14/12/2020

コロナ渦、少し目標をたててみた

まったく不毛な1年を過ごしてしまった。コロナ渦でのステイホームやテレワークの普及で、以前より自由な時間が増え、新しいことにチャレンジした人、何かに打ち込めた人、家族との時間を満喫した人、色々ポジティブな恩恵を受けた人もいたかもしれないけれど、残念ながら私にはそういう特典は何もなかった。大切な人生の一部でもあるフランス行きの機会は奪われ、家事の仕事が増え、教室は受講生が激減でも仕事量は変わらず、高齢の両親と自由に会えない大変さや伯母を看取れなかった悲しみや...もちろん自分の要領の悪さのせいもあるんだけど、まったくひどい1年だった。

こんな状況をなんとかしたい。フランス語の上達はほぼあきらめ気味だけど、重い腰をあげてひとつ取り掛かろうと思っているのは、フランス留学時代に1年通った専門学校の講義を、自分の教室で美術史入門講座として行う事。

フランスに行ったのはもともと留学なんかではなくサバティカル休暇のつもりだった。初めて行った二十歳のヨーロッパ旅以来、フランスをもう少し深く知りたいと、社会人になってお金を貯めた。1年くらいはなんとか暮らせるくらいに貯金ができた時、仕事を辞めてフランスに、パリに旅立った。今思えば、一人暮らしの安月給でよくあれだけ貯められたものだ。

当時はまだ日仏がワーキングホリデーの協定を結んでいなかったので、私は仕方なく学生ビザを取るために語学学校に登録した。でもフランス語の習得にはあまり興味もなく、1年間無事に滞在出来ればそれで良かったのだ。せっかく貯めた滞在費を語学学校の学費に使うのも嫌だったので、最低限の登録を学校を休み休み、登録の権利を引き延ばしながら1年が過ぎた。

こんな風に私のパリ滞在1年目は決して攻めの1年ではなく、なんとなくのんびりと四季のパリを眺めて終わっていった…と同時に、その頃からちょっぴり欲が出てきたのだった。せっかく来たのだから何か形として残るものを持って帰りたい。それはやっぱりディプロム???

次の新学期が始まるまでにはまだ数か月ある。その間、色々な学校を見に行った。フランス語に真剣に取り組む???それは頭から選択肢になかった(笑)国立の建築学校(ほぼ無料の6年制)なら5年目に編入できると面接してくれた校長先生に言われたけれど、実務には不向きだと離れた世界だったのに、今さら異国で図面を書いたり模型を作ったりするのは無理な話だった。当時一番興味があった映画の裏方の専門学校ものぞいてみたものの、高い学費と卒業まで数年かかる事もあってチャレンジする勇気は出なかった。色々な学校を聴講しながら、学校の特徴や雰囲気を見極めていた時期。

そんな時、同じ語学学校の友達が教えてくれた。クリスティーズ・エデュケーションがパリにも学校を創ったと。サザビーズと並び世界的に有名なオークションハウスが運営する美術史の専門学校。私立なので学費はかかるけど1年で終了すること、プログラムがフランスの美術史に特化した内容だったのも気に入ったので、最終的にはここを受けることにした。夏のバカンス・シーズンに入る前に簡単な面接試験が行われた。外国人向けに特別なヘルプがあるコースと、通常のコース。願書では外国人コースを希望していたけれど、面接試験で通常のコースを勧められた。受ける授業は同じだけれど、試験での特別扱いや補習がなく、最終的に手にするディプロムの価値が違うと。教授陣のお墨付きがあるならと、通常コースを受講することにしたが、結果的にはかなりハードで、この1年間は人生で一番勉強したのではないかと今でも思っている。

午前中には教室で講義、午後にはそれに関連する美術館やアトリエなど現地での見学会。1日かけて遠出をしての見学会もたくさんあり、それも興味深かった。3学期制で頻繁に試験や課題もあったので、毎日やらなければいけない事がいっぱい。電子辞書やデジカメ、インターネットがない時代なので、その日の復習をするのも気が遠くなる作業。その上3学期目は+小論文まで仕上げなければならない。今の語学力や便利なツールがあれば、もう少し身になる勉強ができたのかもしれない、という残念な気持ちは強くあるけど、あの環境下で頑張れたことはちょっぴり誇りに思っている。

無事にディプロムを手にして、次にパリ大学の修士課程に合格した。私はクリスティーズの学校を出ても美術のエキスパートになれるとは思っていなかったけれど、あの1年があったからこそ修士課程にも入れたし、修士論文も仕上げられたと思っている。クリスティーズは私にとっては、まさに予備校のような1年間だった。

充実したあの1年からなんとすでに22年がたち、あの時勉強した事はきれいさっぱり忘れてしまった。でもあの時の1年間のレジュメは今でも捨てられずに手元に残してあるので、それを私自身見直しながら、フランス美術史の入門講座として小さなセミナーを開きたい。実は創立当初から考えていたけれど、今になってしまった。フットワークは常に重い方だけど、コロナ渦のいつもにも増した非充実生活があったからこそ、重い腰があげられたのかも知れない。

でも1回目の講座の準備をしながら、さっそく後悔している私もいる(笑)私は何かに没頭すると、どんどんメインテーマから脱線しながら他のものを読みふけってしまう傾向があるので、なかなか原稿を書き終わらないのだ。こんなことを毎日している先生方には本当に頭が下がる。ともかく私は超マイペースにでもこのセミナーをやり遂げることを今の目標にしたい。月に一度のペースなので数年かかるだろうけど、その頃教室は20周年か…。コロナ渦、生き伸びれるかな。

追伸
残念ながらクリスティーズ・エデュケーションのパリ校は閉校しました。

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30/04/2019

平成から令和へ。

なんか色々と感慨深い。いつも昭和の人間やと仲間内で言っているけど、自分の力で立ち、生きてきたのは平成でした。初めてのヨーロッパ、就職、阪神大震災、渡仏、留学生活、教室立ち上げ、様々な出会い・・・人生のほとんどの大事は平成と共にあったのです。

昭和天皇の時とは確実に違う、メディアや人々に追いかけられ、その目にさらされ続ける生活、それを嫌なお顔も見せず、微笑みをたたえながら公務をこなされるお二人の姿に心を打たれる事しばしばです。皇室フリークでなければ知ることもないあのハードスケジュール、頭が下がります。

先日、フランス人の文章書きの友人に、日本人にとって天皇とは?と聞かれた。昭和天皇に思う事は正直何もない。天皇が神であった時代は終わっていたし、今ほどワイドショーで取り上げられることもなく、ほとんど人間性を知る機会がなかったからだ。

平成天皇は、おそらく多くの人から好かれ、良き人としてのお手本を見せてくれたような気がする。天命を受け入れ誠実に生きる…。いよいよ、新しい時代の幕開けですね。

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02/09/2017

Nolwenn Leroy

20170902_2 ノルウェン・ルロワ(Nolwenn Leroy)には特別な思い入れがある。2002年の9月~11月、パリ第1大学の修士論文の提出のために再びパリに滞在していた時の事、せっかくパリにいるのに、私は部屋に閉じこもり、論文の最終手直しに追われていた。そんな中、唯一の息抜きがテレビ番組「スターアカデミー」だった。今で言うテレ・レアリテの走りで、フランス全土からオーディションを勝ち抜いてきた若者達が、シャトーと呼ばれる寮(本当にお城)に軟禁!されながら、歌やダンスの特訓を受け、その容赦ないレッスン風景や寮生活をくまなく放送するもの。この年は第2期で、その後も何年か続いたはずだけど、私がLIVEで見ていたのはこの2002年だけだった。
毎日、生活の様子を見せる短い番組があり、週末には夜のゴールデンタイムに歌を中心としたショーを生放送。その都度、プロの審査委員とテレビ視聴者の電話投票によって、1名ずつふるい落とされていく…そんな3ヶ月間のプログラムだった。
出演者は素人とは言え、若い男女。オーディションを勝ち抜いてきただけあって、歌もルックスも皆それなり。これからスターになっていく可能性のある人たちを応援したい気持ちは、ジャニーズの若手を応援する人が大勢いる日本の状況に似ているのだろうか?それぞれの候補者に、そして番組にも熱狂的なファンがいたように記憶している。番組に付随した雑誌やCDも発売され、テレビで見ない日はない。彼らはその番組の放送期間中は、すでに完全にスターだった。
私としては、毎日毎日彼らの生活を見せられる=生活を共にしているような感覚があり、部屋に閉じ込められて一人孤独に論文の手直しをしている=軟禁状態、そしてその時間の先には合否がある…彼らと自分の状況が似ていたからか、ファンとはまた違う気持ちで彼らに共感を覚え、彼らを見守っていたように思う。
そして最後に優勝したのがノルウェン・ルロワ。当時から黒髪、青い目、美しい顔立ちに圧倒的な歌唱力。寮生活でも優等生だったし、実力はずば抜けていた。最近、F2のニュース番組で、久しぶりにこの人を見た。2003年のデビュー以来、こうして時々フランスのニュース番組で彼女を見かける。国営放送のニュース番組で定期的に取り上げられるという事は、彼女が確固たる地位を歌の世界で築いているという事だろう。
日本では知られていないと思ったら、やっぱり今の時代、そんな事はあり得なかった。日本語で検索したら出てくるし、彼女のファンは多そうだ。私も機会があれば、いつか彼女の歌声を生で聞いてみたいな。本当に魅力的な声だと思う。

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13/04/2017

渡瀬恒彦を思う

Img_4 4月12日「警視庁捜査一課9係」の第1話を見る。普段、自ら見ることがないタイプのドラマだ。12シーズン目の初回。重要な役どころの渡瀬恒彦さんは先月亡くなってしまった。ドラマの冒頭シーンに普通に出ていたし、亡くなってしまったなんて、とても信じられない。

日本映画にそれほど詳しいわけではないけど、映画は子供のころからそこそこ好きな方で、中学1年の時、激しく心を奪われた1本は、相米慎二監督の「セーラー服と機関銃」。中年後期になった今でも、これが人生の大切な1本である事に変わりはない。

当時、テクノロジーは今ほど進歩していなくて、まだCDも一般化していない時代。ネットで情報を検索することもできなかった時代。数か月後にTVで放映されたところで、それを録画する術もないような、そんな時代。そんな時代に、この映画を好き過ぎた私は、何度も映画館に見に行ったのはもちろんの事、LP版オリジナルサウンドトラックを買い、そこに収録されていたたくさんのセリフを自ら文字に起こして暗記していたくらいだ。セリフを聞いているだけで、そのシーンは目に浮かんだし、LPが擦り切れるほど繰り返し聞いてもまったく飽きないくらい、この映画に完全にのめりこんでいた。今見ると少々粗削りなところがあったとしても、作り手の意欲も現場の緊張感もがんがん伝わってくる、13歳だったけど、13歳の私にも、これが後世に残る傑作であることが感じられたんだと思う。

Img_3 その映画に出演していた渡瀬恒彦さん。撮影も公開も1981年の映画だったので、渡瀬さんは撮影時37歳。現在の私よりもずっと若いわけだけど、13歳の私にとっては、すごい大人。当時、音楽中心の生活だった私の好きなミュージシャンはだいたい20代~30代。その人たちも私にとってはかなりの大人だったけど、37歳で役者の渡瀬さんはさらに大人で、ミュージシャンとはまた違った種類の大人の色気があったように思う。とにかくカッコ良かったのだ。その頃は、まだ特に好きな俳優さんていなかったと思うので、それを考えると、カッコいい役者として初めて意識をしたのは、もしかすると渡瀬さんだったのかもしれない…と思う今夜。

「セーラー服と機関銃」がむしょうに見たい。VHSはもう再生できないし、DVDはすぐに手の届かないところにある。amazonプライムで見ようっと。なんて便利な世の中になったのだろう。

(画像はネット上からお借りしました)

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17/03/2017

あの名建築がよみがえった???

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今日の映画クラスで見た『une famille à louer』は、期待通り、単純で面白い映画だったのだが、私にはそれとは別にひどく感動する発見があった。

映画の最初の場面、主人公の"パトロン"が豪邸のテラスで執事と話をする。そのテラスの雰囲気、テラスの手すり…ん???

少し場面は進んで、執事がhublot(円窓)のある階段を上っていくところで、ん?は確信に変わった。「私、この家、知ってる!見に行ったことある!」マレ・ステヴァンスが、ファッションの近代化に貢献したデザイナー、ポール・ポワレのために設計したポワレ邸(Villa Paul Poiret)、1920年の代近代建築だ。

Pict0054_2 映画の中のこの豪邸は、真っ白で美しい輝きを放っている。私がこの家を見に行ったのは、いつだったろう。あの時は、こんな白さも輝きもなく、中は黴臭く、壁面も剥がれ落ちているような廃墟感が漂っていた。(←当時私が撮った写真)

一度気になると、どんどん気になり、映画を見ながら、私は自分のブログの過去の記事を検索してみた。訪問時の記事を発見。私は2005年に、この建築作品を見に行っていた。あれから、もう12年!なんと時間の経つのの早いこと。

その間に、この建築作品に起こった色々な出来事については一切知らずにいたので、突然美しくなって目の前に現れたのには、ただただ驚いた。

2016年にまたもやオークションにかけられ、Gilbert Wahnich氏が手に入れたこの豪邸。財団を作る可能性は否定していないそうなので、いつか一般に公開されたらいいのに…。

情報によると、公開当時に見たはずの映画『Prête-moi ta main』にも、この建築作品は登場しているらしい。映画のポスターは思い出せるけど、内容も、この作品が出てきたことも記憶にないんだけど…。

でも今日は気づけた。記憶の小さな断片と、目の前の状況が結びついたとき、私はかなり喜びを覚える性質です。たぶん、これを読んでくれた皆さんにもそういう体験ってあるんじゃないだろうか?

今回このポワレ邸について調べていてわかった他の事。郊外にある別のマレ・ステヴァンス作品が2つ見学可能なようなので、ぜひ次の渡仏時には行ってみたいな、と思っている。
https://fr.wikipedia.org/wiki/Villa_Cavrois
https://fr.wikipedia.org/wiki/Villa_Noailles
 

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07/12/2016

パステルのご縁

11月初旬、録りためていた旅番組の1つ『大人のヨーロッパ街歩き・アルビ編』を見た。アルビには2度行ったことがあり、街の様子を懐かしく見ていたのだが、今回は初めて聞く”パステル”の話、それが特に興味深かった。

”パステル”と聞くと私は画材しか思いつかなかったが、その原材料になっている植物自体が”パステル”であり、中世には高品質な青色染料として広く使われていたそうだ。アルビを含むフランス南西部では、このパステルの栽培が盛んで、街の発展に大きく貢献したとの事。またパステルは染料として優秀であっただけでなく、薬草としても古代から使われていて、その効能を生かしたコスメティックが最近人気だと番組では紹介していた。

S_5314187674357_2 S_5314187630647 その代表的なブランド『Graine de pastel』の商品紹介を見ながら、次回アルビに行く機会があれば、パステルについてもう少し知りたいなあ…なんて漠然と考えていたのだが、先日知り合ったトゥールーズに住むフランス人女性から頂いた小さな石鹸、なんとそれがここの商品だったのだ。彼女にとれば小さなプレゼントだったかもしれないけど、私の中には番組を見た時からの伏線があり、おそらくすごい喜びようだったと思う。

彼女の家を見に行く約束もしたし、たぶんトゥールーズ~アルビの再訪は、近い将来実現するんじゃないだろうか。

フランスには向日葵、菜の花、そしてミモザなど、記憶に焼き付く黄色い風景がたくさんある。そして夏の暑さと強烈な香りを彷彿とさせるラベンダーの紫に、いつかノルマンディーで見た麻のブルーもあったな。花も色もはかなげなブルー。パステルの畑はどんなだろう。今からその風景を見るのが楽しみでならない。

11月末に手元に届いたovni最新号には”パステル”の記事。こちらは画材だったけど、11月は何かと”パステル”を意識した1ヶ月だった。

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01/01/2013

謹賀新年2013

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マヤ暦の解釈は幸いはずれたようで、2013年も無事に明けましたね。
皆様、明けましておめでとうございます。

2012年、私にとってはいまいちパッとしない1年だったので
その分、2013年への期待が今はただ募っています。

今年は旅が多くなりそう。
旅に出ると、カメラを持ちたくなります。
今年はどんな写真が撮れるのか…。

楽しみです。

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27/11/2012

twilog

最近、めっきりこちらを開くことがなくなってしまいました。日々、いろいろ考えることはあるんですが、根っからの物書きではないので、ツイッターの短文投稿に慣れてしまうと、長文を書くのがつらくなってきました。

でもツイッターは見にくい。タイムリーにツイートをとらえないと、なんのこっちゃ?と思うこともしばしば。で、ツイッターをブログ形式に見られる twilog を利用してみた。これでアーカイブも整理されて、例えばフランス滞在時の様子も、顧みやすくなった。

7月に一緒に旅をした皆さんには申し訳ないけれど、もう旅日記を書くには遠い記憶になりつつあるので、ぜひこちらを見て下さい。私の気持ちは次の旅に飛んで行ってます。

http://twilog.org/leCours_mika

もちろん、こちらのブログも放棄するつもりはありません。また元気があるときには、戻ってきたいと思います。

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23/08/2012

南仏三昧 その② - 5月 mesdames編

le dimanche 27 mai 2012

P10107045月組の皆さんを早朝に見送った昨日、あまり安眠できないまま昼前には始動。せっかくニースにいるのだから、現在開催中のカンヌ映画祭の空気を吸いに、カンヌ(Cannes)へ行くって案もあったし、豊富な美術館を訪れるってのも乙だったんだけど、実際には超現実的なコインランドリーに行くことにした。また1週間新たな旅が始まるしね…。

今まで大して暑くもなかったし、南仏感に乏しかった5月組との旅だったけど、なぜだか昨日から突然夏日!雲一つない快晴、そして気温もどんどん上がって、紫外線がじりじり皮膚にしみこんでいく懐かしい日差し到来だ。日焼けは嫌だけど、やっぱりこれぞ南仏って感じなのです。

ところで今日から始まる旅は、教室の生徒さんとではなく、パリのお友達Aさんのお母さんとそのお友達グループ(全5人)との旅なのだ。1年半前、Aさんのお店で初めて出会ったお母さんとの何気ない会話の中で、今回の旅の同行を求められ、私も大好きな南仏だったので快諾。とは言え、こうして無事に実現すると、なんだかとっても感慨深い!連絡係をつとめてくれたMさんとのメールのやりとりもとても楽しかったし。

P1010710お昼過ぎ、ニースの駅で5人をピックアップ。パリから6時間近いTGVでの移動を感じさせないほど、皆さん元気で安心した。このグループとは、訪問地は少し違うけど、5月組との旅を逆に戻っていく感じのルートを行く。私も初めての場所をたくさん仕込んでおいたので、楽しみ~!

P1010709まずは著名人が愛したというムージャン(Mougins)へ向かう。フランスには定期的にやってくるお母さん以外は初めてのフランス。今回は1ヶ月の滞在で、そのうちの1週間が私との南仏旅になる。到着後2週間が過ぎ、地方の旅も含め、もうすでに色々な経験をしているとは言え、南仏の絶景はやっぱり特別なはず!

村に到着してすぐに、村の入り口付近にあるレストラン L'amandier で軽く食べることにした私たちは、気持ちの良い上階のテラス席に案内され、しばしその素敵な眺めに見入っていた。そう、これが美しい南仏です!(なのに、こんないまいちな写真しかなくて、すみません!)

P1010714_2大きなイベントのせいで道路は思いのほか混んでいる。ムージャンを出たあと本当はアンティーブ(Antibes)に寄りたかったけど、ガラス工芸で有名なビオット(Biot)に直接向かうことにした。高台にあるビオットのふもとには、地元のメーカーや作家さんが作品を並べるギャラリーがあり、そこでは制作の実演も見られるのだ。でも残念ながら、あまり活気はなかったかな…。その上、ここで急に天気が下り坂。集落はすぐそこだけど、雨が降る中の観光は、皆さんも気が進まないらしく、予定を繰り上げてニースに帰ることになった。

ニースのホテルにチェックインした後(私は連泊中)、雨も止んでいたので早速街に繰り出してみる。さすが観光都市ニースだけあって、日曜日だと言うのに開いている店も少なくない。メイン・ストリート、ジャン・メドゥサン通りに着くや否や、皆さん開いているお店をくまなく訪問。やっぱり女性はみんなショッピングが大好き!私も皆さんの購買意欲につられて、ついお洋服を買ってしまいましたぁ…。あ~、スーツケースには本当に隙間もないのに…。

Dsc_0521プロムナード・デ・ザングレを歩き、旧市街へ夕食を求めて歩く。今日は市が立っていたのか、その名残のような露店がまだたくさん残っていた。

今夜はカフェで早めに食事を済ませてお宿へ…。パリで会ったときはまだ若干緊張していた私だったけど、今日から一緒に旅する彼女たちは、本当に楽しい人達で、こうして後ろをついていきながら、打ち解けていくのを感じていた私でした…。

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le lundi 28 mai 2012

P1000393のんびりとした朝、窓を開けると階下のテラスで朝食をとっているみんなの声が聞こえてきた(私の部屋は日本式の2階)。中には私の母とあまり変わらない年齢の方もあるのに、みんなとにかく元気!スポーツクラブで体を鍛えているからかな?きっと。

今日はまずルノワールが晩年を過ごしたと言うカーニュ・シュール・メール(Cagnes-sur-Mer)へ…と思っていたけど、実際に着いたのは、その高台に位置するオー・ドゥ・カーニュ(Haut de Cagnes)。グリマルディ城を擁する丘からはカーニュ・シュール・メールの街やその先に広がる地中海を見渡すことができて、なんか神戸の北野みたいやな~なんて思ったのは私だけ?窓辺を彩るお花もとてもきれいで、住人の美意識の高さを感じさせる、こじんまりとした魅力的な集落だった。ここはビビビっと来たので、またこちらに来ることがあったらぜひ宿泊してみたい場所。広場に良い感じのホテルもあったし、ぜひ徒歩で下の街にも行ってみたいし、今度はゆっくりと来ないとね。

P1000404_2次に向かったのはヴァンス(Vence)。旧市街は城壁に囲まれていて、私たちはChemin de Sainte Colombe の入り口から中に入っていった。ちょうどお昼時で静まり返った集落内。照りつける太陽がひとけのない街角のあちらこちらにコントラストの強い影を落としている。どこを見ても写真におさめたくなるフォトジェニックなヴァンス!ここも気に入った。

P1010738私たちは、雰囲気の良いテラスのある Les Agapes で軽くサラダを頂きながらひと休み。ところで皆さんアルコールがお強い!特にビールが大好きとの事で、毎食「まずはビール!」と注文できるのが、私も楽しいです。ビールが美味しい暑さになって、さらに旅の醍醐味も増すというものですね!?

