chez lui
今日も朝方までガサゴソやっていたので、もちろん早くに起きれるわけもなく、午後1時ごろにようやくO君とJussieuで合流。新しくなったパリ大学のポップ空間をかなり見たかった私…でも結局、家を出るのが遅くなったので、ここはO君1人で行くことに…。それほど執着するようなものではなかったと聞いて、安心するような、残念なような…。でもまだちょっと空間に身をおいてみたい…。
今日はまずJussieu駅からすぐのところにある今どきのカフェで、働き者で感じのよいギャルソンのサービスを受けならが、お昼をゆっくりと頂き(O君、3杯ビール飲んだ?)、それからメトロの10号線に乗ってはるばる16区へ。ル・コルビュジエの自宅兼アトリエ(24, rue Nungesser et Coli 16e)を見学するためだ。近くにコルビュジエ財団の入るラ・ロッシュ、ジャンヌレ邸という見学可能な秀作があるけれど、こちらは以前、外観を見ることしかできなかった。内部見学が可能になってからも日時の制限がかなりあったり、予約をしなくてはいけなかったり…と、少しややこしかったのだけど、ここ最近はコルビュジエ財団が管理するようになり、決められた日時には一般公開され予約なしに訪問できるようになったので、今年はぜひ訪れたいと思っていた訳だ。
今日はかなり暑い。ドキドキしながら1階のインターホンを押すと「ウィ」の声。「見学に来ました」と言うと「エレベーターを6階で降りて、次に階段で7階まで来て下さい」と言う声が質の悪いスピーカーから聞こえてきた。7階には同じような地味な扉が3つ。特になんの表示もなく「え?どれ?」と一瞬ドッキリ。そう言えば私はここの平面図さえ見たことがなかった。とりあえず階段を上がってすぐの扉のブザーを押すことにした。「正解!」と思ったら、結局は3つとも彼の家の扉だった。
玄関の扉は世界のル・コルビュジエの住まいとしてはあり得ないほど小さくて地味。建築学生らしいアルバイトのお兄さんが笑顔で迎え入れてくれる。まず最初の感想は、狭っ!でもデュプレックスになっているこのアパルトマンの総面積、実は240㎡もある。入って右にはアトリエゾーン、左にはプライベートゾーン。彼の特徴でもある完全な仕切りのない空間構成。アトリエの端には穴倉のような書斎があり、今は何もない整理された空間だけど、何か彼の気配がまだ残っているかのようだった。
眼下にはパリ・サンジェルマンの本拠地であるPARC DES PRINCES がある。その元となった競輪場は1897年には完成していたらしいので、彼もこの風景を見ながら仕事をしていたわけね。
プライベートゾーンは西向き、こちらはもうパリではなく、ブローニュ・ビランクールの閑静な住宅街が広がる。私は西日が大好きなので、西に気持ちの良いベランダがあるこの居住空間は、それだけですでにポイントが高い。左の写真は潔いデザインの浴室周り。階段をつたって上階、建物の最上階でもある8階に上がる。友人の為の寝室と浴室しかなく、あとは屋上テラス。今も誰か寝泊りしているかのようなリアルな石鹸がシャワー室に…。もしかしたら、建築界のVIPならお泊りできるのかも知れない(?)。
ベランダで太陽の光を堪能していると、どこからかすごい歓声が聞こえる。それは300mほどしか離れていないところにあるローラン・ギャロスのメインコートから聞こえていた。コートの上には真上から撮影するカメラがウロウロ。怒とうの歓声は誰に送られていたものなのか…。ちょうど10年前に女子の準々決勝を見に連れて行ってもらったことを思い出した。あの日もじりじりとした暑い1日だった。
充分にインスピレーションを受け、作品に感動しっぱなしのO君とはここでお別れ。今度会うのはたぶん東京。私が今秋仕事で上京したら、美味しいものをご馳走してくれるそうだ。私はこの中途半端な時間をどうしようか迷いながらも32番のバスに乗り込んだ。6時にはLちゃんと約束がある。どうしても行きたかった美術館は近くにあるけどゆっくり見るのは不可能に近い…し、バスは渋滞で、ぜんぜん前に進まない。いつもならそんなに気にしないで居眠りでもするところだけど、今日は時間がないのでトロカデロでメトロに乗り換えて、一気に待ち合わせ場所まで行ってしまおうか…と迷いながらも、気付いたらコメルス界隈で下車していた。なんとなくショップをのぞきながらコメルス通りを下りながら教会の前まで歩く。そこでいつも乗っていた70番のバスに乗って待ち合わせ場所まで行くことにした。今年最後のパリ観光って事で、しっかりとその風景を目に焼き付けておきたかったけど…ね、眠い。
BHVでLちゃんと出会って、今夜彼女が私のために選んでくれたというシテ島にあるレストランLa Reserve de Quasimodo (4 rue de la Colombe 4e)へゆっくりと歩いていく。レストランはとても小さくて、見落としてしまいそうだけど、歴史のある有名なお店らしい。彼女の幼馴染N君と彼V君も現地で合流。昨秋日本で出会ったメンバーが揃った。私のフォアグラ好きはLちゃんの印象に強く残っているみたいで、以前フランスから送ってきてくれたくらい。メニューにフォアグラがあるのを確認して、今日と明日はフォアグラでしめること決めた!みんなはサラダを頼んでいたけど、それもすごいボリューム。そのサラダにもフォアグラや生ハムが贅沢にのせられていて、こっちの方が良かったかも???と思いつつ、私はmi-cuitのフォアグラを注文、でもいつものフォアグラがやってきた。まあ、美味しいから何でもいい!やっぱりサラダでおなかを大きくしちゃうより、断然こっちの方が良かった!
次はみんなに習って見たこともないほど大きくカットされたフロマージュの盛り合わせ。1人一皿お願いしようとしたら、サービスのお姉さんがまずは2人で一皿にしておいた方が良い、と言ったそのアドバイスは正解。ヤギのチーズに蜂蜜をかけると美味しいよ、と言うとみんなお姉さんに「蜂蜜ありますかあ?」お姉さんには「あなた、イタリア人じゃないわよね?」と言われてみんな大笑い。こういう食べ方はイタリア人がするらしく、私は南仏の人に教わったので、やっぱりあちらの食文化はとても似てるのね。
パンもすすむし、これでかなりおなかがいっぱいだけど、みんなデザートを注文するので私もついていきます!みんな結局ソルベの3種盛り。もう幸せの満腹ぷーです。今日はみんなでご馳走してくれるそうだ!「え~そんな~!私いっぱい食べたよ」と動揺して訳のわからない事を口走る私に、みんなは口をそろえて「et alors ?」 昔、そんな名前のドラマ、ありましたね…。その上、V君が食べてたサラダにのっていたcou d'oie (ガチョウの首)を初めて味見をさせてもらって「おいしい~!」と言ったものだから、それまでお土産にプレゼントしてくれた(店内にブティックがある)。みんな、ありがとう!
帰国2日前の夜はまだ終わらない。私はSとバスティーユで会うことになっていたので、みんな一緒に行こう!って事でN君の車で移動。バスティーユは目と鼻の先だけど、週末なので駐車スペースがぜんぜんない!お姉さんや友人と食事をしていた彼と合流できたのは11時を過ぎた頃だった。家に戻ったのは3時前。なんか長い1日だった…。
明日あせらなくても良いように、スーツケース今から詰めます!
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