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11/05/2005

なぜみんなパリを好きですか?

PICT0031今日は午前中に書斎で仕事を済ませる。久しぶりに見るここのお姉さんはちゃんと私のことを覚えていてくれて、いつものようにカフェと1杯のお水を持ってきてくれた。本当、ここのホテルのサービスは気持ちがいい。けっこう今日は処理しておかなければならない仕事が多くて時間がかかったけれど、正午には16区のK邸にご招待頂いていたので、急いで63番のバスに飛び乗った。
Kさんはクリスティーズ時代(1997-98年に在籍)に知り合った在仏26年の日本人マダムなのだ。私なんかとは違って、先日のF先生のように本物の美術品に囲まれて生活されている方。日本の女の子たちにとっては本当に憧れるような生活ではないかな。今日はKさんの日本人のお友達Saさんも来られていた。こちらも在仏30年の大ベテラン。二人の大先輩に囲まれて、Kさんの手作りお料理を頂きながら話題は多岐にわたった。まったくタイプの違う二人のマダムの関心事はいずれも現在の日本。今の若い人たちの事、今の日本の傾向を憂いておられた。
彼女達を国際結婚の第1世代と呼んでいいのかな?いずれにしても30年も前に外国人と結婚してその国に移り住むということは、今の私たちには想像できない苦労があったのではないかな・・・と思う。どんなことにもパイオニアがいて今がある。彼女達の当時の勇気にはただ脱帽するばかり。
c夕方K邸を後にして、Kちゃんと16区内で落ち合う。16区建築散歩を続けるつもりだったけど、また肝心のところで私のへなちょこバッテリーがなくなってしまった。もう信じられない!!!また出直さなければ。夕べ充電したての電池もぜんぜん使えなかった(怒)!!!でも嬉しい発見もあった。迷い込んだオートゥイユ墓地の東にある袋小路たちはパリとは思えないような静けさと田舎風の雰囲気をたたえる素敵な住宅地。距離にするとほんの短いものだけれど、私達の滞在時間はけっこう長かった。子豚のようなパグやきれいなネコさん達にたくさん挨拶をして、そこを後にした。
今夜はバスティーユに住む日本人カップルY.KとアーティストRさんと一緒に夕食の約束。焼肉屋とビストロとどちらが良い?聞くので、迷わず「フレンチ!」と答える。彼らの家からさほど遠くない「CAFES DE L'INDUSTRIE : 16&17, rue Saint Sabin」に連れて行ってもらった。私はラルドンのサラダとデザートのチョコレート・ケーキを頂く。大した料理を出すわけではないのだけれど、いつもすごく混んでいるそうで、今夜も9時を過ぎたころから超満員。音楽はかかっていないけれど、すごく人の話し声が反響してうるさい。普通のフランス人が集まる人気レストランには、やはりそれだけの理由がどこかにあるはず。お手ごろな価格と?なんだろう・・・?やっぱりメディアの力?
ところで今夜の彼らとの食事中の会話では、私自身、パリと私の関係性の変化を考えさせられるところがあった。16年前に知り合い、10年前私にとって究極の愛人だったパリだけど、狂おしく追い求めていたあの頃の気持ちは今はもうない。今回2年半ぶりの再会ではっきりとそれを感じた。それはきっと私が変わったからではなくパリが変わったのだと思う。パリはものすごい勢いで変わっている。観光客にはあまりわからないかも知れないけれど、そのスピードはとても速く、もはや私の生きるリズムをとうに超えている。歩くリズムが違う彼を以前と同じようには愛せなくなっているのかも・・・。昔はとても不器用で人見知りだった彼は、いまやとても社交的で誰にでも愛想が良い・・・そんな彼を見ていると少し寂しい・・・。でもやっぱりパリを好きだし、フランスは私の第2の故郷。嫌いになんてなれるわけはないけれど・・・。

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