怒涛の8日間-そして、風邪を、ひいた
今年4回目となるパリ研修旅行+私の仕事とバカンスをかねた1ヶ月の旅が始まった。今回は研修旅行に9人が参加+3月初旬にプチ留学の為パリ入りしていたマッキ~が、現地で合流。私も含めて全11人の楽しい研修旅行となった。
…んだけど、到着後から喉が激しく痛くなり、熱が出てきて、1日は安静にしていたものの、翌日の夕方には声が出なくなった。そんな状態が続き、鼻づまり、咳と、まさに風邪の総合商社(こんな事を言った政治家がいましたね)状態を経て、皆さんを見送る羽目に…。ああ…4年連続で”パリ入りすると風邪に倒れる…”このジンクスはどうしても破れないのだろうか…。
今回、出発の日は寝坊せずにすんだのだけど、相変わらず荷作りは前日の夜に開始、終わったのは出発直前の朝方でもうすでにクタクタ。気候が不安定なこの時期、いくら考えても答えが出ないので、山ほどの洋服をつめこんだら、ボロボロ引退前のスーツケースはふたがやんわりと浮いていた。でも何とか23kgにおさまり、荷物の軽いJoが一緒にチェックインしてくれることになっていたので3キロオーバーも問題なし。安心して朝風呂に入り、1時間ほど仮眠をした。
パートナーに見送られ、Joとの待ち合わせ場所に急ぐ。空港に着く前からしゃべり倒して、この時すでにしゃべりすぎで喉が痛かった(笑)。今年は”なな”じゃなくて弟の”たおる”をひざに乗せ、ほぼ予定通りに飛行機は出発。今回は飛行機大好きと言うJoとラブラブ(2列)シートに座り、しゃべっていたらあっという間に雲の上だった。
機内では見たいフランス映画がたくさんあったけど、Joと語り、食事をし、眠っていたら、1.8本くらいしか見られなかった。なぜ1.8本かと言うと、2本目の最後のところで、着陸態勢に入り映像を打ち切られたので、結局結論がわからずじまい。帰りの飛行機でもまた見れると良いのだけど。
19時過ぎにパリに到着。参加者の方々のチェックインを見届けた後、Joを伴って私も自分のアパルトマンに急ぐ。マッキ~ともそこで合流して、24時まで開いている MONOP' (小さなモノプリ)があるモンパルナスへのバスに飛び乗った。そして音楽ががんがんかかる何の愛想もない観光客相手のカフェで、最初の北浜トークを炸裂させ、夜は更けていくのだった…。
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le samedi 12 avril
ほんの2~3時間しか眠っていないのに、朝の4時に目が覚めた。暖房を入れてなかったので、ちょっと寒くて目が覚めてしまった。あまりにもくっきりとした目覚めだったので、そのまま起きてしまい、PCを動かしてみたり、メールの返事を書いたりしていたら、あっという間にスーパーの開店時間。昨日買い揃えられなかったものを近所のスーパーに買いに行き、最初の昼食会に急ぐ。
最初と最後のお食事だけはみんなで!それだけが研修旅行の決まり。今回の最初のお食事会は、私が住んでいた思い出の場所にある、15区の CAFE DU COMMERCE (51, rue du Commerce 15e) で。内装もお料理もとてもフランスらしいレストラン。日本から来た人を案内すると皆さんとても喜んでくれるので、在仏中に一番通ったレストランでもある。研修旅行でも、いまや定番のこのお店は天気の良い日、明るい時間帯に行くのが良い。そして必ず2階か3階を予約すること。
たっぷりと時間をかけてお食事を頂いた後は、6人の人と一緒に16区にあるル・コルビュジエのVILLA LA ROCHE ラ・ロッシュ邸 (10, square du Docteur-Blanche 16e) を見学。もう何度も足を運んだ場所だけれど、やっぱり何度見ても素敵!3層分の巨大な空間を完全にさえぎることなく、建築的散策空間を提案している。でも今回はっきりと認識したのはギャラリーのスロープはなぜ、あんなに勾配がきついのか???って事。もちろんバリアフリーのためのスロープではないにしても、普通に歩くのもけっこう大変。ましてや車いすはぜったいに無理だな…。