P1010748お昼を食べながら、オープンの14hを待っていたのだけど、今日は残念ながらお休みらしいロザリオ礼拝堂。晩年のマティスが全精力を注ぎ完成させた作品らしい。特にマティスのファンって訳ではないけど、そんな思いのこもった作品は作家に敬意を表して見に行きたいと思ったのだ。通常、月曜日は開いてるらしいけど、今日は祝日にあたるらしい。残念だけど、また今度。これで、またここに戻ってくる理由ができた!

P1010744次に立ち寄ったサン・ポール・ドゥ・ヴァンス(St-Paul de Vence)は、ゴルド同様、観光化が進んだ有名な鷹の巣村の1つ。フランスの名優イヴ・モンタンが愛した村と言う点でも知られている。彼の人生の伴侶、シモーヌ・シニョレと出会ったのも、最後の女性となったキャロル・アミエルと、彼女が幼いころに出会っていたのもここだった。

P1000426中世からの姿をそのまま残す、確かにとても美しい集落。緑のつたや花々に彩られた風景はにはため息が出るばかりだ。ただ村の入り口から、突き当りまで続く上り坂グランド通りには、モン・サン・ミッシェルやレ・ボー、日本で言うと清水の坂道みたいに、観光客目当てのお店が軒を連ねる。そういう意味では少し残念だけど、よく言えば活気がある。そして、洗練された場所もあったりする。

P1000439気になる場所にルレ・エ・シャトーのマークを見つけ、入ってみることに…。そこは、コンパクトだけどゴージャスな南仏の魅力が凝縮された高級ホテル Le St-Paul だった。私たちはサロンで冷たいものを頂きながらひと休み。ここのお部屋は私には少し高すぎて泊まれないけど、エズ同様、いつかお世話になってみたいものです…。

レストランはミシュランの☆を獲得しているらしいけど、お昼は手が届く範囲。次はお食事でもさせてもらおうかな…。

ところで向かいに見える街はなんてとこ???

今日はあともう1ヶ所、スミレの村と呼ばれているトゥーレット・シュール・ルー(Tourrettes-sur-Loup)を訪問。雑誌かテレビP1000445で見て最近気になっていた集落の1つ。ここがスミレの村と呼ばれる所以となるスミレの花は残念ながらもう咲いてなかったけど、毎年恒例のスミレ祭りは2月下旬に行われるそうで、スミレやほかの花で飾られた山車が出るカーニバルのようだ。2月って日本では真冬って感じだけど、この辺りはそうでもないのかしら?マントンでもレモン祭りがあったりするしね…。

(→旧市街の案内板は陶器製)

あいにく少し曇ってきたので、思うような写真は撮れなかったけど、私は隅から隅まで歩きつくして大満足。観光客もそれほど多くないし、こじんまりとした可愛らしい雰囲気が、どんぴしゃで気に入った!そして歩きながら食べたスミレのアイスもしっかりとスミレの香りがして美味美味。ラヴェンダー、ローズ同様に日本ではまだあまり味わえないフランスならではのお味でしょうか?

P1000461_8村から見下ろす風景の中に、古いプロヴァンス鉄道の高架橋があった。今は使われてないのかな。何か気になってネットで調べてみたら、こんな古い写真が見つかった。私が撮ったのと逆方向に橋を通して、村を見上げる風景だろうか。なんか嬉しい…。

夜は皆さんのご所望でイタリアン(パスタ+ピッツァ)を食べることになった。旧市街にあるお店 La Favola
は昨夜の散策時にすでにチェック済みとの事で早い時間に行ったけどもうすでに満員。人気があるんだねViaduc_2
~。30~40分待ちだと言う。でも確かに美味しそう!案内を待ちながら、運ばれていくお料理を見ていると、おなかがもーれつに空いてきた。テラス席にようやく着いたときは少し肌寒くなっていたけど、今夜も皆さんビールで乾杯なのです!

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le mardi 29 mai 2012

                                                         P1010756
ニースのホテルをチェックアウトし、今日はまずエズ(Eze)に向かった。先週5月組と行ったばかりだけど、せっかくだから皆さんにもぜひ見てほしい。

昨夜に引き続き少しばかり肌寒い朝、高所にあるエズに到着したとき、あたりはまだモヤに包まれていて、前回とはまったく違う雰囲気を見せていた。なんだかとってもミステリアス!

La Chèvre d'Or のテラスカフェがオープンするお昼頃には、このモヤも晴れて、前回同様、美しい地中海ブルーを見ることができた。この絶景とホテルのゴージャスな雰囲気は、皆さんも気に入ってくださった様子で、やっぱりここでもビールで乾杯です!

P1010776昼食を頂いて一路アヴィニヨン(Avignon)へ。途中、サービスエリアでの休憩をはさんで、高速道路を3~4時間行く今日は移動日。アヴィニヨンでは観光をする時間は取れなかったけど、お店で必要なものを買ったり、アイスを食べたり、教皇庁やサン・ベネゼ橋をさくっと観て、今夜の宿泊地オランジュ(Orange)へ。

ところで、2006年から南仏での車での移動を担当してくれているアレクサンドル。出会ったころは彼も会社を作ったばかりでそれほど忙しくなかったものの、最近は超VIPの客も増えて、冬のほんの一時期をのぞいては、かなり忙しくしているようだ。今回も5月組との旅には少し来れたものの、今週の旅、そして7月の旅はどうも難しそう。そういう時はもちろん、私たちを路頭に迷わすことなく、ちゃんとした運転手さんを送り込んできてくれるのだけど、昨日から来てくれてるJMがとても良い!アレクサンドルも個人的に信頼をしている人らしく、たぶん60歳くらいの男性。基本的には他の会社で働いている運転手さんだけど、最近はスケジュールが合う時はアレクサンドルの仕事もしているらしい。知識も豊富で、単なる運転手にとどまらず観光ガイドとしての心得もあり、移動中も色々と話をしてくれるので、私も眠くなる時間がないほど。その上、彼の人生や生き方の哲学が面白い。

P1010794南仏で生まれ育った彼は料理人だった親の仕事の都合で、南仏からアメリカ、南米でも生活をしたことがあるらしくて、そのせいで英語、スペイン語やポルトガル語も話す。アルゼンチンかブラジル(どっちか忘れた…)では長年フランス語の教師をつとめていたらしく、そこに家を持ち(今は息子が住んでる)、毎年11月から3ヶ月はそこで過ごすんだそうだ。今週の旅はJMがほとんど担当してくれるらしいので、この新しい出会いは、私にとっても嬉しい収穫だった。

今回のメダム(マダム達)との旅は、今までのところ、私も知らない場所を中心に回っている。今夜の宿泊地オランジュもそう。いつも近くをかすめ通っていながら、なかなかやってくることが出来なかった都市、世界遺産、古代劇場で有名。見学は明日するとして、今夜はホテルにチェックインしてJMがすすめてくれたレストラン Au Petit Patio で夕食を取ることにしよう!

Dsc_0539車が入りにくい静かな place aux Herbes にある L'Herbier d'Orange は若いご夫婦が経営されているこじんまりしたホテル。私だけなぜか、離れの迷子になりそうに遠い部屋(ちょっと大げさ)。大きな窓をあけると静かな中庭を見下ろすだけ。シンプルだけど快適に過ごせそう。笑顔が素敵なオーナーのお二人!

ディナーはアミューズ、前菜、メイン、フロマージュ、デザートで25ユーロ。やっぱり地方都市はリーズナブル。ボリュームも適当で色々と楽しめてお得感満載!みんなJMのアドバイスに大満足の夜だった。

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le mercredi 30 mai 2012

P1010800今日も暑い!午前中は自由行動にしておいたので、ゆっくり起きて、その後さくっと古代劇場を見学した。ホテルからはすぐ近く!TVで何度も見ていた風景だけど、実際にその中に身を置けるのはいつも感動の瞬間です。保存状態の良さでも有名なこの世界遺産は、築2100年、音響効果も抜群らしく、コンサートなどのイベントもよく行われているそうだ。階段状になっている観客席は当然固いので、そういうイベントの時には座布団のレンタル販売などもあるそう!

午後はJMの運転で、最も美しい村の1つル・ポエ・ラヴァル(le Poët-Laval)に向かう。オランジュの街から北に70kmくらいのところだろうか。物知りのJMも知らなかった小さな小さな村だ。

P1000475商店もカフェもほとんど何もない村。でもどこを見ても写真におさめたくなるとってもフォトジェニックな村。私も実はそれほど期待して来たわけではなかったけど、思わぬ発見にまたまた嬉しくなってしまった。住民たちのこの村に対する愛情も強く、観光化されることを望まない彼らは、観光バス用の駐車場の整備にはNONを言ったようだ。あまり頻繁には来れない不便な場所にあるけれど、ぜひまたいつか来たい場所になった。とは言え、やっぱりカフェくらいあると嬉しいかも…。

どんどん暑さが増す中、次に向かったのはヴェゾン・ラ・ロメーヌ(Vaison la Romaine)。フランスのポンペイと呼ばれている、大きなローマ遺跡の残る街だ。遺跡の残る下の街と、城の廃墟が残る上の街(旧市街)を分かつウヴェズ川は、下の写真のように普段は水量も多くないのに、1992年に大氾濫して多くの犠牲者を出した事でも知られている。川沿いの地域は家がすっかり建て替えられて、今は活気を取り戻してはいるものの、地域の人には悲しい記憶として今も深い傷を残しているらしい。

P1000508でも観光客にはなかなか魅力的な街だ。下の街ではショッピングが楽しめて、高台に登れば、静かな中世の村の雰囲気や絶景を見渡せる。ある程度大きな街なので、隅から隅まで味わい尽くすには泊まりで来た方が良いと思うけど、前回ここに来た2年前は短い滞在時間ながら割と歩けた方かな。でも今回は皆さん、暑さのせいで若干弱り気味…。下の街でアイスクリームを食べただけで、歩きでしか行けない上の街はあきらめることになった。見た目の魅力は上の街に凝縮されているので、それを見てもらえないのはちょっと残念だった。今回のリベンジもかねて、またゆっくり再訪したいと思います!

その後は、皆さん少しお疲れのようなので、最も美しい村の1つセギュレ(seguret)を近くに見ながら、直接オランジュの街に戻ることにした。確かに今日の暑さは格別かも。ホテルの部屋には幸いエアコンがついていたので、がんがんつけまくって涼をとる。

P1010828今夜のレストランはホテルの人におすすめのところ(でもホテルの近くと言う条件付き!)を予約してもらっておいた。ホテルからほんの20mくらいのところにある Le Forum では、アミューズ、前菜、メイン、デザートで29ユーロ。昨日に引き続き、コスパの良さも嬉しいけど、特に前菜のリゾットとデザートの美味しさが心に残った。ちなみに写真の前菜はイカと古代小麦(エポートル)のリゾット(ラングスティン風味)。

エアコンがあるってやっぱり幸せ~。もちろんエアコンいらずの涼しい気候が一番すきだけど…。

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le jeudi 31 mai 2012

P1000516_2午前中はそれぞれのんびり過ごしてホテルをチェックアウト。今日はまた私の大好きなリュベロンに入って行く。

まず向かったのは最も美しい村の1つルシヨン(Roussillon)。今日も快晴、そしてめちゃくちゃ暑い!そのせいで、皆さんあまり元気はつらつ!って感じではなさそうだったけど、幸い村では市が立っていて、少しは元気が出たみたい。ショッピングは皆さんにとって最高のカンフル剤のようです!蜂蜜を色々と試してみたり、プロヴァンス柄のナプキンや、今すぐ着れそうなお洋服など、皆さんそれぞれが何かを買っていた。

P1000517ショッピング後はここで軽くランチを済ませて、次は私の大好きなボニウ(Bonnieux)に案内する予定だったけど、プログラム変更!あまりの暑さに皆さんお疲れの様子。今夜の宿泊地ゴルド(Gordes)に直接向かうことになった。ゴルドの定宿 (Mas de la Beaume)では何もしなくても幸せだし、暑さを避けて、そこでのんびり過ごすのも良いかもです!

お宿到着前に、ゴルドの絶景ポイントに寄ると今日はサイクリストの先客が陣取っていた。私たちも負けずに記念撮影。

1週間ぶりのウェンディに挨拶をして、チェックイン。南仏らしいインテリアのお部屋でのんびりと休憩していただいて…あ、でもメダム(マダム達)はプールにも飛び込んでおられたようです!結局、このプールも元気復活を助けたみたい。皆さん、スポーツクラブのお友達らしいので、普段からプールは大好きなんですねぇ~。ここには何度もいろんな人とやってきたけど、実際にプールに飛び込まれた方々はメダムが初めてでした!

P1000525ところで、1年半前の冬にここに来た時、建設中だった(もちろん手作り)離れのお部屋が見事に完成していた。先週は結局タイミングが合わず見学のチャンスを逃したけど、今日は次のお客さんが来る前にささっと見学出来た。とても洗練された雰囲気の素敵なインテリア、圧倒的に広くて、でもピジョニエやフェリシーと同じ180ユーロのスイート。私1人には高すぎるけど、いつか家族と来る時があれば是非泊まってみた~い。

それにしても暑すぎる…。マックス(ここの猫)も、いつ見ても日陰でぐったり。わかるよ、マックス…。でも5月組と来たときにはなかった日差しが、どこもかしこも美しく見せてくれてるのは本当。やっぱりこうじゃないと写真を撮る気がおきない。

P1000561皆さん、プールの後は素敵におめかしして夕方のお散歩…と、言ってもこちらは夕方の日差しが一番きついんだけど…。

ゴルドの村でお店をのぞいたり、アイスクリームを食べたり、スーパーに寄ったり、暑いながらも少し動いておなかを空かせてから帰宅。今日はほとんど動いてないものね。

今夜はお宿での table d'hôteなのだ。いつものようにアペリティフを頂きながらのアミューズはハムを巻いたフレッシュ・フロマージュ。そして前菜はグリーンアスパラ、これはなんて言えばいいの?タマゴのそぼろ添え?メインは牛肉のソテー、デザートはフルーツ添えのガトー・オ・ショコラと続いた。今日も私は大満足。

P1010857_2今夜のご飯を作ってくれたミゲルを皆さんにも紹介したかったけど、先週怪我した顔がまだかなりひどい状態らしく、遠慮しておくって。先週、アレクサンドルが来たとき、ちらっとすれ違ったらしいけど、確かにびっくりしていた。ソファから、どういう風にかしらないけど、顔面から落ちたそうだ。ちょっと想像がつかない。この家は床が全部石だから、顔から落ちたら、かなり危険は危険だよね。鼻、折れなかったのかな。

さあ、満腹、幸せな気分で眠りに落ちていくことにします。今回のお部屋は ラダシエール。

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le vendredi 1er juin 2012

P1000570旅もいよいよ終盤。今日もかなり暑くなるとの事…。

Mas de la Beaume おなじみの朝食をゆっくりと頂いた後は、当初の予定を変更して、涼を求め水辺に行くことにした。5月組とも訪れたフォンテーヌ・ドゥ・ヴォクリューズ(fontaine de vaucluse)、今日は信じられなほどに快晴です。(私のせいではないけれど…)5月組の皆さん、ごめんなさい!

今日はお天気も良いので、前回と違って私も歩く気まんまんです!元気なRさんを伴って一番奥の洞窟、ヴォクリューズの泉まで久しぶりに行ってみた。片道10分程度の水辺のお散歩は木陰もあってとっても快適。他の皆さんは、水辺のベンチに座ってのんびり私たちを待っていてくれた。

ここにはもう何度か来ているけど、実は洞窟までの道(フォンテーヌ通り)以外をゆっくり歩いたことがない。もちろんこの清流が一番の見どころなので、他には何もなさそうだけど、一度は全部歩きつくしてみたいものです。やっぱりどの村もそうだけど、泊まりがけで来ないと、味わい尽くすってのは難しい。お宿もあるみたいなので、いつかまたゆっくり来ま~す。

P1000583次に向かうのは レ・ボー・ドゥ・プロヴァンス(les Baux-de-Provence)。ここも最も美しい村の1つとしておなじみの場所です。

まずは村全体を見渡せる絶景ポイントに寄ってもらう。ここは長年の風雨による浸食が作り上げた自然の造形が素晴らしい場所。脅威さえ感じるプロヴァンスの大自然を身近に感じることが出来る。ミストラルが吹くとき、強い風があちらこちらに当たって、人が話しているように聞こえる現象も起きるんだそうだ。

JMは幼い頃この村に住んでいたらしく、この周辺の道は「目をつぶっていても運転できるよ!」だって。う~ん、それは怖いから試したくないけど、景色の良い昔からある道を行ってもらう。新しい良い車道が整備された今、こういう小さな道はサイクリスト専用の遊び場と化している。暑いとは言え、気候が良い時期なので、どこに行ってもプロヴァンスはサイクリストであふれているんです。私たちは冷房の効いた車で一気にぶ~んだけどね。

P1000597プロヴァンスの名家だったレ・ボー家が途絶えて早6世紀。彼らの城の廃墟がこの村のてっぺんに残っているだけで、昔の面影はほとんどない…と思う。だってこの村の中には観光客目当てのお店がいっぱい!この村はプロヴァンスでも1、 2 位を争う観光客に人気の場所。ブティックの数ではゴルドの比ではない。観光客の数にはいつもうんざりだけど、それでも続く本物の石畳、歴史を感じる石壁は、村の根底にある廃墟感と共に、何とも言えない魅力を放っている。

メダムはブティックでお洋服を色々と試着。皆さん、私なんかよりずっとスタイルがいいので、何を着ても良く似合うのです!私もお洋服を見るのは大好きなので、皆さんと一緒になって、あれが良いとか、これが良いとか…ファッションショーを十分に楽しんだ所で、ゴルドに戻る事にした。今夜は私たちの最後の晩餐なのです。

P1010872メンバーのMさんとRさんは、ゴルドの高級ホテル la Bastide de Gordes 内にある SPA sisley でRDV。私もここのサロンでしばし休憩。2人を待ちながら絵はがきなんぞをしたためてみた。

予定時間より早く戻ってきた2人。聞いてみると、Rさんは満足のサービスだったらしいのだけど、Mさんを担当している人は、態度も悪く、ぜんぜん良くなかったとの事。いずれにしても予定時間より早く戻ってくるっておかしな話なので、無駄とは思いつつ、ホテルのレセプションに不満の意を伝えておいた。

ここのホテル、高級な割に、時々残念な点もあったりするんだよね…。私も2000年に滞在したとき、水がまったく使えなかったのに、翌朝、普通に正規料金を請求された事があった。こちらが水が使えなかった不満を口にするまでは、割引もしようとしなかったのは、嫌な思い出の1つです…。もちろん良い事もたくさんあるので、毎年来てる訳だけど…。

さあ、最後の晩餐はこの高級ホテルのレストランで頂きます。早めの時間を予約していたので、私たちが一番乗り。こんな素敵な空間を独占できるってなんだか幸せです。西日が強くなってきた時間で、テーブルウエアがキラキラと輝いてとてもきれい。

P1010871皆さん、いつものようにまずはビールで乾杯!アミューズ、前菜、メイン、フロマージュ、デザートの5品、メニューはこの1つだけ(あとはアラカルトのみ)。ボリュームもちょうど良くて、お料理もテンポよく出てくるので、満腹感で苦しむことはありません(笑)。何より+このゴージャスな雰囲気を味わえるので、ここはやっぱり外せない場所の1つです。

明日はパリに戻ります。ワイワイ歩けるのもこれで終わりかと思うと、なんだかしんみりしてしまいます…。

余談:深夜2h頃、ごそごそと用事をしていた私は壁に小さな物体を見つけた。サイズこそ小さいものの、形はサソリそのもの。見なかったことにしてしばらく目を離したら、なんといなくなっている(当たり前か)。やっぱり生きてるんだ=動くんだ=寝てる間に落ちてきたら怖い!と思い、退治することに。前にリュベロンの専門的なガイドブックでもサソリの図を見た記憶があるし、暑く乾いた土地なので、やっぱりサソリはいるのね。もちろん一般的なサソリのような猛毒を持つものとは違うかもしれないけど、それでも日本のムカデみたいな感じ???とにかく生まれて初めて見たベビーサソリ。やっぱり怖かった~!

