フランス留学記 巴里へ 1995年12月
■1995.12.06(水)
いよいよ出発の日がやってきた。今日はリムジンバスの乗り場まで父が車を出してくれ、私と関空まで見送ってくれる母を乗せて、早朝の5時15分ごろに家を出た。比較的暖かい気候が続いていたのに、今朝は真冬のような寒さである。まずバス乗り場で父と別れた。そして関空では母と・・・。手を振って見送る二人の姿が、目に焼き付いた。出発まで色々と気を使ってくれてありがとう。「何もこんな時期に行かなくても・・・」と、母はよく言った。確かに11月の下旬に始まった国鉄のストライキに端を発し、交通手段を失ったパリは不自由な生活を強いられている。10年ぶりの大規模ストライキである。でもそんな現実を受けとめること、それも一つの社会勉強になる、と私はあくまでも楽天的に考えている。
大阪-ソウルのフライトはそれほど快適でもなかったが、ソウル-パリ間はなかなか良い。大きな手荷物も座席の下にすっぽりと納まり、隣に人は来ないようだ。広々と座れる。3人掛けの座席を独りで横に寝転んで使っている人もいる。空いているのは季節のせいか、核実験反対か、今のストライキのせいか?とにかく良く揺れたのだが、それ以外はとても快適であった。機内食もおいしかったし・・・。
もうすぐパリに到着するという頃、韓国人の男性が話しかけてきた。25才のビジネスマンで日本語をすこし話す彼は、いろいろとおもしろい質問を私にぶつけてくる。なぜ、大韓航空を選んだのか?という質問に始まって、色々なことを根掘り葉掘り・・・。そして最近の日本の政治家の発言については、私が注意をされたような気分だった。彼は結局そのことを言いたかったのではないのか・・・「日本人は、もっと、歴史を、勉強して、ください」と。話すことが何もなくなった時、彼は「お話をしてもらって、ありがとう、ございました」と、言って前をむいた。礼儀正しきエリートサラリーマンでした。
予定時間より30分くらい早くC.D.G.空港に着陸。空港は閑散としていて、なんだか北欧の寂びれた街にでも来たような気分だが、出口に近付くにつれて人が増えてきたので、少し安心した。懸念していた市内への交通手段は、タクシーが容易につかまったことで解決した。時間は少し多めにかかったが、費用はそうでもない。助かった・・・。予約しておいたアパルトマンは、オーナー・マダムの事務所のすぐ近く。私の好きな界隈、サンジェンルマン・デ・プレにある。部屋は 13 rue des Canettes (6区)にある。通りに面した共同の重たい扉を入ると小さな中庭があり、そこの蔦の絡まる扉をあけると私の部屋だ。小さいけれど古い木製の梁がある田舎風の可愛い部屋である。洗濯機も冷蔵庫もオーブントースターも、もちろんキッチンもついている。これから一ヵ月間の私の城にとても満足。なんだかパリにいるなんて何も感じないくらいに静かで、かすかに隣近所の生活音が聞こえるくらいである。今夜は疲れているのだけど、飛行機内でも頻繁に眠っていたせいか、眠たいのだか眠たくないのか、良く分からない。だから少し私にとって使い勝手の良い部屋にしてから眠るとしよう。
長かった一日に、おやすみなさい。
いよいよ出発の日がやってきた。今日はリムジンバスの乗り場まで父が車を出してくれ、私と関空まで見送ってくれる母を乗せて、早朝の5時15分ごろに家を出た。比較的暖かい気候が続いていたのに、今朝は真冬のような寒さである。まずバス乗り場で父と別れた。そして関空では母と・・・。手を振って見送る二人の姿が、目に焼き付いた。出発まで色々と気を使ってくれてありがとう。「何もこんな時期に行かなくても・・・」と、母はよく言った。確かに11月の下旬に始まった国鉄のストライキに端を発し、交通手段を失ったパリは不自由な生活を強いられている。10年ぶりの大規模ストライキである。でもそんな現実を受けとめること、それも一つの社会勉強になる、と私はあくまでも楽天的に考えている。
大阪-ソウルのフライトはそれほど快適でもなかったが、ソウル-パリ間はなかなか良い。大きな手荷物も座席の下にすっぽりと納まり、隣に人は来ないようだ。広々と座れる。3人掛けの座席を独りで横に寝転んで使っている人もいる。空いているのは季節のせいか、核実験反対か、今のストライキのせいか?とにかく良く揺れたのだが、それ以外はとても快適であった。機内食もおいしかったし・・・。
もうすぐパリに到着するという頃、韓国人の男性が話しかけてきた。25才のビジネスマンで日本語をすこし話す彼は、いろいろとおもしろい質問を私にぶつけてくる。なぜ、大韓航空を選んだのか?という質問に始まって、色々なことを根掘り葉掘り・・・。そして最近の日本の政治家の発言については、私が注意をされたような気分だった。彼は結局そのことを言いたかったのではないのか・・・「日本人は、もっと、歴史を、勉強して、ください」と。話すことが何もなくなった時、彼は「お話をしてもらって、ありがとう、ございました」と、言って前をむいた。礼儀正しきエリートサラリーマンでした。
予定時間より30分くらい早くC.D.G.空港に着陸。空港は閑散としていて、なんだか北欧の寂びれた街にでも来たような気分だが、出口に近付くにつれて人が増えてきたので、少し安心した。懸念していた市内への交通手段は、タクシーが容易につかまったことで解決した。時間は少し多めにかかったが、費用はそうでもない。助かった・・・。予約しておいたアパルトマンは、オーナー・マダムの事務所のすぐ近く。私の好きな界隈、サンジェンルマン・デ・プレにある。部屋は 13 rue des Canettes (6区)にある。通りに面した共同の重たい扉を入ると小さな中庭があり、そこの蔦の絡まる扉をあけると私の部屋だ。小さいけれど古い木製の梁がある田舎風の可愛い部屋である。洗濯機も冷蔵庫もオーブントースターも、もちろんキッチンもついている。これから一ヵ月間の私の城にとても満足。なんだかパリにいるなんて何も感じないくらいに静かで、かすかに隣近所の生活音が聞こえるくらいである。今夜は疲れているのだけど、飛行機内でも頻繁に眠っていたせいか、眠たいのだか眠たくないのか、良く分からない。だから少し私にとって使い勝手の良い部屋にしてから眠るとしよう。
長かった一日に、おやすみなさい。
■1995.12.07(木)
まだ時差ぼけのせいか早い時間に目を覚ましてしまった。映りの悪いテレビを眺めて、朝食をとる。今日はさっそく部屋探しを始めたいと思っている。漠然とした計画をたてながら、近くのスーパーに生活物資の調達に出かけた。そして昼食に9Fのピザをほおばり、午後からは友人にすすめられていた1区にあるジュンク堂書店(日本の書店)に向かった。なぜならここには日本人向けのアパート情報などがあるからだ。いくつかの情報を手に入れ、店をあとにした。そしてルーヴルの地下街に立ち寄ったり、ウインドウを眺めながら帰った。とにかく今は何処にいくにも、歩くしか手段がない。本当に街の中心地に部屋があって良かった。
何となく不思議なのだが、街を歩いていても何の感動もない。とうとう念願の・・・とか、ああここはパリなのね・・・とか、そういった種類の気持ちは殆どない。すでに私にはこれが日常であった。
帰ってから手に入れたメモを頼りに電話をしてみると(その一つは日本人不動産屋さんのアノンスだった)、その部屋は既に契約されていて、明日までに私の希望に合うような物件をリストアップしておいてくれるとのこと。予算は高くても3500Fまで、広さは25㎡は欲しい。そしてお風呂も欲しい。環境がよければまあ場所はどこでも良いのだが、なるべく左岸が良い。「まだせっぱつまってないので、希望を優先させて探したい」と言うと、笑われてしまった。まだ何も物件は見ていないが、なんとなく見つかったような気分になっている。
それにしても色々と必要なものを購入していくにしても、新品を買うのはもったいないから、中古で探すとなると、物臭な私が台頭してくる。ああ、面倒臭い・・・。
まだ時差ぼけのせいか早い時間に目を覚ましてしまった。映りの悪いテレビを眺めて、朝食をとる。今日はさっそく部屋探しを始めたいと思っている。漠然とした計画をたてながら、近くのスーパーに生活物資の調達に出かけた。そして昼食に9Fのピザをほおばり、午後からは友人にすすめられていた1区にあるジュンク堂書店(日本の書店)に向かった。なぜならここには日本人向けのアパート情報などがあるからだ。いくつかの情報を手に入れ、店をあとにした。そしてルーヴルの地下街に立ち寄ったり、ウインドウを眺めながら帰った。とにかく今は何処にいくにも、歩くしか手段がない。本当に街の中心地に部屋があって良かった。
何となく不思議なのだが、街を歩いていても何の感動もない。とうとう念願の・・・とか、ああここはパリなのね・・・とか、そういった種類の気持ちは殆どない。すでに私にはこれが日常であった。
帰ってから手に入れたメモを頼りに電話をしてみると(その一つは日本人不動産屋さんのアノンスだった)、その部屋は既に契約されていて、明日までに私の希望に合うような物件をリストアップしておいてくれるとのこと。予算は高くても3500Fまで、広さは25㎡は欲しい。そしてお風呂も欲しい。環境がよければまあ場所はどこでも良いのだが、なるべく左岸が良い。「まだせっぱつまってないので、希望を優先させて探したい」と言うと、笑われてしまった。まだ何も物件は見ていないが、なんとなく見つかったような気分になっている。
それにしても色々と必要なものを購入していくにしても、新品を買うのはもったいないから、中古で探すとなると、物臭な私が台頭してくる。ああ、面倒臭い・・・。
■1995.12.8(金)
10時に約束していたA不動産のSさんに電話をした。「ああ、ミカさんねえ」と、なんとなくなれなれしい。私に薦めたい物件は2つあるのだが、今日は部屋にまだいる住人とアポが取れていないので、見ることは出来ないのだという。モンパルナスとサンジェルマン・デ・プレが候補地に挙がっている。そのうちサンジェルマンのほうは、広さは希望に少し足りないのだが、それはそれは素晴らしい物件らしい。どちらも条件が良かったので、早く見たいし、気に入れば契約してもいいと、思っている。とにかく火曜日に約束をとりつけた。
と、いうわけで、今日は予定が空いたので、近所の市場巡りをすることにした。やはりおいしいものを食べるためには、良い食材!いま滞在しているステュディオは、サンジェルマン・デ・プレ教会とサン・シュルピス教会の中間位にあるのだが、近くにサンジェルマン市場(パリでも数少ない屋内市場)とビュシー通りの市場がある。大型スーパーもモノプリとシャンピオンというチェーン店があり、買物には不自由がない。サンジェルマン市場は一時期、存続が危ぶまれたらしいが、懐かしい感じのする市場で品質は・・・格別良くはない。お店の人は(暇な分)親切だ。ビュシー通りの市場は品質がとても良いと思う。活気もあり、お客は列をなしている。ここで買ったトマトをお見せしたいものだ。チキンのロティも安くておいしい。モノプリはなんでもそろうしオリジナル商品も充実していて便利だが、すべてにおいて展示の仕方がマズイ。購入意欲を削がれてしまう(注:2000年の現在は改装もすみなかなか良くなっています)。シャンピオンもそうなのだが、ここは野菜がまずまず新鮮。と、いう感じで少しずつ自分のテリトリーを探検中。
午後はポンピドゥー・センターまで足をのばす。本来はすぐにでも行けるところなのだが、なにしろ何処にいくにも歩くしかない今、こんな所でも遠くに感じてしまう。久しぶりのポンピドゥーはなんだか仰々しくお化粧なおし中。つまらないのですぐに出て、セバストポール大通りを下っていく。ここはあやしい電気屋さんが多く、今CDラジカセを探している私としては値段が気になる。だいたいどこでも同じくらいの価格なのだが、一店 killer of priceと宣伝している中で、 153F(約3千円)という商品があった。「ほんまかいな・・・」という位に安いこの商品に心を引かれながら、大型電気店も見てからにしようと思う堅実な私・・・。胡散臭いけど、2年間もてばいいから、メーカーはどこでもいいとは思っている。しかし、安すぎる・・・。来週もう一度見に行こうっと。
昨日も今日も本当に疲れた。早くストが終わればいいのに・・・。でもいい運動にはなっている。来週から遠出が必要になるから自転車でも買おうかな。街はローラースケーターとサイクリストで溢れている。車も多くて排ガス臭いし、今年は神戸もパリも私のいる所は本当に不便ですね。
10時に約束していたA不動産のSさんに電話をした。「ああ、ミカさんねえ」と、なんとなくなれなれしい。私に薦めたい物件は2つあるのだが、今日は部屋にまだいる住人とアポが取れていないので、見ることは出来ないのだという。モンパルナスとサンジェルマン・デ・プレが候補地に挙がっている。そのうちサンジェルマンのほうは、広さは希望に少し足りないのだが、それはそれは素晴らしい物件らしい。どちらも条件が良かったので、早く見たいし、気に入れば契約してもいいと、思っている。とにかく火曜日に約束をとりつけた。