せっかく16区にいるので、マレ・ステヴァンスやギマールの建築を紹介しながら、夕方5時ごろに解散。私を含めた4人は、ギマール作品の1階に入る CAFE ANTOINE (17, rue Jean de la Fontaine 16e) に落ち着いた。私の大好きなカフェの1つ。残念ながら、毎日通える場所ではないのだけれど、音楽のかからない愛すべき正統派のカフェ、古い内装、ジュリエット・ビノシュのようにきりりとした女主人、良心的な価格…、いまやこんなカフェを見つけることすら困難なパリだ。ここでJo、マッキ~、Y子さんと私の4人で、北浜トーク(もちろんここでは誰もわからない関西弁で)をまたまた炸裂。私たちの会話に花を添えてくれたのはもちろんカールマイヤー夫人と、70%のジャック・バウワー。
6時過ぎにM子ちゃんからリムジン・バスに乗ったと連絡が入る。そう、彼女は仕事の都合で1日遅れての到着なのだ。エトワール広場の降り場まで迎えに行く約束をしていたのだけど、北浜トークがあまりにもすごすぎて、この時すでにエネルギーを使い果たし、地味なお迎えになってしまった。すまん、M子ちゃん。
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le dimanche 13 avril
今朝は MUSEE JACQUEMART-ANDRE (158, bd Haussmann 8e) 内に併設されているカフェでのブランチからスタート。予約不可なので早めに…と、11時頃に行く。今朝の仲間はN子ちゃん、M子ちゃん、Jo。26 € もするブランチがどのようなボリュームなのか…とちょっと期待して行ったけど、パン、ヴィエノワズリーが4種+ジャム・バター等、オレンジジュースと、暖かい飲み物、サーモン・フュメのサラダと、卵、あと巨大デザート(全員途中棄権)と、比較的シンプル。それでも私たちが出るころには、広いカフェは満員で、並んで待つ人たちもいたので、まだパリのブランチブームは続いているようだ。
私はこの後、みんなと別れて1回目の観劇。オデオン劇場のアネックス、ポルト・ドゥ・クリシーの再開発ゾーンにある ATELIERS BERTHIER へと急ぐ。演目は”Tournant autour de Galilée”、ジャンヌ・バリバールが主演なので楽しみにしていた。ちょうど私が劇場についたとき、背後から聞き覚えのある甘~い声が…。振り返るとジャンヌ・バリバール本人だった。彼女は歌も歌っているみたいだけれど、その声にもかなり特徴がある。前にフィリップ・ノワレの芝居を見たときも、開演30分前に本人と劇場前ですれ違いかなり驚いたのだけど、彼女も開演30分前の到着!メイクとか着替えとかの時間は、そんなにいらないのかな…。私がカウンターでチケットの引き換えをしているとき、彼女は隣のカウンターで息子を従え(13くらいかなあ?)、劇場スタッフと雑談をしていたのだけど、そのモデルのようなスタイルと美しい立居振舞いには、皆が釘付けになっていた。
当の芝居は、朗読やダンス、歌と言った要素をミックスしたもので、いわゆる芝居とは違った。テーマが摩訶不思議で難解。…とは言え、途中で席を立ち、帰っていく人たちもたくさんいたのは、とてもフランス的。日本ではどれだけつまらなくても、途中で席を立つ人は少ないと思う。でも演出は近未来的と言うか、星の王子様風と言うか、かなりユニークで興味深かった。出演者の中には1匹の丸々と太った豚もいた。正直何がなんだかわからなかったのだけど、劇場に足を運ぶのはこの臨場感を味わいたいから。そうそう、私の何列か前の席に女優のエルザ・ジルベルスタンが観に来ていた。可愛いけどガリガリだった。
劇場までマガリが迎えに来てくれていた。思いのほか芝居が長かったので、すぐにみんなとの約束のモンパルナスに一緒に向かう。天気がよくなかったのだけど、RDVに集まってくれた3人はモンパルナス・タワーの展望台にあがり、私たち二人はカフェで語りあった。この日は雨も降るし、風もきつかった。そして何よりとても寒かった。やっぱり自称”究極の雨女”または”嵐を呼ぶ女”のJoのせいだろうか?
