パリ滞在記 – 2002年10月号
■le 31 octobre 2002
私のヴァカンスを返せ~~~!
まあ、世の中にこういう人が存在して、教育者として学生を指導していることが私は許せない。確かに彼は先生で私は学生だけれど、彼には私の時間やお金に対するレスペクトがなさ過ぎる。彼の言動にはいつも閉口させれるけれど、今日の面談では少々切れさせて頂きました。
9月30日が最終締切日だと言うことで、それを目標にして毎日頑張ってきたわけだ。それを9月10日に提出した私の論文を読み終えたら連絡をすると言いながらも30日までに読むこともなく、私の催促に答えることもなく、締切を勝手にどんどん延ばし、これまでに何度も最終論文を提出したがその度に彼は毎回違うことを要求してくる。だったら最初に全部言えよ !!! 時間もお金もない外国人学生だっていやって言うほど分かっているくせに・・・。私は彼の完全なるミスで修士1年目を棒に振ったという、まったく最初から嫌な記憶がある。アメリカなら裁判沙汰だな、ぜったい。年増な外国人学生が外国で1年間犠牲にするものの大きさが彼にはまったくわかっていない。1年分の滞在費、研究のための旅行、資料代・・・それに1歳年を食うんだからね・・・。他の日本人学生は口答試験を担当教授としかしていない者も多くいるし、知り合いのフランス人の学生なんて口答試験さえしなかったと言う。もちろんこれは本来なら、あってはいけないことだけれど・・・。彼は絶対に2人の教授との口答試験を・・・と言い張る。論文の主題を半年の研究の後に変えさせられたこと、10月31日に帰国すると到着時から会うたびに告げてあるのに (・・・まあこれは彼の性質を見込んで私がついた嘘なんだけど)、それまでに口答試験を絶対に受けさせない、その努力さえしようとしない、飛行機の変更を命じる彼を私は合格した後も絶対に許さないと思う。フランス人学生でさえ、彼の指導のもと修士を取れずにあきらめていった学生がいる理由がよく分かった・・・。でも指導教授の選択は人柄で出来るものではないものね・・・。私には他に選択の余地がなかったんだから、本当に修士の勉強に関してだけは、私は本当に運がなかったと思う。
と、いうことで私は今日激怒して強制的に提出日(2日)と口答試験の日(6日)を決めさせました。可能ならば本当に帰国便を変更して、この怒りをおさめてから帰りたいなあ。
前回の日記からあった楽しい出来ことについては、提出後にでもまとめてアップしたいと思います。
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■le 24 octobre 2002
雨が降る・・・
日本の秋と違って、実にうっとうしいパリの晩秋です。数日前からとうとう雨が降り始めました。雨季に突入ですかね・・・。数日前の雨の日、突風にあおられて私の傘はぶっ壊れてしまったし、作業は遅れているし、そのうえ数日前からアレルギーがひどいので、私は約束も断って家に閉じこもり、作業作業・・・。土曜日にはすべて作業を終えて、外出したいな~。日曜日はキャロの家族パーティーに呼ばれているし、早くアレルギーも治まってもらわないと・・・。
人それぞれ好みがあるけれど、私はパリの1月2月が一番嫌い。次に嫌いなのが11月。この季節、航空券が安いのは当然なわけです。昼間は日に日に短くなり、雨は降り続きうっとうしいし、ろくなことはない。12月は街中がイルミネーションで彩られ何ともきれいだし、クリスマス前の盛り上がりもあって、陰気臭い中にも活気があって楽しいけれど、11月はダメ。10月も終わりになるとそれにじわじわ近づいていっているので、似たようなもの。今週末にはサマータイムも終わって、一気に真っ暗だよ・・・。
