeudi 1er mai (Saignon 泊)

P5020262昨日のやる気のなかった私とは違って、今日はかなりやる気まんまんです。なぜなら今日は8年ぶりになるセニョン(Saignon)の村に行くから!あてにならないと悪評高いフランスの天気予報もばっちり当たって、昨日の夕方から晴れ。今日も快晴、リュベロン日和です。

毎年お世話になっているタクシーAlex.がホテルまで迎えに来てくれて、がっちりと握手。今年は4日間もお世話になります。そしてアヴィニヨンの駅で今回の旅の友JJとLuちゃんをピック・アップ。楽しい仲間が4人揃ってセニョンにいざ出発!

今日はメーデー(fête du travail)。クリスマス同様、かなり旅行者には厳しい日。どこもかしこも完全にクローズしてしまうのだ。だからこそこの日はな~んにもないセニョンに滞在することにした。もちろんお宿のレストランが営業している事は確認済み。だから食いはぐれはない。アヴィニヨンから車で約1時間、最寄の街アプトを経由して懐かしのセニョンに到着する。

P5010209初めてセニョンに来たのは97年。村の中心には素敵な旅籠 Auberge du Presbytère があるだけで他には何もなかった。2000年に来たとき、お宿は少しだけ改装され小ぎれいになり、広場周辺にはお土産物屋さんらしきものを発見。それから8年。お宿はカフェも併設して、大きな泉のある広場にはたくさんの人が集まるようになっていた。

Rimg0041チェックインの後、さっそくランチを…と思ったけど、カフェのランチタイムはすでに終了。でも簡単なサラダならお作りしますよ…との親切な提案にまたもや感動。それにこれぜんぜん簡単なサラダじゃない!ヤギのチーズがたっぷりのボリューム満点サラダを食べながら、改めてみんなとの再会を喜ぶ。この4名が揃ったのはなんと2ヶ月ぶり。以前は毎週毎週会っていたので、なんか不思議な感じだ。

雲ひとつない空、さわやかな暑さ、おいしい料理、こんなにもヴァカンスにふさわしい場所って他にないわね。いまや年に1度訪れるリュベロンが私の毎日の励みになっていると言っても過言ではない。ほんと、Vive les vacances !!! です。

P5010228_2ランチの後は散策。祝日でお天気にも恵まれた今日は、こんな小さな村にも近隣から観光客がたくさんやって来る。特に観光名所があるわけではないが、村を散策したら必ず皆が目指す最も高い場所は、360度リュベロンを堪能できる絶景ポイントだ。初めてここに上ったのは同じ5月初旬だったけど、その時にはすれ違う人さえいなかった。セニョンもずいぶん有名になったものだ。私たちはここでも北浜トークで爆笑。リュベロンに響く私たちの笑い声と関西弁。おそらく関西弁を理解するものは誰もいないだろう…事を祈る。

P5010203Auberge du Presbytère には素敵なお部屋しかない。だからどのお部屋に当たっても絶対に幸せな時間を過ごせるはず。でも私はいつも青の部屋(chambre bleue)を指名する。思い出があるのももちろんだけど、やっぱりこのテラスから見渡す素晴らしい景色が大好きだから。みんなで夕食までの時間、このテラスで爆笑トークの続きを楽しんだ。その間、このテラスには台所からの子羊料理の良い匂い…。絶対に今夜はこれを食べるぞ!と、この時すでに決めていた。

Rimg0057お宿の中のレストランはほぼ満員。宿泊客以外でも遠くからやってくる人がいると聞いたことがある。以前ここで食べたときにもおいしRimg0058かった記憶しかないので、今夜も期待大です。

アミューズはグリーン・アスパラのムース。前菜には久しぶりのフォアグラを選び、メインは先ほどの決心の通り、子羊のRimg0059シュー包み。下にはクリーミーなグラタン・ドーフィノワが敷き詰めてあって、これまたとろけそうRimg0060においしい。デザートは珍しいのでウイキョウ(フェンネル)をはちみつでコンフィにしたものを選んだ。不思議な味わいだけど、胃に良いらしいのでこれから3日間、食べまくる私にはちょうどいいかも。

パリの外食と違って嬉しいのは、ここでは新鮮なお野菜が豊富に使われているという事。外食が続くとしんどいけど、お野菜がいっぱいだと安心。それにおいしいしね!

4人揃っての初めてのディナー、それはそれは楽しくて、4時間近く笑い続け、しゃべりまくり、時には笑いすぎて涙を流し、おそらく他のテーブルの西洋人達は、私たちを???の目で見ていた事だろう。それにしても笑い茸でも入ってたんだろうか???