夜はマガリも伴って、アール・ヌーヴォーの装飾が美しい LE MONTPARNASSE 1900 (59, bd Montparnasse 6e)で。急遽、ディナー会場がフランス語教室に早変わり。みんな冷や汗をかきながらも一生懸命しゃべろうとしていた。これこそ、研修旅行でしょう???
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le lundi 14 avril
今日は午後からみんなでモンマルトル散歩。みんなの泊まるアパルトマンの近くでほしい物があったので、早めに出かけてJo+M子ちゃんの部屋を訪ねる。最終的には最上階のY子さんのところにみんなでおしかけ、ひとしきりおしゃべり。もう行かなきゃという時になって、突如大雨で全員怯む。雨が小降りになるのを待っていたら、大遅刻をしてしまった。先にRVDに到着していたN子ちゃんの顔が若干白く見えたのは、気のせい?ごめんね、N子ちゃん。
待ち合わせ場所の Jules Joffrin 駅前にある18区区役所の中で、Joもようやく無事(…とは言えないけど)に、フォトマトンで証明写真を撮ることができ、これで安心して(メトロやバスが1週間乗り放題の、でももうすぐなくなる…)carte hebdomadaire を利用することができる。Joはお天気だけでなく、フォトマトンとも相性が悪いらしい。最終的に出来上がった写真も笑えるが、それまでの経緯はもっと笑える。(詳細を知りたい方はJoまで…)
モンマルトルの丘を走る小さなモンマルトルビュスに乗り、お約束のサクレクール寺院からお散歩はスタート。そういえば、バスの中ではモンマルトルに何十年も住んでいるという日本人のおばあさんからJoが話しかけられていた。なんでも大阪の阿倍野に住んでいたことがあるらしい。すごい奇遇…。
それにしても今日も激寒。みんなで寒い寒いと叫びながら、ぶどう畑やラパン・アジルなどを見ながら丘の上を一周。次に目指すのは丘の上からも見えていた DREYFUS etc。丘のふもとはたくさんの生地屋が並んでいる。Anvers 駅の周辺は歩いたことはあったけど、生地屋街をちゃんと見るのは初めてかも。本当に生地屋しかない。私は布が好きなので、南仏でも使い切れない布を買ってしまう。だからこんなところに来ては危険…と思っていたら、やはりあまりの安さに2種類ほど買ってしまった…。う~ん、先が思いやられる。
その後、Blanche 駅まで歩き、最近話題の Notre-Dame de Lorette の界隈を歩く。この当たりも留学中に住んでみたかった地域の1つ。ここで圧巻だったのは A L'ETOILE D'OR (30, rue Pierre Fontaire 9e) と言う名の ACABOさんのお店。小さな恋のメロディー風の制服に身を包む70ん才の彼女が、30年以上も続けている、いわばお菓子のセレクトショップ。フランス中の古くからあるお菓子や、今話題のアンリ・ルルー氏の塩キャラメルまで、決して広くはない店内に所狭しと並んでいる。日本のメディアでもたくさん紹介されているそうで、それらを見せてくれながら、そこに一緒に掲載されているお菓子について、どんどん、どんどん説明してくれる。本当、息つく暇もないほど…。うわさどおりのマシンガン・トークおばさんだったけど「一緒に写真を撮りましょう」と言うと、ぎゅうって腕を組んできて、なかなか可愛い人だった。
今日の夕食は、今年一番期待していたお店、 LA FERRANDAISE (6, rue de Vaugirard 6e) で。以前*leCours*で学んでいた元生徒さんで、今はパリでキュイジニエールとして活躍しているA子ちゃんをゲストに迎え、2006年にパリで一番のビストロに選ばれたお店のお料理を堪能する。牛肉自慢のお店なので、店内には牛さんの写真がいっぱい。前菜には旬の緑アスパラガスのvelouté、メインには ココットに入って食べ放題のお米と一緒に出てくるフェロンデーズ風 blanquette de veau、デザートには爽やかなパイナップルの何とかを選び、お味、塩加減(これ重要!)、ボリュームともにすべて大満足。お食事前に出てきた ラディッシュとパテの amuse-gueule も、にんにくのきいた激旨ソースと超まろやかなバターで、おいしく全部頂く!あのソースの作り方が知りたい…。