と、いうわけで、今日は予定が空いたので、近所の市場巡りをすることにした。やはりおいしいものを食べるためには、良い食材!いま滞在しているステュディオは、サンジェルマン・デ・プレ教会とサン・シュルピス教会の中間位にあるのだが、近くにサンジェルマン市場(パリでも数少ない屋内市場)とビュシー通りの市場がある。大型スーパーもモノプリとシャンピオンというチェーン店があり、買物には不自由がない。サンジェルマン市場は一時期、存続が危ぶまれたらしいが、懐かしい感じのする市場で品質は・・・格別良くはない。お店の人は(暇な分)親切だ。ビュシー通りの市場は品質がとても良いと思う。活気もあり、お客は列をなしている。ここで買ったトマトをお見せしたいものだ。チキンのロティも安くておいしい。モノプリはなんでもそろうしオリジナル商品も充実していて便利だが、すべてにおいて展示の仕方がマズイ。購入意欲を削がれてしまう(注:2000年の現在は改装もすみなかなか良くなっています)。シャンピオンもそうなのだが、ここは野菜がまずまず新鮮。と、いう感じで少しずつ自分のテリトリーを探検中。
午後はポンピドゥー・センターまで足をのばす。本来はすぐにでも行けるところなのだが、なにしろ何処にいくにも歩くしかない今、こんな所でも遠くに感じてしまう。久しぶりのポンピドゥーはなんだか仰々しくお化粧なおし中。つまらないのですぐに出て、セバストポール大通りを下っていく。ここはあやしい電気屋さんが多く、今CDラジカセを探している私としては値段が気になる。だいたいどこでも同じくらいの価格なのだが、一店 killer of priceと宣伝している中で、 153F(約3千円)という商品があった。「ほんまかいな・・・」という位に安いこの商品に心を引かれながら、大型電気店も見てからにしようと思う堅実な私・・・。胡散臭いけど、2年間もてばいいから、メーカーはどこでもいいとは思っている。しかし、安すぎる・・・。来週もう一度見に行こうっと。
昨日も今日も本当に疲れた。早くストが終わればいいのに・・・。でもいい運動にはなっている。来週から遠出が必要になるから自転車でも買おうかな。街はローラースケーターとサイクリストで溢れている。車も多くて排ガス臭いし、今年は神戸もパリも私のいる所は本当に不便ですね。
■1995.12.09(土)
今日は特に予定もないので、モンパルナス界隈に行く。やはりここは私にとっては馴染みの深い場所でもあるし、何より便利な所でもある。家を出て、近くのレンヌ大通りを南に下っていくと、そこがモンパルナスである。このレンヌ大通りにはファッションやアクセサリー・食器などを扱う店が多く、大型店舗も多い。例えばフナック(書籍・電気製品・カメラ関係・CDなどを扱う)やタチ(大型ディスカウントショップ)があり(注:2000年現在、タチは婦人服のZARAに変わっています)、モンパルナス・タワーのふもとにはギャルリー・ラファイエット(デパート)、その横には大規模なスーパーマーケット、イノがある。レンヌ大通りと交差するモンパルナス大通りには今朝は朝市も出ていて盛況だった。朝市も新鮮でおいしそうな物が並んでいる。一通りすべての店をのぞいたが、私は以前からイノの贔屓なので今日はここが目当て。久しぶりのイノは見事に改装されていて、ますますグレード・アップしている。ブリオッシュ・ドーレでおいしいイチゴのタルトをほおばって元気を出した。でないと、もう歩くのは少しうんざりだからだ。でも歩きだすと血が騒ぐのか、つい回り道をしてしまう。帰りもリュクサンブール公園を横切り、ソルボンヌ大学の辺りを経由して戻ってきた。今日は天気も良くて割合に暖かで気持ちが良い。けれど疲れたので午後の外出はなし。あー、しんど。
今日は特に予定もないので、モンパルナス界隈に行く。やはりここは私にとっては馴染みの深い場所でもあるし、何より便利な所でもある。家を出て、近くのレンヌ大通りを南に下っていくと、そこがモンパルナスである。このレンヌ大通りにはファッションやアクセサリー・食器などを扱う店が多く、大型店舗も多い。例えばフナック(書籍・電気製品・カメラ関係・CDなどを扱う)やタチ(大型ディスカウントショップ)があり(注:2000年現在、タチは婦人服のZARAに変わっています)、モンパルナス・タワーのふもとにはギャルリー・ラファイエット(デパート)、その横には大規模なスーパーマーケット、イノがある。レンヌ大通りと交差するモンパルナス大通りには今朝は朝市も出ていて盛況だった。朝市も新鮮でおいしそうな物が並んでいる。一通りすべての店をのぞいたが、私は以前からイノの贔屓なので今日はここが目当て。久しぶりのイノは見事に改装されていて、ますますグレード・アップしている。ブリオッシュ・ドーレでおいしいイチゴのタルトをほおばって元気を出した。でないと、もう歩くのは少しうんざりだからだ。でも歩きだすと血が騒ぐのか、つい回り道をしてしまう。帰りもリュクサンブール公園を横切り、ソルボンヌ大学の辺りを経由して戻ってきた。今日は天気も良くて割合に暖かで気持ちが良い。けれど疲れたので午後の外出はなし。あー、しんど。
■1995.12.10(日)
今日は日曜日、さて何をしようかなあ、と私は教会の厳かな鐘の音を聞きながら考えていた。しかしフランスも少しずつ進化している。以前は日曜日にデパートで買物なんて出来なかったのに、クリスマス前という季節がらもあって、ほとんどの店は営業していたのだ。
朝ふと、もう食料の心細いことに気付いた。それならばせめてパンだけでも調達しようとはるばるモントルグイユ通りの年中無休のパン屋「STOHRER」に向かった。そしてその途中、ポン・ヌフ橋を渡ってすぐのサマリテーヌ百貨店がどうやら開いているようだ、ということが道行く人の下げている荷物でわかったのである。そうなるともう目的を忘れてしまった子供のお使いである。ぷらぷらと店内に迷いこみ、色々と見て楽しんだ。今日、私が悩んだあげく買うのを見送った商品としては、水道水の濾過ケース。こちらの水は御存知の通り石灰分が多いのだが、単に濾過フィルターを通して水をためておくという、恐ろしく単純なもの。でも安いし、いずれ是非欲しい一品です。でないと本当にお茶がおいしくいれられません。
デパートをうろうろしてけっこう疲れたのだが、私は最初の目標を達成、バゲットを手に入れた。もちろん近所のパン屋もたくさん開いているのだが、散歩がてらのお使いだったわけです。焼きたてのバゲットは幸せがにじんでくるくらいに暖かく、ふんわりと湿気を含んだ私好みのパン。少しずつお気にいりの味の店を開拓してきたい。少し遠くても・・・ね。
今日は日曜日、さて何をしようかなあ、と私は教会の厳かな鐘の音を聞きながら考えていた。しかしフランスも少しずつ進化している。以前は日曜日にデパートで買物なんて出来なかったのに、クリスマス前という季節がらもあって、ほとんどの店は営業していたのだ。
朝ふと、もう食料の心細いことに気付いた。それならばせめてパンだけでも調達しようとはるばるモントルグイユ通りの年中無休のパン屋「STOHRER」に向かった。そしてその途中、ポン・ヌフ橋を渡ってすぐのサマリテーヌ百貨店がどうやら開いているようだ、ということが道行く人の下げている荷物でわかったのである。そうなるともう目的を忘れてしまった子供のお使いである。ぷらぷらと店内に迷いこみ、色々と見て楽しんだ。今日、私が悩んだあげく買うのを見送った商品としては、水道水の濾過ケース。こちらの水は御存知の通り石灰分が多いのだが、単に濾過フィルターを通して水をためておくという、恐ろしく単純なもの。でも安いし、いずれ是非欲しい一品です。でないと本当にお茶がおいしくいれられません。
デパートをうろうろしてけっこう疲れたのだが、私は最初の目標を達成、バゲットを手に入れた。もちろん近所のパン屋もたくさん開いているのだが、散歩がてらのお使いだったわけです。焼きたてのバゲットは幸せがにじんでくるくらいに暖かく、ふんわりと湿気を含んだ私好みのパン。少しずつお気にいりの味の店を開拓してきたい。少し遠くても・・・ね。
■1995.12.11(月)
今日はそれこそはるばると16区にある私がこれから通う語学学校へ登録のために訪れた。せっかく遠くへ行くのだから王道(?)を行こうと、ルーヴルからチュイルリー公園をぬけて、シャンゼリゼ大通りからビクトク・ユーゴー広場まで約1時間(かなりの速さで歩いて)と少し。私は学校へ着いたときにはもうヘトヘトで、同じ道を歩いて帰ることを考えたくなかった。そして先週末から考えていた自転車購入への意志がどんどん固まっていった。
学校は私立のとても小さな学校で、感じの良いマダムが受付けをしてくれて、簡単なテストと面接を終えて、登録の手続きを完了した。来週の月曜日から授業がとりあえず始まる。この学校を終える頃、私はもっとフランス語をましに操れるようになっているはずである。うん、楽しみ。嫌な先生にあたりませんように・・・。
さて、思い立ったら吉日。私は学校の近くのシャンゼリゼ大通り周辺にたくさんある自転車屋をのぞいてみた。そしてポルト・マイヨー近くのプジョーの自転車屋で、二番目に安い自転車を買い求めた。プジョーのおばちゃりである。今、パリの自転車屋はにわかに忙しくなっており、私も店員が相手をしてくれるのをずいぶんと待った。しかし、良い買物が出来て、とても満足している。なかなかかっこよいのである。これでもういつまでストが続いたって大丈夫。私はゆうゆうと帰りの道程をかえってきた。
家に帰ると、A不動産屋のUさんから電話で、まだ住人の人と連絡が取れていないので明日は案内できなくなった、とのこと。まあ、気長に待ちます。なんとなく気に入ったので、当分はこの不動産屋さんだけにしぼって探してみるつもりである。と、いうことで明日のアポはなくったので、嫌だけど警察署(滞在許可証の申請のために)にでも行くとするかな。おやすみなさい。
今日はそれこそはるばると16区にある私がこれから通う語学学校へ登録のために訪れた。せっかく遠くへ行くのだから王道(?)を行こうと、ルーヴルからチュイルリー公園をぬけて、シャンゼリゼ大通りからビクトク・ユーゴー広場まで約1時間(かなりの速さで歩いて)と少し。私は学校へ着いたときにはもうヘトヘトで、同じ道を歩いて帰ることを考えたくなかった。そして先週末から考えていた自転車購入への意志がどんどん固まっていった。
学校は私立のとても小さな学校で、感じの良いマダムが受付けをしてくれて、簡単なテストと面接を終えて、登録の手続きを完了した。来週の月曜日から授業がとりあえず始まる。この学校を終える頃、私はもっとフランス語をましに操れるようになっているはずである。うん、楽しみ。嫌な先生にあたりませんように・・・。
さて、思い立ったら吉日。私は学校の近くのシャンゼリゼ大通り周辺にたくさんある自転車屋をのぞいてみた。そしてポルト・マイヨー近くのプジョーの自転車屋で、二番目に安い自転車を買い求めた。プジョーのおばちゃりである。今、パリの自転車屋はにわかに忙しくなっており、私も店員が相手をしてくれるのをずいぶんと待った。しかし、良い買物が出来て、とても満足している。なかなかかっこよいのである。これでもういつまでストが続いたって大丈夫。私はゆうゆうと帰りの道程をかえってきた。
家に帰ると、A不動産屋のUさんから電話で、まだ住人の人と連絡が取れていないので明日は案内できなくなった、とのこと。まあ、気長に待ちます。なんとなく気に入ったので、当分はこの不動産屋さんだけにしぼって探してみるつもりである。と、いうことで明日のアポはなくったので、嫌だけど警察署(滞在許可証の申請のために)にでも行くとするかな。おやすみなさい。
■1995.12.12(火)
この季節、パリの朝はだいたい9時前ころにようやく明るくなる。最近時差ぼけもとれて、朝7時頃に起きているが、もちろんまだ暗い。朝食をとり、テレビを見ながら、洗濯をし、身仕度をするのが、最近の日課。パンは今まで日本のパンが世界一だと思っていたけど、やはり評判に違わず、パリ(フランスの)のパンは旨い!と、最近認識を改めざるを得ない。だいたいいつもバゲット(直径5-6㎝、長さ50-60㎝くらい)を買うのだが、それが3~4F(約60~80円)で買える。安いし、旨い!グルメの国を支える庶民の食文化は、とにかく生活をしてみないことにはわからない。もちろん観光客でも朝市を歩いたり、スーパーマーケットで買物をすることは出来るのだけれど、その安さや旨さを本当に実感できたのは、私も今回が初めてであった。これまでは時間のない旅行者だったせいか、食事よりももっと他にエネルギーをかけていたから、わからなかったのであろう。野菜の艶やかさや果物の豊富さに感動。あ、そうそう、こちらでは鶏の手羽先と手羽元は合体したまま売られていました。
ところで今日は入国後8日間以内の期限も迫っているので、15区の警察署に滞在許可証の申請に行った。以前よりだいぶ合理化されたと聞いていたが、それでもすーごく意地悪な態度を取る人もいるとか。何かと醜聞の絶えない難関なので、少々緊張して行ったにもかかわらず、初めて行った私には書類の入った封筒が渡されただけだった。提出書類が足りなかったので、私は明日それを持って出直すことにする。
午後、友人宅を訪れた。途中バスチーユ界隈は大デモ行進のために、交通規制がなされ、行進する人、見学する人、それに警察官に占領されていた。なんだかすごい迫力で私は圧倒されてしまった。火をたき、声を一つに叫ぶ人々の姿に、フランスは闘っている・・・、そんな印象を強く受ける。こういう場面でも見ないかぎり、パリにいてもなかなか実情さえ実感できない。そんなデモ行進を横切り、友人宅で少しばかり時間を過ごし、夕方は暗くなる前に家路に着いた。なぜなら朝と夕方の車の渋滞は、毎日100キロとか200キロとか言っているけれど、本当に今のパリは排ガス臭いから、そんな時間は家に居るに限るのだ。