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le samedi 2 juin 2012

P1000567ゴルドのお宿は11hに部屋をでなくてはならない。いつも通り、山盛りの朝食を頂いた後は、荷物をまとめてチェックアウト。いつもならとってもしみじみしてしまう瞬間だけど、今年はあと1回ここに戻ってこられるので、大丈夫!

今日も抜けるような青空のもと、近くにあるセナンク修道院を見て、午後早めのTGVでパリに戻る。皆さんとパリまでご一緒した後、今夜、私は1人、知り合いが住むアングレム(Angoulême)に向かう。それまでAさんのお宅で旅の話なんかをしながら、ゆっくりさせてもらった。

思えば1年半前、今回の旅の話はここ(パリのAさんち)から始まった。人との出会いと言うのは本当に不思議だ。5人の楽しいメダムとの旅は、私にとっても忘れられない思い出の1つになりました。どうもありがとうございました!

Aさんのお母さん以外は、フランスが初めての方ばかり。それも1ヵ月という思い切ったプラン。そのうちの大切な1週間を私の大好きな南仏でご一緒できた事、光栄に思います。またいつかどこかで会えますよね!!!その時を楽しみに… A bientôt !!!

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07/08/2012

南仏三昧 その① - 5月組編

2012年、今年のフランス滞在は思い切って2ヶ月間を予定。そのうちの3週間は大好きな南仏にあてることにした。私の中では年々南仏滞在の重要度が増していて、いつかパリ滞在を超えるのではないかと思う今日この頃…。

3つのグループと回る南仏プロヴァンス、そしてなかなか足の向かなかったコート・ダジュールでの12年ぶりの滞在。どんな旅になるのか…ワクワク、ドキドキ!まずは通称5月組との旅が始まる…。

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le 20 mai 2012

P10002045月17日に始まった教室の皆さん(5月組)との研修旅行はパリ3泊目を経て、20日から南仏入りした。早朝のTGVに乗り、まずはリル・シュール・ラ・ソルグ (L'isle-sur-la-sorgue)の朝市へと向かう。そう、今日は日曜日なので有名なこの街の朝市を目指すのだ。

お天気はパリに引き続きイマイチ…、そして風も強い。みんなで買い食いをしながら、そぞろ歩きを楽しむものの、あまりの寒さになかなか南仏気分が高まらないず、カメラもほとんど出さずじまい。でもオリーブも、ソーシッソンもほんとおいしそう!テンションは上がらなくても食い気だけは衰えないので、今回も体重増加は必至だな…。

リル・シュール・ラ・ソルグはそれなりに大きな街。特にここの日曜市はとても有名で、通常の朝市+蚤の市となるので、街も含めて全部ゆっくり見ようと思ったら泊まりで来た方が良い。でも今回はお天気のせいか、みんなのテンションもなかなか上がらず、ショッピングモードにも火がつくことなく、お昼頃、次の場所ボニウ(Bonnieux)へ移動することにした。

P1000208_3でもここではとうとう大雨!今回はグループ内に相当な雨女がいる模様…。雨を避けるようにカフェに入りランチタイム。でも雨はなかなか止まず、高台の絶景ポイントにも一瞬しか留まれなかった。私はまた来るから…とそこに行くことすらせず、カフェの前で雨宿りをしながら皆を待っていたけど、寒いのなんのって!こうして1日目は、完全に雨にやられながら、今夜の宿泊地ゴルド(Gordes)に向かうことになった。

ゴルドでは2005年来ずっとお世話になっている le Mas de la Beaume へ。前回、病気で弱っていたウェンディもすっかり元気になって、いつもの素敵な笑顔で迎えてくれた。私のbleue、隣の Ocre、離れの Radassière、スイートの Pigeonnier と Félicie を順番に周り、素敵なお宿をみんなで堪能した。

雨はなかなか止まず小雨の降る中、予約しておいた le Clos de Gustave まで歩いて行く。お宿からは寄り道せずに徒歩20分くらいだろうか。お天気が良い時は楽しいこんなお散歩も、悪天候のもとでは、若干億劫。明日の table d'hôte が今夜だったら良かったのに…。

P1010460_3初めてこのレストランに来たときには、とても感動したお料理だったけど、最近はずいぶんボリュームが減った気がする。私以外の人は、みんなワンプレート+デザート盛り合わせのメニューにしたんだけど、見てる限り私には物足りない感じの量だった。幸い…と言うか、私はア・ラ・カルトで牛フィレのグリルを頼んだら、おまけにナスとローズマリーのグラタンとおいものピューレがついてきて、それもお肉が旨い!これで食欲に火がついて、みんなと同じデザートプレートまで食べてしまった。

帰宅後はフェリシーのお部屋でおしゃべりタイム。明日は晴れますように…。

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le 21 mai 2012

P1010464_2と、願って眠りについたものの、やはり起きてみれば雨?とにかく激しく曇っている。どよ~んとした気持ちで階下に降りていくと、幸せな朝食タイムが待っていた。

お天気の件は残念だけど、みんなでこの食卓を囲めることはやっぱり幸せだな、と思う瞬間。 今回の旅のメンバーは半分がすでに南仏に一緒に来たことのある人たち。そして半分が初めての人たち。何度来ても、初めてでも、このお宿はみんなを幸せにしてくれるよね。

P1010471_2今日の予定はのんびり。ゆっくり朝ごはんを頂いて、お昼ごろお宿にアレクサンドルが迎えに来てくれて、近くのセナンク修道院へ。最近はガイド付き見学が主で、以前のように簡単に内部見学できなくなったけど、それでも修道院の外観ととその前に広がるラヴェンダー畑(花が咲くのは夏だけど…)を見るだけでも価値があるし、ここの売店は質がいいので、観光名所の変なお土産物屋さんに行くよりよほど良い買い物ができる。それにここのお手洗いは清潔で広いです(フランスではこれ重要!)。

5月のラヴェンダー畑はまだ青々しているけど、7月に来るときには花が咲いているなんて…まだ少し信じられない感じです。

P1010488次に向かったのは、その清流で有名なフォンテーヌ・ドゥ・ヴォクリューズ(fontaine de vaucluse)。ここでも残念ながら雨に降られて、私は途中で雨宿り態勢に入る。でもここは初めての人ばかりなので「ぜひ一番奥まで歩いてみて」と見送った。川の流れにそって15分ほど歩いて行くと洞窟になっている泉にたどりつく。乾ききったリュベロンのイメージに反して、とても豊かな水量。面白いのは、専門家がいくら調べても、どこからこの水が来ているかわからないらしい。そしていつも水温は安定して18度。何かとミステリアスな水なのです。

P1010495カフェで少し休憩して、ラヴェンダー博物館に寄ってからゴルドへ。ゴルドは小さい村ながらもお買いものも楽しいところ。今までひいきにしていた雑貨屋さんの横に、さらに素敵な雑貨屋さん Provence Home Fashion が出来ていた。店内には欲しいものばかり。目の毒だ。だって今のところ私のスーツケースには1ミリの隙間もないので、買い物は7月にここに戻ってきた時にするしかない。私は夏用掛け布団のような「もの」…に目を奪われていた。在庫は2つらしい。今、支払いを済ませて7月に引き取ることも考えたけど、どう考えても持って帰れる大きさではない。

7月にまだここにあったら考えよう…。私も少しは大人になったでしょ?って事で村の☆☆☆☆☆ホテルでお茶をしてお宿に戻る。

そうそう、1年半前の冬にここで食事をしたとき、一緒にいたNHさんが気分が悪くなって、その時に親切にしてくれたサービスの男の子と再会。「on se connaît?」って覚えてくれてたみたいで、なんか嬉しいね。

P1010501今夜はお宿での table d'hôte。食べた後に歩いて帰らなくて良いのも嬉しいけど、ミゲルが作るお料理は素朴で美味しいので好き。みんなも喜んでくれるので、出来る限りここで食べられる日を選んで来ている。

出されるアペロはいつもの Muscat de Beaumes de Venise。甘いので、アルコールに弱い私でもするっと飲めちゃう危険なお酒、この地で作られる甘いワインです。今も食前酒としては愛されているけど、最近の世間の流行は何といってもキリリと冷えたプロヴァンス・ロゼらしい。

アミューズにカレー風味に焼かれたエビ。前菜にブルスケッタと冷製スープ。メインは豚肉のロースト、きのこ添え。デザートはチョコレートソースのかかった焼洋ナシ、アイスクリーム添え。

ゆっくりと時間をかけて頂く夕食は満腹感も尋常じゃありません。ゴルドでの幸せな時が過ぎていきます…。

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le 22 mai 2012

P1010513今日もお天気はいまいち。う~ん、そろそろ我慢も限界???ぜんぜん写真も撮ってないので少しストレスがたまってきた。やっぱり南仏らしい光に出合わないと、カメラを出す機会もぐっと減ってしまう。

ゆっくりと美味しい朝食とおしゃべりの時間を楽しんだ後、みんなは火曜日ゴルドの朝市へ。私は出発までの時間をのんびりとお部屋で過ごした。

お昼、12時にはアレクサンドルが奥さんと一緒に登場。今日ムスティエ・サント・マリー(Moustiers Sainte-Marie)に向かう私たちだけど、明日は車を頼んでなかったので、彼も久しぶりの休日をそこで奥さんと一緒に過ごすらしい。

Dsc_0495今日のメイン・イベントはマノスク(Manosque)にあるL'OCCITANE の工場見学。でも15時にしか空きがなく、けっこうそれまで時間がある…って事で急きょ最も美しい村にも選ばれているルールマラン(Lourmarin)とキュキュロン(Cucuron)に立ち寄ることになった。今日はアレクサンドル完全にアウェイ。マニュ(奥さん)も一緒になって、お買いものに励む女性陣です。

工場に着いたころ、ようやく青い空が出てきた。なんだか日本を出てから久しぶりに見たような気がする、こんな青空!ようやく晴れたのに、残念ながら(?)私たちは工場の中へ吸収…。メーカーの歴史や原料や商品の説明を受けて、生産ラインなどを見学。1時間のvisite 終了時には、なぜか買う気満々に洗脳されてます(笑)。

P今や日本でも大人気のメーカーL'OCCITANE。最初は創設者がローズマリーを原料に作った商品を地元のマルシェで売っていた…という逸話もびっくりだけど、飛ぶ鳥を落とす勢いで世界中に拡大している企業力にもびっくり!今も増築中の工場の隣には、フランス最大級のブティックが併設されていて、10%オフのチケットをもらったので、みんなまたまたショッピング。私は個人的にイモーテルとアンジェリックのアンチエイジング商品に興味津々!もちろん買っちゃいましたが、販売のお姉さんが言うには、私に必要なのはアンチエイジングのケアよりも水分補給だそうだ。完全に乾ききっています!と念押しされて、手渡されてた、欲しくないものも買っちまいました(汗)。ここでラヴェンダー・エッセンスの入った手ピカジェルみたいな製品も見つけて、お~!フランス(の衛生観念)もここまで来たか…と妙な感心をしてしまった。

P1010531見学にショッピング…、時間はどんどん過ぎていくので、行きたかったヴェルドン峡谷はとても時間が足りず、また次の機会に持越し。そして以前から行きたかったムスティエ・サント・マリーを目指す。1時間ほどのドライブの間に、空模様はまたあやしくなっていった。

お宿は村内の La Bastide du Paradou を予約しておいた。なかなか便利な場所にあって、インテリアはごく普通だけど、何よりお部屋が広い!今夜はこの広さがなんとなく寒い感じ。エアコンのリモコンはグループに1つという謎な面も多いこのお宿。合格点だけど、お値段もそこそこするので当然かな、という程度。次来るときは別のお宿を試してみたいかな。

P1010544_2夕食に予約しておいた la Treille Muscate は村のど真ん中にある2つのレストランのうちの1つだった。メールで予約した感触もよかったし、何よりも満員だった!人気があるんだね~。お料理も3品で29ユーロとリーズナブルだし、お料理も洗練されていて美味しい。サービスもよかったし、大満足のディナー・タイムでした。

食後、お宿までの道のりの一部が、なんと真っ暗!みんなで携帯の電源を入れて、足元を照らして帰ると言うハプニング付(笑)。

明日こそは晴れるんでしょうか…。

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le 23 mai 2012

P1010553今日は車も頼まず、ゆっくりとムスティエを堪能する日。まずはアラフォー組でのんびりと朝ごはんを頂く。ゴルドには負けるけど、朝ごはんの雰囲気もなかなかです。でもこのお宿、決して悪くはないのに、何かが変。レセプションを担当しているオヤジの笑い方も気になるし(笑)。

ともかく、今日は晴れたと言っていいんだろうか…。笑い方は変でも親切そうなオヤジのすすめにしたがって、まずは集落の周辺を1周してみることにした。約束の時間に降りていくと、いきなりみんなUV対策モードに入っていた。みんな太陽光線には敏感!

P1000231ムスティエ・サント・マリーはプロヴァンスとコート・ダジュールの中間に位置する上、山深い、鉄道網からも離れた位置にあるので、長い間来たいと思いつつ来れずにいた場所だった。もともと人気のある観光名所ではあったけど、アラン・デュカスがここにホテル・レストランLa Bastide de Moustiers をオープンしたので、その名がさらに知られるようになったのではないだろうか。私もできればそこに泊まりたかったけど、やっぱりちょっと高すぎて断念。もうちょっと大人になったら、ぜひ今度はそこに泊まってみたいわ。

P1010557こんな道をてくてく歩いて行くとやがて村全体が見えてくる。のんびり歩いても1時間かからないこのお手軽お散歩コースは、オヤジが言っていた通り、本当におすすめ。すれ違う人は誰もなく、まさに私たちだけのムスティエだった。

今日は太陽が出てるので、気温もぐんぐん上昇。暑くて、途中でヒートテックを脱がなくてはならないほど。観光客の人たちも太陽には敏感に反応している。今日はノースリーブ、短パン、みたいな人ばかりだ。

Dsc_0992村に辿り着いた後は、みんなそれぞれにショッピングを楽しむ。私はここの有名なムスティエ焼きが欲しかったので、ショップの親切なおじいさんに色々と教えてもらいながら、大きめのお皿を買い求めた。母と私に1枚ずつ。ムスティエ・ブルーが素敵です。何をのせればお料理とお皿が栄えるだろうか?

今はスペインで焼かれている安物もたくさん売られているようだけど、誰が見ても本物と偽物は区別がつくくらいに、本物は繊細で軽い。陶器なのに信じられないくらいに軽い。そして裏を見れば、目跡は3つ。これも本物の証しらしいです。

P1010578ちょっと小腹が減ったので、開いているお店で休憩、3時のおやつ。その際、話題に上がったマンタロ~(万太郎みたいだけど menthe à l'eau) を試す勇気ある姉さんたち…。本当に「万太郎」と言って通じるのか試してみたかっただけ???でもJoはおいしいって。Mちゃんは1.5ユーロなら許せるって感じらしい。しかし氷の入ってない水道水で割ったミントシロップって、どう考えてもおいしくないやろ???

P1010585その後、ますます気温が上昇する中、私たちは岩山にアタック。途中にあるノートルダム・ドゥ・ボーヴォワール礼拝堂を目指す。坂道は急で、階段になってる部分もあるけど、長年みんなに踏みしめられてきたせいか、石の表面がつるつる。滑るんです~!足元が悪いから、慎重に歩くせいで疲労も倍増。暑さのせいもあって、礼拝堂にたどりつく前に、心臓が止まるかと思いました(笑)。でも上に登らないと、この絶景は見られないので、頑張った甲斐があるってものだ。と、言う事で、今日2回目のお散歩は往復約3キロのなかなかハードなコースだった。

P1010540ちょうど下に降りてきたころ、雷もなり始めて、小雨が降ってきた。いいタイミングで降りてこれて本当に良かった~!

今夜のレストランは、私の予約メールに返事をよこさなかったお店 les Santons 。昨日のレストランと隣り合わせだ。村には目立つレストランはこの2軒しかなくて、その上今夜は隣のお店はお休みなので、こちらに行くしかない。でもサービスの女の子は感じもよくて、私たちに雨の当たらない、見晴らしの良いテラス席を用意してくれた。確かに注文を取りに来たオーナーらしき男性は、愛想も良くなかったけど、お料理も悪くなかったし、ロケーションも良いし、私は満足。

P1010598前菜にはガンバスの入ったクミン風味のさつまいものスープ。メインはカモのマグレ(ただはちみつのソースは私には甘すぎたけど)+コリアンダー風味のお野菜添え。デザートはクレーム・ブリュレ。

人手が足りないのか、サービスのタイミングはけっこうゆっくり。でも私たちは泣くくらいに大笑いしながら、待ってたので退屈時間まったくなし。時々、他のフランス人の人たちも、何がそんなにおかしいのか???って感じで私たちを見ていたので、ちょっと恥ずかしかったけどね…。

P1010607途中、アレクサンドルとマニュが入ってきて、私たちの近くの席に座ったので、びっくり。でも実は昨日のレストランにもいたらしく、激しく笑い続ける私たちを面白く観察していたそうな。確かに2軒しかないレストランだものね、会うか。久しぶりに子供抜きの2人のデート、楽しんだかな。

今夜は三日月がきれいです。

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le 24 mai 2012

P1000310最初の予定では、ムスティエからディーニュ(Digne)まで車で出て、そこからプロヴァンス鉄道に乗って、ニース(Nice)まで出る予定だった。それが残念な事に、鉄道は一部路線の工事中。全員が大きな荷物を持っての移動なので、面倒くさいことは避けることにして、エクス・アン・プロヴァンス(Aix-en-Provence)からTGVでニースに入ることになった。軽い鉄子(単に空の旅が嫌いなだけ)としてはぜひ一度乗ってみたい列車だけど、またこれも持越し。それはいつかここにまた戻ってこれるって事だね、きっと。

カンヌ(Cannes)を通過するころ、車窓の外は海、そして砂浜、そして水着で寝っころがる人達…異常に近い!こんなそばをTGVが走るってなんか面白い風景ね。写真は全部失敗だったけど…。

P1000319今回のニースのホテルを取るのは本当に大変だった。と言うのもこのシーズン、カンヌ映画祭があり、この週末はさらにモナコでF1が行われる。大きなイベントが2つも重なるため、部屋も不足しているうえ、料金は軒並み2倍!なんとかメインストリート、ジャン・メドゥサン大通りからもそれほど遠くない Hotel Lepante に部屋を押さえたけど、もう2度とこの時期には来ない!

苦労してとったこのホテルは、ちょっと古びた感じで、スタッフも若干ルーズだけど、本格的なアール・ヌーヴォーの建築って所は、少し気に入ってる。私の部屋には小さなテラスもあるしね。

P1000336ホテルのチェックインを済ませて荷物から解放された私たちは、さっそくお散歩に出発。さっき降り始めた小雨も止み、太陽が出て暑くなってきた!途中、アイスクリームを食べながら、旧市街のそばにある展望台を目指す。12年前にニースに来たときには、こんな展望台があることすら知らなかったけど、以前テレビ番組で見て、今度ニースに行く機会があれば、ぜひ上ってみようと思っていた所だった。

階段でも登れるらしいけど、私たちはエレベーターの怠け者コース。このエレベーター、動いている事をまったく感じさせないし、昇っている感覚がまったくないある意味優れもの(笑)そして恐ろしく遅い!!!でもエレベーターの扉が開くと、絶景ポイントはすぐそこ。らくちんです。

P1000354↑新しい一眼レフではこんな機能がついているので、ニースの街をジオラマ風に撮ってみた。なかなか面白い効果!クリックして大きくして見てください。

高台を降りたらもう夕食の時間。行ってみたかったお店は残念ながら小さくて満員(人気ありすぎ)。ガイドブックに載っていた良さ気なお店はなくなっていた。小さな村なら迷うほど選択肢もないけど、ここは大都市。レストランが多すぎて逆に選ぶのに迷ってしまう。おなかも減っていたので、サント・レパラット大聖堂近くで適当に選んで入ったお店は Le Bouchon Provençal。観光客しか利用しなさそうなお店が連なってる界隈。すごく美味しいわけじゃなかったけど、安いしすぐに食べれたし許せる感じのお店でしょうか(笑)。向かいのchez juliette はとても混んでいて、実はこちらに興味があったんだけど、メニューはどこもみんな同じような感じだった。

P1010654食後、マセナ広場を通りながら、ホテルに戻る。12年前にはいなかったと思われる気持ちの悪い光の彫刻(とでも言うのでしょうか?)が、広場にたくさん作られていた。時間とともに色が変わるという代物。しばらく眺めていても、なぜこんなものを作ったのか、ニース市のセンス、理解に苦しむ…。

ニースの街自体はどちらかと言うと嫌いな街。でも今回はニース周辺の美しい集落を巡るために思い切ってこちらまで足を延ばしてみた。私は今日から5泊。みんなは旅も終盤。寂しいなあ…。

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le 25 mai 2012

P1010664いよいよ5月組のみんなとの最終日。まずはニースの郊外、サン・ジャンカップ・フェラ(St-Jean-Cap-Ferrat)、超高級住宅地にあるロスチルド邸を見学。絵画はあまり興味がないけど、こういうお宅拝見は大好き!豪華な調度品、膨大なコレクション、優雅で広大な庭園、いいねえ~、とても非現実的!