実はこの日の午後、風邪の症状がひどくなってきて、お店でもぼ~っとし始めていたのだけど、幸い味覚はしっかり残っていたし、食欲もいつも通り旺盛で、お食事は十分に楽しめたので、本当によかった!LA FERRANDAISE は、これからも通いたいお店のリストに追加しておこうっと。
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le mardi 15 avril
風邪悪化のため、半日休養。夕方まで深い眠り。大汗をかき、少し楽になった気がする…が、まったくの気のせいだった。
夜はキャンセルできない、皆さんとのお食事会が入っていた。昨年、2回くらい予約を試みても無理だった最近話題の L'AVANT GOUT (26, rue Bobillot 13e) だって事もあったけど、ちょうど時を同じくしてフランスを旅している生徒さんのS子ちゃんとYさんも合流するお食事会は今日だけなので、絶対に休めなかった。
このレストラン、私のアパルトマンの近くにあるので、JoとM子ちゃんとはうちでRDV。レストランに行く前に、この二人を私のお気に入りの食料品屋さん SEVA NATURA に案内した。お母さんのリディと長男のパスカルとも1年ぶりの再会のビズ。去年知り合ってから仲良くしてもらっている。「mika、5分ある?」と言いながら、リディはお店の中にテーブルや椅子を用意して、早速パテやワインなどを私たちに振舞ってくれた。もちろん5分で終わるわけはない。色々なおしゃべりをしながら、これから夕食だというのに、私たちはもりもり食べてしまった。おしゃべり好きでとても優しいこの親子との時間を、JoとM子ちゃんも楽しんでくれたに違いない。
思ってもいなかった親切なミニ晩餐のために、みんなとの約束にちょっと遅れてしまったけれど、いよいよレストランにGO ! 今夜は全員で9人、にぎやかなレストランの中で私のしゃがれてしまった声はまったく通らない…。せっかくたくさんの人が来てくれたのに、ぜんぜんおしゃべりが出来なくて本当に残念…。
前菜には今年初めてのフォアグラを、そしてメインにはこのお店の自慢料理であるポトフを頂いてみたけれど、私は撃沈。私の苦手なコラーゲンのかたまりと、マスタード風味、そしてかなりしょっぱいのだ。言っておくが私はかなりの塩党(?)である。その私がしょっぱいと言うのだから、かなりなもんだと思う。あまりの評判に期待しすぎたかのかも知れないけど、もう行かないと思う…。もちろん他のお料理はおいしいかも知れないけど、メニューを見た限り、食指が動くものはあまりなかったしなあ…。
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le mercredi 16 avril
今日は知り合いのフランス人のご夫婦T&Nの招待で、パリ郊外の彼らの自宅に遊びに行く。生徒さんたちも一緒にどうぞ…と言われていたので、ずうずうしくも私を含め6名でおしかけることにした。
T&Nのおうちは北駅から20分ほどの静かな住宅地にある。駅からはすぐだけど、Tが車で迎えに来てくれていた。道路から門を開けると細い道が続き、家の前に到着。表から見える建物はいたって普通のフランスのおうちで、これはここを買ったときにすでに建っていたもの。今こちらは、週末にしか帰ってこない子供とお友達用のお部屋。家を一通り案内してくれた時に(フランス人の家を初めて訪ねていくと、寝室も含めてすべての部屋を見せてくれるのが常)「ここがmikaの部屋。いつでも好きなだけ泊まっていきなさいね。ご飯もただでついてくるわよ!」と言ってくれた。それならば、今度は絶対に泊まりに来ます!