明日はA不動産ののUさんと11時にアポ。初めての物件見学の予定。
この季節、パリの朝はだいたい9時前ころにようやく明るくなる。最近時差ぼけもとれて、朝7時頃に起きているが、もちろんまだ暗い。朝食をとり、テレビを見ながら、洗濯をし、身仕度をするのが、最近の日課。パンは今まで日本のパンが世界一だと思っていたけど、やはり評判に違わず、パリ(フランスの)のパンは旨い!と、最近認識を改めざるを得ない。だいたいいつもバゲット(直径5-6㎝、長さ50-60㎝くらい)を買うのだが、それが3~4F(約60~80円)で買える。安いし、旨い!グルメの国を支える庶民の食文化は、とにかく生活をしてみないことにはわからない。もちろん観光客でも朝市を歩いたり、スーパーマーケットで買物をすることは出来るのだけれど、その安さや旨さを本当に実感できたのは、私も今回が初めてであった。これまでは時間のない旅行者だったせいか、食事よりももっと他にエネルギーをかけていたから、わからなかったのであろう。野菜の艶やかさや果物の豊富さに感動。あ、そうそう、こちらでは鶏の手羽先と手羽元は合体したまま売られていました。
ところで今日は入国後8日間以内の期限も迫っているので、15区の警察署に滞在許可証の申請に行った。以前よりだいぶ合理化されたと聞いていたが、それでもすーごく意地悪な態度を取る人もいるとか。何かと醜聞の絶えない難関なので、少々緊張して行ったにもかかわらず、初めて行った私には書類の入った封筒が渡されただけだった。提出書類が足りなかったので、私は明日それを持って出直すことにする。
午後、友人宅を訪れた。途中バスチーユ界隈は大デモ行進のために、交通規制がなされ、行進する人、見学する人、それに警察官に占領されていた。なんだかすごい迫力で私は圧倒されてしまった。火をたき、声を一つに叫ぶ人々の姿に、フランスは闘っている・・・、そんな印象を強く受ける。こういう場面でも見ないかぎり、パリにいてもなかなか実情さえ実感できない。そんなデモ行進を横切り、友人宅で少しばかり時間を過ごし、夕方は暗くなる前に家路に着いた。なぜなら朝と夕方の車の渋滞は、毎日100キロとか200キロとか言っているけれど、本当に今のパリは排ガス臭いから、そんな時間は家に居るに限るのだ。
明日はA不動産ののUさんと11時にアポ。初めての物件見学の予定。
■1995.12.13(水)
今朝は7区のバック通りの物件(家賃4000F)を見に行く。ここは確かにSさんの言っていた通り、それはそれは素晴らしい物件だった。台所の設備も完璧(大型オーブンに電子レンジ、食器洗浄機に冷蔵庫、コンロも3つある)、風呂もある、部屋もきれいだし、広さも十分、明るいし、インテリアのセンスもいい。のだが、セントラル・ヒーティングでは、ないので、家賃の他に電気代がかなりかかる。こちらの友人の談によると、下手をしたら寒がりの私なら冬場は月に3万くらいかかるのでは・・・、とのこと。それでは、だいぶと予算オーバーになる。泣きたい気持ちで、この話は見送った。もう少し他の物件を調べてもらうことにした。この時期はもともと人の出入りの少ない時期なので物件も少ないし、もうすぐクリスマスだということと、ストの影響で仕事がはかどらないこともあって、なかなか悪条件が重なっていると言える。でも少し範囲を広げて探すといくつか良い条件の物件もあるにはあるので、あさって見せてもらえることになった。
午後は警察署にとりあえず揃えた書類を持ってでかけた。しかし窓口に行くまでに、一人の太ったハゲのオヤジがいるのだが(注:2000年現在、彼はもういません)、彼が必ず用件を聞くことになっている。私は素直に書類が一枚足りない(住所がまだ決まっていない)事を告げると、その場で書類が揃ってから出直してこい!と大声でいやみをあれこれ言われ、あえなく退散。ああ、ここまではるばる来たのに、損した気分。
パリの街中で私の目を引く店と言ったら、何よりもパティスリー(パン屋兼お菓子屋)である。いつもウインドウの中に美しく飾られているケーキやタルトに垂涎の思いで見入っている。バゲットを買うついでに、ときどき買ってしまうのだが、美味しい!まだいわゆる日本で言うケーキは試したことがない(少し値がはる、と言っても日本よりは安いけど)ので、クリスマスにでも試してみようかなあ・・・、と思う今日この頃。
今朝は7区のバック通りの物件(家賃4000F)を見に行く。ここは確かにSさんの言っていた通り、それはそれは素晴らしい物件だった。台所の設備も完璧(大型オーブンに電子レンジ、食器洗浄機に冷蔵庫、コンロも3つある)、風呂もある、部屋もきれいだし、広さも十分、明るいし、インテリアのセンスもいい。のだが、セントラル・ヒーティングでは、ないので、家賃の他に電気代がかなりかかる。こちらの友人の談によると、下手をしたら寒がりの私なら冬場は月に3万くらいかかるのでは・・・、とのこと。それでは、だいぶと予算オーバーになる。泣きたい気持ちで、この話は見送った。もう少し他の物件を調べてもらうことにした。この時期はもともと人の出入りの少ない時期なので物件も少ないし、もうすぐクリスマスだということと、ストの影響で仕事がはかどらないこともあって、なかなか悪条件が重なっていると言える。でも少し範囲を広げて探すといくつか良い条件の物件もあるにはあるので、あさって見せてもらえることになった。
午後は警察署にとりあえず揃えた書類を持ってでかけた。しかし窓口に行くまでに、一人の太ったハゲのオヤジがいるのだが(注:2000年現在、彼はもういません)、彼が必ず用件を聞くことになっている。私は素直に書類が一枚足りない(住所がまだ決まっていない)事を告げると、その場で書類が揃ってから出直してこい!と大声でいやみをあれこれ言われ、あえなく退散。ああ、ここまではるばる来たのに、損した気分。
パリの街中で私の目を引く店と言ったら、何よりもパティスリー(パン屋兼お菓子屋)である。いつもウインドウの中に美しく飾られているケーキやタルトに垂涎の思いで見入っている。バゲットを買うついでに、ときどき買ってしまうのだが、美味しい!まだいわゆる日本で言うケーキは試したことがない(少し値がはる、と言っても日本よりは安いけど)ので、クリスマスにでも試してみようかなあ・・・、と思う今日この頃。
■1995.12.14(木)
今日は午後から一つ約束があるだけで、他には何もすることがない。友達との約束までに近所のパティスリーでコーヒーを飲んだ。最近ここにはパンを頻繁に買いにくるのだが、ケーキも美味しそうだし、いつも人が集まっている人気の店だ。
正午にボザール(国立パリ高等美術学校)内のカフェで待ち合わせをした。彼、マコト氏とは高校時代に通っていたアトリエで知り合った。私はそのまま日本の芸大に進んだが、彼はフランスへ。今ではここの学生になってボルタンスキーのアトリエで活躍している。カフェの前のスペースでは、マコト氏のクラスメートの展示準備が行なわれていた。中国人と仏人とのハーフであるその人の展示は自分のお祖母さんの静かな生活ぶりを中心にモノクロの写真におさめており、私には好感のもてるものだった。とても優しい感情が伝わってくる。この展示は卒業を前にした大切なものらしい。内外6人の人が審査をすると言っていた。
午後はごく近所のマビヨンにある学生食堂を体験した。「restau U」という看板を見つけたら、そこは学生食堂で、学生ならば誰でも使える(国際学生証でもOK)。私も晴れて学生になったので、学生証を見せればチケットが買えるわけだ。まあ、お味はともかくとして、前菜とデザートを3種類選び、メインがかなりのボリュームだし、もちろんパンは食べ放題。それで13.2F(約270円)はかなり安い。面倒臭いときにはいいかもしれない、と思いました。
オデオンのカフェでおしゃべりし彼らと別れたあと、私は安いブティックで藍色のコーデュロイパンツを買った。公共部門のストライキで私宛ての小包は何も届かず、着替えがなくて不自由だったからだ。少し長いけど裾を切らずにすんだし、100F(約2000円)と安いので大満足。明日からはこれをはこっと。
夕方家へ帰る頃、また雪が降り始めた。今日は特別寒かったものなあ。雪のなか私はバゲットとメレンゲを焼いたお菓子を一つにぎりしめて、お家へ帰りました。
今日は午後から一つ約束があるだけで、他には何もすることがない。友達との約束までに近所のパティスリーでコーヒーを飲んだ。最近ここにはパンを頻繁に買いにくるのだが、ケーキも美味しそうだし、いつも人が集まっている人気の店だ。
正午にボザール(国立パリ高等美術学校)内のカフェで待ち合わせをした。彼、マコト氏とは高校時代に通っていたアトリエで知り合った。私はそのまま日本の芸大に進んだが、彼はフランスへ。今ではここの学生になってボルタンスキーのアトリエで活躍している。カフェの前のスペースでは、マコト氏のクラスメートの展示準備が行なわれていた。中国人と仏人とのハーフであるその人の展示は自分のお祖母さんの静かな生活ぶりを中心にモノクロの写真におさめており、私には好感のもてるものだった。とても優しい感情が伝わってくる。この展示は卒業を前にした大切なものらしい。内外6人の人が審査をすると言っていた。
午後はごく近所のマビヨンにある学生食堂を体験した。「restau U」という看板を見つけたら、そこは学生食堂で、学生ならば誰でも使える(国際学生証でもOK)。私も晴れて学生になったので、学生証を見せればチケットが買えるわけだ。まあ、お味はともかくとして、前菜とデザートを3種類選び、メインがかなりのボリュームだし、もちろんパンは食べ放題。それで13.2F(約270円)はかなり安い。面倒臭いときにはいいかもしれない、と思いました。
オデオンのカフェでおしゃべりし彼らと別れたあと、私は安いブティックで藍色のコーデュロイパンツを買った。公共部門のストライキで私宛ての小包は何も届かず、着替えがなくて不自由だったからだ。少し長いけど裾を切らずにすんだし、100F(約2000円)と安いので大満足。明日からはこれをはこっと。
夕方家へ帰る頃、また雪が降り始めた。今日は特別寒かったものなあ。雪のなか私はバゲットとメレンゲを焼いたお菓子を一つにぎりしめて、お家へ帰りました。
■1995.12.15(金)
今日は二件の物件を見にいく。A不動産のTさんが自宅前でピックアップしてくれた。今日の物件は13区14区にあり、だいぶ街の中心地からは離れるが、普通のフランス人が住んでいる界隈である。今、私が居る辺りというのは、最もパリらしい人気の高い地域の一つと言えるが、やはりこの辺りにはまず私が借りられるような物件は、ないと思って良い。みんなが憧れるような場所の物件は少々住みづらくても家賃は高い値がつく。それでも借り手が山ほどいるからだ。高い家賃に高い光熱費を払える人しか住めない場所なのだ。だから庶民はどんどん郊外へ出ていく・・・という仕組みだ。私もいつかは掘出物を探してここへ戻ってきたい・・・などと戦略を立てたいところだが、とりあえずは場所よりも物件を優先させて探すつもり。車で移動中にもTさんの携帯電話にSさんからの連絡が入った。15区の物件を一つ、明日見ることができるとのこと。少し予算を越えているのだが、なかなか感じのよい物件なので先方とアポを取ってもらうことにした。こちらの不動産の見学には基本的に物件のオーナーが立ち合うから、なかなかアポをとったり、先方との予定があわず見学も一苦労。今はとくにストでオーナーさんも動きたくない、というわけである。
一つ目の物件は38㎡(この広さはなかなかこの値段ではない)で2部屋、日本式に言うと2階、シャワー(こちらではバスタブがないのは珍しくない)のみ。家賃は3600Fだが中央暖房ではないので、電気代がかかる。この物件は見る前からあまり乗り気ではなかったが、見たらますます興味がなくなった。周辺がなんとなく陰気臭い。ここはパス。次のプラス・ディタリーに近いほうの物件は期待していたのだが、まあまあ満足のいく内容だった。35㎡でバスタブつきの大きなバスルーム、キッチンも独立している。こちらも日本式に言う2階で、近代建築なので中央暖房あり、管理人がいて3900F。少し高いけれど部屋の状態はとても良いし、オーナー・マダムの印象もすごく良かった。周辺環境もまあまあ、という感じ。ただしこちらは1年契約。一年後には売却してしまうらしい。でも私にはその方が次を探すきっかけになって良いかもしれない、と思い心が動いた。案内をしてくれたTさんは在仏26年のおじさんだ。彼は車を運転しながら私に言った。「あんな良い場所に一度住んでしまうと、どこへ行っても田舎に見えるでしょう?私は今、案内をしながら非常に無力感を感じていますよ。ほんとにあそこは麻薬みたいなものですからね、もう少し時間をかけてあの辺りで探したらどうですか?」と。本当に・・・私だって、そう思う。だから最初の一ヵ月だけは贅沢しようと、サンジェルマン・デ・プレの月貸しアパートを契約したのだから。でもストが終わってメトロやバスが順調に動けば、どこからだって街の中心へは15分もあれば行けるし、いいんですよ、Tさん。明日の物件にも期待!