一番好きなのは4月~6月かな~。暑すぎず、昼が長いし、イベントもたくさん、街も人も活気にあふれているから。今度パリに来るときは、この季節にしよう。今度は完全にバカンスだもんな~(笑)。もうこんなストレスを感じなくていいし・・・。終わりつつあるパリ滞在を惜しむより、今はこのストレスから開放されたい~~~。以上。
では作業にもどります。
そうそう、今日、2003年の ツール・ド・フランス の日程とコースが発表になりました!100周年を記念してパリ出発(エッフェル塔)のパリゴール(シャンゼリゼ)になるんですって。あと主要大都市を通過する特別コース。楽しみです!が~、ウルリッヒ が ドイツ・テレコム を去り、引退した ジャラベール の後を継ぐそうで元チームメイトであるリスが監督を務める CSCティスカリ への移籍がきまったそうです。それはちと残念ですかね。
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■le 21 octobre 2002
楽しかった週末
おお!楽しかった今週末について1時間以上かけて書き上げたのに、ワードの強制終了が続いて全部なくなってしまった・・・(涙)。もうさっきと同じものを書く元気はありましぇん・・・(涙)。と、いうことで省略版を書くことにします。
18日(金)は、ミリアム&ニコラ、そしてキャロと一緒に夕食会。まずベルヴィルにあるミリアム&ニコラ邸に集合して、まずおうちでアペリティフの時。9時ごろになってレストランに向かうのが今のフランス風です。近所にあるミリアム&ニコラのお気に入りのレストランで、最終電車近くまで話しこんでいた。ニコラは今秋からワシントンにある某機関で働いているのですが、モロッコへの出張のあと週末をミリアムと過ごすために一時帰国というタイミングで再会が実現した。彼らのこの素敵なアパルトマンはニコラの所有だけれど、彼はこれからおそらくずっとワシントンだし、ミリアムもワシントンでのポストが空き次第アメリカに行ってしまうわけで、今後この家をどうするか etc.・・・これから色々大変そう。キャロは私が借りてあげようかしら・・・って言ってけど、古い家だからゴキブリがいるよ~。キャロに耐えられるかな・・・。
19日(土)~20日(日)は、待望のシュヴィヨン (Chevillon) 行きであった。キャロの ご両親のバカンス用のおうちがあるブルゴーニュの小さい集落である。一般のフランス人にはほとんど知られていないけれども、乗馬をする人にはけっこう有名らしい。大きな乗馬クラブがあり、休みになると子供たちも合宿にやってくる。ここにやってくるのももう3回目。土曜日午前中にキャロの家に集合。彼女の愛車で2時間、といっても渋滞なしの高速道路をがんがん飛ばしていくので2時間。キャロが130km / hとかで走っても、私たちはどんどん越されていくので、みんなもっとすごいスピードってわけね・・・。ポーラ・ママ&ロベール・パパの温かいお出迎えを受け、さっそく昼食のご馳走にありつく。今回は4人だけなので私も遠慮なし。喋りまくり、食べまくって、超リラックス。食後、一息ついたところで今度はロベール・パパの運転でドライブ。途中、 あちらこちらで車を止めて、散策を楽しみながら・・・。ローマ時代の住居・公衆浴場跡も見学。タダで見学できるのにガイドがついて1時間たっぷりと親切で分かりやすい解説付。写真は体の垢をそぎ落とす道具と、こんなきれいな状態で 発見された20代女性の石棺の中の骸骨(本物)です。2000年前に床暖・壁暖のシステムがもうあったなんて感心させられる!