現在T&Nの二人は、建築家でもあるT自身が設計した増築部分に暮らしている。これがまたル・コルビュジエの住宅建築のようなスタイルで、お庭に面した光あふれる吹き抜けのサロンを中心に、1階には台所とダイニング、2階にはプライベート空間が、まるでインテリア雑誌のように、とてもセンス良くまとめられていた。色々と話には聞いていたけど、こんな家に暮らしているなんて、本当にうらやましい!私たち全員、空間を移るたびに感嘆の声をあげ、にわかジャーナリストのように、写真をとりまくっていた。
Nはフランスで最初期の女性警察官(すでに定年退職)。体も大きいし、ヘビースモーカーだし、ブラック・ユーモア連発のかなり豪快なキャラクターだけど、その雰囲気とは裏腹に、お料理がとても上手。まるでおしゃれなレストランのようにテーブルセッティングされた中で、前菜、サラダ、お肉料理、チーズ、コーヒーを頂く。すべて激旨、すべてが完璧。家に遊びに行けるだけでも嬉しいことなのに、こんなご馳走をいただけて、他の5人も感動しきりであった。私もこんな風におもてなしが出来るようになりたい…。
食後はTの運転で、それほど遠くないLe Val d'Oise へゴッホの足跡をたどる観光に連れて行ってくれた。まずはゴッホが最後に住んだと言う AUBERGE RAVOUX 。薄暗い7㎡足らずの彼の部屋には、いつになるともわからないゴッホの絵画購入時に備えて、ガラスの展示スペースが造られていた。この小さな空間を足を踏み入れる為に5€ほど、だったかな?最近のフランスは入場料もバカにならない(まあ、日本もほんの小さなお庭を見るためにけっこう高額な入場料を取るけどね…)。そして彼も描いたガシェ医師の自宅、そして数々の印象派の画家が描いた風景を見ながら(もちろんゴッホの描いた教会も)、最後はゴッホと弟テオが並んで眠る墓地へ…と、数時間のゴッホを巡る遠足終了。ゴッホは日本でも知られているし、印象派の絵画を好きな人も多いので、みんなにも喜んでもらえたのではないだろうか。
ただ食事中からどんどん私の症状が悪くなり、途中からほとんど声が出ない状態になってしまったのだ。せっかく私たちの為に車を運転してくれているTとも話が出来ないし、Tとみんなの通訳も出来ないし、体よりそちらのほうがつらかった。
家に戻るとNも心配して私の為にお薬を買いに行ってくれて、シロップも与えてくれた。みんなに心配されながらも、お茶を飲みながら、楽しいおしゃべりのひと時。みんなもフランス人との交流にますますフランス語学習意欲を高めたのではないかな?!
明るいうち(と、言っても今のパリは9時ごろまでは明るいけどね)に電車に乗り、パリへ。声の出ない私は夜遊びしないで、明日に備えることにする。おやすみなさい。
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le jeudi 17 avril
今日は7人の参加者と共に CHARTRES (シャルトル)へ遠足。モンパルナス駅から9h30の列車に乗り、1時間ほどで到着。まずはタクシーに分乗し、すべてモザイクで仕上げられ、おとぎ話に出てくるような Maison Piccassiette へと向かう。これはレイモンド・イジドールと言う普通の人が1人で32年間かけて作り上げた彼自身のおうち。すべてのモザイクが完成したのは亡くなる2年前、彼が62歳の時だったらしい。良く見ていくと、旺盛な好奇心と深い信仰心が表現されている。小さいながらも、とても興味深い作品であった。(残念ながら写真撮影は禁止、この写真はパンフです)
その後、大聖堂の脇にあるカフェでランチ。大勢なので、店の入り口付近にある大テーブルに案内される。ここがまた冷えるのだ。人が出入りする度に、冷たい風が吹き込んできた。風邪もしんどかったし、もうこのままここにいたい(ただしもう少し奥の暖かい席で)ような気もしてきたけれど、見るべき大聖堂は隣にあるし、まあ足を運んでみるか…てな感じだった。とにかく、この日は強風で、気温も低く、もう大聖堂を見た後は、みんな街を楽しむゆとりもなく、また別の可愛らしいカフェに避難。帰りの電車の時刻まで温かい飲み物で、体を温める。肝心のシャルトル大聖堂はと言うと、お天気もいまいちで、うわさのシャルトル・ブルーは拝めなかった。本当、残念。