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le vendredi 2 mai (Gordes泊)

Rimg0062のどかな朝、ゆっくりと朝食を楽しみ、部屋を出る。Alex.が迎えに来てくれるまでロビーでお茶をご馳走してくれたオーナーさんにもお礼を言い、宿を後にする。さよなら、セニョン。今度ここに来れるのはいつだろう…。

久しぶりに4キロ下にある(ここらへんでは比較的)大きな街アプト(Apt)を散策したいと思ってたんだけど、昨年同様Alex.に思い切り却下される。よほどアプトが嫌いらしい。「ぜんぜんきれいじゃないから好きじゃない」って言うけど、昔別れた女でも住んでるのかな(笑)。まあ、他にも行く所はたくさんあるからいいけど。またいつか最初の時みたいに自分の足で歩いてみるのもいいかもしれない。セニョン~アプトは地図上では約4キロ。でも実際歩いてみると体感距離は6キロくらいだろうか。行くだけじゃなく、散策もしないとだめだし、まあ少しばかり覚悟は必要かな…。昔は良く歩いたものでしたが…。

P5020263と、いう事で次のビュウクス(Buoux)を目指す。ここは商店もほとんどないとても小さな集落。ちょうどお昼時だったので、外を歩く人もなくひっそりと静まり返っていた。リュベロンでは大きなむき出しの岩盤をいたるところで見ることが出来るけど、ビュウクスのすぐ近くにあるレ・セギュアン(les Seguins)は、その中でもロッククライマーのメッカとなっている所らしい。恐ろしくなるほど前のめりにそそり立つ岩のふもとに l'Auberge des Seguins とそのレストランはあり、ヨーロッパ中から集まったクライマー達でにぎわっていた。

P5020283その後「フランスの最も美しい村々」にも選ばれているルールマラン(Lourmarin)へ。こちらはアプトほどではないけれど、レストランや商店もたくさんあり、それに朝市も出ていたので、たくさんの人でにぎわっていた。アプトと違うのは、こちらは洗練された高級感のあるおしゃれな村だという事。でも私は villages perchés ファンなので、平野にあるこの村では少しばかりテンションが下がる。10年前に泊まった時以来、幾度となく通過しているはずだけど、ちゃんと村の中心地を歩いたのは案外今P5020269回が初めてかもしれない。

そう、ここの朝市で、夕べ食べたウイキョウ(フェンネル)を発見。こちらではこんな風に普通に食するものだとは、ぜんぜん知らなかった。

お昼の2時を回った頃、修道院で有名なシルヴァカーヌ(Silvacane)に到着。その戒律の厳しさで有名なシトー会系修道院の中でもプロヴァンス三姉妹(シルヴァカーヌ、セナンク、ル・トロネ)と呼ばれているロマネスク建築の1つ。もう修道士はおらず、12~13世紀に作られた古い建物だけが残っている。

P5020288_3懐かしいきりっきりっとした暑さのせいでぼ~っとしていて、建物の中に入った時そこが空っぽである意味がよくわからなかった。そう、修道院の見所と言えば回廊とだいたい決まっている。危うくそのまま出て行きそうになったけれど、ちゃんと見学の道順は示されていた。何の装飾もない、シトー会独特の質素でストイックな雰囲気には、なんとなく背筋が伸びる感じがする。もうここが使われてないなんて、残念。カトリックも後継者不足ってことなんだろうか?

私たちの呼びかけに陽気に答えてくれるカエルさんと遊び、次の場所へ。カドゥネ(Cadenet)はAlex.が好きじゃないので通過のみ(笑)。そして10年前にフランスの最も美しい村々の仲間入りを果たしたアンスイ(Ansouis)へ。 村のてっぺんにはお城があり、以前は村長さん一家が住んでいたとか。見学が可能だったのだけど、最近所有者が変わったらしく、現在は閉鎖中。新しい家族が引っ越してきても、また一般に公開されるらしいので、またの機会に来るとしましょう。

P5020319次はプロヴァンスを舞台にした代表的な映画「愛と宿命の泉(1986年作品)」の重要なロケ地でもあるヴォージーヌ(Vaugines)へ。以前、ルールマランに泊まった時、5キロほど離れたこの村まで歩いて来た事がある。その時はなんとなく寂しい雰囲気だったけど、あれから10年以上が経ち、世界的なプロヴァンス・ブームはこんな小さな村にも影響を与えたのだろうか?少しばかり以前より洗練されたように感じる。ちょうど最後の結婚式のシーンで登場するこの教会の前では今日も何やらにぎやかに撮影が行われていた。