その後は私の希望でヨンヌ県ではかなり大きい街 オーセール(Auxerre) へ。日暮れまでかけてた っぷりと散策。詳しい街の様子はいずれまた「私のTour de France」で紹介したいと思います。帰宅後、またご馳走、そして食後はなんと!忘れていました!ここに来たらマージャンが義務であることを・・・。この夜はキャロの一人勝ち。暖炉で拾った栗を焼きながら、なぜかフランス人家族とマージャンをしながら、夜は静かに更けていったのでした・・・。
日曜日は、私の超朝寝坊で始まり、恒例のアトリエ訪問。陶芸家マリー&ジョルジュのアトリエです。 今、彼らはキャロリーヌが注文したテーブルの制作中。キャロのイメージをもとにマリーが何度もデザインを変更しながらようやくここまでたどり着いたそうだ。キャロ曰く、オンベル(繖形サンケイ花)のモチーフはナンシー派、星はミュシャのイメージだそうだ。マリーにとっては細かいカーブと、微妙な色のトーンを出すのがとても大変だったそう。とにかくとても素敵な作品!あとは接着の作業を残すのみ。アトリエの後は、またまたドライブ。この週末は本当にいい天気に恵まれて、理想的な写真日和だった。あちらこちらの豪邸やお城、美しい風景を楽しみながら、遅い昼食をとりに、おうちへ。その後は近所の乗馬クラブでコンクールがあったので、観戦にむかった。 馬が障害物を飛び越える姿をこんなに間近に見るのは初めてだったので、その臭いと共に私にはかなり印象的な経験であった。6時ごろ家に戻ると、キャロがやっぱり夕食は取らずに早めに帰ると言い出したので、ポーラがサンドイッチを持たせてくれて「ミカ、今度は1週間はいないとだめよ!一緒にたくさんハイキングをしましょうね」と言ってくれた。今度はいったいいつフランスに来られるのかわからないけど、次回の旅の楽しみが出来たことは確か!楽しい週末をどうもありがとう!ポーラ&ロベール、そしてキャロに心から感謝です。
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■le 16 octobre 2002
冬まっしぐら
大したことをしないまま(勉強・・・)どんどん時間は過ぎてしまっている。いか~ん!と思い今日は久しぶりに家に閉じこもることにした。あと1週間くらいで仕上げないといけないのに・・・あああ・・・、今日も寝すぎで自己嫌悪中・・・。
ただ最近は残りの滞在の方が短くなってきたので、色々なお友達や知り合いの人ともどんどん会い始めている。日曜日はようやくフミコの彼、ユージ君と会う機会を得て、ゆっくりと話が出来た。カズを敬愛するサッカー留学中の彼の夢はJリーガー。ぜひ実現してもらいたいです!応援してるよ~。月曜日は彼女が留学をする前に相談を受けたMちゃん。楽しそうにパリの生活を満喫している様子で私も嬉しいです。昨日はクリスティーズ時代に一緒だったAちゃんと昼食をとった。この数年の間にAちゃんは当時から付き合っていたフランス人の彼と結婚をし、インドを中心に1年ほど旅をし、今はユネスコで働きながら博士課程に籍を置いている。café du commerce で食事をしながら、そんな楽しい話を色々と聞かせてもらった。誰もがうらやむようなキャリアを手に入れつつある彼女だけれど、それに執着する様子もなく飄々と生きるその姿は、安定を求め始めた私にはけっこうまぶしかったりする・・・。そしてその後、家に戻った後、早番で仕事を終えたマガリが遊びに来てくれて、二人で大笑いをしながらおしゃべりを楽しんだ。
ところで先日バリ島で大きなテロ事件が起こったが、フランスでは相変わらず死体の山(文字通り山!)を堂々と御飯時のニュースで映している。まるで映画のような映像だけど、これは現実なのだと受け止めざるを得ない。こんな悲惨な映像を繰り返し放送することには少々疑問を感じるけれど、これは明日の自分の姿なのかもしれない・・・と、だから毎日を後悔のないように生きなさい!ってことなのだろうか・・・強烈すぎるメッセージだけれどね。ただ本当にテロや事故は誰にも予測できないものね・・・。それが怖いから・・・と家に閉じこもっていても上から飛行機が落ちてくるかもしれないし・・・(汗)。パリの空を眺めていても本当にたくさんの飛行機が同時にあちらから、こちらからと飛び交っていて、飛行機嫌いの私にはそれを見ているだけでも、もはや冷や汗ものだったりする・・・ (ほとんど病気)。
・・・ま、今日は勉強の日。これを書いている間にどんどん空は曇ってきた。勉強日和です。そうそう、夕べ突然お湯が出なくなったんだけどそれは無事復旧。そして今日から中央暖房もいよいよオン!もともと寒くはなかったけれど、これでぬくぬく生活開始。日暮れもどんどん早くなってきているし、なんだか冬まっしぐらなパリです。
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■le 11 octobre 2002
いよいよ最後の追い込みへ
なんだか本当に早い1週間である。とうとう滞在も残り1ヶ月を切ってしまった~!