お茶やランチが頂けるサロンもあった。時間がたっぷりあれば、お茶でもしながら、おしゃべりを楽しみたいところだけど、次は憧れのエズ(Eze)を目指すよ!

P1000381_2実は、私がまだフランスに留学する前に読んだ南仏の高級ホテルをまとめた本の中で、一番惹きつけられたのは、ここエズにある la Chèvre d'Or だった。特に美しい地中海を見下ろすテラスの写真が印象に残っていて、いつかぜひここに行きたいと長年温めていた小さな夢の1つだったのだ。

村の入り口にある老舗の香水屋さん GALIMARDでお買い物をした後、断崖の上にある憧れのテラスに到着。今日はお天気にも恵まれて、何とも贅沢な眺め!みんなも今回の旅、最大級の歓声を上げていた!もちろん私も!!!

P1010683このホテルの本格的なレストランは、ミシュランでも星を取っているし、私にはホイホイと行ける感じのところじゃないけど、嬉しい事にカフェ部門でも軽食が頂けるのだ。おかげで私たちは、こんな海を見下しながら(↑)、ランチ・タイムとあいなりました~。

私が頼んだのは、このデギュスタシオン。色々小皿もついて、子羊料理もあり40ユーロ。美味しい上にこの絶景料込みだから、どちらかと言うと安いくらいじゃないだろうか。

姉さんたちもここをひどく気に入ったみたいで、今度は泊まりに来たいそうだ。こういう所には優雅にのんびり来たいから、それは2人が定年退職するときやろうか?それはあまりにも遅すぎるから、それまでにまた来ようね。

P1000371名残惜しいけど、ニースに帰らなければならない。まだみんなモノプリで買い物もしたいし、夜はレストランを予約していた。1時間に1本程度しかない路線バスを待っていたら、まただんだん雲行きが怪しくなってきた。ぽつぽつ雨も降ってきたころ、到着したバスはもうすでに満員。私たちはとても乗れそうもないし、ここで1時間、次のバスを待っても乗れるかどうかわからないなら、またタクシーで帰るか…と、さっきのホテルにタクシーを呼んでもらうことにした。

バス乗り場に戻ったら、MちゃんとJoの姉さん2名だけ。どうやらさすがにフランスも繁忙期はバスの数を増やすらしく、すぐに次のバスが来たそうだ。で、若者4名はそれで帰ってもらって、私たち3名は優雅にタクシーでニースのホテルまで帰ったのだった。それにしても、次のバスがすぐ来るなら、どっかにそう書いておいて欲しいわ~。座れなかったらしんどいけど、1ユーロの路線バスはやっぱりちょっと魅力的。ちなみにタクシーは渋滞にひっかかったせいもあり70ユーロくらいかかった…。

P1040434今夜、5月組との最後の晩餐はニースで名を挙げた日本人シェフ Keisuke Matsushima のレストランで。メンバーのHちゃん(お料理の先生)曰く、旅行中で一番おいしかった、との事。さすがにミシュランで星を取った男です。もちろん私もおいしかったけど、一番インパクトに残ったのは→でしょうか。メニューの表紙。(この写真はマスオちゃんから頂戴しました)

帰り際に、サービスの男性から、私たちの料理に対する反応でお褒めの言葉を頂いた。料理が供されるたびに、私たちが喜びの歓声を上げるのが気に入ったらしい…。へへへ、最近の日本人は感情表現が豊かなのですょ。

食後、お祭り騒ぎのようなニースの街をホテルまで歩きながら帰る。旅の終わりはいつも寂しい。私はここに残るけど、みんなとの楽しい時間はいったん終了。天気が悪かったことも忘れて、楽しい思い出だけだ心に残ります…。

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le 26 mai 2012

P1010398日付が変わって出発の日。夜遅くにホテルに戻り、みんなには荷造りの仕事が待っているし、私にはタクシー手配の仕事が残っている。前にも書いたけど、ニースはカンヌ映画祭とF1の影響でタクシーも不足しているのだ。朝の5時にみんなはニースの空港に向かうけど、ここのレセプションは夜中閉まっているし、タクシーは翌日の予約を取らないと言い張るので、自分で手配するしかない。昨日エズに行くときに利用したタクシーの運転手さんはとっても良い人だったので予定を聞いてみたところ、今はなんとも言えないので朝の4時半に電話をしてくれ、との事。とにかくこの運転手さんは朝の4時半までは確実に寝ないで映画祭の送迎の仕事をしているので、絶対に電話には出てくれるらしい。もし自分が来れるようなら来るし、もし来れないようなら絶対に誰か別の同僚をよこしてくれると約束してくれた。だから信頼するしかない。後は、私が寝過ごさないで4時半に電話をするだけ…。

MちゃんとJoの部屋でうたた寝をしながら、ちゃんと4時半に運転手さんに電話をかけて、またあの優しそうな運転手さんが来てくれて、無事にみんなを見送った午前5時。なんだか慌ただしいお見送りの時だった。独り残されるのはいつも、すごく寂しい…。

この風景からスタートした今回の5月組、9泊11日の旅(南仏は6泊)。みんな楽しんでくれたかな。さあ、今から少し眠って、今日は洗濯に行かなくちゃ!明日には2つ目のグループがやってくる…。

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02/06/2012

フランスを大いに移動中

ご存知の方もあると思いますが、5月17日からフランスに来ています。最初は教室の生徒さん6名とパリ3泊、南仏ゴルド2泊、ムスティエ・サント・マリー2泊、ニース2泊。楽しい仲間に恵まれて、笑いすぎて何度涙を流したことか…。お天気は前半悪かったけど、ムスティエくらいから持ち直して、以後南仏らしい暑さにクラクラしっぱなしでした。

ニースで1日、独りの時間を過ごし、翌日からパリの知り合いのAさんのお母さんのグループに同行。楽しいサンパな5人組で、皆さん南仏は初めてと言うことで、何を見ても、何を食べても、わ~っと喜んでくださるので、案内のしがいもあると言うもの。ニース2泊、オランジュ2泊、ゴルドに2泊して今日、パリで無事に解散。

同行者がいた今までは、楽しくて、楽しくて、なかなか独りの時間がとれず、恒例のブログもぜんぜん更新出来てませんが、この期間のことも追々思い出しながら書きたいと思います。

私は今日からフランス西部に向かいます。アングレムで2泊、二オールで3泊、知り合いのおうちでお泊りです。懐かしい人達との再会、楽しみです。

ツイッターは随時更新中。

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27/04/2012

vive les mamans !

Dsc_0269_2先月、久しぶりに神戸に出向いた。パリ時代の妹分Fの赤ちゃんに会いに、もちろん新米ママさんにも会いにね!

年末に生まれたMちゃんはちょうど生後3か月。まだMちゃんの顔よりも、お祝いに持って行ったギャスパールとリザの方が顔が大きい!!!あれから1ヶ月近くがたったので、また少し大きくなってるかな?次はフランスから戻ったら、お土産を持って会いに行く予定。Mちゃん、待ってて~。

私の中ではいつまでたっても可愛い19歳のままのFも、すっかり立派なお母さんになっていて、なんとも不思議な感じ…。

3月に帰国していたベルギー人+日本人カップルのYちゃんも第2子を妊娠中。今度ベルギーで会う頃は臨月らしい。

パリ時代のもう一人の友人Hも年末に第2子を出産。今は2人の子育てに奮闘中!

今、静かに新たなベビーブームが起きている気がする。もちろん戦後のそれとは明らかに違うんだけど、私たちが結婚適齢期や、出産適齢期を過ごした頃よりも、今の若い人たちはずっと軽やかに親になっている気がする。

ずっと昔、女性の社会的立場が弱かったり、生き方の選択の幅が少なかった時、女性は考える余地なく、結婚もしたし、母にもなった。それが時を経て、まだ制度が、受け皿が伴わないまま与えられた自由は、ある意味、新たな選択を強いた。産むか、産まないか、働くか、働かないか…。

でも今は、結婚よりも子供、子供を産んでも働く、それが当たり前になりつつある。素晴らしい事だと思う。実は制度よりも大きな足かせだったかもしれない、世間の目が変わりつつある。結婚をしない人生も、仕事に頑張る人生も大いにアリ!どっかの電話の宣伝みたいだけど、ようやく本当の意味での選択の自由が生まれつつあるのかもしれない。

まだまだ、子育てを取り巻く環境に不満はあるだろうけれど、すべては先駆者があり、過渡期の人々がいての事。その人たちに思いを寄せながら、どうか良い子達を育ててください。無能な政治家よりも、パワーあるママ達が、さらに今後の状況を変えていってくれるに違いない、と思うのです。

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22/04/2012

所作

以前から美しい所作には憧れがあった。でも憧れてるだけで、特に注意をしたり、勉強をしたりすることはなかったわけだ。ここ数日、どっぷりと日本文化にふれながら、やっぱり見ているだけでは、絶対に身につかないと言う事を確信した。フランス語のテキストを見ているだけでは、話せるようにならないのと一緒だと思う。やはり実践が一番大切なわけだね。実践の場にたつまでには、もちろん様々な勉強が必要なわけだけど、やはり場数を踏んでいかないと、自信を持って、人前で美しくは振る舞えないし、人前でフランス語は話せない。

先日お世話になった老舗旅館の若い仲居さんは、きちんと着物を着こなし、ごく自然に美しい振る舞いをする。高野山の宿坊でも、前に行った所は最悪で、もう二度と高野山なんて来ない!と思うくらい印象が悪かったけど、今回はすべてがパーフェクトだった。若い僧侶の方々の凛とした美しさに、それが洗練された所作によるところが大きいと感じた。

洗練された身のこなしは、すぐに身につくものではないと思うけど、今からでも少しずつ、大人として恥ずかしくないくらいの事はできるようになりたいと、強く思った今回の旅でした。

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22/03/2012

旅じたく

162016_213217045364987_586255109_n春の気配を少しずつ感じる今日この頃。たまたま入った本屋で例のブツを見つけた。Figaro japon パリ特集号だ。これを見ると、スーツケースを出さなきゃ!と、焦りさえ感じてしまう。このずっしりと重いヤツ、今ではすっかり、春の到来を告げる風物詩になっている。でも!でも!でも!阪急さん、実際に私が目を通すページは半分もないので、どうか特集ページの電子販売をお願いします。スマホに入れば持って歩くのも楽ちんだし!

今年は4月にどさ回りに行かねばならないので、5月中旬からのフランス行きとなった。ただ、4月も半分は大阪にいないので、出発の日まではあっという間の事だと思う。楽しみ半分、焦り半分…。

季節をまたぐ長期滞在は、いつも服装のセレクションで悩む。特に日本のように安定した気候ではないフランスなので、色々な状況に対応できる旅行向けのグッズが必要。それに持って行ける重量も限られてるし、有能なものばかりが優先して、残念ながらいつもお洒落は二の次になってしまう。フランスにはなんでもあるけど、やっぱりしょーもないものが案外高いので、できれば持っているものを同伴して、向こうで無駄なものは買いたくないのだ。で、最近は少しずつ持っていく服の数々を頭の中でイメ・セレ中。

新しいものは出来るだけ買いたくなかったけど、今回どうしても欲しかったのは、歩きやすい夏靴。可愛いサンダルやミュールを持っていきたいのは山々だけど、一番必要なのは、1日10キロ歩ける靴。でもウォーキングシューズはパリ歩きには使いたくない。最近ずっとあちらこちらで靴ばかり見て歩いてたけど、欲しい靴がぜんぜんない!こんなに商品であふれているってのに、たった1足の欲しい靴がない!あきらめ気分で立ち寄った大丸で、ようやく一緒に旅をしたいと思えるパートナーを購入。グラディエーター風のブーティ。歩くことを念頭にデザインされているので、履き心地が良い上、風通しも良いし、初夏の南仏から夏のパリで活躍しそう!

P5180226今年の旅は、私にとってもちょっぴり特別な意味がある。今のお仕事を始めて10年目に入ったので、最近良く聞く「自分にご褒美」ってやつだ。普段の私の生活は質素そのもの。去年のフランス行きも我慢して、今年の旅に備えてきた(オンシーズンの南仏の旅はやっぱり費用がかなりかさむから…)。教室の生徒さんや、知り合いのお母さんグループ、旅の仲間を募って、今年は3回にわけて、計2週間半ほど南仏を旅することにした。

そしてパリでは「初心に帰る!」と言うテーマで、留学時代の最初に通っていた語学学校フランス・ラングに少し通ってみることにした。16年前の私とはまたずいぶんと違った視点で、学校生活を送れるのではないかとワクワクしている。フランス語の勉強というよりは、今の仕事に生かせる経験を期待している。

もちろんいつもの通り、知り合いの住む地方も巡る。ノルマンディ、ポワトゥ・シャロント、アルプス…、そしてツールのプロローグを追って、ベルギーへ。そして美味しいものもたくさん食べて、友人と大いに語り…、盛りだくさんの旅になることは間違いない!

定年のない私たち、いつまでこの仕事を続けられるかはわからないけど、少なくともあと10年くらいは続けたい。新しく迎える次の10年に向けて、英気を養える旅になることを祈りながら…、旅じたくを進めます。

p.s. 5月組の皆さん、2年前の南仏の写真を見て気づいたのですが…
5月12日の私は、ハイネックのウール100%セーター(その下はおそらくヒートテック)と、中綿ベストとモッズコートを着ていました。けっこうな厚着です。やっぱり油断は禁物です。そのあともvideoで「寒い」と連発しております…。

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09/02/2012

mise en scène

Images_2少し前の話になるけど、1月8日に今年の1本目の芝居として「8人の女たち」を観た。オゾンの映画同様に、ご覧の通りの豪華出演者、見ごたえのある作品に仕上がっていたのは言うまでもない。

舞台のつくりがまたユニークで、本来舞台であるところにも客席が設けられていて、観客同士で舞台を挟むようにして観ることになる。特に舞台側の席は本当に舞台上なので、演者に近いのは良いとしても、私たち、こちら側からの観客からも見られているようで、少し照れるな。照明の影響で、けっこう観客の表情もよく見えたから、あれでもし寝ちゃったら、超恥ずかしいね。

ところで、この芝居を見てからずっと気になっていることがある。この舞台、前後は観客に挟まれて、左右は袖になってるんだけど、演者は自分の出番が終わっても、いつものように袖に引っ込むことなく、袖手前に置かれた椅子に腰かけて、次の自分の出番を待つことになる。もちろん袖手前なので、観客に見られている状態は続く。

こういう演出は今、流行ってるのですか?

7546823b98c8212dc5e5f05e22c4d66c2010年6月9日に私はパリで芝居を観ている。大好きな俳優シャルル・ベルリングが出ていたので、大喜びで見に行ったものの、ストーリー自体はとても難解で、一緒に行ったフランス人の友人も「わからない」と言っていた。ただ印象に残ったのは演出。その日のブログに私はこう書いていた。

今夜はMarigny劇場で大好きな役者の1人、シャルル・ベルリング主演の『le Donneur de Bain』を観る。内容は Mag.でも意識が遠のく時があるほど。台詞が難しかった~…けど、演出が面白い。普通芝居を終えた役者はそでに引っ込むものだけど、ここでは舞台の脇に置いてある椅子に座って、続きを傍観している。時には衣装を着替えたり、くつろいだりしながら…。【…】

私はこういう演出をこの時に初めて見たので、実に面白い発想だと思ったわけだ。でも今回の8人の女たち…これは何?まったく同じじゃないか!流行り?パクリ?昔からよくあるの?

演劇は好きだけど、別に精通しているわけでもないので、演劇界の事はとんとわからない。誰か教えてくれる人はいないでしょうか?もうずっと気になっています。

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29/01/2012

往復書簡

年末に、私の演劇ライフの中心にいた 第三舞台 の解散公演【深呼吸する惑星】を2回観た。1回目は、私に第三舞台を教えてくれた長年の友人と、そして2回目は独りで別れを告げに。

公演を見て思ったことを何か言葉にしたくて、一緒に観た友人にメールを書いてみた。書いて、返事が来て、それに返事を書いて、そしてまた返事が来て…。そのあと、まだ返事は書けずにいる。

未完の往復書簡4通。

~~~~~~~~~~

私から友人へ①

今日、最終公演が終わったようですね。

私は今回は懐かしさだけで、心は動かなかったのですが
ああ、だから、彼らは解散するんだな、って
思ったりもしました。

ファンだからという理由で
彼らの公演を歓迎して崇める人はまだまだたくさんあると思う。
私も喜んで劇場に足を運ぶ一人です。

でも冷静に客観的に今回の芝居を見て
20年前のような熱狂的な感動を与えられないことを
彼らは良しとしないような
少なくとも鴻上さんはそうなのかな?と思ったりしました。

今でも他のつまらない芝居に比べたら
まだまだレベルは高いと思うけど
やっぱり20年前とは違う。
すでに10年前にもパワーダウンは否めなかったもんね。

私、中学生の時に、薬師丸ひろ子が異常に好きで
まさに尊敬していたのです。
ま、薬師丸ひろ子が、っていうより、たぶん
【セーラー服と機関銃】の彼女をね。
その私のグルだった彼女は、
彼女が大学生になるころからオーラが消え、ただの人になった。

私の興味がさめるのと時を同じくして
彼女の女優としても時代も難しくなっていった。
長い時を経て、また女優として名前が聞かれるようになった彼女を
先日、トーク番組で見たとき
すごく軽やかになった感じで、素敵に見えたわ。

誰かのカリスマになった人は、次への着地の場所や方法が難しいと思う。
鴻上さんも、あの完全な時代を取り戻せないなら、
手放すしかないって思ったのかな。

10年悩んで、葬って、重荷をおろしたところで
軽やかに生きられる場所を見つけることができるのかな。

~~~~~~~~~~

友人から私へ②

そっか。
終わりましたか。

僕は、こないだ涙出た。
何でだろう?
でも、■■(私の名)と同じかどうかは分からないけれど、
心は、以前と比べて平穏だった。
僕は、彼らの芝居、鴻上さんの作品や演出に力の衰えをみるより、
自分の変化として、しみじみしてました。

いつか彼が言っていたように、
観客の個々の経験が、彼の作る物語を超えた力を持っていたら、
20年前であっても、色褪せて見えたかもしれない。
けれど、僕の場合は、やっぱり20年経った今だった。
随分ブランクがあったわけだけど、
でも、変わり続けると言った第三舞台が、
過去のどこかに止まったままだったように感じた。
それは、僕(たち)がそうしたのかもしれないね。
そして、鴻上さんも、超えられなかったのかもしれない。
でも、多分同じベクトル上に比較してもしょうがないことなんだろうね。

僕も、このことは、話しをしたかったんだ。
抱え込むのには大きすぎるってわけでもないけれど。
■■(私の名)が、薬師丸ひろ子に見た軽やかさと似たものを、
ひょっとすると、僕はあの日、彼の芝居を観た自分とかつての自分
との距離に感じたのかもしれない。
だって、手放すのが惜しくて歪むくらいの名残惜しさもなくて、
爽やかに別れを告げられるという気分だったし。
芝居を観た後で食べた定食も美味かったし。

これは自分でも意外でした。実は。
何でだろうね。
ゆっくり考えてみようと思います。

~~~~~~~~~~

私から友人へ③

■■(友人の名)にも迷ったり苦しい時期はあったと思うんだけど
きっと、きちんと着地をしたんだと思うな。
だから、さわやかに別れが告げられたんじゃないだろうか。

私はまだあの頃のまま、とても不安定な場所に立っていて
毎日が不安でしょうがない。

20年前には不安定な場所と言っても
まだ未来があったけど、
今は未来も可能性も、そうない。

まだ何者でもないけど、何者かになれるかもしれない可能性は
あの頃には、まだ希望として残ってたんだよ。
でも今は、それすらない。

20年前にすでにカリスマだった鴻上さんだけど
この20年で、やっぱり××(自主規制)になったと思う。
一緒にやってきた大高さんとは、ずいぶん立ち位置も変わってしまって
心はわからないけど、社会的に、経済的に恵まれてしまって
××になってしまった彼が、いくら下々の事を想像したとて
それは、やっぱり想像なんだろうな。
だから彼より過酷な日々を送っている者に
響くものはもう書けないのだと思う。

だから同じ土俵では生きていけない。
別のジャンルに移行する必要が出てきた。
だから、やめたんじゃないだろうか。

解散なんて、カッコ悪いよ。
解散なんてしなければよかったと思う。
続ける、変わらない、って本当に難しいし、貴重なことだと思う
今日この頃です。

~~~~~~~~~~

友人から私へ④

いやいや、単に、子育てが怒涛だからだと思う。
子供育てるって、やってみないと分からなかったことばっかり。
とにかく、自分のことは後回しにしないといけない。
無条件に優先して、自分以外の者に尽くさないといけない。
そんな感じ。
それを何とかやっていて、そしたら、心の敏感さが取れて来てしまった。
つまり、感度が鈍ってしまった。
という実感があります。悲しいけど。
だから、きちんとかどうかはともかく、着地したという自覚すらないわ。
なので、爽やかな別れというより、
正確には、それどころじゃない、ってことかも。
だから、不安を不安と感じる余裕もない。
そのせいか、こないだの彼の舞台の中に、
”解きたい謎”は、もう感じられなかった。
それは、自覚できる不安が自分の中に自覚的でなかったからかもし
れない。
禅問答みたくなってきたね。

鴻上さんの書いた戯曲の中の台詞は、今も時々口から出てくること
もあるよ。
才能とは夢を見続ける力のこと
というのもひとつ。
これは、素直に今も受けとめられて、
だから、未来も可能性も残されてないなんて思わないよ。
おめでたい、と思われても、言われても、
歳なんて関係ない。って思う。
今も時々、自分に言ってること。

確かに、解散という選択と決断については、ちょっと考えるね。
続けることを、あれだけ語って来た人だけに。
でも、明らかに、彼が輝いていた頃と、社会も世界も変わってしまった。
それは、疑いようがないことだと思わない?
その相対の中で、彼も分からないのかもしれない、とも思った。今。
つまり、彼のモチベーションを生み出すものが、
社会にも世界にも、以前のようにはなくなってしまった。
それを見つけようとあがいても、以前のように自分の中に湧き上がって、
あるいは、立ち上がってこない。
その焦りを、彼自身も何年も抱え続けて来たんじゃないだろうか。
だって、他に面白い芝居があるかっていうと、あるんだろうか?
映画も、テレビドラマも・・・。
どちらも、ぜんぜん観ていない僕が言っても、
何の説得力もないけどね。
やられた!というものに、最近出会っていないわ。

また、話ししたいです。

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18/01/2012

いまさらですが

いまさらですが、新しい年が明けました。もう3週間近くがたとうとしています。皆さんはこの新しい年、良いスタートが切れたでしょうか?