今日は二件の物件を見にいく。A不動産のTさんが自宅前でピックアップしてくれた。今日の物件は13区14区にあり、だいぶ街の中心地からは離れるが、普通のフランス人が住んでいる界隈である。今、私が居る辺りというのは、最もパリらしい人気の高い地域の一つと言えるが、やはりこの辺りにはまず私が借りられるような物件は、ないと思って良い。みんなが憧れるような場所の物件は少々住みづらくても家賃は高い値がつく。それでも借り手が山ほどいるからだ。高い家賃に高い光熱費を払える人しか住めない場所なのだ。だから庶民はどんどん郊外へ出ていく・・・という仕組みだ。私もいつかは掘出物を探してここへ戻ってきたい・・・などと戦略を立てたいところだが、とりあえずは場所よりも物件を優先させて探すつもり。車で移動中にもTさんの携帯電話にSさんからの連絡が入った。15区の物件を一つ、明日見ることができるとのこと。少し予算を越えているのだが、なかなか感じのよい物件なので先方とアポを取ってもらうことにした。こちらの不動産の見学には基本的に物件のオーナーが立ち合うから、なかなかアポをとったり、先方との予定があわず見学も一苦労。今はとくにストでオーナーさんも動きたくない、というわけである。
一つ目の物件は38㎡(この広さはなかなかこの値段ではない)で2部屋、日本式に言うと2階、シャワー(こちらではバスタブがないのは珍しくない)のみ。家賃は3600Fだが中央暖房ではないので、電気代がかかる。この物件は見る前からあまり乗り気ではなかったが、見たらますます興味がなくなった。周辺がなんとなく陰気臭い。ここはパス。次のプラス・ディタリーに近いほうの物件は期待していたのだが、まあまあ満足のいく内容だった。35㎡でバスタブつきの大きなバスルーム、キッチンも独立している。こちらも日本式に言う2階で、近代建築なので中央暖房あり、管理人がいて3900F。少し高いけれど部屋の状態はとても良いし、オーナー・マダムの印象もすごく良かった。周辺環境もまあまあ、という感じ。ただしこちらは1年契約。一年後には売却してしまうらしい。でも私にはその方が次を探すきっかけになって良いかもしれない、と思い心が動いた。案内をしてくれたTさんは在仏26年のおじさんだ。彼は車を運転しながら私に言った。「あんな良い場所に一度住んでしまうと、どこへ行っても田舎に見えるでしょう?私は今、案内をしながら非常に無力感を感じていますよ。ほんとにあそこは麻薬みたいなものですからね、もう少し時間をかけてあの辺りで探したらどうですか?」と。本当に・・・私だって、そう思う。だから最初の一ヵ月だけは贅沢しようと、サンジェルマン・デ・プレの月貸しアパートを契約したのだから。でもストが終わってメトロやバスが順調に動けば、どこからだって街の中心へは15分もあれば行けるし、いいんですよ、Tさん。明日の物件にも期待!
■1995.12.16(土)
今朝は11頃に家を出て、愛車プジョーでプラス・ディタリーへと向かう。昨日見た物件が気に入ったので、周辺をもう一度自分の目で確認しておこうと思ったのだ。最寄りの駅からは徒歩10分。周辺の環境は上々。日々の買物には不便がない。そこからプラス・ディタリー(最寄りの賑やかどころ)へは徒歩15分。ここには日本人建築家、丹下の作ったのグラン・テクラン(ゴーモン社の映画館ビル)がそびえたち、その続きにギャラクシーという大きなショッピングゾーン。プランタンデパートやダルティ(上新電機みたいな大型チェーン)、チャンピオン(大スーパー)、そしてたくさんの専門店が入っている。
その辺りをぷらぷらと確認しながら、今日見る物件15区へと又向かう。Tさんと物件の前で2時に約束をしている。今日の物件の方は予算オーバーで気がすすまなかったのだが、見るだけは見てみようと思った。しかしメトロの駅には断然こちらが近い。4分程度だ。この辺りは日本人の家族が多く住む地域で有名なところで、いわゆる住宅街。しかしそれは特に駅をはさんで、セーヌ側のお話。こちら側はごくごく普通の住宅街であるが、エッフェル塔は共有財産として私も拝むことが出来る。5階(日本の6階)にあるこの部屋は、西向きだが全面が開放部で、窓の外は大きな空き地になっており、明るくてとても感じが良かった。部屋の見学を終えてオーナーを見送り、Tさんと少し話をして、私は何故かこちらの物件を取ることにした。決め手となる理由は特にない。しいてあげるとすれば、テレビ(家具はだいたいどこでも同じようなものだが)がついていたことと、エッフェル塔と、学校に少し近いということだろうか・・・。これで定期券を買わないでも、自転車で通学できる。1ヵ月に5000円の定期券を買わないで6000円高い家賃を払う・・・。どっちがいいのかはよく判らないけど、こういうのはいつも運命だと思うことにしている。とにかくお願いしますと言った。あとはオーナーが私を選ぶかどうかの返事を聞かなければならない。Tさんからの電話を今夜待つことになった。
もう一度、ここに住むんだ、という意識をもって周辺を見て回った。駅を越えてあちら側の街はホテル・ニッコーなどのある高層ビル群であるが、そこにも大ショッピングゾーンがある。私の好きなモノプリ(スーパーチェーン店)もダルティ(前述の電気屋)入っているし、専門店も充実しているし、まあ合格といった所でしょうか。近くに朝市も立つと言うし・・・。なんとなく、こうやって歩いていると愛しくなってくるものである。映画館もあるし、おいしそうなパティスリーも見つけたし・・・。今いる界隈にも地下鉄で乗り換えなしにすぐ行けるし・・・。満足して私は家路についた。
夜、TさんからオーナーのOKが出たとのことである。保証人も日本人だから要らないと言ってくれたらしい。火曜日の朝、契約サイン会である。引っ越しは1月早々に。さあ、又忙しくなるぞ。
今朝は11頃に家を出て、愛車プジョーでプラス・ディタリーへと向かう。昨日見た物件が気に入ったので、周辺をもう一度自分の目で確認しておこうと思ったのだ。最寄りの駅からは徒歩10分。周辺の環境は上々。日々の買物には不便がない。そこからプラス・ディタリー(最寄りの賑やかどころ)へは徒歩15分。ここには日本人建築家、丹下の作ったのグラン・テクラン(ゴーモン社の映画館ビル)がそびえたち、その続きにギャラクシーという大きなショッピングゾーン。プランタンデパートやダルティ(上新電機みたいな大型チェーン)、チャンピオン(大スーパー)、そしてたくさんの専門店が入っている。
その辺りをぷらぷらと確認しながら、今日見る物件15区へと又向かう。Tさんと物件の前で2時に約束をしている。今日の物件の方は予算オーバーで気がすすまなかったのだが、見るだけは見てみようと思った。しかしメトロの駅には断然こちらが近い。4分程度だ。この辺りは日本人の家族が多く住む地域で有名なところで、いわゆる住宅街。しかしそれは特に駅をはさんで、セーヌ側のお話。こちら側はごくごく普通の住宅街であるが、エッフェル塔は共有財産として私も拝むことが出来る。5階(日本の6階)にあるこの部屋は、西向きだが全面が開放部で、窓の外は大きな空き地になっており、明るくてとても感じが良かった。部屋の見学を終えてオーナーを見送り、Tさんと少し話をして、私は何故かこちらの物件を取ることにした。決め手となる理由は特にない。しいてあげるとすれば、テレビ(家具はだいたいどこでも同じようなものだが)がついていたことと、エッフェル塔と、学校に少し近いということだろうか・・・。これで定期券を買わないでも、自転車で通学できる。1ヵ月に5000円の定期券を買わないで6000円高い家賃を払う・・・。どっちがいいのかはよく判らないけど、こういうのはいつも運命だと思うことにしている。とにかくお願いしますと言った。あとはオーナーが私を選ぶかどうかの返事を聞かなければならない。Tさんからの電話を今夜待つことになった。
もう一度、ここに住むんだ、という意識をもって周辺を見て回った。駅を越えてあちら側の街はホテル・ニッコーなどのある高層ビル群であるが、そこにも大ショッピングゾーンがある。私の好きなモノプリ(スーパーチェーン店)もダルティ(前述の電気屋)入っているし、専門店も充実しているし、まあ合格といった所でしょうか。近くに朝市も立つと言うし・・・。なんとなく、こうやって歩いていると愛しくなってくるものである。映画館もあるし、おいしそうなパティスリーも見つけたし・・・。今いる界隈にも地下鉄で乗り換えなしにすぐ行けるし・・・。満足して私は家路についた。
夜、TさんからオーナーのOKが出たとのことである。保証人も日本人だから要らないと言ってくれたらしい。火曜日の朝、契約サイン会である。引っ越しは1月早々に。さあ、又忙しくなるぞ。
■1995.12.17(日)
今日は初めての音集めをしてみる。近くにある(30秒くらいのところ)サン・シュルピス教会は大きさでいえばノートルダムにはひけをとらないもので、素晴らしいパイプオルガンが設置されている。これを一度聴いてみたいと思っていたので、日曜の礼拝に参加してみた。この教会の鐘の音もパイプオルガンの音もパリの音として記録しておくつもりだ。今回の滞在では写真を撮るだけでなく(と、いっても今まで全然カメラを持って歩いていないけど)、音にも関心を向けたいと思っている。でも皆に一度是非ここに来ることをお薦めしたい。もちろん他の大きな教会でもいいけれど、生の音の素晴らしさというのは想像を越える素晴らしいものである事は、間違いないからだ。信者でなくとも心を洗われるような体験が出来る。
さて午後は用事があってシャンゼリゼの方へ向かったが、完全に復活した地下鉄の1号線を利用することにした。他の線はまだ動いていないので、ルーヴルまで歩いた。久しぶりのメトロの匂い。懐かしい感じがする。今日は無料でサービスされていたので、ついでにデファンスまで足をのばした。日本も今頃はクリスマス商戦の真っ只中だろうが、それはパリでも同じで、どこもかしこも人でごった返している。今月だけは日曜日でも買物が楽しめて退屈しなくていい。でも1月からは、また静かになってしまうのでしょうか・・・。
買物といえば、新居に必要な電化製品の価格の比較が今のところのテーマである。凱旋門の近くにインター・ディスカウントというチェーン店があって、有名なフナックやダルティよりも安いものを扱っている。もちろん同じ製品の値段はどこも同じくらいだが、もっと安い製品も置いているのがここ。ここでは電話機95FとCDラジカセ490Fを購入するつもり。洗濯機はダルティで1790Fのを見つけた。今日はとりあえず小さいから電話機を買った。おもちゃみたいだけど2千円ならしかたない。2年間なんとかもってくれたらいいのだから。(注:無事、帰国までの4年半壊れませんでした)
