« les empêchements | Accueil | 久しぶりのサイクリング »

05/12/2004

日本の美、再確認の旅

CIMG0149.JPGつらかった?盆栽ツア~も無事終了。27日に関空でのお見送りを最後に無罪放免となった私はその日から風邪、そして治るどころかますますひどくなり、母は先週木曜日に骨折、全治1ヶ月くらい?、そういえば父は少し前に長年大切にしていた美車(愛車ではない)を見るも無残に傷つけており、親子共々あまり楽しい師走とは言い難いのである。・・・でも今日も3人でデパートで買った寿司をつまみつつ、まあこれくらいですんでよかったね、と話した。そう、私はこんな風になるべくポジティブ・シンキングでいたいと思う。
さてさて私の体調不良の元凶とも言えるこの「盆栽ツア~」とは、熱狂的な盆栽ファンのフランス人3人とその内の妻1人(計4人)を2週間案内するというもの。でも迷子にしない程度の案内である。かかる経費はすべて出してくれると言うことなので、私も観光を楽しむような感覚で気軽に引き受けたのだ。が・・・し、しかし、それは大いなる間違いで、過酷な肉体疲労と超睡眠不足の2週間だったのだ!でも、もちろん日本の美しいものをたくさん見て歩き、楽しい人たちとの出会いの2週間でもあった。さてそのスケジュールとは・・・
13日岡山、午後岡山市へ向かう。夕方高松から電車で到着の彼らを出迎え、岡山駅近のビジネスホテルで宿泊。この時点で彼らの荷物の多さに驚かされる。
14日岡山、早朝より岡山でもっとも大きな盆栽店へ向かう。こういった盆栽店はだいたい郊外にあることが多いので移動が不便。午前中はここでたっぷり時間を過ごし、ビックリのお買い物シーンを目撃。この数時間で支払われた金額は50万くらい?日本人のブランド買いみたいなノリだ。午後は電車で40分のところにある備前へ。備前焼で有名なここは伊部という駅で降りるのだ。そこからずっとお店や窯元が並んでおり、またまたビックリのお買い物合戦、と言っても午前に比べればずいぶんかわいいもの・・・。どっぷりと日が暮れ、各店が閉店になるまでたくさんのお店を訪ね歩いた。午後は計6時間くらい休憩なしで立ちっぱなしの歩きっぱなしで私はぐったり。昼食は備前への移動中、普通電車の中でパンを与えられただけ・・・(涙)
15日岡山→奈良、この日は朝より岡山の有名な観光名所でもある「後楽園」と地元の人もあまり知らない「東湖園」へ。夕方よりなんと普通電車で奈良へ移動・・・。なんどもいいますが普通電車の入り口を全部ふさぐようなすごい量の荷物なんです・・・。この夜から私の通勤が始まる・・・。
16日奈良、朝から郊外の盆栽店を2件回る。2件目が大当たりで素晴らしい人柄の皐月の名人に出会う。奥様も親切な方でみんなも感動。っていうかそれに感動しているのは私だけで、みんなはここの皐月の質と安さに感動!まるでライバルの知らない宝箱を見つけたような喜びようだった。これからもお付き合いが続くことになりそうなご夫婦。と、言うことでこの日は私の体は若干休養日。日が暮れるまでず~っとここにいたから、あまり歩かずにすんだ!ラッキ~!
17日奈良、朝から大いに観光、奈良市内の主要な名所と言う名所を全部徒歩で回る。「興福寺」「大乗院庭園」「元興寺」「春日大社」「二月堂」「東大寺」、「依水園」「寧楽美術館」「吉城園」その後、なぜか真っ暗な「奈良町」へ戻る・・・どうして~~そんな動線???朝の9時から夜の7時まで、昼食時の30分をのぞき、ず~っと歩かされた恐るべし1日。彼らの到着前に右足首をくじいていた私にとっては耐え難い1日だったのだ(泣)。ホテルに送った後も急に明日高野山へ行きたいなどとわがままを言うので、さらにその後、観光案内所とホテルを行ったり来たり。片道3~4時間かかるということで、今回はあきらめて頂きました。重い足を引きずりながら、帰りの電車に乗る・・・。とても憂鬱だった日。
18日奈良、彼らの3週間の旅行中、唯一の本格的雨の1日。朝から法隆寺。大雨の中やはり最寄り駅からの片道2キロは歩かされる(怒)、午後は絶対に行く価値がないよ・・・と言うのも聞かずイトーヨーカドー前に人知れず存在する「平城京左京三条二坊宮跡庭園」へ。日本古代の庭園として珍しい遺跡らしいが、なんとも質素なその様子に大雨の中、足を運んだのに・・・というような失望感を感じていたのは私だけではないはず。その後、また先日の皐月名人の所へ。疲れたけどご夫婦に会えたのは楽しかった。
19日奈良→大阪、お昼前にホテルにチェックイン、荷物から開放され市内にある盆栽屋さんをいくつか回る。その足で大阪城や東洋陶磁美術館へ。夕方にお邪魔した盆栽店のT氏がとても親切で翌日、特別にプロ用盆栽オークションに連れて行って下さることになった!