2011年はつらい1年でした。実際に被災した方々が最もつらかったのは言うまでもないのですが、ある意味、日本人全員が心のレベルで被災し、皆が何かを積極的に感じたり、考えたりすることを強いられた年になったのではないでしょうか?

そして昨日は阪神大震災から17年目の日でした。当時神戸で被災した私は、今でも軽いPTSDに悩んでいます。せっかく生まれてきたのです。できることならば、誰も怖い目には遭わない方がいい。怖い目に遭うと、その度に怖がりになって、渡れる橋が少なくなっていくのです。それは素敵な経験を逃すことかもしれません。

本当は、12月の末、なんとか年が変わる前に、2011年最後のブログを更新して、気分よく締めくくりたかったのですが、10月ごろからツイッターを始めたせいか、こちらに向かう気分がなかなか起きませんでした。ツイッターは確かに気軽。あまり深く考えることなく、進行中の出来事をレポートできる。対してブログは140文字で済ませることができない、やっぱり少しばかり思考が必要な領域。

色々なことを面倒がってはいけない。もっと丁寧に毎日を生きたいな、と思うわけです。それはとても簡単なようで、やっぱりとても難しい。

今度は芝居について書こうかな。

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07/11/2011

失われた時

行きつけのカフェがどんどんと閉店していく…これはとても不幸な話だ。

私は基本、何かを気に入ると、浮気をあまりせずに、ひいきを続ける男子体質。お店を気に入るのも、人を好きになるのと同じで、あまり理屈はなく、でも人と同じで、そう簡単に好きになれる訳ではない。でも好きになったら、もう生活の一部。それを突然奪われる悲しみは、言葉では言い表せない。

フランスではもちろん、お気に入りのカフェに通うという生活があった。日本に帰ってから、もうずいぶんと時間がたったけど、まず身を寄せた実家の近くにオープンした奇跡的なカフェ。そこは、私が見つけてから3か月後くらいに閉店、オープンしてからもわずかだった。

大阪に移り住んでからも、色々なカフェをめぐるも、これぞ私のカフェ!と呼べる空間にはなかなか出合えず、流浪の民状態が続いていた。カフェもパン屋も、通い続けるためには、家から遠いのでは意味がない。街に出れば、そりゃあ、素敵なカフェでもなんでも世にはあふれているけど、素敵だから居心地がいいとは限らないし、気に入るとも限らない。もし気に入ったとしても、やはり日々の生活圏の中にないと、通い続けることはできない。けっこう難しい問題だった。そして私にとって行きつけのカフェがないと言うのは、塩気のないポテトチップスくらいに味気ない生活を意味する。

今の家に住み始めて、もう6年近くがたつけど、一番好きだったカフェは今年の春が来る前に閉店。最近はあまり通えてなかったけど、久しぶりに行ったある日、オーナーさんが「もうすぐ閉店することになりました」と、声をかけてくださったので、閉店後もメールのやり取りなんかで彼らとはご縁が続いている。

お気に入りのお店がなくなって、悲しんでいた私の前に現れた、これまた奇跡的なカフェ。これはもう一目惚れと言うしかないない coup de foudre だった。それが、今年のまだ暑くなる前だったと思う。それからそのお店に通いだして、幸せな時間を取り戻したも束の間…、涼しくなり始めた頃から、臨時休業の日が増え、とうとう閉店のお知らせがHPでも発表された。最後にお店で時を過ごせたのはいつだろう。ちゃんとお店の人にも、今までのありがとう、の気持ちを伝えたかったな~。こんな形で、プツっとご縁が切れてしまうのは、私のカフェを失ったのと同様に、悲しい出来事だった…。

昨日、フランスからやってきていたフランス人2人と、そんな話をしていた。パリもどんどん昔ながらのカフェが失われて、行きつけのカフェを失う人が多い。standardisation が進み、フランスのカフェ文化も危機を迎えているのだ。どうなるんだろう、これから…。

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25/10/2011

世知辛い世の中で…

今年の夏、たった2年しか使っていないパソコンがだめになって、まあ、だめになったというか、まったく立ち上がらなくなったんだけど、この時期は1年間のうちでも最も仕事にパソコンが必要な時期だったので、今すぐ仕事ができないと困る~と、その日のうちにビックカメラに駆け込んで新しいパソコンをゲットした。

世の中から問題児扱いされていたVISTAとはこうしてお別れをして、発売当時よりもさらに改良が進んだと言われていたWINDOWS7を使う毎日。2年前に買った一般人が誰も知らないようなマイナーブランドの上位機種ノートパソコンと、今回買った一流ブランドのデスクトップパソコンの上位機種は、同じ金額だった、12万。ゆとりのない私にとっては高い買い物だけど、これだけの商品の対価としては、安いといっても間違いではないと思う。私がパリ大の修士課程に籍を置いていたとき初めて買ったノートパソコンは、今からすると超へなちょこスペックなのに、40万円もする代物だった。

ああ、夢のようなパソコンライフ…

と、思ったのも束の間。気づけば謎のシャットダウンやクラッシュは日常茶飯事!いつまた立ち上がらなくなるかもしれない不安の中で仕事をするストレス。WIFIも時々きれたりする。なんで、私ばっかり…と思っていたところ…

昨夜の日付が変わるころ、急にWINDOWS LIVE メールが作動しなくなった。見たこともないエラーメッセージと共に、どうにもこうにもならなくなった。朝方まで、あ~でもない、こ~でもないと、ネット上の情報を参考にしつつ、私なりにやってみたけど、お手上げ。ようやく仕事が一段落して、少しだけゆっくり眠ろうと思った矢先の事。今日は日中約束があったので、仮眠してそのまま外出。でもPCのトラブルが気になって、早めに家に戻り、意を決してメーカーに電話をすることにした。

なんせ私は電話が嫌い。特にカスタマー・サービスに電話をするのが嫌い。こう言ったメーカーは、最近なんでも音声ガイドで、通話料も有料のところも多いし、待ち時間も長い。前もどうしても困ったとき、某プロバイダー屋さんに電話をしたけど、解決までにほぼ2時間かかった。本当に相手はプロなんだろうか?もう一つ別件で、別の通信会社に電話をした時、パスワードが分からないからネット上で手続きができず困って電話をしたのに、音声ガイドは、いろいろ入力させた後に、パスワードを入力しろと繰り返した。分からないからかけてるのに~!もう堂々巡りだ。仕方ないから、全然関係のないセクションに電話をするしかなかった。某有名レンタルビデオ会社は、退会したいけど、できないまま。退会申請のページに進むとエラーになってしまい、お手上げ。仕方がないので、課金がない休会って事で手をうった。今は状況も変わっているかもしれないけど、私が日本のカスタマー・サービスに良いイメージを持っていない理由いくつか。

さて今回は、相談は1件3000円!買ったばかりなのに!1年間は無料って書いてあったけど、こういう分野は別らしい。固定電話を自宅に持たない私は有料の電話番号に電話するしかないし、結局根本的な解決はなかった。待ち時間入れて1時間以上の大仕事…。疲れた。

リモートサービスを受けながら、なんとかメールの送受信だけはできるようになったけど、あとでアドレス帳が真っ白になっていることが判明。その復帰も通常の方法ではうまくいかず、結局遠回り遠回りの手段で、ようやく先ほどもとの状態に戻った。疲れたわ~。

しばらくパソコンの電磁波から解放されたい気分…、だけど、それは現代社会で仕事をする以上、避けられないことだわね。せめて、今日は夜まで仕事がないので、今までの分寝だめしてやる~!

サービス大国ニッポンなんて言われていたのは、もう過去の事になってしまったのだろうか?電気製品はどんどんチープ感を増しているし…、お隣の国に抜かれても当然なのかな、もう…。

ところでVISTA、ずいぶんあとですが、パートナーが蘇生手術をしてくれて、生き返ってます。何事もなかったかのように…。なんてこった。

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20/10/2011

おもろすぎる

1024_700_2今期の朝の連ドラ”おもろすぎる”。最近の朝の連ドラは、あおいちゃんの「純情きらり」を見たくらいやったけど、前の「おひさま」を”おもろくない”と言いつつ全部見てしまい、次はどうしようか…と思っていた。でもやっぱり舞台が大阪ってこともあって、ちょっと見てみると、これが”おもろすぎて”、これは半年余裕で見れそう!むしろ、毎日見るのがめっちゃ楽しみ。

前のは主演の真央ちゃんや樋口可南子さんがきれいやし、見始めるとやめるきっかけがなくて、なんとなく見てしまったんやけど、ストーリー自体はしんどかったな~。関西の人間にとっては、あのゆるりとした丁寧すぎる言葉のやりとりが、なんとも物足りなくて、もっとパンパンパ~ンと、しゃべって、笑って、時には怒って、どんどん展開していってほしい訳だ。

幸せだね~、はい、幸せですね~、本当、幸せだね~、みたいな、会話が続くと、関西人はウッキ~っとなってしまう(私だけ?)。信州ってあんなええ人ばっかりなんやろか?

その点、今度のはええわ!ばんばん言いたいことを言って、泣いたりわめいたり。”おとん”もなんとなく頼りないくせに、根拠なくえらそうやし、あのちゃぶ台ひっくり返しそうな感じ、なんか懐かしいなあ。

昔は良かった!
NHKのドラマを見てると、そう思う事が多い今日この頃やわ~。

普段、関西弁で文章を書くのは苦手ですが、今日はそれっぽく書いてみました。以下は通常バージョン。

ところで、この「おひさま」のテーマソング。毎日毎日聞かされていたので、私も毎日のように口ずさんでいたのに、もう忘れてしまった。ゆっくりと記憶の糸をたどっても、今、出てくるのは新しい「カーネーション」のメロディばかり。恐るべき頭のリセット機能だわ。あまりに気持ちが悪いので、今 you tube で確認した。一応、すっきり。

そういえば昨日、県民の特性をあばく番組の再放送で「しょっぱい」と言う言葉がテーマになっていた。私のパートナーは関東の人。最初のころ、私が「からっ」と言うと、「辛くないよ、しょっぱいでしょ?」と冷静に訂正された。

「しょっぱいだと???」

関西の人間にとっては、「しょっぱい」って言葉は聞けばわかるけど、自ら使う言葉ではない。粉もんはきらいと来てるし、関西人はボキャブラリーが貧弱とも言っていたな、確か…。頭の固い彼のために、ここは私が100歩譲って、塩辛いときには「しょっぱい」と言ってやることにした。日仏にしても、東西にしても、異文化交流は違いを受け入れることから始まるとも思うわけで、譲り合いは大切かと(笑)。

今でも少し気を抜くと、「からっ」って言ってる私に気づくけど…。笑い重視の生活の中で、私は根っからの関西人…と、日々自覚を深めています。

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02/10/2011

なので…

気づけば、もう10月…。もう言い飽きたけど、本当に早い!日本にとっても、私個人にとっても「忍」だったこの1年も、ようやく?もう?終わりが見えてきた。今はともかく、2012年が素晴らしい年になってくれることをひたすら祈るのみ。

ところで、このブログもずいぶんと長い間ほったらかしになっていた…と今、気づいた。まあ、珍しいことではないけど(笑)。9月は、来年の旅の準備に翻弄されて終わってしまった。もちろん日常業務をやりつつ、どちらかというと日常業務も忙しい9月、+3つの旅の準備…だったので、本当に睡眠不足で、疲れ果てた1ヶ月間だった。

ようやくすべてのお宿を確保して、第1段階は突破。終わってみて言えることは、もう2度と夏の南仏にはグループでは行かない!って事だろうか。またいつか母がラベンダーの咲いている時期に南仏に行きたいと言ったら、例外的に行くつもりだけど、その時は2人で…、もうそれ以外に夏の南仏には足を踏み入れることはないはず。

今回の宿の手配、途中、怒りすら感じる難しさだった。たぶん2人旅なんかだともう少し楽にとれるんだろうけど、グループで南仏周遊ともなれば、1ヶ所に長く泊まることは不可能。シングルの希望者が多くて全部で5~6室、2泊でお願いします、な~んて言っても、返事すらよこさないところがほとんどだ。もちろんむこうにしたら、ハイシーズンに何を言ってるんだ!!!ってところなんだろうが、返事くらいよこせ!

南仏にはひいきにしている宿が2ヶ所あるので、そこは難なく部屋を確保できた。でも部屋数の少ない宿にとって宿泊予約の調整は、私のやっている仕事の調整と同様に難しいのだろうとわかるだけに、無理を言っている私も心が痛む…。

返事すらよこさない宿は、本当に不愉快だ。サービス業のサの字も理解していないようなそんな宿、金輪際利用しない!なんて私がいくらここで吠えてみても、ハイシーズンの南仏は、どれだけ料金を高くしても客の切れ目なく満室が続くのだろうから、反省する必要もないのだろう。

もともと夏が大嫌いなのに、咲いてるラベンダーを見たい!なんてちょっぴり色気を出したものだから、こんな事に…。人間欲を出すとろくな事はないようで…。まあ夏の南仏はそう簡単ではないと思ったけど、11月の京都の宿探しに匹敵する困難さだった。

なので…、せめてラベンダー街道を行く日は、快晴に恵まれますように。どうかそれくらいのご慈悲を~、神様、お願い!

ところで、この「なので」という言葉、私が今一番TVで聞いててイライラする言葉の1つだ。私くらいの年齢以上の人たちは、この「なので」という言葉が連発されることに違和感を感じていると最近何かの記事で読んだ。道行く若者だけならともかく、NHKのアナウンサーまでもが何食わぬ顔で使っている。

もちろん言葉は生ものなので、使っていく人が増えれば、それは正しい言葉になっていくのだろう。けど、今は耳障りだなあ。

先日新しくなったPCにおまけの辞書がついていて、百科事典の項目の中に「問題な日本語」というのがあった。それでさっそく「なので」を検索してみると、こんなんが出てきた。面白いので載せておこう!


なので

[質問]近ごろ、「…。なので、…」と説明を進めていく用法が耳につきます。「なので」をこのように使ってもよいのでしょうか。

[答え]最近、「だから」と同様に、「なので」を文の先頭に付けて前の内容を後ろにつなげる言い方(接続詞の用法)がされます。インターネットで検索すると、「SSRIは以前の抗鬱薬と同様、薬効発現までに一~二週間かかります。なので、最低、二週間は飲み続けてみる必要があります」といった用例がヒットしますが、小説や新聞のデータで検索すると、ほとんどヒットしません。話し言葉では、徐々に使われてきているが、文章語としては、まだ定着していないことがわかります。
 「だから」や「ですから」があるのに、どうして「なので」が新たに使われるようになったのでしょうか。
 「だから」「ですから」は「から」、「なので」は「ので」を含む語ですから、この「ので」と「から」の違いを反映させようとしたのだと推測されます。「ので」と「から」では、「ので」は客観的で「から」は主観的だとか、「ので」の方が少し丁寧だとか言われます。「だから」では、理由をごり押しする感じがするが、「ですから」では、畏まり過ぎるか気取り過ぎる、というので、「なので」の出番となったのでしょう。
 「だから」の「だ」と、「なので」の「な」は、もともと同じ断定の助動詞の異なった形だと考えられます。断定の助動詞に由来する接続詞は、「だから」「だが」「だったら」のような「だ」の形のものは多いのですが、「な」の形で始まる接続詞は多くありません(「なら」と「なれど」くらいです)。ところが、少し前から、「あなたは今、あの片眼の百姓が――あなたのために――死んだということを知っておられる筈だ。なのに何故、こんな静かさを続ける。」(遠藤周作)のように、「なのに」を接続詞として使うようになってきました。
 「なので」は、この「なのに」に引き続いて、接続詞化を進めていると言えるでしょう。さらに、「な、わけないだろ」とか、「な、こと言って」のような「な」の用法も控えています。
 「なので」が接続詞として使われ始めたことにはしかるべき理由が感じられますが、現時点では違和感を感じる人もいる新しい用法であり、使用には注意が必要です。改まった場では、「ですから」などを使うほうが好ましいでしょう。(矢澤真人)

[ポイント]「なので」を接続詞として使うのは新しい用法であり、現時点では、改まった場では「ですから」などを使うほうが好ましいでしょう。

問題な日本語より引用

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22/08/2011

血の婚礼

面白い演出でした。
でも、この100分間、降り続く豪雨はどこへ?
循環式でしょうか?
7トンの水って書いてあるけど…。

ただ、この映像では気にならない雨の音も、現場ではかなりうるさくて、頑張っている役者さんの声が、ほとんど聞えないという難点が…。

私が10列目でこれだから、後ろの人たちは何を言ってるか、ぜんぜんわからなかったんじゃないかしら???

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09/08/2011

魅惑的な夜の空間

NHKが 宇宙チャンネル なるサイトをオープンした。このプラネタリウムのページ、気に入っています。私の好きな濃いブルーの世界が広がり、感傷的な音楽と共に、星空を案内してくれる。

深夜に部屋の明かりを消して、全画面表示にして見ると、ここがプラネタリウムになったような、そんな petit 夢見心地に…。
(星座の名前や線の表示も消せます)

小さい頃は、駅前の本屋さんに行くと、まず座り込んで見入っていたのが、宇宙図鑑。神秘的な色合いと、限りなく広がる未知の世界に心を奪われていた。きっとこのころから私は夜生きる運命だったのではないかと思う。

母に連れて行ってもらった、プラネタリウムも楽しかったなぁ。最近、また久しぶりに本物のプラネタルムに行きたくてたまらないのだけど、8月はどこも小学生だらけだろうか。

少ないお小遣いで買った大きな星空の蓄光ポスター。眠りにつくのが嫌いだったけど、あれを眺めるのは幸せだった。あれ、どこにあるんだろう。実家の倉庫かな。

絶対に誰にも解き明かせない謎だらけの宇宙は、私たちが生きている間に、あとどれくらいの事がわかるのかな。ああ『銀河鉄道999』が見たくなってきました。

coming soon の星空カメラにも期待しています!

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05/08/2011

マナーは大切

Catofk2w2お気に入りの車内広告です。

フランスに住むフランス人達からは、いつも日本人のマナーの良さをほめてもらう。でも日本に住むフランス人は、日本人の実態を知っているので、そんなことは口にしない。

日本人って、マナーの良い人と悪い人の差が激しくないだろうか。

私は特に電車に乗り込む瞬間に、いつもうんざりしてしまう。ホームに入ってくる列車の前、最初は停車位置になんとなく列が出来ているものの、扉があくまでの数秒間の間に、皆じりじりと白線ににじり寄ってきて、扉が開いた瞬間に、一斉に私を超えて、車内に散らばって行く。

私がどんくさいだけなんでしょうか?