クリスマスまでにはメトロが完全復帰してくれるそうな・・・なんとかそう願いたいものだ。明日から学校、少し緊張。もう、寝よーっと。おやすみなさい。
今日は初めての音集めをしてみる。近くにある(30秒くらいのところ)サン・シュルピス教会は大きさでいえばノートルダムにはひけをとらないもので、素晴らしいパイプオルガンが設置されている。これを一度聴いてみたいと思っていたので、日曜の礼拝に参加してみた。この教会の鐘の音もパイプオルガンの音もパリの音として記録しておくつもりだ。今回の滞在では写真を撮るだけでなく(と、いっても今まで全然カメラを持って歩いていないけど)、音にも関心を向けたいと思っている。でも皆に一度是非ここに来ることをお薦めしたい。もちろん他の大きな教会でもいいけれど、生の音の素晴らしさというのは想像を越える素晴らしいものである事は、間違いないからだ。信者でなくとも心を洗われるような体験が出来る。
さて午後は用事があってシャンゼリゼの方へ向かったが、完全に復活した地下鉄の1号線を利用することにした。他の線はまだ動いていないので、ルーヴルまで歩いた。久しぶりのメトロの匂い。懐かしい感じがする。今日は無料でサービスされていたので、ついでにデファンスまで足をのばした。日本も今頃はクリスマス商戦の真っ只中だろうが、それはパリでも同じで、どこもかしこも人でごった返している。今月だけは日曜日でも買物が楽しめて退屈しなくていい。でも1月からは、また静かになってしまうのでしょうか・・・。
買物といえば、新居に必要な電化製品の価格の比較が今のところのテーマである。凱旋門の近くにインター・ディスカウントというチェーン店があって、有名なフナックやダルティよりも安いものを扱っている。もちろん同じ製品の値段はどこも同じくらいだが、もっと安い製品も置いているのがここ。ここでは電話機95FとCDラジカセ490Fを購入するつもり。洗濯機はダルティで1790Fのを見つけた。今日はとりあえず小さいから電話機を買った。おもちゃみたいだけど2千円ならしかたない。2年間なんとかもってくれたらいいのだから。(注:無事、帰国までの4年半壊れませんでした)
クリスマスまでにはメトロが完全復帰してくれるそうな・・・なんとかそう願いたいものだ。明日から学校、少し緊張。もう、寝よーっと。おやすみなさい。
■1995.12.18(月)
さあ、今日はいよいよ学校の授業が始まった。私は2週間復習をかねて初級のクラスのやり、それを終えたら中級へ入ることになっている。一日3時間授業は4分割されており1時間目はメディアテーク(LL教室)でメカニスム(フレーズの反復練習)。2時間目は一人目の先生ローランと3・4時間目は二人目の先生ガブリエルと。テキストを使いながら授業はすすむ。私の今いるクラスは残念ながら一人のドイツ人の男性を除いてみんな日本人で合計7人。日本人はほとんどがほとんど話さない。当てられてもほとんど話さないのが3人。本当にわかっているのだろうか。私と同様に社会人だったユキコさんは活発に発言するし、一つ上のクラスから復習のためにおりてきている男性も当てられるときちんと自分の意見が言える人だ。おかげさまで私はのびのびと発言も出来るし、授業の内容もよく理解できる。もちろんドイツ人のトステンは一番よくできる。彼が授業をひっぱって行かなかったらなんとなく陰気臭いクラスかも。でも私は自分の話す機会が多いことを内心喜んでいたりして・・・。
やはり、何となく緊張していたのか、今日は疲れてしまった。でも今日からかなりの路線が復活しているので、学校まで少し遠回りをしたがメトロで往復した。しばらくメトロは無料で利用が出来るのでその間はメトロを使わせてもらうとしよう。引っ越しをしたら、自転車の方が近いので、自転車でいくつもりだが・・・。
明日は朝10時にA不動産で契約のアポが入っている。10号線が動いていれば30分で行けるところだが、まだ動いていないのでだいぶんと遠回りで1時間はかかるだろうから、早起きしなくちゃあ。つらいつらい。ではおやすみなさい。
さあ、今日はいよいよ学校の授業が始まった。私は2週間復習をかねて初級のクラスのやり、それを終えたら中級へ入ることになっている。一日3時間授業は4分割されており1時間目はメディアテーク(LL教室)でメカニスム(フレーズの反復練習)。2時間目は一人目の先生ローランと3・4時間目は二人目の先生ガブリエルと。テキストを使いながら授業はすすむ。私の今いるクラスは残念ながら一人のドイツ人の男性を除いてみんな日本人で合計7人。日本人はほとんどがほとんど話さない。当てられてもほとんど話さないのが3人。本当にわかっているのだろうか。私と同様に社会人だったユキコさんは活発に発言するし、一つ上のクラスから復習のためにおりてきている男性も当てられるときちんと自分の意見が言える人だ。おかげさまで私はのびのびと発言も出来るし、授業の内容もよく理解できる。もちろんドイツ人のトステンは一番よくできる。彼が授業をひっぱって行かなかったらなんとなく陰気臭いクラスかも。でも私は自分の話す機会が多いことを内心喜んでいたりして・・・。
やはり、何となく緊張していたのか、今日は疲れてしまった。でも今日からかなりの路線が復活しているので、学校まで少し遠回りをしたがメトロで往復した。しばらくメトロは無料で利用が出来るのでその間はメトロを使わせてもらうとしよう。引っ越しをしたら、自転車の方が近いので、自転車でいくつもりだが・・・。
明日は朝10時にA不動産で契約のアポが入っている。10号線が動いていれば30分で行けるところだが、まだ動いていないのでだいぶんと遠回りで1時間はかかるだろうから、早起きしなくちゃあ。つらいつらい。ではおやすみなさい。
■1995.12.19(火)
今日は朝早くにブーロニュの近くにあるA不動産を訪ねて、賃貸の契約をした。今週中には電話の契約もして番号ももらえるはず。いよいよ1月2日には入居ができる。が、学校も2日にはクリスマス休暇が終わって授業が始まるので、色々重なって大変である。学校の方は二日目ともあって、授業のやり方にも慣れたし、なんとか楽しくやっていけそうな気がする。ひとつ残念なのはこの学校は短期の学生が多いので、なかなか人と仲良くなるって環境ではないなあ・・・。それにパリの日本人は難しい感じの人が多いし・・・。
日本人ておもしろいなあって思う。街を一人で歩いているような留学生らしい人達は必ずと言っていいほど「また日本人かよー」って感じで目をそらすし、新婚カップルや二人連れの人たちは地図を広げて無口に右往左往しているし、グループの人はみんな同じ袋を下げて同じファッションで歩いている。今日もメトロの通路でルイ・ヴィトンの異常に大きな紙袋を持った新婚さんらしい男女が、両替屋でもらえる地図をガアって広げて困っていた。奥さんが「なんとかしてよー」とイライラした様子だったので、私は旦那様を気の毒に思い声をかけようか迷ったけれど、今日はそのまま通り過ぎてしまった (時々声をかけては怪訝な顔をされてしまう)。しかし、だいたいあんな大金持ちの買物をした日にゃあ、メトロなんか乗るなと言いたい。タクシーくらい乗るべきなのだ。
私はといえば、そろそろソルド(年に二回の大バーゲン)が始まるので時々店を覗いてはいる。だけど何しろ贅沢は出来ない身。しかし荷物が届かなくて困っているので、セーターを一つ買った。近くのかわいいブティックで杢のセーターを半額の175Fで買った。いい買物だ。ほんの数日前まで350Fで売っていた商品だ。こちらのバーゲンは日本と違ってバーゲン用の商品というのがないから本当にお買い得だと思う。この店は気に入っていたので、ちょうど良かったわ。明日着て行こうっと。
今日は朝早くにブーロニュの近くにあるA不動産を訪ねて、賃貸の契約をした。今週中には電話の契約もして番号ももらえるはず。いよいよ1月2日には入居ができる。が、学校も2日にはクリスマス休暇が終わって授業が始まるので、色々重なって大変である。学校の方は二日目ともあって、授業のやり方にも慣れたし、なんとか楽しくやっていけそうな気がする。ひとつ残念なのはこの学校は短期の学生が多いので、なかなか人と仲良くなるって環境ではないなあ・・・。それにパリの日本人は難しい感じの人が多いし・・・。
日本人ておもしろいなあって思う。街を一人で歩いているような留学生らしい人達は必ずと言っていいほど「また日本人かよー」って感じで目をそらすし、新婚カップルや二人連れの人たちは地図を広げて無口に右往左往しているし、グループの人はみんな同じ袋を下げて同じファッションで歩いている。今日もメトロの通路でルイ・ヴィトンの異常に大きな紙袋を持った新婚さんらしい男女が、両替屋でもらえる地図をガアって広げて困っていた。奥さんが「なんとかしてよー」とイライラした様子だったので、私は旦那様を気の毒に思い声をかけようか迷ったけれど、今日はそのまま通り過ぎてしまった (時々声をかけては怪訝な顔をされてしまう)。しかし、だいたいあんな大金持ちの買物をした日にゃあ、メトロなんか乗るなと言いたい。タクシーくらい乗るべきなのだ。
私はといえば、そろそろソルド(年に二回の大バーゲン)が始まるので時々店を覗いてはいる。だけど何しろ贅沢は出来ない身。しかし荷物が届かなくて困っているので、セーターを一つ買った。近くのかわいいブティックで杢のセーターを半額の175Fで買った。いい買物だ。ほんの数日前まで350Fで売っていた商品だ。こちらのバーゲンは日本と違ってバーゲン用の商品というのがないから本当にお買い得だと思う。この店は気に入っていたので、ちょうど良かったわ。明日着て行こうっと。
■1995.12.20(水)
今日は特に何もなかった。朝はだいたい毎日7時に起きているが、今日は眠たくて朝ご飯を食べた後、居眠りをしてしまい、10時半に目が覚めて飛び起きた。学校に行くには12時には家を出て、学校にはいつも授業開始の15分前には到着している。今年はあと二日で終わる。学校の授業は年内は22日までで、1月2日に授業が始まるとき私は新居の予定だ。ああ、本当に95年は大変な年だった。阪神大震災のあとあちこち転々としていたが、もうすぐやっと1年間の私のお城に落ち着けるわ。契約は一年更新なので、それを機にまた引っ越しはするつもりなのだが・・・。結局落ち着かないか?