みんなはパリに到着すると、残り少ない時間をフルに楽しむために思い思いに散らばっていった。私は何人かの人とデパートのノクチューンに向かったけれど、プランタン本館の素晴らしいステンドグラスの下で少し腹ごしらえをしただけで、家路についた。それにしても寒かった、今日も1日…。日中は少しだけましになる私の鼻づまりと声の出も、夕方からお昼前までは最悪。咳き込んでよく眠れないし…。いったいいつになると楽になるんだろうか…。
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le vendredi 18 avril
今日はまず、明日私と一緒にバスク地方に旅立つ3人のスーツケースをうちに預かることから始まった。他の参加者の方たちは、明日の朝日本に発つので、実質今日が最終日となる。だからみんな最後のショッピングに余念がない。朝からラデュレにも行ってきたそうだ。う~ん、私も行きたかったな~。お店はともかく、みんなとのおしゃべりの時間が楽しそう…。
その後、バスク組3人についてきたJoとM子ちゃんも一緒に、みんなの希望で再びリディとパスカルのお店へ。良い商品がいっぱいあるので、みんななかなか決めかねていたけど、1人1人きれいにラッピングをしてもらって、ご満悦~。その上、全員にカラフルな(お菓子)ゼリーのおまけ付き。「mika、今みんなにpetit cadeau を用意させているけど、驚かせたいから内緒ね」とリディ。今日は長男パスカルが留守で、末っ子君が母に言われるがまま、慣れない手つきでお手伝い。私たちへのゼリーも彼が奥の部屋で用意してくれた。それにしても、いつもいつも優しいリディ母さんなのだ。
その後 MOSQUEE DE PARIS (39, rue Geoffrey Saint-Hilaire 5e) でクスクスを食べながら北アフリカにショート・トリップ気分。そして今 日のメインイベントはなんといっても楽しみにしていた Grande Galerie de l'Evolution (進化大陳列館) での剥製の動物達との面会である。モスケのレストランを出た所、すぐ正面にある。時々メディ アで目にしていた、たくさんの剥製たちが同じ方向を向き並んでいる様子に心惹かれていた。巨大空間を支える19世紀末建築も魅力的。想像通り子供連れの親子が圧倒的に多いが、大人だけでも十分に楽しめるマニアックな展示である。私はキリンさんとゾウさんがお気に入り。剥製との記念撮影もすませ、みんな最後の買出しに散らばっていった。
今夜は研修旅行、最後のお食事会。1回目の研修旅行でも利用したBOUILLON RACINE (3, rue Racine 6e) で、アール・ヌーヴォーの装飾を楽しみながら、みんな思い思いに旅を振り返る。Jo課長の挨拶もなかなかきまっていた。ありがとう、Jo課長!
今回は声が出なくなったことで皆さんと思いっきりおしゃべり出来ず、それはかなり心残り。でも楽しいメンバーのおかげで、私自身も十二分に楽しませてもらった最初の8日間なのであった。明日は早朝、バスク組4人(研修旅行から3名+マッキ~)とバスク地方に向かう。他の人たちは日本へ帰国。皆さん、また日本で会いましょう!おもろ映像を見ながら、旅の打ち上げしましょうね。
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Commentaires
mikaさんがparisで体調を崩す…私の中でもはや風物詩、年中行事、いやもう季語です季語!
毎回書いているような気がしますが、paris写真楽しみにしておりますね〜。
Rédigé par: marina | 08/05/2008 20:06
marinaさん
げ!まじですか?
季語にまでなっているそうで申し訳ないんですけど
来年こそは絶対にジンクスを破って見せます~~~。
Rédigé par: mika | 09/05/2008 04:10
Mikaさん、お久しぶりです。
楽しそうな研修旅行でしたね~!
バスク地方にも行かれたんですね!素敵♪
私も写真楽しみにしております。
しかし体調崩されて、ちょっと残念でしたね。
来年パリ行きの為に、風邪ウイルスに負けない強靭な肉体を作り、来年はぜひともジンクスを破ってくださいませ!
Rédigé par: Takako | 10/05/2008 13:21
Takakoさん
ご無沙汰しております。
私にとってもはじめてのバスクでした。
未踏地方の制覇、あと少し頑張りますよ~。
来年こそは6週間滞在とNO風邪を目指します!
Rédigé par: mika | 15/05/2008 06:27