でも空席を狙うハイエナのような醜態、見ていて気持ちのよいものではないなぁ。それにそんな人たちは、自分の子供たちにどんな教育をするんだろう…。

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26/07/2011

お気に入り

Sn3s0148めったに紅茶を飲まない私ですが、何かと利用する機会の多いスタバで、最近気に入っているラベンダー アール グレイ ティー ラテ。おうちでも飲めるように購入してしまいました。

お店で飲むと少し甘いので、家では砂糖は入れません。ミルクも少し少なめに。

ほのかに香るラベンダーの香りに、南仏の仮想旅行を楽しんでいます。

今まで一緒に南仏を旅した人達もみんな一様に 【ラベンダー=南仏】 となっているようで、思い思いにラベンダーを楽しんでいるようです。

来年の旅のプランがまとまり、あとは詳細をつめていくだけ。いつも気が早いのだけど、今度はあまり行かないニース周辺にも5月に滞在予定で、この時期はカンヌ映画祭や、モナコグランプリなんかもあるから、早めの予約が必至かと…。

ほとんど死にかけのPC、今夜は機嫌よくまだ動いてくれてます。いつフリーズするかわからない恐怖の中で仕事をするって、けっこうストレスです。でも新しいPCの購入をまだ決断できないし…、お茶でも飲んで考えます。

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10/07/2011

直島

Sn3s01410001私が初めて直島に行ったのは1994年。こんな草間さんの作品はまだなく、まだ建築を学んでいた余韻が強く残っていた頃だったはず。最初は国際キャンプ場にあったパオに宿泊、そしてその後、安藤忠雄氏設計のベネッセハウス、ミュージアム棟に2回…と、1年の間に立て続けに3回も行ったのだ。

よほど気に入ったんだと思う。オープンしたてのそれらは、今のように一般誌で語られることはまだ少なくて、でも建築雑誌やアート誌が、こぞって特集を組んでいた。当時、まだ安藤作品のファンだった私は、その美しい写真が見せる空間に吸い込まれていた。

フェリーから島が見えてきた時は、若干不安になる。銅の製練所から出る亜硫酸ガスのせいで、緑もまばら。風光明媚と言う言葉からはほど遠い物悲しい風景。でも港から南の島半分は、国立公園にも指定されているほど、穏やかに豊かな自然が広がっている。

P1000946静かな海の音、クラシックな田舎の風景、そして安藤忠雄が創り出した整然としたコンクリートの空間。この非日常的なコントラストに私はすっかり魅せられてしまった。

あれから膨大な時間が流れた。神戸で地震に遭い、パリで暮らし、パリで学び、帰国して今の仕事を立ち上げ、毎日仕事に追われ、それでも毎年フランスに行くことに執心している中で、正直、直島は遠い記憶の出来事になっていた。

でもここ数年、パワーアップした直島の名前を聞く機会も増え、その度に思い返していた。あの幸せな時間を。そして久しぶり行ってみた。相変わらず、普通列車を乗り継ぎ、片道4時間半の旅。

人は増え、施設はますます充実し、レストランもずいぶんと美味しくなってたけど、私の思いは変わらない。今回の旅の仲間たちと心行くまで愉快な話をして、美味しい料理を堪能し、何もしないのんびり旅。そしてまた近いうちに必ず行こうと心に誓った旅だった。他にも素敵なところはいっぱいあるけれど、やっぱり私はここが好き…。

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P1000951今回は大好きなミュージアム棟ではなく数年前に出来たパーク棟での宿泊でした。こちらは全体的に木のぬくもりを感じるデザイン。

神戸にいた頃作っていた個人誌 COMME CI, COMME CA (1994年5月30日発行分)に、直島への最初の旅を綴っていたので、今回の再訪の記念にコピーしておきたいと思います。

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よく晴れた春の連休に、私は小さな旅に出た。目的地は瀬戸内海に浮かぶ島、季節はずれのリゾート地、直島…。

岡山駅から各駅停車の電車に揺られること約50分、宇野という駅につく。そこからフェリーで約20分、三菱マテリアルの製練所が見えてくる。この施設のせいで、この島の緑はあまり豊かではない。フェリーから降り立つと田舎くさい港町の風景が出迎えてくれた。それはこれから目指すリゾート施設のイメージとはずいぶんかけ離れている。資料請求をし、送られてきた美しいパンフレットの中には、こんな風景はなかった。本当に私の求めているリゾートが、こんなところにあるのだろうか…。

そもそも私がここを訪れようと考えたのは、建築家の安藤忠雄氏が手がけたホテル、ベネッセハウスがあるからだった。実は、私は彼の大ファンなのである。彼の考え方や創り出す空間がとても好きなのだ。このプロジェクトを展覧会や作品集で見て、とても興味を持っていた。直感めいたものさえ感じていた。私はきっとここを気に入るだろう…と。

直島文化村は福武書店が開発を進めてきたリゾートプロジェクトで、直島本島の約3分の1を占め、福武のコレクションを展示するコンテンポラリー・アート・ミュージアムを含むホテル、ベネッセハウスと国際キャンプ場、そしてマリーナ等で構成されている。国際キャンプ場の宿泊施設には家型テントとパオがあり、今回私は予算の関係上パオに泊まったのだが、それはそれは快適でユニークな体験だった。

私が訪れた3月は確かに季節はずれだったのだろう。まだ海は冷たく泳げないから人々がここを訪れる最大の目的は果たせない。とにかく閑散としている。走り回る子供たちが数人と、従業員がパラパラ、そして人懐こいごん太(犬)がいるだけである。しかしそれが何よりも私がリゾートに求めるものだ。私の中にあるリゾートと言う言葉のイメージは、決して照りつける太陽の下、汗ばみながら水着で寝っころがる…というものではない。むかし読んだ村上春樹の短編小説の中に出てきた季節はずれのリゾートホテル、長期滞在者のための図書室があり、人がいない。雨ばかり降り退屈なので図書室へ行き、そこで風変わりな女性と出会うお話し。または映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」でデニーロが初恋の女性を連れていく高級ホテルのシーン。貸し切られた豪華なホテルのレストランで、自分たちだけのために与えられる洗練されたサービスを満喫する。ためいきが出るようなリゾートぶりである。まあ、私に味わえるリゾート感はせいぜい村上春樹の小説どまりであるのだが…。.私ならリゾートでは何もせず、精神を解き放つことのみに専念する。唯一することは、用意された食卓につき、美味しいものを食べることのみ…。

P1000958この直島での時間は信じられない程にゆっくりと過ぎて行った。文化村と言ったって、自然以外に何もあるわけではない。お金を使って遊ぶ所などないに等しい。福武書店の企業哲学であるらしい Benesse とは「よく生きる」と言う意味のようだが、この精神は文化村のコンセプトにも十分に反映されているようにも思う。何もない、その事に価値を見いだせる人でないと、ここの良さは分からないだろう。知った人のいないこの土地の、誰もいないプライベートビーチで、まだあまり高くない太陽に照らされてきらきら輝く海をただ見つめているだけの事が、こんなにも豊かな気持ちを与えてくれるのだ、と再確認をした。私だけのリゾート…。

写真家、緑川洋一が撮り続けたこの瀬戸内海をこんなにもゆっくりと見つめたのは初めての事だが、とても日本的で、禁欲的な美しさを感じた。彼のスタイルはあまり好きではないのだが、彼のこの風景への愛着は理解できるような気がする。

おみやげは海辺で拾った小さなアサリの貝殻が3つ…。

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当時撮っていた写真はスライドでデジタル化してないのと、今回はお天気に恵まれなかったので、お見せしたいもの2つをサイトからお借りします。

Page_photo1_2
大好きな風景 瀬戸内海に浮かぶ大槌島 直島から

Title1_photo1
お気に入りのミュージアム棟 ベネッセハウス

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09/07/2011

さびおま

今年は例年にも増して観劇イヤー。2010年末からけっこう芝居づいているのだけど、2月には「ろくでなし啄木」「時計じかけのオレンジ」を観て、3月には「金閣寺」、4月は「国民の映画」「港町純情オセロ」。どれもはずれなく、すごい役者揃い、良い芝居に恵まれている。特に「国民の映画」は、さすがに三谷幸喜が自身の生誕50周年を祝うために力を注いだ作品だけあって、見応えがあった。

Sabioma少し間が空いて、今週いよいよ私の夏の演劇祭がスタート。6日(水)の「淋しいのはお前だけじゃない」で幕を開け、9月までに大人計画の「サッドソング・フォー・アグリードーター」、新感線「髑髏城の七人」、「太陽に灼かれて」「血の婚礼」「クレージーハニー」の6作品が控えている。

さて、この「さびおま」、昔の人気TVドラマの舞台化らしい。今回もその程度の予備知識でやってきた。開演の10分くらい前に席について、舞台を見渡す。今回は前から7列目のほぼ左通路側。でも高さが十分にあって、全体をしっかりととらえられるので、端であることはまったく気にならない。

開演の5分前くらいに、真横の扉が開いて、入ってきたのはなんと主演の中村獅童。ビックリしたなあ〜。そのまま私の背後付近の空席に腰を下ろしてしまった。ち、近すぎる〜!最近、こういう、あらかじめ客席に役者を仕込む演出多いね。でも開演直前のざわついたホールでは誰も彼の存在に気づかない。隣のご夫婦が驚きながら握手を求めてたくらいで、他の人はまったくと言っていいほど気付かず…。直前に駆け込んできた初老の男性は、自分の座席につくために「すみません」と、彼の前を通過。まさか自分が声をかけて通路を空けさせたのが、今から観る芝居の主演俳優とは思わないよね。けっこうこの状況が面白くて、私はニヤニヤと気持ちの悪い顔をしてたに違いない。

そのうち彼の小道具の携帯電話がなり、それに応えるところから芝居は始まった。

肝心のお芝居は、もちろんよく出来ていたし、とても面白かった。連帯保証人として急に不本意な借金を背負わされた借金取りの男が、自分がこれまで取り立てをしていた人達と共に大衆演劇一座を立ち上げて、なんとかお金を工面しようと一致団結していく人情ドラマ。まさにthe 昭和な感じのストーリー。

夏の演劇祭の幕開けとしては素晴らしい作品で大満足。キャストもなかなかに豪華だったしね。

平岡祐太はTVで見ていて、アイドル俳優かと思っていたけど、けっこうちゃんと声も出てるし、背が高いので舞台映えもするし、演技もベテランに負けてなかったょ。ギターの腕前も披露!今後の彼にも期待したいわ。

大衆演劇の大スター、大川良太郎はやっぱりすごい迫力。毎日舞台に立っている人は違うというか…。役者の色気がムンムンで、彼のおっかけ(年齢層やや高し)が大量にやってきていた。宝塚ファンに匹敵するような殺気を感じるわ。おひねりが飛んだり、お札の輪っかが首にかけられたりしてたけど、あれは芝居の仕込みなのか、本物なのか…。いや、きっと本物だと思う。だって、芝居がはねたあと、カフェでお茶を飲んでいたら、彼のおっかけマダムが、ライバル達の行動を仲間に電話報告していたもの。あ〜、こんな世界が本当にあるのね…と、しばし感心しながら、聞き耳をたてていた。

もちろん主演の獅童さんも、さすが舞台役者(歌舞伎役者と言うべきか?)!初めて見たけど、彼の渾身の演技にはみんな惹きつけられていたと思う。なるほど、もてる男なわけね。

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02/07/2011

夏到来

Aso_004 今日から第98回目のツール・ド・フランスが始まる。これが始まると、あー本格的に夏だなって思う。もう最近の選手の動向には以前のように敏感ではないけど、それでもワクワク度は今も同じ。夏を大嫌いな私が、夏を迎えるための唯一のモチベーションと言っても過言ではない大切なイベントなのだ。

今年は大会史上初めての黒人選手が出ることでも話題になっている。昨日、各エキップの紹介が行われた時、大歓声で迎えられたグアドループの選手。活躍を期待しよう!

陸上なんかは黒人選手が優勢の世界。でも自転車と競泳はまだまだ黒人選手が少ないのだよね。

それに対して、すごいブーイングだったのは、コンタドール。奇跡の復活をとげたわりに常に悪いうわさもちらほら。でもちょっと可哀そうだったけど…。

とにかく夏開幕。ツールを追いかけながら、まずは7月を乗り切ります。フランスもヴァカンスに向けて皆が動き始めましたょ。私はこの週末、大好きな島に行ってきますね。

(写真は懐かしの時代のものをネットから拝借です。ヴィランクとインデュライン!)

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07/06/2011

旅が好きなわけじゃない

先日ふと夜中に、インターネットの検索で目に付いた”姓名判断”をやってみた。その結果で、おもしろいな…と思ったのは”将来の落ち着き先”。家族の分も全部調べたところ、みんなそれぞれに”北北西”とか具体的な方角が出たんだけど、私だけは”根っからの旅人”と出た。将来、どこにも落ち着けないってことだろうか。せめてSDFでないことを祈るわ。

思い返せば、神戸で就職をして親元を離れてからと言うもの、私の人生、移動が多かった。それまでは、”父の転勤”と言うのがない生活だったので、ずっと同じ所、同じ環境にいるのが退屈だったこともあったけど、移動が始まれば、それはそれで嬉しいわけじゃない。

最近では旅をしなければならない機会も増え、知らない土地に行ったり出来るので、羨ましいと言われることもある。でも旅をすればするほどわかってきたことは、私は決して旅が好きってわけではないこと。

本当に旅が好きな人って、行ったことのない所に新しい経験や発見を求めて、過酷な条件をもろともしない感じがする。私はどちらかと言うと、家にいるのが好きな猫型。自分のテリトリーをうろうろして、お気に入りの場所で丸くなってるだけ。だから知らない土地に連れて行かれる時はドキドキする。

フランスはもはや私にとっては第二の故郷。だからそこへ赴くことは、旅ではなく里帰りのような気分。今年は里帰りができず、なんだか調子が狂う。でもそこは猫故、旅支度をしなくて良いのも気楽なような…。

今年はフランスに行かない分、国内の小さな旅がいくつか控えている。それも新しい発見を求めていくものではなく、よく知っている好きな場所を訪れる癒し系旅。久しぶりに訪れる大好きな瀬戸の島、晴れてくれるといいのだけど…。

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23/05/2011

belle continuation !

カンヌが終わって、ローラン・ギャロスが始まったフランスは、1年で一番良い季節を迎えた。今にでもフランスに飛んでいきたいところだけど、それは来年までおあずけ。そんな中、またアイスランドの火山が大噴火をおこしている。去年ほどではないにしても、忘れたころにまた…。そう言えば、去年の春の旅は、出発日ぎりぎりまで火山雲の影響を懸念していたんだった。日本の旅行業界も何かと大変なこのご時世だから、去年のような混乱は起きないでほしい。

19733681_jpgr_160_214b_1_cfd7e1f_jpところで、カンヌ、主演男優賞を私の愛しの人、ジャン・デュジャルダンがとりました!あ~、嬉しい限りだけど、これで彼はますます大スターになること間違いなし、だろうな。

OSS117①でも共演した彼女と再共演。この美しいポスターからは想像できないコメディの白黒無声映画のようで、どんな作品か早く見たい。

FRANCE2の20hでジャーナリストが、順調なキャリア、今回の受賞、次はハリウッドですか?なんて下世話な質問。いやいや僕はここがいいし、フランスでまだまだやることがあるしね…、ハリウッドなんて考えてないよ。でもオファーがあったら pourquoi pas ... って…

え~、やっぱり興味はあるの???

ジャン、お前もか。ファン心理は複雑なのですょ。彼には英語なんて話してほしくないし、ハリウッドからのオファーになんて、目もくれてほしくない。これからも the フランス人でいてほしいわ。

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30/04/2011

アンジェリック (angélique)

Fr110420emangelica先日のフェットでアンジェリックのコンフィチュールを景品として提供した。前に教室でもアンジェリック入りのチョコレートも皆に体験してもらった。その度に受けた質問「アンジェリックってなんですか?」

このブログでも何度か紹介したフランス西部の街、ニオール(Niort)。取り立てて見るものもない街だけど、優しいご夫婦の招待で今では渡仏の際には必ず行きたい場所の1つ。アンジェリックは、その街のいたるところで見られる「セイヨウトウキ(西洋当帰)」別名アンゼリカの事だ。太い茎は砂糖漬けにされ、菓子のデコレーションに使われるので、そう言うとわかる人も多い。ただし日本で使われているアンゼリカは、日本に自生するフキを代用したものがほとんど。

このアンジェリック、正直なところ私はその味と香りが苦手。ニオールではこのアンジェリックが特産品で、アンジェリックのお菓子、チョコレート、リキュールなどがあり、ハーブとしても重宝されている。効能は多岐にわたるけど、特筆すべきは女性ホルモンに働きかける力があるという事。

L'Occitaneがそのアンジェリックをフィーチャーした新しいアンチエイジングのシリーズを新発売した。私もお肌の衰えが気になるお年頃なので、ちょっと興味が…。口に入れるのは抵抗があるけど、肌には味覚がないからね、なんたって「魔女の霊薬」らしいから…。

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26/04/2011

à la recherche du temps perdu

Caw9dih5震災以来、なかなか愉快な気分にはなれず、TVでニュースや被災者の方々の話を聞くたびに泣いてばかりの日々だった。仕事も健康もあまりいい状況ではなく、なんとなく、ただなんとなく、そんな風に過ぎてしまった3月。

その間、40人近くのフランス人の友人、知り合いが何度も色々なお見舞いのメールを送ってくれた。1人1人に、私の言葉で状況を説明し、被災者への寄付のお願いをし、周りの人にもそれを呼びかけてほしいと伝えた。彼らは真摯にそれに応えてくれた。遠く離れた日本の事を思ってくれる心、本当にありがたい事だった。

まったく知らないフランス人からも共通の知人を通じて連絡が入り、陸前高田市に住む友人の安否を確かめてほしいと頼まれた。海辺にあるその人の家は絶望的だったけれど、どうやら生きているらしいと言う事がわかり、それを伝えた数週間後、本人と連絡が取れたと感謝のメールが届いた。生きていてくれて本当によかった。

4月になっても気分はあまり晴れなかったけれど、それでも桜は咲いていた。例年の通り、美しい花を咲かせていた。母の庭のチューリップもきれいな花を咲かせている。

あの日からもうすぐ49日。被災者の人達も前を向いて歩きだそうとしている今、私も心の喪章をそろそろはずそうと思う。直接被災していない人々の心にも大きな影を落とした今回の出来事、一生心から消えることはないだろうけど、だからこそ毎日を精いっぱい楽しく生きなければいけないのだと改めて思う。来年、また必ず元気にフランスに行くこと。今はそれを楽しみに私も前向きに生活をしたい…。

Ca39rim9パートナーが安くなっていたホームベーカリーを買ってきてくれた。場所を取るから絶対にいらないと言っていた私だけど、あるとそれなりに嬉しくてさっそく焼いてみた。誰にでも苦労なくきれいなパンが焼けるから、お料理上手になったような錯覚を覚えるわね…。また危険な炭水化物生活が始まりそう。

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14/03/2011

pensée solidaire

本当に、恐ろしい事が起こってしまいました。
第一報を知った時、手が震えて止まりませんでした。
家に戻り大惨事の様子を映像で見るにつれて、身震いと涙が止まりませんでした。
そんな状態を抜け出したくて、 友と会い、笑い話もしてみました。
でも週末、ずっと増え続ける犠牲者の数、次々と映し出される映像を見ながら、何か私にも出来ることはないか…と考えてみました。

こういう時、何か楽しむことをしたり、笑う事が罪のようにも感じられます。
でも元気な人たちは出来る限り普段通りの生活をして、日本の経済活動を支えていかないといけないと思いました。
被災者の人たちを支えるためにも、戻る場所を用意するためにも、日本が元気でないと、総倒れになってしまいます。

自分が神戸で被災した時は、避難所で数日過ごした後、実家に戻れるチャンスがあり、電車を乗り継いで乗り継いで 北周りでようやく大阪に到着した時、人々が笑い、普段通りの生活をしている事が信じられませんでした。
それはそれはショックでした。

でも今日の私はそう思うのです。
頑張っていっぱい仕事をして、自分に出来る限りの義援金を寄付したいと思います。
そして、私の周りの人にも積極的にそれを呼びかけていきたいと思います。

先ほどグーグルの特別サイトを通じて日本赤十字に1回目の寄付をすませました。今年もパリに行ったと思って、出来る限りの事を続けたいと思います。

皆さんもできれば、各自信頼できると思う機関を通じて、寄付をしてみませんか?
そして周りの人たちにもそれを呼びかけてみてください。

もちろん寄付だけがすべてではありません。
ボランティア活動をする人もいるでしょう。
献血センターには大勢の人が列をなしたとも聞きます。
節電も必要なようです。
そして、被災した人の話を聞いてあげることも大切だと思うのです。

私は、大阪に戻る途中、京都の田舎にある親戚の家で1泊したのですが、義理の伯父が泣きながら抱きしめて迎えてくれた事、今でも忘れることが出来ない瞬間です。
泣きながら「無事でよかった」と言ってくれたこと、そしてその晩に頂いた温かいお風呂とご飯。まだ避難所にいる人たちの事を思い、自分だけがここにいることに罪悪感さえ感じました。でも伯父や伯母のもてなしが、本当に心にしみたのです。

なんでもいいから、出来ることを無理のない範囲で、各自取り組んでいきましょう。
私なんかが言わなくても、皆さんきっと色々と考えておられると思いますが、何か書かずにはいられなかった。

皆さん、きっと思いは同じでしょう。

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04/03/2011

声の記憶

ドラマ黒田康作、いつも仕事をしながらテキトーに見てるんだけど、その時ハッと惹きつけられた声。よみがえる懐かしい記憶。

高校生の母親役として出ていた彼女は、あすなろ白書で「たもっちゃ~ん」と甘ったるい声を出していた、はすっぱな彼女だった。まだ役者やってたんだ。そう、筒井道隆演じる掛居の手を、フォークでブスっとやった女…。すごかったね~。

1993年に放映されたこの番組以来、私は彼女を見たことはなかったけど、この声だけはしっかりと私の記憶に刻み込まれていた。ホント印象的な声。

ふっと、若い日に引き戻された深夜2時です。

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01/03/2011

cravate noire

Ca4no9gr_2昨年パリのサン・シュルピス広場で、私が2回見かけた、この人が!俳優のヴァンサン・ランドン。向こうでは作品数もめちゃくちゃ多い有名な俳優だけど、日本ではほとんど知られてないんだろうな。

昨日のフランスのニュース番組に新作の宣伝に来てたんだけど、この時やっぱり気になったのは、彼の黒いネクタイ。黒いスーツに黒いネクタイって…、それにしてもすごいコーディネート。

フランス人て本当に黒いネクタイを日常的に利用する。私にはどうしてもこの黒いネクタイは、喪服用にしか見えないんだけどな…。

黒はフォーマルな色だから、黒いネクタイは何時でもOKなんだろうか?日本ではやっぱり葬祭時のイメージが強いのか、普段黒いネクタイをしている人って少ない気がするんだけど。

このヴァンサン・ランドンも新作の宣伝と言うよりは、同僚の俳優の追悼にでも出てきた感じではない?