街は大きなデパートの紙袋を下げる人々が多くなってきた。でもやはり日本の方が派手な印象を受ける。クリスマスはいったい何をして過ごそうかなあ・・・。
今日は特に何もなかった。朝はだいたい毎日7時に起きているが、今日は眠たくて朝ご飯を食べた後、居眠りをしてしまい、10時半に目が覚めて飛び起きた。学校に行くには12時には家を出て、学校にはいつも授業開始の15分前には到着している。今年はあと二日で終わる。学校の授業は年内は22日までで、1月2日に授業が始まるとき私は新居の予定だ。ああ、本当に95年は大変な年だった。阪神大震災のあとあちこち転々としていたが、もうすぐやっと1年間の私のお城に落ち着けるわ。契約は一年更新なので、それを機にまた引っ越しはするつもりなのだが・・・。結局落ち着かないか?
街は大きなデパートの紙袋を下げる人々が多くなってきた。でもやはり日本の方が派手な印象を受ける。クリスマスはいったい何をして過ごそうかなあ・・・。
■1995.12.22(金)
今日で年内の授業は終了だ。学校に到着すると午前のクラスの人たちがすでに盛り上がっていた。私たちがLLをやっていると、LLの先生がシャンパンと手作りのチョコレートを持ってきてくれた(授業中だというのに?)。私はあまりお酒を飲まないが、すごくおいしいシャンパンだった。しかしようやく環境にも授業にも慣れてきたところで休暇とは少し残念。せいぜい復習でもするとしましょうか。
今日でメトロの無料期間は終わりだ。今度からは自転車通学なのだ。でも最近は雨が多いし、天気の悪い日にゃあ、メトロで。
そう言えば、昨日は日記を書かなかったが、近所で火事があり、燃えた家財が道路に置いてあり、今日まだ臭かったわ。こわいこわい。
今日で年内の授業は終了だ。学校に到着すると午前のクラスの人たちがすでに盛り上がっていた。私たちがLLをやっていると、LLの先生がシャンパンと手作りのチョコレートを持ってきてくれた(授業中だというのに?)。私はあまりお酒を飲まないが、すごくおいしいシャンパンだった。しかしようやく環境にも授業にも慣れてきたところで休暇とは少し残念。せいぜい復習でもするとしましょうか。
今日でメトロの無料期間は終わりだ。今度からは自転車通学なのだ。でも最近は雨が多いし、天気の悪い日にゃあ、メトロで。
そう言えば、昨日は日記を書かなかったが、近所で火事があり、燃えた家財が道路に置いてあり、今日まだ臭かったわ。こわいこわい。
■1995.12.23(土)
今日はストが終わって初めての週末で、なおかつクリスマス・イブ前日ということで、街はプレゼントを買い求める人でごった返していた。こちらに来て、初めてこれだけの人を見た、という感じである。
ところでパリには、京子食品を始めとして日本食品のスーパーが数店オペラ座の近くにあり、まあざっと加工品や調味料は手に入るのだが、値段はやはり2倍はする。その京子食品が大きなスーパーマーケットにはコーナーを持っていて(私はモンパルナスの「イノ」や新居のそばの「モノプリ」で発見した)、私はとうとう誘惑に負けてこの超高のカレーのルウを買ってしまった。お味噌もお米も特に恋しくはないけど、京子食品にはアメリカ産の国豊(こくほう)・ローズ米という日本と同じタイプのお米が売られていて、かなりおいしいらしい。これらはやはりそれなりに高価で駐在員の家族がご用達。私達学生は普通のスーパーで1kg5F(\100)のイタリア米を買う。決して日本のお米のようにはおいしくはないけれど、一応粘り気もあるしこれで十分。今、炊飯器を中古ででもいいから買おうか悩んでいるところ。だから書店のアノンスコーナーやフリーペーパーのチェックは大切。この間もフリーペーパーを貰いに日本の書店に行ったら、とにかく日本人がたくさんいるのには驚いた。普通の生活の中でも一日に10以上の日本人とすれ違う(もちろん学校はのぞく)。それがオペラ界隈に出るとその数は一挙に2~3倍に跳ね上がるのだ。本当にパリに日本人はたくさんいる。言葉が出来なくてもここで生活できることが、よくわかる。
今日はストが終わって初めての週末で、なおかつクリスマス・イブ前日ということで、街はプレゼントを買い求める人でごった返していた。こちらに来て、初めてこれだけの人を見た、という感じである。
ところでパリには、京子食品を始めとして日本食品のスーパーが数店オペラ座の近くにあり、まあざっと加工品や調味料は手に入るのだが、値段はやはり2倍はする。その京子食品が大きなスーパーマーケットにはコーナーを持っていて(私はモンパルナスの「イノ」や新居のそばの「モノプリ」で発見した)、私はとうとう誘惑に負けてこの超高のカレーのルウを買ってしまった。お味噌もお米も特に恋しくはないけど、京子食品にはアメリカ産の国豊(こくほう)・ローズ米という日本と同じタイプのお米が売られていて、かなりおいしいらしい。これらはやはりそれなりに高価で駐在員の家族がご用達。私達学生は普通のスーパーで1kg5F(\100)のイタリア米を買う。決して日本のお米のようにはおいしくはないけれど、一応粘り気もあるしこれで十分。今、炊飯器を中古ででもいいから買おうか悩んでいるところ。だから書店のアノンスコーナーやフリーペーパーのチェックは大切。この間もフリーペーパーを貰いに日本の書店に行ったら、とにかく日本人がたくさんいるのには驚いた。普通の生活の中でも一日に10以上の日本人とすれ違う(もちろん学校はのぞく)。それがオペラ界隈に出るとその数は一挙に2~3倍に跳ね上がるのだ。本当にパリに日本人はたくさんいる。言葉が出来なくてもここで生活できることが、よくわかる。
■1995.12.24(日)
今日はクリスマス・イブ。でもパリは雨。毎日毎日よくこれだけ降ってくれるものだ。まるで日本の梅雨時のようにうっとうしい。
昨日はあんなに賑わっていた街が今日はとても静かだ。大型スーパーなどは時間を短縮して営業しているが、そんなに人は入っていない。みなクリスマスの買物はだいたい昨日までにすませて、今日は準備に忙しいようだ。私は今夜、友人の誕生日のお祝いをかねてのパーティーがあるので参加することになった。参加者全員何かを持ち寄ることになっているので、私はプレゼントとご馳走を求めて街に出た。ケーキ(こちらは木の切り株型のケーキが多い)にしようか、チキンの丸焼き、それともチーズの盛り合わせとか・・・?色々持っておきたいものはあるが、とりあえず近所のビュシー通りの市場が開いていたので、チーズ屋さんをのぞいてみたら、すごく素敵な盛りあわせが並べてあった。それはまるでフラワーアレンジメントのバスケットのように、籐のプラトーに色々な種類のチーズがセンスよく並べてあり、一つ一つに銘柄の札が立ててあり、それには牛の乳なら牛の絵、羊の乳なら羊の絵、というような絵を添えてある。それを透明のラッピング材で覆い、綺麗にリボンがしてある。予算も程々なので、「マダム、これを下さい」というと、それは予約されていたもので(なんだか正月の鯛の尾頭付きみたい)、私も自分の予算でアレンジを頼めるという。奥のおやじが出てきて相手をしてくれた。「でもムッシュウ、私はチーズの種類を良く知らないから、あなたが選んでください、100Fくらいで」「パ・ドゥ・プロブレム、ところでいつ?」「今夜」「何時?」「じゃあ、18時に」「パ・ドゥ・プロブレム。やっとくよ」「じゃあ、後で、さようなら」。後は18時に、友人宅に出かけるときに寄ればいい。私はレンヌ通りでちょっとしたプレゼントを買い求め、家に帰った。
私の家の真ん前に三ツ星のホテルla perle があるのだが、いつもガラス越しにみえるホテル内の中庭が気になっていた。とても心地良さそうな空間に惹かれて、今日はそこに入っていった。そこはこのホテルのカフェ兼バーになっているのだが、宿泊客以外でも利用できるのかなあ・・・などと考えながら誰もいないロビーに進むと、ハンサムな青年が出てきた。「コーヒー飲めますか?」「もちろんですよ、どうぞこちらへ」私は自分の好きな席を選んで腰掛けた。中庭は半分のところで区切られていて、ロビー側は温室のようにガラスで覆われている。残りはオープン・エアー。暖かくて静かでとても広々として幸せな気分で時間を過ごした。ホテルの客もこんな時間にはほとんどいないし、通りがかりの人が入るような感じの通りではないからか・・・、いいところを見つけた!ここの暮らしもあと一週間くらいだが、また来たいなあ。ちなみに宿泊料は860F~。安くはないけど、本や雑誌ではあまりみかけない名前だから、旅行者の人には穴場かも・・・。(注:2000年現在、最近ではよく紹介されています)
今日はクリスマス・イブ。でもパリは雨。毎日毎日よくこれだけ降ってくれるものだ。まるで日本の梅雨時のようにうっとうしい。
昨日はあんなに賑わっていた街が今日はとても静かだ。大型スーパーなどは時間を短縮して営業しているが、そんなに人は入っていない。みなクリスマスの買物はだいたい昨日までにすませて、今日は準備に忙しいようだ。私は今夜、友人の誕生日のお祝いをかねてのパーティーがあるので参加することになった。参加者全員何かを持ち寄ることになっているので、私はプレゼントとご馳走を求めて街に出た。ケーキ(こちらは木の切り株型のケーキが多い)にしようか、チキンの丸焼き、それともチーズの盛り合わせとか・・・?色々持っておきたいものはあるが、とりあえず近所のビュシー通りの市場が開いていたので、チーズ屋さんをのぞいてみたら、すごく素敵な盛りあわせが並べてあった。それはまるでフラワーアレンジメントのバスケットのように、籐のプラトーに色々な種類のチーズがセンスよく並べてあり、一つ一つに銘柄の札が立ててあり、それには牛の乳なら牛の絵、羊の乳なら羊の絵、というような絵を添えてある。それを透明のラッピング材で覆い、綺麗にリボンがしてある。予算も程々なので、「マダム、これを下さい」というと、それは予約されていたもので(なんだか正月の鯛の尾頭付きみたい)、私も自分の予算でアレンジを頼めるという。奥のおやじが出てきて相手をしてくれた。「でもムッシュウ、私はチーズの種類を良く知らないから、あなたが選んでください、100Fくらいで」「パ・ドゥ・プロブレム、ところでいつ?」「今夜」「何時?」「じゃあ、18時に」「パ・ドゥ・プロブレム。やっとくよ」「じゃあ、後で、さようなら」。後は18時に、友人宅に出かけるときに寄ればいい。私はレンヌ通りでちょっとしたプレゼントを買い求め、家に帰った。
私の家の真ん前に三ツ星のホテルla perle があるのだが、いつもガラス越しにみえるホテル内の中庭が気になっていた。とても心地良さそうな空間に惹かれて、今日はそこに入っていった。そこはこのホテルのカフェ兼バーになっているのだが、宿泊客以外でも利用できるのかなあ・・・などと考えながら誰もいないロビーに進むと、ハンサムな青年が出てきた。「コーヒー飲めますか?」「もちろんですよ、どうぞこちらへ」私は自分の好きな席を選んで腰掛けた。中庭は半分のところで区切られていて、ロビー側は温室のようにガラスで覆われている。残りはオープン・エアー。暖かくて静かでとても広々として幸せな気分で時間を過ごした。ホテルの客もこんな時間にはほとんどいないし、通りがかりの人が入るような感じの通りではないからか・・・、いいところを見つけた!ここの暮らしもあと一週間くらいだが、また来たいなあ。ちなみに宿泊料は860F~。安くはないけど、本や雑誌ではあまりみかけない名前だから、旅行者の人には穴場かも・・・。(注:2000年現在、最近ではよく紹介されています)
■1995.12.25(月)
昨夜はチーズを受け取り、友人宅にむかった。メトロのなかでも道路を歩いていても、やはりチーズに目のないフランス人だ。チーズの盛り合わせを見て微笑みかけてくる人、振り返る人が多い。
マコト氏の家には彼の友人達が集まっていた。みんなで持ち寄ったご馳走をつまみながら、ゲームやトランプをしながら、あっという間にメトロもない時間だった。朝方・・・と言っても、明るくなる8時半ごろ、私たちはようやく帰路についた。
家についた私はコートを脱いで大通りへもう一度出てみた。徹夜明けの懐かしい疲労感とともに、クリスマスの朝、だーれもいないパリの街を確認するために。こんなに静かな街は、きっと今日だけ・・・。