8日(火)はもう今にも終わりそうな映画 (もう上映しているの は一館だけ、それも火曜の14hからだけ)「Cravate Club」を見に行き、その後デパートへウィンドー・ショッピングに出かける。もちろん何も買わずに帰ってきたけれど、プランタン・デパートのいくつかのショーウィンドウは期間限定で生ショー・ウィンドーとなっていた。時間が来るとダンサーたちが出てきて、短いショーを繰り広げるのだ。テーマは「CITOYENS BOHEMES」。なかなか見ごたえがあった。
9日(水)は一歩も家から出ず、作業。
10日(木)すなわち昨日は朝一に学校へ出かけ、教授と話し合い。久しぶりに7時半なんて時間に起きる。この季節、この時間、まだパリはどっぷりと暗い。日本人には朝とは呼びにくい暗さである。日本ならサラリーマンが出勤するときには空はもう明るいじゃないですか?留学生活をスタートさせた95年12月の時の新鮮な驚きを久しぶりに思い出した。
教授との話し合いはいつになく笑顔で進み、教授は初めて私の仕事に対する敬意を表してくれた。ここまで君がやってこれて、とても満足しているよ・・・って。指導を受けた訂正箇所などの修正をあと2週間で完成させる約束をした。提出の数日後には口答試験をすぐ受けられることになった。今のところ予定では25日前後。
家に戻り、気分よくお掃除、そして久しぶりにコインランドリーへ。少々へとへとになりなが ら、夜はベアトリスとせいちゃん(ベアの夫)のお招きで彼らのおうちにお泊りに出かけた。彼らの家はパリからRER・A線に乗って約30分のところにあるメゾン・ラフィット(Maisons Laffitte)という閑静な住宅地にある (馬でも有名)。駅から商店街、お屋敷群を抜け、大きな並木道と続き、徒歩で15分くらい (この夜はベアが車で迎えに来てくれたのであっという間だったけど・・・)のところにある可愛らしい一軒家の屋根裏部分が彼らのおうち。屋根裏と言ってもきちんとアパルトマンとして整備され ていて、天井高も日本のマンションぐらいあるし、とても広々としている。何よりも素敵だなと思ったのが、彼らの住居部の玄関に到達するまでの空間が、いわゆるアパルトマンの廊下と違い、大家さんの生活空間部分を通り抜けるわけで、生活感があふれていて暖かい感じがする (写真右)。なんか田舎の旅籠に泊まっているような感じ・・・と言えばいいだろうか・・・。久しぶりにフランスらしい生活空間に包まれて幸せな気持ちになった。例えば私のいるここも、キャロの家も、近代建築なので便利だけれども、個性がない。フランスらしい情緒に欠けるとも言える。夕飯にせいちゃん手作りのカレーを頂き、リビングでくつろぎながら、おしゃべりを楽しみ、やがて夜が更けると翌朝も仕事があるベアは一番にダウン。おやすみなさい・・・となった訳です。
と、言うわけで今朝は出勤するベアを見送り、朝9時から学校が始まるせいちゃんと一緒に家を出た。まず私の第一声は「おお!さぶい」パリよりもやっぱり数度低いように思う。はく息も真っ白でまるで日本の冬みたいな朝だった。駅までせいちゃんと足の踏み場がないくらい落ちまくっているマロニエの実を踏みしめながら駅へ向かった。せいちゃんは学校のあるポワシー(Poissy)へ。私は反対方向の電車で一気にシャトレーまで出て、早起き2連ちゃんでなんだか私の頭はボーっとしているのだけれど、超朝一シネマ(さらに安い9時の上映)で、ソフィー・マルソー初監督の「Parlez-moi d'amour」を見てから家に戻る。