そう言えば、今日久しぶりに鍋をダメにした。真っ黒焦げ焦げで、あのまま気づかなければどうなってたんだろう…と、ぞっとする。なんか、くさい、くさい!焦げくさい!!!と部屋を嗅ぎまわってたんだけど、蒸し鍋の水がなくなって、真っ黒焦げになっているとはね!!!びっくりでした。気をつけないと…。これをきっかけに欲しかった新しい鍋セットでも買おうかな。


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19/02/2011

des nouvlelles

新年のあいさつもすまないうちに、もう2月の終わりが見えてきた。あいかわらず、恐るべき時間のスピードだ。年末の12月24日にフランスから帰国してからの私は、しばらく筋力が衰えた宇宙飛行士のように、自宅の床暖にへばりついて暮らしていた。フランスにいた3週間は、よく食べ、よく歩き、1週間あたり約60kmを踏破。そんな事が嘘のように家の中をうろうろするだけの日々。食欲だけは相変わらず落ちることなく、3年前のダイエットがむなしいほどにリバウンド中。年が明け10日ほどして、ようやく本格的社会復帰。今度はアドレナリンが出っぱなしみたいに歩いてみたり…。そんな日々がしばらく続き、今度はあり得ないくらい仕事が立て込んできて、また外出できない、夜中PCに向かいながら夜食にふける日々。あ~、よくないな。このムラ。

昨年はフランスでも日本でもそれほどまめに劇場に足を運ばなかった。それが年末からけっこう立て続けに芝居づいている。「ファントム」「ジャンヌ・ダルク」「ろくでなし啄木」「時計じかけのオレンジ」を観て、これから春までにに「金閣寺」「国民の映画」「港町純情オセロ」が控えている。今年は例年になく演劇イヤーになるかもね。久しぶりに小栗旬の舞台を見たけど、やっぱりあの人はこういうエキセントリックな役が一番似合ってる気がする。内容は映画に忠実なだけに、同様に不愉快、でも演出はかなり面白かった。それにしても時代が忘れかけていたこの作品をよく舞台化しようと思いついたものだ。アンソニー・バージェスが1962年に描いたこの世界は、その後、正確にトレースされて、現代に至っているのが怖い。ある意味、予言小説のよう。若い時に見て、なんだか分からなかったこの作品を、今回の舞台をきっかけに見直してみるのもいいかも。目を覆いたくなるほどの残酷さ、笑えるくらいポップな60-70年代のデザインワールド、そんなことくらいしか覚えてないのでね。

毎日、色々な事が起こって、なんで?とか、おかしいやろ!とかつぶやきながらもニュースやワイドショーだけは必ず見るようにしていた。でもニュース番組でとりあげるワイドショー的なトピックや、ワイドショーの右へ倣えな番組構成、そしてコメンテーターの発言には正直もううんざり。私ひとりが何をどう思ったって、世の中は悲しいかな、何一つ変わらない。考えれば、考えるほど、むなしさだけが残る今の日本。だから最近はフランスのニュース番組ばかり見てしまっている。

TVと言えば最近一番びっくり、というか笑ったのがNHKの「江」。信長に可愛がられた姪っ子「江」を上野樹里ちゃんが演じているのはご存知の通りだけど、本能寺の変が起こった時、彼女はなんと9歳。なんだかずいぶん子供っぽいな…、やっぱり「のだめ」が体から抜けないのか???なんて思ってたけど、9歳の役をあんな長身の彼女が演じていたとは…。かなり衝撃的だった。今後、江の成長と共に、彼女がどう変身していくか、楽しみ…なような、どこまで見続けられるかどうか…。豊川さんの信長と、市村さんの光秀、よかったもんな~。彼らを失った今、少しモチベーションが下がったのは確か。

一時の早寝早起き習慣がとうとう終わりを告げて、再び深夜族の私。深夜、仕事のストレスがたまってくると、ふと、こういうのを聞きたくなりますな。

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24/12/2010

帰国

P1000745結局やっぱり一睡もできず、荷詰めと掃除で朝を迎えてしまった。マガリを見送ったのがもう0時過ぎだったし、あっという間だった。困った事もたくさんあったお部屋だったけど、3週間どうもありがとね。もう二度とここに戻ってくる事はないけれど、やっぱり関わった場所ってのはそれなりに愛着がわくものでして…。

Kさんの親切で東京に帰るお客さんの送迎に私も乗っけてもらう事になって、まず私のところにピックアップに来てくれたんだけど、それがなんと朝の5時半。そこから東京のお客さんのホテルを経由して、空港に向かう。結局、行政やKさんや私の心配をよそに、雪はそれほどつもらなかった。空港までの道のりも渋滞、混乱、雪なしでスイスイ。なんと7時にはもう到着してしまったのだ!

東京のお客さんをお見送りして、Kさんと少しお茶を飲む。Kさんとも最近色々な話が出来るようになって、毎年会うのが楽しみな人になっている。今度はKさんに見送ってもらって、私もチェックイン・カウンターに向かう。「行ってらっしゃい!」「はい、また2012年に会いましょう!」パン屋さんのAさんもいつも最初に会いに行くと「おかえりなさい」って言ってくれる。なんか、この感じ、好きです。

P1000746今回、帰国便をビジネスにアップグレードしておいて本当によかったと思った。プレミアム・エコノミー以上のクラスに専用チェックイン・カウンターがあるのは知っていたけれど、いつでもチェックインできるのは知らなかった。これ、本当に便利!大スーツケース2つと機内持ち込み用小スーツケース1ヶ、手荷物2ヶを持ったまま、チェックイン可能時間までどうやって過ごそうか…と少し心配してたんだけど、Kさんが専用カウンターではいつでもチェックイン出来るはずだから行ってごらんと教えてくれた。チェックインを無事にすませ、専用サロンへの行き方も聞いて、出発までの時間そこでゆっくり過ごすことにした。

まだ時間が早いからか、サロンもがら~んとしていて快適そのもの。飲み物やちょっとした食べ物がセルフで楽しめる(もちろん無料)。インターネットも6時間つなぎ放題。クラランスのエステも20分間だけど無料で利用できる。う~ん、なんともプレミアムな感じ!6月の時も去年も、アップグレードしてたけど、空港に到着したのは、そんなに早くなかったし、友達と一緒だったからか専用ラウンジも行かずに過ごしてしまっていた。

あまりに快適だったので、搭乗時間まであっという間。搭乗ゲートに着いた頃、またちらほらと雪が降り始めた。色々な人に、無事時間通りに飛行機が発つ事を知らせ、日本の家族にももうすぐ飛行機に乗りますよ~と電話。実際の搭乗は予定より20分くらい遅れたのだけれど、そんなことは日常茶飯事。そんなに大したことではない。

今回、座席をファーストクラスの次の列に取ってみた。ファーストクラスを利用する人たちってのは、どんな人たちなんだろう…なんて興味津々に観察をしながら、離陸を待った。離陸すれば、カーテンをひかれてしまうので、もう中は見えないもんね!

と、ところが、いつまでたっても離陸の気配がない。雪はどんどんひどくなってきた。

P1000748私の座席周辺はほぼ全員、ラッキーアップグレードのヌメア行きフランス人達。特に右に座っているご夫婦はこのアップグレードがよほど嬉しかったらしく、日本人の事を笑えないくらいに大写真撮影大会。対して私の左に座る1人旅のフランス人女性はうちの母くらいの年齢だろうか、落ち着かない表情を見せていた。私は、なんとなく彼女と話を始めた。彼女は1人でヌメアに住む息子夫婦に会いに行くのだそうだ。ボルド-近くの村でシャンブル・ドットをされているそうで、この閑散期を利用して2か月の滞在。本当はクリスマスに間に合うように数日前に出発の予定だったそうだけど、この雪の混乱で国内線のフライトがキャンセルになったまま、自宅待機を余儀なくされていたそうだ。

そんなこんなで、彼女とひとしきり話した後、まったく眠っていなかった私は自然に眠りにおちていった…。良くねむった~!とパキっとすがすがしい気分で目を覚ました時、私はまだパリの空港を飛び立っていなかった。え~~~、この間に離陸してくれてたら、よかったのに!!!まだ離陸の目途がたたないとの事で、おつまみや飲み物が出され、CAの人たちも私達と雑談を始めた。なんでも飛行機に積もった雪を溶かす溶剤のシャワーをまず浴びなくてはいけないらしいが、それも順番待ち。それが終わっても、今度は離陸の順番待ち。溶剤はストで十分なストックがないらしいし、滑走路は悪天候のせいで限られた数しか使用できない。それでもGOサインが出たら行かねばならないので、乗客を乗せたままの待機…。

それにしてもCA、往路では道端で前日にスカウトしてきたのか?と思うような人ばかりだったけど、ビジネスクラスを担当する彼らはさすがに気持ちがいい。でもビジネスとファーストは同じ人が担当するのだけど、やっぱり態度は変えるみたい。ファースト向けのサービス、フランス人もやればできるんじゃん!

さて、搭乗後、待つ事4時間半。すっかり暗くなったパリの空の下、ようやく私たちの飛行機にGOサインが出たらしい。18時、いよいよ日本に向けて出発です!

あとは快適すぎるシートに身を任せ、あっという間の11時間フライト。またまた1本の映画を見ることもなく、気付けばもうそこは日本の上空だった。関空で隣のマダムともお別れ。いつか彼女のお宿にも行ってみたいな…。

リベンジかなわず、投降者のような気分で大阪に帰還。でもまあ、終わりよければすべて良しって事で…。大嫌いな飛行機で事故に遭う事もなく、雪道ですべって頭を打つこともなく、なぞのウィルスにやられることもなく、滞在中の稼働率は30%くらいだったかもしれないけれど、なんとか悪天候の合間をぬって無事帰国です。大阪の空は、南仏の空のように青くすんでいて、迎えに来てくれたパートナーの車に乗って、嬉しくて鼻歌モード全開。でもその車の中で私はもう2012年の旅の話をしていた。パートナーには本当に気の毒なんだけど、私はまたフランスに行きます!それもできるだけ長く、出来るだけ楽しくね!

à la prochaine !

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22/12/2010

帰国1日前

いよいよ今回の滞在、最終‎日。昨夜は遅くまで荷造りをしたけれど、いまいち荷物のおさまりが悪い。また今夜も頭を抱えそうだ。

今日はまずキャロ姉さんとランチ。財務省で働く彼女は、今日も会議などで大忙し。私が彼女のランチタイムにベルシーのオフィスまで行く事にした。オフィス近くのカフェ で plat du jour を頂く。気前が良くて、稼ぎも良い姉さんはいつも何かと言い訳をしながら、ご馳走してくれる。今日は「また、しばらく会えなくなるからね…」との事。私が2012年に向けて掲げた目標を目を輝かせながら聞いてくれた。「素晴らしい事だから、とにかく2011年はそれに向けて勉強に集中するのよ!」と相変わらず姉さんらしい応援の言葉。私の修士論文を一番近くで応援してくれて、一番その完成を喜んでくれたのはキャロ姉さんだと今でも思う。言いつけは守れるかどうかわからないけど(笑)、こうして色々な人に話をして、自分をどんどん追い込んでいかないと、なかなか前に進めない私です。

キャロ姉さんとのRDVの後は、リディ母さんのところへ帰国の挨拶に。「エクレア、美味しかったわ!」と今日はいくぶん元気そう。今日はもうおなかがいっぱいだし、明日ここを発つので、残念ながら母さんの美味しいお惣菜を買う事が出来ない…。リディ母さんはまた私をカフェに連れ出して、日々のストレスを発散=女同士のおしゃべり。離婚をして3人の男の子を1人で育ててきたリディ母さんに、もし娘がいたら、こうして日々の愚痴を聞いてあげたんじゃないだろうか…。

そしてゴブランを離れる前に、近所のブランジェAさんちにも顔を出す。最初は店頭でいつものように立ち話をしてたんだけど、今日はちょこっとお店の裏(=おうちの一部)にお邪魔をして少し話しこむ。今ちょうどAさんのお母さんが日本から来られていて、私が南仏大好きって話からどんどん話が盛り上がって、もしかすると次の私のフランス滞在時、2012年の旅の際に、Aさんのお母さんとお友達の南仏の旅に同行させて頂く事になるかも…。もちろん今はどうなるか全く白紙だけど、未来の旅の話はいつも私に夢を見させてくれる。ぜひぜひ、一緒に行きましょう!と笑顔でお別れ。

やっぱりゴブランは良いな。リディ母さんとAさんの存在は、毎日の普通の生活にちょっとした喜びを与えてくれる。今日、Aさんにも言われた。「(家の事で問題が続くのは、ゴブランを捨てて)浮気するからよ~!」と。私もそう思ってたところだから、次回ゴブランに戻ろうか…と言う思いがまた高まってきた。悩ましい問題だな~。

店を出ると、外はすっかり暗くなってしまっていた。お店の近くから出ている86番のバスに乗って、途中84番に乗り換えて家の方に向かう。それが大大大渋滞。今夜からまた雪が降るとの予報で、そのせいでパリ市内の多くのサラリーマンは行政の判断で16時までに退社。家路を急ぐ大勢の人のせいでパリの中心地はマヒ状態だった。そのせいで今夜のローレンちゃんとのRDVはキャンセルせざるを得なかったし(彼女もパリの果てで渋滞に巻き込まれていた)、それよりも私自身がどうすればよいのか、動かないバスの中でずっと考えていた。

今の時点ですでに25%のフライトはキャンセルが決まっていた。おそらく長距離路線は優先的に飛ばすだろうから、明日の私の便もおそらく大丈夫。じゃあ、もし私が明朝、雪のせいで空港に到着できないで便を逃した場合は補償がない。今から必死で荷造りをして、今夜中に空港に行って、空港のホテルで眠った方が良いのだろうか…。こちらは緊急性の高い、悩ましい問題だ。そこに明日の送迎をお願いしていたKさんから電話が入った。明日の朝6時に、東京に発つ人たちをCDGに送って行くけれど、それに同乗したらどうか?と、言ってくれた。雪がどれだけ積もるのかは、明日の朝起きてみなければ分からない。もし雪が積もったら、そんな中、車で移動するのは怖い気もしたけれど、もうあまり迷っている時間もない。私は東京組の人たちと朝の6時にパリを出ますとKさんに返事をした。(ちなみに私の便は昼の13時40発です)

とりあえず予定が決まったので、再び荷造りに取りかかった。今夜中にパリを出るなんてことはとても無理なくらいに荷物がまとまらない。2つのスーツケースの重さをはかると、どちらもけっこうギリギリの20kg。ビジネスではもう1つ20kgの荷物預け入れが可能だけど、空港内を1人でウロウロしなくてはならない私には、大スーツケース2ヶ、機内持ち込み用小スーツケース1ヶ、手荷物2ヶ、これだけを扱うのが精いっぱいだ。
あ~、やっぱり帰国前前夜は今回も眠れそうにない…。

そうこうしていると、22時まで仕事だったマガリが少しだけ顔を見に来てくれると言う。まだ2人とも何も食べてかなったので近所のカフェで軽く食事。先日、マガリのために買い求めた Skalli のピアス(少し早いクリスマスプレゼント)を渡すと、すごく喜んでくれたのでホッ。趣味のものって難しいから。

最終のバスに飛び乗って帰るまで、本当にわずかな時間だったけど、会いに来てくれてどうもありがとう、マガリ。今度は春に日本で!

飛行機が飛ぶのか、飛ばないのか、空港に着けるのか、着けないのか、何とも慌ただしい気分の出発前夜。この12月はこの天候不良のせいで、空も陸も交通網が大いに乱れ、大勢の人が大変な目にあった。空港に寝泊りをし待機を強いられる人々や、列車に閉じ込められたままになった人々もあった。そんなのに比べれば、私はまだラッキーな方だと思う。明日、日本に帰れる。それがこんなに嬉しいなんて!自然現象の前で人間の文明はまだまだ無力です。

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21/12/2010

帰国2日前

P1000705こんないい大人になって、また低温やけどをしてしまうとは…。朝起きると、貼ったまま寝てしまったカイロのせいで、下腹に縦じま…。子供の時の大やけどとは違って軽症ですんだとは言え、なんとも情けない姿…。薬箱に入れていたオロナイン軟膏を塗っておいた。

到着以来、続いている大寒波。20日間の滞在で20枚のホッカイロは用意して行ったけど、1日1枚ではとても足りない感じだった。幸い、先に帰ったみんなが、それぞれに持参したカイロを置いて行ってくれたので、私は連日、腹に1枚、腰に1枚…(+靴用ももらった)と、なんとも贅沢な2枚貼り。それが、重ね着をしているヒートテックのせいか、時々異常に熱くなる時があって、起きている時でもビックリする程だった。寝ているときは、やっぱりそれにもなかなか気付かず危険なのです。カイロにはしっかり注意事項として書いてあるわけだし、子供の頃の経験を生かせなかった私のせいなんだけどね。

とは言え、カイロは手放せない。今日もカイロ2枚貼りで元気に出かけます!

P1000707_2午後1に現在帰省中のパスカル講師とRDV。待ち合わせ場所のサン・ラザール駅前にはフナックがあるので、少し早く到着して、DVDや本を見ようと思ったのに、すごい人出で、エスカレーターを上るにも警備員の指示に従わないといけない程。1階から見える2階のレジエリアも強烈な行列が出来ていた。とてもじゃないけど人混み嫌いの私は耐えられない状況。一度もフナックに足を踏み入れず帰国するのは初めてだけど仕方ない。それにしても平日なのに、この人出って…なんで?

寒いけど外で行きかう人を見ている方がよほど気持ちが良い。30分ほど待ったところでパスカル登場。それが!すごいひどい風邪引きではないか!私なら出かけないな…ってくらいの風邪引き。もちろんこのフランスでは風邪引きの人でもマスクなんてするわけもなく「うつすなよ」と言ってもこればかりは仕方がない。帰国を明後日に控えた私は「どうぞ、うつりませんように…」と祈るのみ。

そんな風邪引きの人を寒空の下連れまわし、午後茶の時間(こちらは16時)に某おしゃれカフェに陣取ったものの、空腹のあまり注文したトーストは真っ黒で笑うしかない。このカフェ、けっこう来る事があったし、お昼時のお食事は美味しかった記憶しかないのだけど、お食事時を外すとろくなスタッフがいないんだろうか…。ま、今日はまだ何も食べてなかったので、おこげをカリカリ落として、バターたっぷりつけて食べておいた。

P1000716あ、そうそう。ちょうどヴァンドーム広場を通過した時、パークハイアットホテルの前に人だかりが…。なんで、なんで~???と、ミーハーな私達も待ちに入る。きっとすごい人が出てくるんだろう!しばらくして分かったのは、どうやらその人はレディガガだと言う事。レディガガと言えば、名前くらいは知っている…って程度の私。知ってる曲もAUのCMで流れているやつくらい。その程度なので、期待度はビミョ~になった。いつ出てくるかもわからないし、じっとしてると寒いし、もう行こうよ!とその場を立ち去る。きっとパスカルは見たかったと思うけど…。後でニュースで見た彼女は、なんと半ケツファッションでした!

暗くなったパリの下、風邪引きパスカルをメトロの駅まで見送り「また日本で~!」と手を振る。今夜はステファンを会う予定だったけど、まだ何も決めてなかったので、とりあえず歩き足りない私はサンジェルマンに向かってまた歩き始めた。

P1000732今回、久しぶりに冬のパリを…と思って10年ぶりに冬にやってきた。リベンジはかなわずだったけど、寒い極寒の街を歩いていると、パートナーや母と歩いた時代を思い出し、少々ノスタルジックな気分になる。寒いパリは、家族との思い出なんだな~。人生やり直しがきくのなら、私はパリでの生活をもう一度再スタートさせたい。今あるデジタルツールを駆使して、もっと有意義な留学生活を送ってみたい。思えば私はいつも過渡期を生きてきた気がする。言い訳みたいだけど、やっぱりそれが惜しいな…。

ま、とにかくノスタルジックな気分も垂れてくる鼻水で台無し。もう当分冬は遠慮しておこう。やっぱり私は春がいいや。

P1000733いつものカフェに座り本を読んでいると、ステファンから電話。ショコラ・ショーを頼んだばかりだから、もう少しここにいると言うと、カフェまでやって来てくれた…のはいいのだけど、またなんともひどい風邪引き!なんで~???今日、2連発のウィルス攻撃。とにかく、いつも元気いっぱいの彼しか知らないので、風邪で弱っている姿はちょっと気の毒だった。

こちらの会社ではクリスマス前には豪華な昼食が出たりして、職場でもノエルを祝ったりする。ステファンの会社でも今日はそんなゴージャスランチがふるまわれたらしく、おなかはいっぱいらしい。私は腹ペコだ!と言うと、軽いものなら付き合えるとの事。じゃ、やっぱり彼とはいつものカレーかな。フォブール・サン・ドゥニ通り(rue du Faubourg Saint-Denis)にあるSAHILへ。SHAN同様、この辺りのインド料理レストランの中ではかなりなかなかいける店だ。彼は食べる事にあまり頓着がないので、私たち2人で食事をするときはだいたいインド料理。幸い、私はインド料理が大好きだから大歓迎だけど…。

また寒空の下、風邪引きの人を連れまわし、今回彼との最後の散歩。この夏、新しい彼女が出来たらしく、私としては弟分の彼の幸せが出来る限り長く続く事を祈るのみ…。2012年の再会を楽しみにしながら…。gros bisous!