20日大阪(池田)、年に2度しかない盆栽やその器のオークションがちょうど彼らの大阪滞在日に重なるなんて、なんて強運な彼ら。そしてこの日はそれをT氏の尽力のおかげで見学させてもらう(でもそれはすなわち自分の首を自分で絞めたようなもので、この日は朝4時半起きになってしまった~)。もちろん入札が目的ではないのだが、普通の人が足を踏み入れることができない様子を見せてもらえるというだけで何のファンでもうれしいもの。この日ばかりは役に立てたのでは・・・と我ながら嬉しかった。午後もT氏のおかげで関西でも最大級の池田の盆栽店をお店の方の送迎つきで見学することができたし、この日は大満足。夕方時間が余ったので、大阪の繁華街を見せてあげた。フランスでも田舎に住む彼らには息切れものの人の多さであった。私も一緒にぐったり。
21日大阪→京都、この日は京都へ移動、東寺の朝市へどうしても10時までに到着したいと言うので、この日もけっこう早起きモ~ド、日曜日と重なりかなりの人手であったけど、前回来たときよりも盆栽関係は品薄らしくちょっとがっかりの様子、あとその他お道具も購入。午後は市内の有名な盆栽店、数件見学。京都への通勤?は往復3時間。ちょっときつい。
22日京都、私は教室へ、しばしの肉体的休息日。
23日京都、この日もすこぶる快晴。それも11月の祝日。こんな日は京都はどこへ行ってもすごい人出である。今日のメニュー、まずは大原へ。「三千院」をはじめ「宝泉院」や「寂光院」などの寺などを回る。人が多いことをのぞけば、本当に素敵な場所だと思った。もっとゆっくりとできる季節にぜひまた来てみたいもの。下山?のためのバスもすごい人で、待ち時間も長いのでこの季節の観光は本当に相当な覚悟が必要。京都に戻ってからもとにかくすごい人で地下鉄の不便な京都ではバスが便利なはずだけれど、それも通勤ラッシュ並みの込みようだし、道路も込んでて動かないし、私も含めてみんなのイライラはピークに。その後、清水寺へ行くことになったが、到着したのはようやく日が傾きかけた頃だった。この日はなんと昼食も水も与えられず、よれよれ~。なぜあなたたちは、それで平気なのか・・・。朝7時半に家を出てから夜9時過ぎに家に着くまで、何も飲まず食わずでこんなに歩かされたのは生まれて初めてだと思う・・・。
24日京都、午前中は京都御所見学。お昼頃から比叡山延暦寺を目指して移動開始、この日は延暦寺の見学もサボり。入り口付近のおみやげ物屋さんで座って、ぬくぬく待機。もう疲れちゃって何もしたくない気分だった。なのに夜ホテルに戻って「じゃ、また明日」と帰ろうと思ったら、メンバーの一人に問題があり、ファックスで連絡をやり取りしなくてはならないのに宿泊先のホテルはなんと「外国にはファックスを送れません」などと抜かす。セブン・イレブンも海外は駄目だというし、大型一流ホテルまでファックスを送信してもらいに行くはめに・・・。昨日に引き続きなんとも気分の悪い一日の終わりであった。
25日京都、前日かなり遅くまで拘束されてたので、この日は10時まで来ません、と宣言(ほとんど睡眠時間も増えずでしたが・・・)。それから郵便局へお供。とても大きな盆栽の展示会である大観展が今日からみやこメッセで始まった。午前中に展覧会を見学、午後は併設されている即売会(盆栽や器などの関連小物、道具、肥料となんでもあり!)でず~っとお買い物を楽しんでくれたので、私は奥さんのCとおしゃべりしながら楽チン、楽チン。
26日京都、この日も大観展会場の即売会へ。夕方くらいまでお買い物をしててくれたので、私はこの日も楽チンでご機嫌!この日は最後の夜ということで、夕食にも誘ってくれた。どこへ連れて行ってくれるのだろう・・・と思ったらなんと100円の回転寿司であった。やっぱり体がつらいと気持ちにゆとりなんて持てないけど、24日くらいからは冗談とかも言うゆとりが出てきて、なんとなく友情めいた感情が芽生えてきた。この日にはお寿司を食べながら「明日には帰っちゃうんだ~」という一抹の淋しささえ感じていたのだから、不思議です。
27日京都、出発ぎりぎりまで時間を無駄にはしません。祇園近くの「建仁寺」で水石展があったのでそちらを見学、だけのはずが最後の万札たちがここでもヒラヒラ~っと。すごいです!午後からは関空へ移動開始。搭乗手続きがすんだ後はカフェでおしゃべり。この2週間でもっともフレンドリーな時間であった。本当はもっとこういう時間が欲しかった。最初のうちにこうやってお話をできれば、もっと気持ちよく時間を過ごすことができたような気がするから。でも終わりよければすべてよし!って言うじゃない。空港で「ありがとう」って言い合った言葉に嘘はない。また2006年に来るらしい。私は来年の4月にフランスへ。ゆとりがあれば彼らの住む場所を訪れてみたいな。

|

« les empêchements | Accueil | 久しぶりのサイクリング »