P5020324_2今回初めて訪れたキュキュロン(Cucuron)はAlex.もお気に入りの場所。村の中心には大きなプラタナスの木々に取り囲まれた広い水場がある。そのほとりにあるレストラン la Petite Maison de Cucuron はかなりいけるらしいので、今度またゆっくりと来てみたい。そしてこの村全体を見下ろす絶景ポイントがあると後で知ったので、それも是非その時に…。

フランスの夏はもちろん日本よりは過ごしやすいけれど、それでも南仏の夏はかなり厳しい。でも湿気がないので、日陰に入れば涼しいと言うのは有名な話だろう。南仏にたくさんのプラタナスが見られるのは、成長が早く、立派な枝振りの為、日陰を作ることに一役買ってきたそうだ。昔の人の知恵でもあったんだね。

P5020002さてさて、今夜のお宿は、今年で4年目になるごひいきのお宿、ゴルド(Gordes)の Mas de la Beaume 。1年ぶりのウェンディと再会のビズ。旅の仲間達は、今回初めて訪れるこのお宿と、ゴルドを見渡す絶景ポイントに歓声をあげていた。ついでに万歳と拍手も!もちろん何度来ても私自身その感動がうすれる事はない。

P5020325_2 毎年違うお部屋に泊めてもらっているのだけど、今年は Radassière。最近改装したばかりだと言うお部屋は、いつもどおり申し分がない。素敵なインテリアとラベンダーの香りに胸をときめかせながら、今年もここへ来られた幸せをかみしめるのだ!

でもお湯とお水のカランが逆に取り付けられてる…。ウェンディに知らせると「そうなの!」と言う。気づいたときにプロンビエに連絡をしたけれど、なかなかやってきてはくれないそうな。もちろん私もこんな事では驚きはしない。「C'est la France !!!」は、だめだめフランスを愛する私たちの合言葉である。詳しくは「南仏プロヴァンスの12か月」を参照してください。

Rimg0089今夜は昨年行きそびれた評判のレストラン le Cros de Gustave へ。確かに、今夜も満員。前菜はみんなで分けられる盛り合わせ。メインは各自で頼んだけど私はやっぱり好物の子羊さん。デザートの前のチーズはヤギさんのチーズ4種盛り。はちみつとジャムが一緒に出てきた。デザートもなんと4種盛り。お店の人は私たちがチーズを頼んだとき、何度も何度も大丈夫か?と心配そうに聞いてきた。ヤギのチーズが苦手な日本人が多いと思っての事か?それとも量的に食べきれるか?という事か?問いの真意はわからなかったけど、ご心配なく。私たちは今夜もきれいに完食です!

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le samedi 3 mai (Gordes泊)

Rimg0082今日も快晴、今日はかなり暑くなるらしい。朝食を頂いた後、みんなはゴルドの街へ。私は素敵なお部屋でグ~タラ。お昼のAlex.とのRDVまでには、それぞれが何かを買って戻ってきた。今日は私も夕食前にショッピングの予定で、昨日さっそく一つお気に入りの布を予約しておいた。

P5030019今日はリュベロン・ハイライトとも言える有名集落ばかりを回る。まずはゴルドから徒歩圏内のセナンク修道院へ(Senanque)。ここは昨日訪れたシルヴァカーヌ同様、シトー会系修道院のプロヴァンス三姉妹の1つ。こちらは現在でも修道士が住み、生産活動も行っているので、彼らが作ったラベンダーのエッセンスなどもショップで購入できる。残念ながら私がいつもやってくる春にはラベンダーは開花していないので、いつか咲き乱れるラベンダーとその艶かしい香りを堪能しに7月頃にやって来たい…。

車で行くとなかなか気づかないけど、修道院へ降りていく坂道の途中で下を見下ろすと、セナンク修道院の鳥瞰が楽しめる。平面プランが確認できると、建築探訪はなお楽し。

P5030033午後の気だるい時間に突入。リュベロンでも個性的な色彩で人気のあるルシヨン(Roussillon) はオークルの産地として知られている。ここはショップもレストランも多いし、泊まっても楽しそうだけど、なぜか今まで一度も泊まることを考えたことがなかった。素敵なお宿もありそうなので、また改めて泊まりに来るのもいいかも知れない。結局、何度も来ているわりには、村の東に広がる「コロラド」と呼ばれる地域には一度も行った事がない。ま、リュベロンは見るものもたくさんあって、一生飽きる事はないって事です。