昨夜はチーズを受け取り、友人宅にむかった。メトロのなかでも道路を歩いていても、やはりチーズに目のないフランス人だ。チーズの盛り合わせを見て微笑みかけてくる人、振り返る人が多い。
マコト氏の家には彼の友人達が集まっていた。みんなで持ち寄ったご馳走をつまみながら、ゲームやトランプをしながら、あっという間にメトロもない時間だった。朝方・・・と言っても、明るくなる8時半ごろ、私たちはようやく帰路についた。
家についた私はコートを脱いで大通りへもう一度出てみた。徹夜明けの懐かしい疲労感とともに、クリスマスの朝、だーれもいないパリの街を確認するために。こんなに静かな街は、きっと今日だけ・・・。
■1995.12.27(水)
最近、どんどん朝が苦手になってきた。今朝なんて目覚まし時計をかけるのを忘れていたので、起きたら10時半だった。最近またいっぱい変な夢を見るようになった。きっと夢が劇的すぎて、難解で、目が覚めないのだ。
昨日は、habitatというインテリア雑貨の店で少し買物をした後、郵便局にて日本の友人に頼まれている雑貨買い付けの第一便を発送した。気に入ってくれるといいけど・・・。そしてストの影響で到着が遅れていた私の小包が、友人宅にようやく届いたので、それを引き取るついでに、夕食をご馳走になった。この間のパーティーで食べきれなかった蟹を使った雑炊とスモークチキンとサラダ。おいしかった。久しぶりの日本の味に大満足した。そして10時頃、たくさんの小包と共にタクシーで帰路に着いた。
箱を開けると懐かしい物が、ざっくざっくと出てくる。自分で何を入れたかも思い出せないでいたが、日本茶が入っていて感動した。
・・・というのは昨日の話で、今日は今日で少し離れた所にある郵便局まで荷物を自転車で取りにいった。辞書などのすぐ使う書籍などをSAL便でこのレジデンス宛てに送っていたものだが、これもまただいぶ予定より遅れて到着。荷物を届けてもらったときに不在だと、日本と同じように通知を入れておいてくれるのだが、日本と違うところは自分で取りにいかなければならないということ。というわけで私はピンク色の通知書を握り締めて荷物を引き取りにいった。自分の持ち物を高い料金を払って送ったものにもかかわらず、荷物が届くのは、プレゼントが届いたみたいに嬉しい感じがする。
帰ってすぐにペンたてにしていた青いコップを割ってしまってお掃除。ふーっとため息をついたところで、通り一本向こうに住んでいるクラスメートのジュンコさんに電話をして、お茶に誘った。家の真ん前にあるお気にいりのホテルのカフェでショコラ・ショー(ホットココア)を注文。そしてジュンコさんのおしゃべりは2時間半も続いた。彼女は3ヵ月間の予定でパリに来ていて、1月22日に帰国の予定らしい。この2~3日、ルームメイトがクリスマスのパーティーで食べた牡蛎で食中毒を起こし(ジュンコさんは大丈夫だった)、その看病や手続きなどで疲れていたらしい。「本当にパリにきていいことがなかった」と、この2時間半の間に彼女は2回もつぶやいた。たしかにパリに住むにはつきものの「空き巣」にやられた人は私のまわりにすでに3人いるし、そういった様々なアクシデントに巻き込まれるかもしれないという覚悟はしておかなくてはならないかも・・・とは最近思っている。でも色々と対策もしなくてはね。私は夜の外出の時、部屋の明かりをつけて外出する。効果の程は、馬鹿にできないらしい。ただ日中、ほんの少しの外出でも狙われる。これからは昼間ラジオをつけておこうかしら・・・。
最近、どんどん朝が苦手になってきた。今朝なんて目覚まし時計をかけるのを忘れていたので、起きたら10時半だった。最近またいっぱい変な夢を見るようになった。きっと夢が劇的すぎて、難解で、目が覚めないのだ。
昨日は、habitatというインテリア雑貨の店で少し買物をした後、郵便局にて日本の友人に頼まれている雑貨買い付けの第一便を発送した。気に入ってくれるといいけど・・・。そしてストの影響で到着が遅れていた私の小包が、友人宅にようやく届いたので、それを引き取るついでに、夕食をご馳走になった。この間のパーティーで食べきれなかった蟹を使った雑炊とスモークチキンとサラダ。おいしかった。久しぶりの日本の味に大満足した。そして10時頃、たくさんの小包と共にタクシーで帰路に着いた。
箱を開けると懐かしい物が、ざっくざっくと出てくる。自分で何を入れたかも思い出せないでいたが、日本茶が入っていて感動した。
・・・というのは昨日の話で、今日は今日で少し離れた所にある郵便局まで荷物を自転車で取りにいった。辞書などのすぐ使う書籍などをSAL便でこのレジデンス宛てに送っていたものだが、これもまただいぶ予定より遅れて到着。荷物を届けてもらったときに不在だと、日本と同じように通知を入れておいてくれるのだが、日本と違うところは自分で取りにいかなければならないということ。というわけで私はピンク色の通知書を握り締めて荷物を引き取りにいった。自分の持ち物を高い料金を払って送ったものにもかかわらず、荷物が届くのは、プレゼントが届いたみたいに嬉しい感じがする。
帰ってすぐにペンたてにしていた青いコップを割ってしまってお掃除。ふーっとため息をついたところで、通り一本向こうに住んでいるクラスメートのジュンコさんに電話をして、お茶に誘った。家の真ん前にあるお気にいりのホテルのカフェでショコラ・ショー(ホットココア)を注文。そしてジュンコさんのおしゃべりは2時間半も続いた。彼女は3ヵ月間の予定でパリに来ていて、1月22日に帰国の予定らしい。この2~3日、ルームメイトがクリスマスのパーティーで食べた牡蛎で食中毒を起こし(ジュンコさんは大丈夫だった)、その看病や手続きなどで疲れていたらしい。「本当にパリにきていいことがなかった」と、この2時間半の間に彼女は2回もつぶやいた。たしかにパリに住むにはつきものの「空き巣」にやられた人は私のまわりにすでに3人いるし、そういった様々なアクシデントに巻き込まれるかもしれないという覚悟はしておかなくてはならないかも・・・とは最近思っている。でも色々と対策もしなくてはね。私は夜の外出の時、部屋の明かりをつけて外出する。効果の程は、馬鹿にできないらしい。ただ日中、ほんの少しの外出でも狙われる。これからは昼間ラジオをつけておこうかしら・・・。
■1995.12.28(木)
日本にいたらきっと今頃はお正月気分たっぷりなんだろうけど、パリではさっぱり年末感がわかない。クリスマスは日本と違って家族で静かに過ごす日だし、大晦日は逆に賑やかにパーティーなどをするものらしい。日本とは逆というわけだ。ただクリスマス前後から学校も仕事も休みの人が多いので、最近の街はずいぶん活気がある。クリスマスの翌日からどの店も一斉にソルド(SOLDE)の文字をかかげて、バーゲンに突入した。大きな買物袋を下げているのは日本人観光客だけではなくなってきた。だいたいソルドの期間は年明けから2月にかけてのものだったらしいが、不景気だとその期間はやはり長くなるらしく、今年はクリスマス前からやっているところもあった。ストが長引いた影響でこの年末の掻き入れ時の売り上げが例年の10~20%の売り上げだったようなので、どこも必死みたいだ。でも1月もまたストが行なわれそうな様子になってきているので、大丈夫かなあ、と余計な心配。
さて今日はお昼前にモンマルトルの丘へ出かけていった。観光である。今日はとてもよい天気だったので遠くまで見渡せた。ここに来るのは2回目だけど、今日はテルトル広場の方まで回ってみた。実際に見るととても小さな広場に、よく見る光景(画家が自分の絵を並べて売っている)が広がっている。観光客相手の店がたくさんあり、愛想の良いギャルソンが日本語で話しかけてきたり、絵描きが似顔絵を描こうと話しかけてきたり、なかなか気が抜けないけれど、この界隈はベル・エポックのパリの雰囲気を残しており、下の街とは全く違った趣を見せている。少し歩けば観光客も減り静かな住宅地だし、この辺りに住むのも興味深いなあ、と思い描いてみる。海は見えないが、まさに神戸の北野と同じような場所。お昼は近くのクレープリーで簡単に済ませて、私は下界(?)へと戻っていった。
今日はとびきりの寒さだ。しばらく雨が続いたので暖かかったが、晴れだしてから急に冷え込むようになった。でも今日はとびきり!これからこの調子でどんどん寒くなるのだろうか・・・。
日本にいたらきっと今頃はお正月気分たっぷりなんだろうけど、パリではさっぱり年末感がわかない。クリスマスは日本と違って家族で静かに過ごす日だし、大晦日は逆に賑やかにパーティーなどをするものらしい。日本とは逆というわけだ。ただクリスマス前後から学校も仕事も休みの人が多いので、最近の街はずいぶん活気がある。クリスマスの翌日からどの店も一斉にソルド(SOLDE)の文字をかかげて、バーゲンに突入した。大きな買物袋を下げているのは日本人観光客だけではなくなってきた。だいたいソルドの期間は年明けから2月にかけてのものだったらしいが、不景気だとその期間はやはり長くなるらしく、今年はクリスマス前からやっているところもあった。ストが長引いた影響でこの年末の掻き入れ時の売り上げが例年の10~20%の売り上げだったようなので、どこも必死みたいだ。でも1月もまたストが行なわれそうな様子になってきているので、大丈夫かなあ、と余計な心配。
さて今日はお昼前にモンマルトルの丘へ出かけていった。観光である。今日はとてもよい天気だったので遠くまで見渡せた。ここに来るのは2回目だけど、今日はテルトル広場の方まで回ってみた。実際に見るととても小さな広場に、よく見る光景(画家が自分の絵を並べて売っている)が広がっている。観光客相手の店がたくさんあり、愛想の良いギャルソンが日本語で話しかけてきたり、絵描きが似顔絵を描こうと話しかけてきたり、なかなか気が抜けないけれど、この界隈はベル・エポックのパリの雰囲気を残しており、下の街とは全く違った趣を見せている。少し歩けば観光客も減り静かな住宅地だし、この辺りに住むのも興味深いなあ、と思い描いてみる。海は見えないが、まさに神戸の北野と同じような場所。お昼は近くのクレープリーで簡単に済ませて、私は下界(?)へと戻っていった。
今日はとびきりの寒さだ。しばらく雨が続いたので暖かかったが、晴れだしてから急に冷え込むようになった。でも今日はとびきり!これからこの調子でどんどん寒くなるのだろうか・・・。
■1995.12.29(金)
昨夜は朝方まで起きていたので、今朝はなかなか起きられず。午後から「BHV」という右岸のデパートへ出かけた。パリ市内にはいくつか大きなデパートがある。オペラ座周辺の「プランタン」と「ギャルリー・ラフェイエット」、シテ島向かいの右岸には「サマリテーヌ」と「BHV」が、そして左岸には一番の古株「オー・ボン・マルシェ」がある。他にも小さいのがあるけど、まあこれでほとんど。やはりデパートごとに特徴があって、比べてみるのもおもしろいものだ。店員の態度や品揃え、そしてセンスの良さなどなど。オペラ座周辺の2大デパートは日本人観光客も多いせいか、日本語の案内なども作っていて利用しやすいし、日本のデパートのように衣料品や化粧品・小物などファッション関係部門が強い気がする。どちらもステンドグラスのクーポールを持っていて見ごたえがあり、サービスの内容も似ているのでは?サマリテーヌは色々な意味で無欲な感じで、そこが私は気に入っている。しかしジュールダンの建築も見逃せないし、素晴らしい無料展望台を持っていることを忘れてはいけない。ボン・マルシェは最もエレガントな感じで、その分少し値段も高いかもしれない。通りに面したショーウィンドーの展示が他の店と違って動く人形達で出来ていて大人が見ても楽しい。同じように店内の飾り付けや商品の見せ方がうまいと思う。そして今日行ったBHVは日曜大工用具の品揃えの良さならピカ一かもしれない。DIY派を満足させる品揃えで、日本でいう東急ハンズのようなデパート。私は今日ここで飴色籐の物入れを購入。収納家具の少ない新居で使うつもりだ。使い勝手のよい大きさとデザインとお手ごろ価格に一目惚れ。家電売場もなかなか充実していてDARTYとそんなに価格が変わらない。むしろ10Fとか100Fとかいうほんのちょっとの差だが、こちらの方が安い!こちらで買おうと思って店員のおばさんに声をかけたが、彼女の態度が気に食わなかったので、やっぱり店員の態度の良いDARTYで買うことにしよう。
