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23/05/2007

熱は下がった

昨日は郵便局から2つ目の小包を発送した後、SといとこのXとオペラでおちあい、夕方までおしゃべり。その後パリで消防士をしているGéの仕事場を訪ねる。彼は先日ノルマンディーで再会した盆栽クラブのメンバーの1人だけれど、2日働いて(夜勤)3日休みというペースなので、田舎に住みながらパリで仕事が出来るのだ。うらやましい…。そんな彼から今度の出勤日にはぜひ訪ねておいで!と言われれば、そりゃあそんな仕事してる人他に知らないし、行きます!

って事で、パリの消防署を見られるのを少し楽しみにしてたのだけど、彼は最近仕事場を変わってしまって、今は某銀行の専属。本社が火事などに見舞われないようにがっちり見守っているというわけ。消防署での業務に比べると危険は皆無だし、人間関係も楽だし、お給料も良いし…と、彼は満足そうだった。食堂で飲み物を頂きながら、色々とおしゃべり。11月のツアー時にはほとんど言葉を交わすこともなかったけれど、あのクラブの人達は本当に親切な人ばかりだ。今度の土曜日にまたおいで!今度は誰もいないから、本社の内部を見学させてあげる…って、ええんですか?そんな職権乱用して???でも良いらしい。それじゃあ、今度の土曜日にまたね!と私は次のRDVへ。次はG君!

もともと教室に来てくれていたG君はモード系の学生さんで、ちょうど今パリに来て1年目が過ぎたところ。こちらでの生活にもずいぶんと慣れたようで、学校の勉強のほか、スタージュ(研修)やアルバイトにも精力的に取り組んでいるよう。パリの景色を眺めながら、色々な話をする。1年前には考えられなかった夢のような出来事もたくさんあったようで、そんな話を聞きながら、私も自分のパリ時代を思い出す。

私は27歳でパリにようやくたどり着いたのだけど、今あの時からやり直すことが出来たらどうだろう。よく思ったものだった。あの頃はインターネットもほとんど普及していなかったし、一介の貧乏学生には出来ることは限られていた。でももしあの頃今のようにPCを活用できたなら、私は何をしてただろう…。私は何をしたかったのかな…。

最近、道に迷い気味な私としては、やっぱりAちゃんやG君のように夢に向かって頑張っている人たちからたくさん刺激をもらって、初心にかえることが必要なのかもしれない。

…などと考えていると知恵熱???また熱が出てきた。G君と夕食を食べているときからだんだんしんどくなってきたので、家にもどって薬を飲んで寝ることにした。本当は最終回の映画を見に行きたかったのだけど、仕方なくあきらめる。日本でブログを読んでいる母を心配させたくはなかったので書かなかったけど、出発前から調子が悪くて熱も出たり下がったり…。でもとりあえず行ってしまおう!なんて来てはみたけど、こちらに着いてから少し心配になって一度病院に行ってみたりもした。このところ春はどうも調子がよくない。

で、今朝Mag.と約束をしてたけど熱が下がらないので断って、お昼もSと約束してたけど熱がさがらないので断って、夕方までど~~~っと発汗そして熟睡。夕方起きだすと熱も下がっていたし気分も良くなったので、まだ弱ってはいたけどおでかけすることした。

Apreslui今日は水曜日で映画の公開日。カンヌ映画祭の季節はやっぱり良い映画がどんどん公開されるから、時間が許す限り見たいもの。まずはカトリーヌ・ドヌーブが息子を亡くした哀しみを熱演している après lui を見る。Le Plus bel âge で情けない弟を演じていたGaël Morelが監督。若いのにこんな長編をそれも彼の尊敬しているカトリーヌ・ドヌーブと撮れるなんてやっぱりテシネの元で勉強しただけはあるのでしょうか。日本でも最近、どんどん若い監督が長編を撮っているし、映画界も昔ながらの下積みってのが少なくなってきてるのかしら。

Lescaphandreetle_papillonその後、R君の働くBarに遊びに行き、お茶をご馳走になってから、次の映画 Le Scaphandre et le papillon を見る。好きな俳優の1人Mathieu Amalricが主演。若くして病に倒れ…病名はわからなかったけどLocked-in syndrome?車の運転中に血管が破裂したかのようだった…目の動き以外の機能が奪われ全身不随になってしまったJean-Dominique Bauby氏の実話で、ほとんどが回想シーンとナレーション。rois et reine 同様、彼の演技には心を動かすものがある。そして今日も涙がこぼれる…。

原作はBauby氏自身が闘病生活の中で目の動きだけで書き上げたもの。もちろんそれを書き取るお手伝いさんが必要。作業は根気のいるもので、フランス語においてよく使用されるアルファベットがその頻度の順に並んだ表を使う。それをお手伝いさんが順番に読み上げていき、該当する文字が出てきたら彼は瞬きをして合図をする。そうして分かった文字を1つ1つ書き留めて単語を推測して行くわけだ。瞬きの数は1回ならoui、2回ならnon ...。

そうして本の完成を見届けてからBauby氏は亡くなったらしい。

人生は一度きり。生があったとしても元気に動き回れる、当たり前のことのみたいだけれど、実はこれこそが奇跡なんじゃないかと思うことがある。だからやっぱり自分のために精一杯人生を満喫したい、そんな風に思う私です。

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