色彩豊かなオークルの崖(命名:フォアグラ)を眺めるポイントにあるアイスクリーム屋さん、いつも食べてしまうけど、Luちゃんの食べてたラベンダーのアイス、おいしかった~。来年は迷わずこれにしよっと。

P5030047次に訪れたのは私がゴルドの次に好きな集落ボニウ(Bonnieux)。特に何があるって訳じゃないけど、雰囲気と形が好き。最後に泊まったのはセニョン同様、もう8年も前。また近々泊まりたい。その時は懐かしいホテル・セザールのテラスで、星空を見上げる予定。

P5030048ボニウの高い所からは向かいにあるラコスト(Lacoste)が確認できる。それを見て歩き出してしまった11年前。今年は頂上にあるピエール・カルダン氏の城(元サド侯爵の城)まで一気に車で行く。もう、ヨワヨワです。ラコストは城までの道中にフォトジェニックな風景がたくさんあるので、初めての人はやっぱり歩いた方が良いと思う。また次回はぜひ!

P5030064上の写真はボニウから見たラコスト。右のはラコストから見たボニウ(18倍ズームです)。

最後にちょこっとメネルブ(Ménerbes)に寄る。今年は「南仏プロヴァンスの12か月」で愛情に満ちた酷評を得ていたcafé du Progrès のカウンターでエスプレッソを飲もうと思っていたけど、な、なんと、カフェがない!と、言うか名前が café du Centre に変わってしまっていた。あ~なんで去年、入っておかなかったのかな…と、ちょっとだけ後悔。94年にNHKで放送された私のバイブル的番組で、紹介されてたオヤジ達にはもう会えないんだね…。残念!

でもそんなショックもなんのその。ゴルドの村でAlex.とバイバイしてからの私は、また今年も行商人のように布を買い込んでいた。でも最終的な金額はいつもよりはraisonnable。フランス滞在も終盤に差し掛かった今、カードの請求金額が怖くなってきたのは確か。み~んな買いたいものを買いあさって広場のカフェでアペリティフ。明日解散の一抹の寂しさは隠せないのであった。

Rimg0115今夜は村の入り口付近にあるLe Réservoir de Gordesで夕食。テラス席は素敵だけど、中はけっこうモダンすぎて南仏っぽくはない。サービスの人の雰囲気はいまいちだったけど、お料理は期待以上においしかった。前菜は南仏風オムレツサラダ。メインは今回食べ納めの子羊。今日のは骨付きで一番好きな部位。デザートは無難にクレーム・ブリュレ。結局、南仏では三晩連続で子羊を食べたけど、ぜんぜん飽きない。部位も料理方法も味も違うし、全部大満足でした。

お宿に帰った私たちは、これまで撮りためた写真やおもろビデオを見ながら、深夜まで大笑い。ゴルドの美しいお宿に響き渡る私たちの笑い声と関西弁…。食べた分はきちっと笑ってカロリー消費です!

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le dimanche 4 mai

P5020332今年の南仏最終日が始まった。今日も大快晴。昨年の悪天候は今年充分に取り返した感じ。パリの前半も寒かったけど、そんなことがウソのように、私はこんがりと日焼けしてしまった(ただし、土方焼けです)。やっぱりちゃんと日焼け止めくらいはぬらないとダメだね…。反省します。

荷物をまとめてサロンに集合。Alex.のお迎えの時間までウェンディともおしゃべり。彼女は友達ではないけれど、ここへ来れば会える人、毎年会いに来たい人の1人だ。また来年、必ずやってくるね~と手をふりお別れ。あ~今年も癒されました。merci beaucoup !!!

そうそう、サロンにあった中国語のガイドブックでここが紹介されていたんだけど、中国語でMas de la Beaume は”石窟農莊”と言うらしい。全部漢字なので、何となく書いてある事は推測できるけど、目に飛び込んできた文字は”蒐集飾物”と”資金不足”(笑)。この記事は前のオーナーの時に書かれたものだけど、始める時にはやっぱり資金不足で大変だったんだろうか?le Cros de Gustave のオーナーさんが教えてくれたけど、前のオーナー、カミユ夫妻は引退して今もゴルドに住んでいるそう。そしてAlex.も言ってたけど、ここら辺ではオーナーが替わる事は珍しくないそうだ。宿の経営と言うのは人気の南仏と言っても楽ではないって事なのかな。ま、カミユ夫妻は年齢的な引退だと思うけど。