昨夜は朝方まで起きていたので、今朝はなかなか起きられず。午後から「BHV」という右岸のデパートへ出かけた。パリ市内にはいくつか大きなデパートがある。オペラ座周辺の「プランタン」と「ギャルリー・ラフェイエット」、シテ島向かいの右岸には「サマリテーヌ」と「BHV」が、そして左岸には一番の古株「オー・ボン・マルシェ」がある。他にも小さいのがあるけど、まあこれでほとんど。やはりデパートごとに特徴があって、比べてみるのもおもしろいものだ。店員の態度や品揃え、そしてセンスの良さなどなど。オペラ座周辺の2大デパートは日本人観光客も多いせいか、日本語の案内なども作っていて利用しやすいし、日本のデパートのように衣料品や化粧品・小物などファッション関係部門が強い気がする。どちらもステンドグラスのクーポールを持っていて見ごたえがあり、サービスの内容も似ているのでは?サマリテーヌは色々な意味で無欲な感じで、そこが私は気に入っている。しかしジュールダンの建築も見逃せないし、素晴らしい無料展望台を持っていることを忘れてはいけない。ボン・マルシェは最もエレガントな感じで、その分少し値段も高いかもしれない。通りに面したショーウィンドーの展示が他の店と違って動く人形達で出来ていて大人が見ても楽しい。同じように店内の飾り付けや商品の見せ方がうまいと思う。そして今日行ったBHVは日曜大工用具の品揃えの良さならピカ一かもしれない。DIY派を満足させる品揃えで、日本でいう東急ハンズのようなデパート。私は今日ここで飴色籐の物入れを購入。収納家具の少ない新居で使うつもりだ。使い勝手のよい大きさとデザインとお手ごろ価格に一目惚れ。家電売場もなかなか充実していてDARTYとそんなに価格が変わらない。むしろ10Fとか100Fとかいうほんのちょっとの差だが、こちらの方が安い!こちらで買おうと思って店員のおばさんに声をかけたが、彼女の態度が気に食わなかったので、やっぱり店員の態度の良いDARTYで買うことにしよう。
■1995.12.30(土)
また雨が降った。12月はこの調子で雨が降るものらしいが、雨の嫌いな私としては気が滅入る。でも雨が降ると少しだけ暖かくなる。
パリっていつも何かが壊れた状態の街だ。私がまず到着したときは交通機関が壊れていた。2~3日目にワープロが壊れた(注:まだワープロの時代です)。意味不明の漢字を並べ立て、動かなくなった。でもこれは2日後に自然治癒。デファンスのショッピング街でお手洗いに行きたくなり、ただでさえ少ないトイレ(有料)なのに壊れていた。コインを入れても戻ってくるだけ・・・。何度やっても同じ結果に私は虚しくなりその場を後にした。今日は来月の生活費を引き出そうと思い銀行に行ったら、前のお兄さんたちが首を傾げて私の後に並び直したので、もしや・・・と思ったら案の定、カードは押し戻されてきた。私があきらめて振り返ると、お兄さんたちが「駄目?」と聞いてきた。答えは「うん」もう明日でいいや。最近ますます気が長くなってきたのはそのせいかな。どこへ行っても何をするにも行列。これを我慢できないと何も用事は済ませないし何も手に入らない。まあ、それがこの街のシステムなのだから受け入れるしかない。それが原因で腹が立ったことは、私はまだない。
壊れた・・・と言えば、別に壊れたわけではないのだが、最近シャワーの出が悪いような気がする。もうすぐここは出てしまうのでいいが、おそらく水の石灰分がシャワーの穴を詰まらせるようなのだ。一ヵ月に一度はお手入れが必要とか。洗面所もすぐに真っ白になるし、ガラスコップも洗ってそのまま乾燥すると白いものが付着している。とにかく石灰分が多いのだ。ところでそれは飲み水にも言えることである。私はもったいないし、重たいからミネラル・ウォーターは買わずに、水道水を沸騰させて飲んでいるのだが、来た当初はわからなかったが、コーヒーを入れてもお茶を入れても水面に泡立ったようなものが見える、これが石灰の悪戯なのだ。それに気付いてからというもの私は沸騰させた湯をコーヒーフィルターに通してから飲むようになった。そうすれば問題は解決する。コーヒーもお茶も日本で飲んでいたのと同じ状態で飲めるのだ。後でフィルターに残った析出された石灰を眺めていると、これをずーと体内に取り込んでいたら、私は結石だらけになってしまうのではないかと思う。だいたい2リットルの水からティースプーン一杯くらいの石灰が取れる(なんだか理科の実験みたい)。なんだかこの愛しい石灰を私は引っ越しが終わったら蓄めていこうかなあ・・・などと考えている。みなさん、お楽しみに・・・(注:半年くらい石灰をためていましたが、その後ミネラル・ウォーターを使うようになりました)
また雨が降った。12月はこの調子で雨が降るものらしいが、雨の嫌いな私としては気が滅入る。でも雨が降ると少しだけ暖かくなる。
パリっていつも何かが壊れた状態の街だ。私がまず到着したときは交通機関が壊れていた。2~3日目にワープロが壊れた(注:まだワープロの時代です)。意味不明の漢字を並べ立て、動かなくなった。でもこれは2日後に自然治癒。デファンスのショッピング街でお手洗いに行きたくなり、ただでさえ少ないトイレ(有料)なのに壊れていた。コインを入れても戻ってくるだけ・・・。何度やっても同じ結果に私は虚しくなりその場を後にした。今日は来月の生活費を引き出そうと思い銀行に行ったら、前のお兄さんたちが首を傾げて私の後に並び直したので、もしや・・・と思ったら案の定、カードは押し戻されてきた。私があきらめて振り返ると、お兄さんたちが「駄目?」と聞いてきた。答えは「うん」もう明日でいいや。最近ますます気が長くなってきたのはそのせいかな。どこへ行っても何をするにも行列。これを我慢できないと何も用事は済ませないし何も手に入らない。まあ、それがこの街のシステムなのだから受け入れるしかない。それが原因で腹が立ったことは、私はまだない。
壊れた・・・と言えば、別に壊れたわけではないのだが、最近シャワーの出が悪いような気がする。もうすぐここは出てしまうのでいいが、おそらく水の石灰分がシャワーの穴を詰まらせるようなのだ。一ヵ月に一度はお手入れが必要とか。洗面所もすぐに真っ白になるし、ガラスコップも洗ってそのまま乾燥すると白いものが付着している。とにかく石灰分が多いのだ。ところでそれは飲み水にも言えることである。私はもったいないし、重たいからミネラル・ウォーターは買わずに、水道水を沸騰させて飲んでいるのだが、来た当初はわからなかったが、コーヒーを入れてもお茶を入れても水面に泡立ったようなものが見える、これが石灰の悪戯なのだ。それに気付いてからというもの私は沸騰させた湯をコーヒーフィルターに通してから飲むようになった。そうすれば問題は解決する。コーヒーもお茶も日本で飲んでいたのと同じ状態で飲めるのだ。後でフィルターに残った析出された石灰を眺めていると、これをずーと体内に取り込んでいたら、私は結石だらけになってしまうのではないかと思う。だいたい2リットルの水からティースプーン一杯くらいの石灰が取れる(なんだか理科の実験みたい)。なんだかこの愛しい石灰を私は引っ越しが終わったら蓄めていこうかなあ・・・などと考えている。みなさん、お楽しみに・・・(注:半年くらい石灰をためていましたが、その後ミネラル・ウォーターを使うようになりました)
■1995.12.31(日)
とうとう大晦日をむかえたが・・・さっぱりそんな雰囲気はこの街にはない。パリはまだクリスマスを引きずっていて、街のいたるところにJoyeux Noël(メリークリスマス)の文字やサンタの絵が残っているのだ。良いのか悪いのかはわからないけど、日本のマスコミというのは、やれクリスマスだ、お正月だと、人の気持ちをコントロールする力を持っていることを改めて実感。こちらはクリスマスだからと特別なテレビプログラムを組んだりすることはないし、CMだっていつもと同じ。きっと、明日も晴れ着を着た人は誰一人として画面に登場しないはずだ。あと街に流れる音楽も重要な要素かもしれない。いつも「うるさいなあ・・・」と思っていたが、日本ではレストランや喫茶店の音楽、地下街を歩いていても音楽、外を歩いていても店から漏れてくる音楽・・・とどこでも望まない音楽を聞かされている。それがクリスマスの時期になると決まって流れるクリスマスソング。ラジオも有線も一斉に人気歌手のクリスマスソングを流し始まるから、どうしたって「あ、プレゼント買いにいこうか」なんて気分にさせられるのだ。普段からいたって静かなパリの街には決して「ジングル・ベル」は流れない。それでもフランスの人もクリスマスや新年にはプレゼントを送る習慣があるので、大型ショップの片隅には特設ラッピングカウンターが登場する。購入した商品をここへ持っていけば、プレゼント用に包んでくれるというわけだ。なんとなく一生懸命プレゼントを選んでいるフランス人はかわいい。
午後2時ごろ紅白歌合戦を見ている父母に電話をした。二人とも元気そうでうれしかった。そしてその電話の向こうからかすかに聞こえるテレビの音に、少しだけ日本の大晦日を感じた。
夕方スーパーに買物に出かけた。クリスマス・イブ同様、翌日の祝日は本当にどこも閉まってしまうので、スーパーは(本来日曜日は閉店なのに)時間短縮で営業してくれる。どこの家庭も家族でご馳走を食べるのか、買い物客で店内はごった返している。2日にはどこも開くので、私は明日の分だけ買い込んで、家に帰った。ほとんどの店が今日はシャッターをおろしていて、開いているのはスーパーマーケットとフナックと映画館だけ。観光客は受難の年末だなあ。みんなどこで食事をするのだろう。マクドナルドでも食べているのだろうか・・・
余談:昨日書いた石灰分の話だが、午前中の方がよく取れるようだ。
とうとう大晦日をむかえたが・・・さっぱりそんな雰囲気はこの街にはない。パリはまだクリスマスを引きずっていて、街のいたるところにJoyeux Noël(メリークリスマス)の文字やサンタの絵が残っているのだ。良いのか悪いのかはわからないけど、日本のマスコミというのは、やれクリスマスだ、お正月だと、人の気持ちをコントロールする力を持っていることを改めて実感。こちらはクリスマスだからと特別なテレビプログラムを組んだりすることはないし、CMだっていつもと同じ。きっと、明日も晴れ着を着た人は誰一人として画面に登場しないはずだ。あと街に流れる音楽も重要な要素かもしれない。いつも「うるさいなあ・・・」と思っていたが、日本ではレストランや喫茶店の音楽、地下街を歩いていても音楽、外を歩いていても店から漏れてくる音楽・・・とどこでも望まない音楽を聞かされている。それがクリスマスの時期になると決まって流れるクリスマスソング。ラジオも有線も一斉に人気歌手のクリスマスソングを流し始まるから、どうしたって「あ、プレゼント買いにいこうか」なんて気分にさせられるのだ。普段からいたって静かなパリの街には決して「ジングル・ベル」は流れない。それでもフランスの人もクリスマスや新年にはプレゼントを送る習慣があるので、大型ショップの片隅には特設ラッピングカウンターが登場する。購入した商品をここへ持っていけば、プレゼント用に包んでくれるというわけだ。なんとなく一生懸命プレゼントを選んでいるフランス人はかわいい。
午後2時ごろ紅白歌合戦を見ている父母に電話をした。二人とも元気そうでうれしかった。そしてその電話の向こうからかすかに聞こえるテレビの音に、少しだけ日本の大晦日を感じた。
夕方スーパーに買物に出かけた。クリスマス・イブ同様、翌日の祝日は本当にどこも閉まってしまうので、スーパーは(本来日曜日は閉店なのに)時間短縮で営業してくれる。どこの家庭も家族でご馳走を食べるのか、買い物客で店内はごった返している。2日にはどこも開くので、私は明日の分だけ買い込んで、家に帰った。ほとんどの店が今日はシャッターをおろしていて、開いているのはスーパーマーケットとフナックと映画館だけ。観光客は受難の年末だなあ。みんなどこで食事をするのだろう。マクドナルドでも食べているのだろうか・・・
余談:昨日書いた石灰分の話だが、午前中の方がよく取れるようだ。
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