プジョランのバゲットでサンドイッチを作り、食べながらメールチェック。ミリアムからENA不合格の知らせがメールで届いていた。するとそこにキャロから電話。もともと今夜はキャロに勉強を見てもらう約束になっていたが、ミリアムも来れることになったので、まずマレの写真美術館でプラハの写真展を見てから、一緒に食事をすることになった。勉強はそれからすると言う。なんとハードなスケジュール・・・。
試験に落ちたミリアムはもちろんそれなりに残念そうだったけど、私としては彼女と婚約者ニコラのカップルとしての幸せの為には良かったんじゃないかな・・・って、実はこっそり思っていたりする。彼は今秋からワシントンに転勤、当分フランスに戻ることはない。ミリアムがもし試験に受かっていたらフランスから離れられなくなるわけで、相当長い間別居状態が続くわけだ。彼女は試験に失敗しても大蔵省の職に復帰できることになっているし、ワシントンへの転勤も希望できるらしいので、大蔵省でのキャリアを捨てることなく、婚約者とワシントンで一緒に生活が出来るなら、こんな素晴らしいことはないんじゃないかな・・・って私は思うわけだ。もちろんENAの合格は何にも比較しがたい名誉と将来を約束してくれるものだけど、何もかも同時に手に入れるのは、難しいものね・・・。フランスに来てもミリアムに会えなくなるのは、もちろん淋しいけど・・・、彼女がニコラと幸せになるのが一番尊いことに私には思えます。
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■le 7 octobre 2002
胃が痛い
雨が降る降る・・・と最近天気予報はずっと言っているけど、まとまった雨は今のところ見ていないように思う。時々、降ってはいるみたいだけど、知らない間に止んでたりする。ラッキ~。今日も予報に反して青空が広がっていた。
土曜の夜はパリで始めて「la nuit blanche」というイベントが催されて、パリのあちこちで色々なイベントが朝まで行われていた。おもしろそうだったけど、私はおうちでお勉強!日曜の朝いつものようにfrance info (ラジオのニュース専門局)をつけると、ベルトラン・ドゥラノエ(現パリ市長)がパリ市役所内のイベント会場で刺された!と告げていた。おらら~、大変なことがあったんだな~って思いつつ、私は急いで用意して約束のブランチに。昨日はキャロの誘いでキャロのご両親、マガリ達とブランチだったのだ。最近、パリでもブランチがとっても流行していて、日曜日のお昼の過ごし方として定着してきている。今回、キャロが選んだのはPariS'éveille ( 2, rue de la Grange Bateliere )。たしかアサイヤスの映画にそんなタイトルがあったな・・・、それはちゃんとSがついていていてParis s'éveilleだけど!小さいけどメザニンがあって(私たちはメザニン貸切状態)、小さい窓の雰囲気もちょっと田舎っぽくてなかなかチャーミング。ジュースに暖かい飲み物、かごに 山盛りのおいしいパン、スクランブル・エッグ、サラダ、デザート・・・これらがしめて17ユーロ( 約2千円 、もちろん一人ね)!げ!高~~~~い!って私は思うんだけど、だいたいどこのブランチもこれくらいするみたい!ま、時々はいいよね。
家に戻って朝方まで作業して、先生に言われていた資料を作った。今日は午後3時に学校で会う約束になっていたからね~。しかし、今日も彼は1時間半、現れなかった。事務局にメッセージもなかったので、今日は帰らせていただきました。悪寒はするし、胃は痛いし、疲れたのじゃ~~~~。
n.b. 写真は大学の廊下。私はいつもここで待ちくたびれている。
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■le 5 octobre 2002
もう、ない?
