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30/04/2005

歴史的邸宅訪問

夕べは寝るのがけっこう遅くなってしまった。と、言うのも遅れていた仕事の資料がようやく届いたので、少し目を通していたのだった。ひさしぶりに4時ごろに眠ったので、今朝の6時半起きは厳しかった。その上今日も昨日同様30度近くまで気温があがる。きつい真夏の日差し・・・。大変な1日が予想できた。
4月27日からポンピドゥー・センターでロブ・マレ=ステヴァンスの展覧会が始まった。これにまつわるイベントがポンピドゥーの方で色々と企画されていて、今日はCとその一つに参加する。車で行く1日がかりのヴィジット。まずパリの北西にあるPOISSY駅前に11時に集合という事だけ聞いていたのだけど、ヴァカンス期のそれも週末、それもパリジャンが大好きなノルマンディ方面と同じ道路を行かねばならない・・・と言うことで、渋滞に巻き込まれると性格の変わる彼女は渋滞回避のために8時半に彼女の家を出発するわよ!と意気込んでいた。え~、ちょっと早いと思う・・・と思いつつ私は少々ヘロヘロ状態で到着。案の定9時半頃には到着してしまった。郊外はパリよりも通常気温は低いものだけど、もうこの午前の段階で薄手のTシャツがベトベト。先が思いやられる~。
11時にそろった人数は30人ほどだったろうか?30人がみんな車で来ているわけではなく、車を持っている人は自分の車にいくつ空席があるか事前に申請、車のない人はここまで電車で来て、ここから誰か見知らぬ人の車に乗って移動する・・・と言う日本ではまずあまり考えられない企画。私たちはたまたま隣に立っていたおしゃべりのおばさんを乗せることになった。
PICT0012まずはマレ=ステヴァンスが強い影響を受けたル・コルビュジエのサヴォア邸を見学。ここまでは駅から距離も近いし案内板が出ているので迷子になることはない。私はここへ来るのはもう3回目。いつも幸いお天気に恵まれている。ここには出来るだけ天気の良いときにきた方がいい、だって空の青と、建物の白と、芝生の緑のコントラストがとてもきれいだから。建築に特に興味のない人でも純粋にきれいだな~って思えるはず。この20世紀住宅建築の傑作もいつか吉永小百合のCMに出てきても良さそうなものだけど(笑)。ガイドさんの説明はとてもわかりやすく、面白いのだけど、睡眠不足の上に強い日差しにさらされて、私は睡魔と闘っていた。説明を聞くグループを避けながら、誰もいない空間を写真におさめていく。
PICT0025こちらのこういったヴィジット(見学)で、いつも感心するのは一つの作品にかける時間の長さ。今日もまずこのサヴォア邸にゆうに2時間はかけただろうか・・・。今日は半日のプログラムなのでいくつか見られるのかと思っていたら、どうやらこれを含めて2つだけらしい。
次の作品のあるMEZY-SEINEへの移動はランチ・タイムを兼ねていてあまり時間がない。代表者の人が「みなさん次の作品の庭でピクニックにしますよ~!」と発表。途中の街とかでパンとか果物とかを買えってか???「そうでなければ○○にマクドナルドがあります」この言葉には全員ブ~イング。さすがだぞ!フランス人!!! ここでさらに感心するのは、車での移動をざっと口頭で説明するだけで、印刷された地図とかがあるわけではない。みんなよくそれだけでたどり着けるな・・・。幸い私たちが乗せたマダムは以前このあたりに住んでいたらしいので、彼女が観光案内なんぞも織り交ぜながら完璧なナヴィをしてくれた。
PICT0054たどりついた先はマレ=ステヴァンスが手がけたポール・ポワレ邸。まずは予告どおり、このお庭でピクニック。みんな芝生の上で思い思いの格好でくつろいでいる。ガイドさん達は電気ポットまで持ってきていて食後のコーヒーまでみんな飲んでいたぞ。さすがにピクニックのプロ達!フランス人といるとピクニックは避けて通れない運命。私もピクニックは嫌いじゃないけど、芝生の直座りは勘弁してほしい。今日もしっとりと湿っていたぞ。あまり衣服の替えのない私としては、ビニールぐらい敷きたかった・・・(笑)
まずは照りつける太陽の下、外観を見ながら説明を聞く。平らな敷地に建つサヴォア邸に対して起伏のある英国式庭園のような敷地に豪華客船のようなデザイン。やはり真っ白で・・・でもこちらはとてもひどい状態。サヴォア邸も修復前はかなり傷みが激しい状態だったようだけど、ここもかなりすごい。まさに廃墟一歩手前。クラックが多数入り、崩れ始めているコンクリート。美しかった頃の時代を想像しながら、外観をぐるり撮影して歩いた。でも廃墟好きの私としては、この物哀しい雰囲気を漂わせている今も嫌じゃないけど。文化遺産に指定されているので取り壊されることはないだろうけれど、これを修復するとなると、かなりの時間とお金が必要だろうな・・・という事は明らかだった。いったい誰がやるの・・・?まだ個人所有だって聞いたけど。
PICT0084写真を一通り撮ってしまった私は、この太陽の日差しに負けてとうとう気絶してしまった。グループから遠くはなれて座って景色を眺めながら、虫の羽音を聞きながら、うとうと・・・、そしてガクッ。みんなの視界に入らないようにひっそりと眠っていたのに、Cはそんな私を目ざとく見つけて駆け寄ってきて「横になって眠っていいのよ・・・、後で起こしてあげるから・・・」と、どこまでも親切な彼女。でも全身湿るのはちょっとなあ・・・。まあどうせ汗でベトベトなんだけど・・・。Cの言葉に目の覚めた私は、何とかグループと一緒に内部見学についていく。まだ内部の写真は撮ってないからね!内部はサヴォア邸に比べると特に魅力を感じる空間がない。サロンは天井が高くて気持ちはいいのだけれど、けっこう狭いし、私ならもう少しこのサロンを大きく使いたい。なぜこんな中途半端な大きさ???太陽の光が直接入らない空間はカビだらけ。空気がとても悪い。でも驚くべきことにここには管理人の一家がつつましく住んでいた・・・。生まれたばかりの赤ちゃんを世話しながら、私達に微笑みかける少女達がいた。
帰りの車の中では、おしゃべりなマダムがCの相手をしてくれていたので、私は安心して後部座席で爆睡。目が覚めたらもうパリだった。マダムをおろして私達はとりあえずC邸へ。一息ついてから遅いディナーを頂きに、彼女の提案でコルシカ料理レストランへ。週末は陽気な歌うたいのおじさんたちのライブがあって明るいコルシカの雰囲気が楽しめる。生ハムとかがとてもおいしいです!「LE BALBUZARD / 54, RUE RENE-BOULANGER 10e」

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