P5040094最終日の行程は迷いに迷い、最終的には予定通りになった。まずは日曜日に大きな市の立つリル・シュール・ラ・ソルグ(l'Isle-sur-la-Sorgue)へ。もともとアンティークと水車で有名なこの街も日曜には色々なbrocanteが店を並べ、巨大のみの市状態になる。私は5枚で50ユーロだった19世紀のお皿を2度の値下げ交渉で35ユーロでゲット。+何かプレゼントを…と要求したらお店の名前の入ったボールペンを人数分プレゼントしてくれた。何でも言ってみるものです。5枚のお皿を旅の仲間と分け合い、3枚が手元に残った。これ、教室で使うつもり!

P5040108昨年も訪れたフォンテーヌ・ドゥ・ヴォクリューズ(Fontaine-de-Vaucluse)ではカヌーの大会が行われている最中だった。お天気の良い日曜日という事で、今日はまた一段と人出も多い。この時JJの持っているキーホルダー型温度計は34度を示していた。確かに気温は高いけど、エメラルド・グリーンの水の色と音が涼しげで、気持ちの良い暑さだった。

P5040130_2最後に訪れたのは初めてのヴィルヌーヴ・レ・ザヴィニヨン(Villeneuve les Avignon)。アヴィニヨンから徒歩圏内、ローヌ川を渡った対岸にある。ここはアヴィニヨンの喧騒を好まないお金持ちの人達が多く住む場所だと聞いた。ロワイヨーム橋を渡ると、まず最初に、フィリップ美男王の塔 (tour Philippe le Bel) が迎えてくれる。そこから街の中心地でもある教会のある所までは約500mほど。今日はここで vide grenier (日本で言うフリマ) が行われていた。

さらに奥には街の風景を重々しく支配する14世紀に作られたサン・タンドレ要塞 (Fort St-André) がある。でもAlex.との約束の時間も過ぎていたし、これからマルセイユに発つJJ+Luちゃんコンビのタイムリミットも近づいていたし、そこで引き返すことに…。小さな街ではあるけれど、今まで見てきた村とは規模も違うので、見るべきものもたくさんあるんだろうな。

親切なAlex.は私たちが要塞まで行ってないことを知ると、二人の列車の時間を気にしながらも車で連れて行ってくれた。中にある修道院の見学までは出来なかったけど、少し周辺のお散歩も出来たし、最後のひと時を有意義に過ごす事が出来た。ありがとう、Alex.。

全プログラムここで終了!

今年もまたAlex.にはたくさんサービス残業をさせちゃいました。もう3年目なので私たちもずいぶん打ち解けて話すことが出来るようになり、それも嬉しかった。「家族と来たときは是非うちにも遊びに来て」と言ってくれたし、彼の来日もようやく来年くらいには実現しそう。彼もウェンディ同様、ここへ来れば会える人、毎年会いに来たい人の1人。また来年お世話になります!

今年は楽しい旅の仲間にも、お天気にも恵まれて、最高に幸せな5日間を過ごせた。夢のような時が終わって、現実に引き戻されるのはいつもアヴィニヨン。だから私はこの街が嫌いなのかもしれない。TGVの駅で慌しく別れたJJ+Luちゃんコンビは明日の朝、マルセイユからパリに飛び、そのまま帰国。マッキ~と私はパリに戻り最後の1週間を過ごす。まだ1週間もあると言えばそうなんだけど、きっといつも通りあっという間に過ぎて行くに決まっている。そして素晴らしすぎる南仏のあと、いつもパリはかすんで見え、ひどい脱力感を感じるのだ。

今、私のフランスに対する愛情のほとんどは、この場所に注がれている。来年はどこに行こう…、ここを離れる寂しさとともに来年への期待に胸をふくらませながら…また1年、自分を磨きたいと思います。 

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Commentaires

楽しみにしていた南仏編。
あ〜、ひとつひとつが鮮明に思い出されます・・・。
ほんと、幸せすぎる、おもしろすぎる?!4日間でした。
仲間に感謝!
もっとフランス大好きになりました〜。
ちなみに初カキコですっ

Rédigé par: Lu | 29/06/2008 00:57

Luちゃん
初書き込みありがとう!
また来年の計画を練らんとあかんね~。
次号Figaro南仏特集を持って集まろう。

Rédigé par: mika | 29/06/2008 09:06

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