今日は朝一シネマにマガリと出かける。彼女は何でもいいと言うので、ずっと見たいと思っていた「l'Adversaire」を選んだ。15年間嘘で固めた人生を生きてきた男が、今ある生活の破綻を恐れて、自らすべてを破壊してしまう(家族を皆殺し)・・・という実話を基にしたストーリーで、ダニエル・オートゥイユがとてもいい演技をしていた。この男の選んだ道は理解不能だけれども、映画としてはかなり良い作品に仕上がっている。かなり、おすすめの作品。
映画の後はマガリおすすめのモントルイユ通りにあるスカンジナビア・サンドイッチ屋さんで昼食をとり、論文の相談に乗ってもらった。今日もすこぶる天気がいい。私たちはブティックを見て歩きながら、やがて私が見てみたかった7区にあるディセット( dix-sept. 17, rue de Sèvres ) というブティック兼ギャラリースペースにたどり着いた。ここは昨年の11 月にリュテチィア・ホテルの元屋内プールを改装してオープンしたばかりのスポット・・・だったはずなんだけど、行ってみると・・・が~~~ん、もうおしゃれなデザイン・ショップもギャラリーもない。半分、がら~ん、半分は全部ベッド屋さん(ベッドとマットレスしか売ってない)。1年ももたなかったってことね。やはりパリも他の大都市同様、競争が厳しいってことなのだろう。空間としては元プールってのが、とてもおもしろい効果を作っていて、ベッド屋さんにしておくのは、本当にもったいない。このプールの底は吹き抜けの気持ちよさを利用して、是非カフェにでもして欲しい。
って、ことでまた他のカフェに落ち着いておしゃべりをして、良い子は早めにおうちに帰ったのでありました。あ~、仕事しないと・・・。
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■le 3 octobre 2002
おっかいもの~
昨日は、また家に閉じこもって1日作業をしていたので、今日は外出することにした。
朝 一シネマで「Mille Millièmes, fantaisie immobilière」を見た後、フミコと合流してリヴォリ通りでブーツを探して歩いた。今回は洋服は何も買わない、本も買わないと心に決めていたけれど、1つだけ買おうと思っていたのがブーツ。10年近く愛用していたハーフ・ブーツを昨年とうとうダメにしてしまったので、新しいのをパリで買うぞ!!! と心に決めていた。・・・が、いつも靴屋の前を通るたびに、熱心に見ていたけれどなかなか欲しいものに出合わない。あとは靴屋密集地帯であるこのリヴォリ通りにかけるしかなかった。1つ、すぐに気になるブーツを某チェーン店で見つけて、試着して、長い間鏡の前で悩んでいたが、その時はやっぱりまだ他の店も見てみよう!と、あきらめた。しっかし長いリヴォリ通りにはこの店が3軒もあった。2軒目でも手にとって眺め、やっぱり素敵!と思い、でもちょっと予算オーバーだし・・・と思って元に戻し、また歩いていたら3軒目。これはやっぱり運命の出合いなのかも・・・と、もう一度試して思い切って購入に踏み切った。少々予算オーバーでもまた大切に10年はけばいいんだし・・・。ふっふっふっ(笑) 今度の日曜日、キャロのおうちでキャロのご両親も一緒に昼食だから、その日にデビューさせようっと!と言うことで今、部屋は新しい皮の匂いが充満中。
夕方、ガウディ建築の写真展をキャロの誘いで見に行く。その後は教授のことを色々愚痴ったり、論文の話をしながら夕食。食後は論文の構成のやり直しについて、相談に乗ってもらった。ありがとう、キャロ!
明日はまたまた家で缶詰の日。私は夜中勉強して、朝方寝てるってのに、今朝はどこからか工事の大爆音。不愉快な目覚めな上、睡眠不足。ちょっと今日はフラフラなので、もう寝ようかな・・・。
そうそう、昨日いよいよイギリスからの牛肉輸入禁止処置が解かれた。ヨーロッパ産と表示されるので、消費者には見分けがつかない上、昨日のニュースではリスクもゼロではない!なんて平気な顔で言ってる。そんなものを輸入していいのかあああ???でもヨーロッパ諸国の中では一番遅い解禁処置みたい。ま、牛肉食べないから私はいいけど・・・。
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■le 1er octobre 2002
映画も新学期
先週、急に秋らしく気温が下がってきたと思ったのに、なぜだかまた今週暖かくなってきた。一応真冬のコートも持ってきてるんだけどな、活躍の日は遠そうである。
昨日の今日なので、作業に取り掛かる気がしないので、今日は昼から「Monique」というくだらないフランス映画を見てきた。実は大笑いしたかったのだけど、これはけっこう不発であった。コメディだけど、何回かクスクスって笑えただけ。あと見たい映画がけっこう目白押しなんだけど、どれもこれも暗い・・・。暗いけど期待満点なのはロマン・ポランスキー監督の「le Pianiste」、あと楽しみなのはソフィー・マルソーが初監督した長編「Parlez-moi d'amour」やヴァンサン・ペレーズ監督の「Peau d'Ange」には久しぶりに見るギヨーム・デュパルドゥが出演しているし、楽しみが一杯。新学期を向かえ、一段落した今からどんどんいい映画が公開されるので帰国までは映画には困らなさそう!映画の後も、天気がいいので歩きまくって帰ってきたので、ちょっと疲れたけれど、今から少し集中して作業にかかります。
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