4時間半の京都

この10月は久しぶりにひっくり返りそうな忙しさであった。教室の仕事で一番忙しい時期は新学期の準備に取りかかる学期末から新学期が始まってしばらく。2月中ごろ～4月初旬、8月中ごろ～10月下旬、この10月に引越しという大イベントを入れてしまい、今月はほとんど誰とも話していない、ダンボールとPCの画面しか見ていないような気がする。

そんな時、パリの友人Lちゃんから彼女の友人Ax君が初めて日本へヴァカンスに行くので、京都を案内してほしい…というメールが届いた。一瞬凍りついたけど、Lちゃんは大切なお友達、フランスでは友達の友達はみな友達なので、断れず…、引き受けた。半日だけでも会いに行こうと月曜日の午後、京都へ出向いた。Lちゃんは「あ～mikaは私の天使ちゃん」と最高の賛辞と共に（？）大喜びしてくれたのは言うまでもない。

でも、なぜ…いま…。それにまた京都かあ…。京都はいまいち地理があやしいのだ。よく知った都市に比べると極端に滞在日数が少ないので、頭の中の地図は未完成のまま。なので大学時代を京都で過ごしたEm.を助っ人に誘ってみる。

肝心のAx.君とはなかなか会えず、ちょっとイライラ。あんたが京阪三条の2番出口って言ったんじゃん。待つこと1時間。結局、私たちが彼のいる場所へ彼を探しにいくはめに…。

Em.と二人ならまた食い倒れで終わっただろうけど、今日は二人じゃないので「あ～、あれおいしそうだね」「あ、あれも…」と、日本語でこっそり何度口にして、見送ったことか…。それにしても昼食の鰻を祇園の梅ノ井で食べた以外はずっと歩き通しであった。観光が苦手な私にはいつもつらいフランス人との京都の時間…。

しかしこれで何度目の清水寺だろうか。だったらもう少し詳しくなれよ…と我ながら思う。ガイドという仕事があるが、日本のことを勉強するモチベーションがどうも高まらない。なぜかな、日本史は得意中の得意だったのに、今や有名な武将の名すらあやしい。京都は嫌いではないけれど、ディテールを暗記するまでには興味がわかない。これらを人に説明できるまで勉強して、それをフランス語で説明する…、う～ん、気が遠くなる。