気だるいパリ-再会

朝、3人の帰国組みと近所のカフェで軽く朝食。みんな口数が少ない。やっぱり旅の終りはいつもさびしい。9時50分にはお迎えのタクシーがやってきて、みんな行ってしまった。寝不足だったので、もう一度寝ようかと思ったけど、今までがウソのように気持ちの良いお天気なので、このまま起きて部屋の片付けでもすることにした。仕事を休んでくれたマガリとお昼から16区の建築探訪をする予定になっている。

Victor Hugo にあるクレディ・リヨネ銀行にまず行く。ここにずっと口座を持ったままだけど、carte bleue は会費が高いし、もう必要ないので解約しなくては…とずっと思っていたのがようやくかなった。近くのセルフのお店でマガリと食べていたら、フランス・ラングのCが同僚と入って来た。「mika、来てたのね！」と再会のビズ。今日は予定に入れてなかったけど、後で学校に顔を出すように言い渡された。

マガリは初めて足を踏み入れるフランス語学校。フランス人だもんね、普通は行かないよね。12年前に私はここでフランス語を学んでたのよ…と、校内を案内する。Cのオフィスをのぞいて、ひとしきり世間話。すると外の廊下にいるすごく背の高い男性が目に入った。S先生だ！！！

このS先生、私がフランス滞在に旅立つ前、1995年に神戸と大阪でフランス語を少しだけ教えてもらった先生である。とても背が高いし、人柄がとにかく素晴らしい人だったので、とても印象に残っている。私がパリで生活をし始めてしばらくした頃、バカンスのために奥様と一緒にフランス入りし、故郷のブルターニュに戻る際立ち寄ったパリで、わざわざ電話をしてきてくれたと言う親切ぶり。その時「フランス語上手になったね」とほめてもらえた事を今もよく覚えている。お茶でも飲みましょう、と言う話になっていたのだけど、上手になったはずのフランス語で取ったメモがけっこうめちゃくちゃで、その後連絡が取れなかった…と言ういわく付。その後、そのままになってたのだけど、なんと2005年、フランス・ラングに立ち寄ったとき、教室の中で教えているS先生を偶然目撃。ぜんぜん変わっていなかったのですぐにわかったけど、まさかフランスに戻って働いているとは、ましてやフランス・ラングで働いているとは…、とにかくびっくりした。また改めて訪ねてこようと思っていながらかなわず、翌年行ったときにはもうブルターニュに引っ越した後だった。な～んて感じですれ違いばかりだったけど、今年はようやく声をかけることに成功！12年ぶりにちゃんと再会。今までの事情を説明できた。S先生はたぶん私と同じ歳だったと思う。毎日たくさんの生徒さんに囲まれているS先生は、残念ながら私の事ははっきりとは覚えてなかったけど、それでも私のずっと気になっていた想いはこれで晴れた！よかった～！良い先生とは、つらい勉強も続けていける力を与えられる人だと思う。S先生や、フランス・ラングで出会った何人かの先生からは、フランス語だけでなく、色々なことを学ばせてもらった…。

今日は先週の寒さがウソのように暑い。気だるい午後、私たちは私が数年前に作った建築マップにそって歩き出した。マガリはすぐに要領を得て、ノートを担当してくれる。やっぱりさすが、秘書なのだ。

今年は建築マップを手に、また1から写真を撮りなおしたいと言う大きな野望があったんだけど、いったい何年かかるんだろう…と言うボリューム。こんなペースだと10年はかかるね！なんて笑いながら、笑顔も引きつる暑さであった。素敵なカフェに案内するから…と、途中からダウンしかけのマガリを励まし、ようやくお気に入りの CAFE ANTOINE (17, rue Jean de la Fontaine 16e) までたどり着いた。マガリも気に入ってくれたこのカフェ、本当にこういう正統派＋素敵なカフェ、近所に欲しいなあ。

マガリがもう建築探訪に飽きたみたいだったので、52番のバスに乗ってオペラ方面へ。日本に行ってからはまっているという日本食に付き合ってあげることにした。けっこう友達とこのあたりを食べ歩いているらしい。ここらでは美味しいと評判の國○○、まだ入ったことがないと言うので、今夜はここにする。私はトンカツを頼んでみたけど、う、う、うす～い！これは、トンカツじゃなくてミラノ風カツレツ（よく言えば）じゃないか…。やっぱりトンカツと言えば、和幸やKYKのようにど～んと脂ののった分厚いのでお願いしますよ。ちなみにこの店、うどんが美味しいらしいです。

今日は暑くだるい1日だったので、癒し系の写真にしてみました（笑）