フランス留学記 1996年11月
■1996.11.30(土)
私が日本に久しぶりに降り立って早1ヵ月以上(10月26日~11月10日まで事情があって日本に帰っていた)。あっという間だった2週間の滞在からパリに戻り、さまざまな事に忙殺されているうちに、もう11月も終わろうとしている。1ヵ月以上も日記を書いていなかったことになるのだ。まったく信じられない早さで時は過ぎていくが、日本に戻ったことはもう数ヶ月も前のような気さえしている。まったく不思議な気分だ。2週間ぶりに降り立ったパリは湿気を含んだ冬の気候に完全に変わっていて、吐く息も凍るような寒さだった。懐かしいやら1年前にここへ降り立った緊張感を思い出したり、ともかく新鮮な気持ちだった・・・のだが、現実にはそんな感傷に浸っている暇もなく、日常生活へ、それもよりハードな生活に戻らざるを得なかった。試験があったり、夜間(といっても夕方から)に以前通っていた語学学校も再開したり、新しい出会いがあったり・・・色々だ。学校はやはり夜の方が私の性分にあっているようだ。メトッドが合うし、クラスの雰囲気も私はこちらの方が断然いい。パリカトはなんだか不思議でつかみどころがない。久しぶりのフランスラング(学校名)だったが、すんなりとまた馴染んでしまった。今の私のクラスにはHちゃんというとても可愛らしい日本の女の子が1人いるだけで、日本人は私たち2人だけ。彼女とは仲良くやっていけそうだし、さらに嬉しいことに私の家のごく近所にホームステイしているのだ。彼女も当分パリにいるようなので、何とも心強い。彼女は慶応の法学部を出た才女で北陸の老舗旅館の娘さん。彼女には、フランス人と結婚してこちらに住んでいるおばさんもいるそうだ。
そういえばおととい11月28日(木)にパリ中の街角のクリスマスイルミネーションがいっせいに開始された。シャンゼリゼ大通りにも私のコメルス通りにも・・・である。私のコメルス通りは悪いがそこらのシャンジェルマン・デ・プレなんかより、すごくいい。学校から帰ってくるとモットピッケから教会まで約1キロの光の道が私を待っているのです。なんだか疲れも吹き飛ぶくらいに、冬の湿った空気に光が滲んで綺麗です。本当に・・・これしかいいようがない。もちろん街中至る所、ほんとうにきれい。でも私にはコメルスがあればいい。住めば住むほど本当にここが好き。9月以降コメルス通りの廃墟になっていたところは軒並み改築され、新しい店がオープンしている。まず9月にベルギーのチョコ専門店、10月には若い女の子に人気のある下着ショップ「プリンセス・タムタム」(チェーン店)が、11月には紳士服屋が閉店した後に眼鏡専門店、銀行が閉鎖されていた後に手頃な本屋さん、そしてリネン屋さんだったあとにセクシーな下着屋さんが・・・あともう一つ新しい子供服屋さんも・・・コメルスにはほんとうに下着屋さんと子供服屋さんと靴屋さんが多い!ちょっと多すぎます・・・が、ともかく賑やかなのはいいこと。冬のソルドはクリスマス以降から。今日はオペラ座周辺からリヴォリ通りまでデパート巡りをした。というのも日色氏からパリのデパートのプランを集めてほしい・・・と頼まれていたからだ。彼はいまそんなこと(?)を研究しているらしい。左岸にあるオーボンマルシェ以外は今日終わった。とにかくクリスマス前の賑わいで、どこもすごい人だ。あー、やっぱり私はコメルスがいい・・・とつくづく思う今日この頃。 明日は久しぶりにマコト氏の家を訪問。
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