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01/06/2007

突然の来訪

南仏から戻って4日間分のメールをチェックした夜、恐ろしい数の迷惑メールの中に懐かしい名前を見つけた。東京で活躍している建築家のO君。彼とは神戸以来の付き合いだけど、彼は大学を卒業してからずっと東京だし、ここ最近は忘れた頃に連絡が入るって感じのペースだ。

メールによると、31日にパリに到着するとのこと。えらいまた突然やな~!って事ですぐにこちらでの連絡先を知らせパリで会うことにした…のだけど、夕べ C と夕食を食べている最中に彼から電話。「今さっきパリに到着したんやけど…」「したんやけど…?(イヤな予感…)」「今夜泊まる宿の名前も連絡先も日本に置いてきてもーた!」との事。で、「三銃士ってなんて言うん?」と言う。なんでも1泊ぶんだけ予約したのは日本語でそんな名前のユースのような宿泊所だったらしい。

「Les Trois Mousquetaires かあ?」と答えてもそれではないらしい。まあ大人の男だし、何とかなるでしょう…と、その時は私も C との夕食の席に戻った。で、今日のお昼前に改めて近所の駅前カフェで待ち合わせをしたのだ。久しぶりの再会で積もる話はあるけれど、私は帰国前のカウントダウンで、あまり自由になる時間がない。これから南仏、バルセロナ、ロンドンに行くという彼に簡単な旅のアドバイスをして、一旦解散。私はその足で郵便局へ最後のコリシモを運びこんだ。

Rimg0151夕方、私のアパルトマン近くにあるホテルに宿替えしたO君と再度待ち合わせをした。夜、1人じゃ寂しかろう…と思い、S達とのRDVに一緒に連れて行ってあげることにしたのだ。でもその前に私はまずSeva Nature (13 bd Arago 13e) に行く。帰る前にもう一度ゆっくりリディとパスカルに会いたかったのと、自分へのお土産に美味しいフォアグラを買い求めたかったからだ。先日、パスカルが滔々と語ってくれたここのフォアグラ、(持って帰るのは重そうだけど)やっぱり食してみたいと思った。今日は先日にもまして話が盛り上がり、先客の常連さんと一緒に、美味しいパテやリエットを、今お店でいち押しのイタリア・ワインと一緒に頂くことになった。店内にある小さなテーブルがささっと片付けられて、可愛く盛り付けられた食材にワインとパン、すごいご馳走じゃない?

リディも自分の事、家族の事をいっぱい話してくれて、ますます私は彼女の魅力に引き込まれていく。素敵なお母さんここにも発見!今日のSeva Nature 停留時間、軽く2時間超え。新しいパリの友人達にお別れのビスをして店を出たとき、Sとの約束の時間はとうに過ぎてしまっていた。

Cimg0010Sからはles Frigos(19 rue des Frigos)になるべく早く来るように言われていたけど、最寄り駅を出てすぐ、O君、初めて見るドミニク・ペローの国立図書館に感動してシャッターをきりまくり。私はここに通っていた頃になかった巨大なMK2の存在にびっくり…。そんなこんなでなんとなくペースを乱されて、めったに迷わない私も方向を間違えてしまった。Frigosの場所を正直うる覚えって事もあったけど、太陽が出てないと私は少しだけ方向音痴になる時がある。

あっちへ行ったりこっちへ行ったり誰のせいでもないけど、だんだんイライラしてきて、Sからは「どうしたの?」「今どこ?」「何してるの?」と何度も電話が入り、よけいにイライラ…je ne sais plus !!! Frigosに到着した時にCimg0014_1は21時を過ぎ、日が暮れてきたところだった。この広い場所のどこに居るのか…。Sにこちらから電話をかけてもずっと留守電。しばらくず~っと留守電で、イライラはピークに。確かtribuneで21hから始まるドキュメンタリーフィルムを見ようと言っていたな…。きっとこの扉の向こうでそれはもう始まっているんだろうけど、なんだか今日は疲れたし、今から重いテーマのフィルムを見る元気はとてもなかった。だから「着いたけど帰る」とメッセージを残して、帰ることにした。

O君はいつも超マイペース。さっきのお店でもかなり暇だったと思うけど、まったく飄々としてたし、今の私のイライラもあまり気にしてはいない。彼、ここで「腹が減った」と言う。まあ確かにね…って事で、近くのいまいちなレストランに入り、とりあえず空腹を満たすことに。ビールを飲んでご機嫌なO君と、ここでようやく久しぶりの再会にふさわしい話が色々と出来た。私としては、友人の彼が東京で建築家として活躍しているのはとても嬉しいことなんだけど、同時に不思議な感じもしている。このペースでどうやって仕事が回ってるんやろう…と単純に思う訳だ。私の友人達の中でもかなりユニーク度は高めの彼。これからの活躍もますます楽しみな人だ。

そんな彼との食事も終わるころ、Sから電話。映画が終わったと言う。巨大MK2の前で待ち合わせをしてようやく私たちは出会うことが出来た。本日ほぼ3時間の遅刻なり。今日は靴職人のNと彼のGFも一緒だったけど、Nにとっては私は遅刻常習犯…。それもかなり激しい…。mikaはいつもすごいponctuelleだよね!と今日もニヤニヤ。まあ今日は迷子になったって事で勘弁してくださいよ。Sにも手話で(?)「ここからあそこまでどうやって迷子になれるの?」と冷やかされるし…。

その後バカ話をしながらトルビアックまで歩き、開いているカフェで深夜までおしゃべり。英語もフランス語も話さないO君だけど、彼らにも相当その雰囲気はウケていて、O君にも楽しいひと時になったよう。

明日はもともとル・コルビュジエのアトリエ兼自宅を見に行く予定だったので、O君も一緒に行くことになった。私のフランス滞在も残すところあと2日…。

les Frigos・・・1919年に建設されたSNCFの冷凍倉庫。60年代にその役目を終えて廃墟状態になり、取り壊しが予定されていたところ、前衛芸術家達によってアトリエとして利用され始め、最近ではアートセンターのような役割を担っている。

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