さあ、今夜は荷造りをしなくては!

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20/12/2010

帰国3日前

P1000691今日はまずミシュランをはじめとするガイドブックの仕事をしているセルジュ君とサン・シュルピスでランチ~お散歩。雪がまだ残るリュクサンブール公園はまだ真っ白。走って行って足跡をつけたい気分だけど、なぜか規制線がはられているので、おとなしく線の外から記念撮影。地理を専門に学び、旅を仕事にしている彼は、まるで動くガイドブック。歩いていても「あそこのお菓子は最高に美味しいよ」とか色々説明してくれる。次回は彼の住むベルビル界隈を案内してくれることになった。すごい先だけど今から楽しみにしときます!

彼と別れた後、私はそのままポール・ロワイヤル大通りに出て、ゴブランのリディ母さんの店を目指した。出発前にまた寄るね!言っていたので、たまたま前を通りかかった AOKI でエクレア(抹茶と黒ゴマ)を3つ買って行ってみると、今日は長男パスカル1人。12月は無休で店を開けているので、ちょっと疲れがたまったようだ。今日はまだ雪が残る月曜日、お客も少ないだろうと言う事で、おうちでたまった事務処理をしているらしい。せっかくのエクレアを一緒に食べれないのは残念だけど、また時間を作って顔を見に来る事にした。パスカルは初めて食べる AOKI の和テイスト・エクレアに感動しきり。前から気になってたお店らしく、今度自分でも行ってみる!とすっかりファンに…。

パスカルとおしゃべりしまくった後、夕方は7区に向かい、パリで料理人として頑張っているAちゃんと会う。彼女は教室の創立期の生徒さんだけど、もうこちらに来て5年もたつらしい。年月の経つのは本当に早い…。今は念願の労働ビザも取れて、ますますこれからが楽しみな人。まだ若いし夢も広がるわね!

今夜の夕食は彼女にお店のセレクトをお願いした。気になっている店があれば一緒に行きましょ!って事で、予約してくれたのは La Brasserie Thoumieux(79 rue Saint-Dominique 7e)。そう、またサン・ドミニク通りなのだ。最近の話題店は本当にこの辺りに集中している。私のリストにもあったのだけど、最低1週間前までに要予約との話だったのであきらめていた。それが案外すんなりと予約が取れたらしい。伝説のシェフ、ジャン=フランソワ・ピエージュ氏が共同経営する事も話題の理由なんだけど…。

P1000697お店は今風のインテリア。お客が入ったらどうやって席を立つのだろう…と思うくらいに小さなテーブルが詰まっている。前菜にフォアグラのテリーヌ、メインにラングスティンのラヴィオリ、デザートはタルトの盛り合わせを頼んだけど、正直どれもおいしくなくって、ちょっとがっかり。なのにア・ラ・カルトなので67ユーロくらい払っただろうか。それにサービスもいまいち。人気のあるお店と言うよりは流行のお店ってのは、こういうものなのかもね。でも料理の神様がかんでるお店にしては、料理が…。まあ、もう2度と来ることはないな。でも気になっていたお店をチェック出来たので、それは良しと言う事で…。マガリも行きたいと思ってたみたいなので、そのように報告しておきました。

次回フランスに来たら、Aちゃんが手作り料理をふるまってくれるとの事。1年半後の再会が今から楽しみです。

P1000695
サン・ドミニク通りから見るエッフェル塔。霧でてっぺんが見えない今夜。

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19/12/2010

サン・ジェルマン・デ・プレ

P1000650昨日の雪は、先日の8日よりはましとは言え、若干の交通規制を引き起こした。今朝すべてのバスはとりあえず運休(午後から主要路線は再開)。今日の午後は、クリスマス休暇のためおとといこちらに戻ったパスカルと会う約束をしてたけど、朝電話がかかってきて、パリにでるのは無理だと言われた。彼の家族が住む郊外は常にパリよりも寒い。雪のつもり方もいつも違うようだ。まあ、仕方ない。私たちのRDVは火曜日に延期。

と、言う事で私はオデオン界隈に出て、映画でも見ようと家を出た。我が家からサンジェルマンの方に出るには84番のバスが便利だけど、この線、日曜日はもともとお休み。地下鉄を乗り継いで行くなら、テルヌ②→CDGE①→シャトレ④もしくはここから徒歩…と言う方法か、テルヌ②→バルベス④という乗換1回コースもある。でもこの後者はすごく時間がかかる…。どうしようかな…と迷うと私の場合、あまりろくなことがない。今日はこの乗換1回コースがあだになった。

時間がかかるのは書いた通りだけど、他の交通網が不自由なせいか、とても混んでて不愉快だったし、その上、前の地下鉄で不審な荷物が見つかったとかで、シャトレー駅で全員強制下車。運行再開のめどもたたず、駅員さん達はモンパルナス駅に行く案内ばかり。私は歩いたほうが早そう…。1号線コースで来ていたら、早いのでこのごたごたには巻き込まれなくてもすんだかもしれない。

19502913_jpgr_160_214b_1_cfd7e1f__3シャトレー~オデオン間は、お天気がよければどうってことない距離。でも今日のように足元の悪い時には、けっこうな距離。私の持ってきたブーツは防水処理されているわけではないので、少々の雨なら困らないけど、雪道には弱い。

寒波が来ていたので、出発前、すごく悩んだ。超歩きやすくて(1日10キロOK)、まあ暖かいけど雪道では水がしみてくる革ブーツ。もしくは北海道の住民のために開発された防寒・防水対策ばっちりの雪国ブーツ、ただし10キロ歩くと翌日はちょっと足が痛いと言う非革ブーツ。どちらを持っていくべきか…。スーツケースにすきまはなく、ハーフブーツ2足は持っていけないので、悩みに悩んで結局出発の朝は目の前にあった方をはいてきた。

道路は雪が溶けだして冠水しているところもあり、どうしてもその巨大水たまりは避けられないし、そうなるともう私の革靴はひとたまりもなかった。あっと言う間に靴の中が冠水…。き、きもい。歩道を歩いていても、P1000657頭上からも雪解け水が降ってくるし、もうろくな事はない。オデオンについた頃には、もう足先の感覚がなくなるほど。今日だけは北海道シューズを持ってくるべきだったと後悔した。

映画館では楽しみにしていたオゾンの新作「Potiche」を観る。最近流行り(?)の70年代の雰囲気を忠実に再現しながら、家族にさえまともに取り合ってもらえない1人の専業主婦が、社会的立場を確立していくまでを面白おかしく描いている。オゾンのコメディ作品に良くある謎のダンスシーンもあります!日本では1月8日から「しあわせの雨傘」ってタイトルで公開が決まっているみたい。ぜひどうぞ。

P1000662映画が終わるころ、私の靴の中の水分もこなれてきたよう。モノプリのセルフゾーンでクロワッサンをぱくつくてると、マガリから電話。今日は彼女とゆっくり過ごせる最後の日。寒いけどこの界隈をゆっくり散歩し、サン・シュルピス寺院前に出てるクリスマス市で激旨のサラミを購入。マガリは同じ屋台でフロマージュをゲット。通常の価格より高かったけど、田舎の職人が手作りした本物の味。いっぱい試食させてもらって本当においしかったので、胡椒風味のものを選んだ。パートナーと私の大好物の1つ。帰って一緒に食べるのが楽しみ!

P1000668夕食は、この辺りでお気軽に使えて美味しいので気に入ってる1店 La Boussole(2 rue Guisarde)へ。前菜はモッツァレラとなすのバジル風味。小さなタジンで供されるこの温かい前菜、本当においしい。家でも簡単に作れそうなので、さっそく真似してみたいわ。メインは gigot d'agneau のでっかいトランシュ。今日はここでギブアップ。最後にカフェでしめておく。

P1000669_2まだ時間が早かったので極寒の中、マガリと最後の散歩。彼女の家の方面まで歩き、私は東駅から31番に乗る。今回もマガリといっぱい時間を過ごせて楽しかった。いっぱい食べたしね…。明日から彼女は過酷な勤務に入る。朝の8時頃から21時頃までの残業が決まってるそうだ。でも帰国前夜はそんな中、会いに来てくれるって。待ってるね!

今日はクリスマス前の最終日曜日で、ほとんどのお店は開いているのに、街は人も少なくて、なんだか不思議な感じだった。悪天候で外出しないのか?冬のヴァカンスに出発してしまったのか?私も帰国へのカウントダウンが始まる…。

p.s. 今日は俳優のヴァンサン・ランドン(春に引き続きサン・シュルピス広場で今回は小さな娘さんと)、それから歌手のJ=J・ゴールドマン(おそらく奥さんと)を目撃。マガリといると有名人に会う確率がホント高い!

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18/12/2010

空からの贈り物

P1000611_2今日も朝1シネマに乗り遅れてしまった。見たい映画がたくさんかかってるのに、もうあまり見れそうにない。って事で、向かう方角を変えて、この週末 Les Mauvaises Graines(25 rue Custine 18e)と言う素敵なアーバン・ガーデニングのお店で行われている Jaccoちゃんの vente privée を訪問。お知らせをもらってから、ぜひ行かねば!と楽しみにしていたのだ。私たちの再会については6月16日の記事でも触れた通り。

その時に聞いていたアクセサリー・ブランド Jacco の立ち上げもいよいよ本格始動。公式サイトもオープンして、これからますます活躍が期待できそうな彼女です。その記念すべきファースト・コレクションが並べられた店内では、彼女の友人たちの別のコレクション(お洋服と靴)も同時に販売されていた。店内の非日常的な空間とマッチしてとても、どこもこれも素敵!

Cax0x3ka_32人で店番をしながら(?)、一緒にお昼のお弁当を食べながら、おしゃべり、おしゃべり。初めて会った時から思ってたんだけど、彼女は無国籍な魅力を持ちながら、どっぷり the 昭和っぽい価値観も持ってたりする(私よりずいぶん若いのにね)。なんにでも、どこにでも、すんなりと pénétrer できるしなやかさを持ちながら、クリエーターとしては一流のこだわり。そのあたりが私には興味深いし、これからも楽しみに見続けていきたい人です。Jaccoちゃん、楽しい時間をありがとう。また今度、パリか日本で会いましょう。

P1000613その後、寒空の下、どこに行こうか…と思いつつ乗ったバスが、近くのジュール・ジョフランから出ている80番のバス。小さな雪が降る景色を眺めながら「そうだ!こんな寒い日は美術館へ行こう!(それも無料の…笑)」と思いつき、モンテーニュ大通りで下車。プチ・パレへと急ぐ。ここは贅沢すぎる無料空間。今日のような週末、悪天候が重なる日は、美術館めぐりにもってこいの日なので、本当ならば一番避けたい日(人が多いから)だけど、クリスマスを控えた最終土曜日の今日は、もうどこに行っても人混みを避ける事は出来ないだろう。

入ってすぐのホールで夢のような大空間に見惚れながら、写真を撮っていた。いつ来ても感動せずにはいられない1900年の美感覚。すると受付の男性が私の方に駆け寄ってきた。「やばい、写真禁止だっけ?」と思ったら「フランス語わかりますか?」「(やっぱり怒られるのかな…と、思いつつ)はい」「この美術館は無料でご覧いただけますから、ぜひ展示を見て行ってください」「はい、それは知ってますが、特別展は有料でしょう?」「あ、特別展もご覧になりたいですか?それならそのチケットも差し上げます」「???(なぜだ???)」受付カウンターまでついて行くと「はい、これで特別展も入れますから。bonne visite!」

なんだか狐につままれたような気分で Giuseppe De Nittis の特別展を観る。日本ではほとんど知られていないこのイタリア人画家、38歳と言う若さで異国(フランス)で亡くなった彼の回顧展を見れた事は、それだけでもラッキーかも。ドガと交流があったせいか、時代的なものか、作風が少し似ている。作品の中には、ジャポニスムの影響なども見られて面白かった。 通常料金10ユーロなり。なぜかわからないけど、この突然のプレゼント、十分に堪能させて頂きました。以下おすそわけの映像。



P1000627空いていたら、お天気の良い平日の午後、ここのカフェはとても居心地が良い。でも今日はあいにく時間が遅すぎて、もう閉店。まあ、開いてたとしても今日みたいな日は混んでて落ち着かないだろうけど…。

閉館時間まで常設展などもゆっくりと見させてもらって、18時にここを出発。外に出ると雪はますますひどくなっていた。大きな羽がふわりと下りてくるような雪が、ひっきりなしに降っている。ここからシャンゼリゼ大通りに出て、コンコルドまでの間、クリスマス市をのぞきながら歩いてみるけど、欲しいものは何もない。街の中の電光掲示板が示す気温はなんと-6℃。ここらへんは舗装されてなくて足元も悪く、靴はどろどろになるし、人が多くて歩きづらいし、だんだんまた機嫌が悪くなってきた(天候に非常に左右されやすい私…)。早く暖かいカフェで腰をおろしたい…。考える事はそれだけだった。

P1000634でも実は、今のパリ、そんな簡単な事がとても難しくなっている。日本だと、どの時間でも遠慮なくお茶だけを楽しめるカフェ、喫茶店、などが独立してふんだんにあるのでそんな問題は皆無。でもパリの繁華街にあるカフェと言うのは半レストランのように機能しているので、夕食の時間が近づくと、そのためのセッティングをし始めて、お茶だけのお客は隅に追いやられることになる。飲み客もOKはOKなんだけど、心地良い席は与えられない。今なら例えば外のテラス席とかね。こんな寒い日にいくら暖房があるったって、私はテラス席は嫌だ。人々の生活が根付いている所では、ちゃんといつでも飲めるカフェがあるけど(おやじカフェとか…)、最近本当に少ないね~。特にこの辺り、コンコルド~マドレーヌ界隈は私もぜんぜん馴染みの店がないので、もうお手上げだった。

P1000639ようやく店内で人が座って飲んでる姿が見えたので、それに引き寄せられるように入店…。カウンターのおやじに「コーヒー飲みたいんだけど、奥良い?」と聞くと「どうぞ!」と言う。なのに奥を仕切ってるギャルソンには食事をしないなら、あちらに行けと、それも英語で言われる始末。ちょ~むかつく客あしらいだけど、服もかばんもボトボト、靴もパンツの裾もドロドロ、なんかぬれてしまったカメラも気になってたし、そこはぐっとこらえて店の入口付近に腰かけた。あ~、本当に疲れたわ~。

しばらくすると隣にいたご夫婦が口論?よく聞いてみると旦那様の方が、エスプレッソの値段に対して随分ご立腹。も1つ向こうのテーブルの女性まで巻き込んで「エスプレッソ1杯だよ、あり得ない、こんな値段!」と騒ぎ出した。カフェでいちいち注文前に値段を見る事はないけど、なんだかふと私のカフェ・クレームはいくらだろう???と不安になった。すごいぼったくりカフェなのか???

私のカフェ・クレームは結局5ユーロ。ま、そこそこするけど、今のパリでは仕方ない値段だろうか…。きっと田舎から出てきたご夫婦なんだろうな。パリは田舎の2倍はするだろうし、それにマドレーヌ界隈と言ったらやっぱり何でも高い。少し気の毒になったけど、カフェの人たちは気にかける様子もない。「ちゃんと書いてある通りの値段だろ?」と。ま、確かにそうだ。

P1000645そうこうしてるうちにマガリから「用事がすんだ」と電話。今夜は一緒に評判のビストロ Paul Bert(18 rue Paul Bert 11e)に夕食に行くのだ。数日前に予約の電話をしたけどやっぱり予約できたのは遅い回、21時半から。う~、腹へった。マガリとレストラン近くのバーで少しシャルクトリーをつまみながら、腹へりを我慢。マガリ曰く今一番いけてる界隈は北マレ~サンマルタン運河周辺、10年前はオベールカンフ辺り、そしてこの辺りって言うのは20年前に良かった所らしい。確かに今はあまり活気がない。でも店内に入るとすごい良い雰囲気!確かに人気がある様子がすぐに見てとれた。

P1000647シンプルな料理に良い食材。きびきびした無駄のないサービスにユーモアのセンス。これこそ、まさに旨食と笑を求めるマガリと私向けのお店。2人とも大いに気に入りました!さすが名店と言われるだけの事はある。今日の私はテーマ”肉”で参ります。前菜はうさぎのパテ、ピクスル付、メインは牛(entrecôte)のグリル、山盛りフリット付(別皿)。見て~!この肉、300~400gくらいはありそう。マガリはここで、elle cale! 私はせっかくですのでデザートに突中。リンゴタルトをお願いします!少し時間かかりますけど良いですか?のお断りに、期待も膨らむ。

P1000649早く持って来ないとお腹の隙間が埋まってしまって食べれなくなるよ~などと言いながら、待つ事15分くらい???見た目も味も軽やかなタルトで、ぜんぜん問題なくするりと完食です。待ってる間に何度も私の目の前を通過していった、ビッグなパリ‐ブレストにも興味津々です。

なかなかこの界隈に来る事はないので、ここで食べる!と言う気合が必要だけど、わざわざやってくるだけの価値はあるかも…とマガリと再訪を誓う。パンも美味しいし、おすすめの1店です。

今夜も重いお腹をかかえて…遠い我が家に帰ります。おやすみなさい。

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17/12/2010

原点

P1000605パリに来ると必ず立ち寄る語学学校フランスラング。今日はそこの日本人スタッフのYさん(パリ1の先輩)とフランス人スタッフのJFさんとランチのRDV。その前にLL担当のエヴァ先生にも挨拶。いつものように優しく出迎えてくれた。今日の勤務は12時までのエヴァだけど、何人かの女性スタッフが集まり控室でミーティング兼プチ・フェットが始まった。なぜか部外者の私までがYさん達の準備ができるまでご相伴にあずかって好物のタラマを頬張る。エヴァとは知り合ってもう15年。この学校に通ったのは実質1年ほどだけど、その1年を通して可愛がってもらった先生だ。クラス担当ではなかったため、私にとってはなんとなく保健室の先生のようでもあり、愚学生の私をのびのび好きなようにやらせてくれた事は今でも感謝…。

時々フランスラングのお仕事で日本に来られるJFさんはとっても優しいおじ様。大阪に来られるときにはお食事に誘って下さるのだけど、今日もYさんと2人、ランチをご馳走になった。愛妻家で田舎の家が大好き。毎週末、金曜日は定時に仕事を終えて、リヨン駅からの列車に飛び乗るのが常。今日も食事中からそわそわしていた。

フランスラングには他にもF先生やS先生、スタッフのCなど、大好きな人たちがいっぱい。毎回ここに来るのは楽しみにしてるんだけど、最近学校のオーナーが変わり、学校のスタッフや雰囲気も変わっていく可能性もあるのかも。いつまでも変わらない学校でいてほしいな。

ところで食事中、JFが「mikaはいつフランスラングに登録したいって言ってた?」と、私が前にぽつりと話した事を覚えてくれてたようだった。実は今はまだ計画段階だけど、2012年には少し長期でフランスに滞在しようと考えていて、そのうち1ヶ月ほどはパリに残り、久しぶりにフランスラングに通おうかと考えている。2011年は少しフランス語に真面目に取り組もうと思っていて、いわばその仕上げ。ここは私のフランス生活の原点だから、変わらないでいて欲しいし、できれば2012年には戻ってきたいな。

バスを乗り継いでなぜかオペラ界隈にやってきた。そこから散歩しながら、今度の滞在時に住んでも良いかな???と考えている界隈を散歩。ここはマガリの家の近く。もしくはサンジェルマン界隈、どちらにしよう…と、いくら歩いても結論は出ない。まあ、順番に住んでみても良いのだけど…。次は絶対に失望したくない…こんな風に家に対する思いが強すぎて、いつもはずれくじを引くのかも。昨日Aさんに「浮気するからだよ。ゴブランに戻っておいで」と言われた。それもありかも。ま、最終的には家の空き状況と貯金のたまり具合…かな。

P1000603今夜は一番古いフランス人の友人、同い年のBとRDV。神戸時代、阪神大震災より前からの付き合いで、私の生フランス人との付き合いは彼女が原点。仕事で少し疲れ気味の彼女は、ご飯が作れない時に良く行くと言うベトナム・タイ料理屋さんに連れて行ってくれた。私もパートナーと良く行くのはタイ料理屋。大好物のメニューを前に私はどうしても1つを選べず、結局パクチーたっぷりエビのワンタンスープ麺と春雨のソテーを注文。おねえ系のサービスのお兄ちゃんは、私の事を心配して「多くない?」と忠告してくれたけど、私、大食いなので大丈夫です!食べきります!と宣言。やっぱりノ~プロブレムです。無事に完食。おいしかった~。アジア料理ってチープで旨い!やっぱりやめられません。

その後、Bんちで彼女手作りのブラウニーをデザートにカフェタイム。色んな話をして、聞いてもらって、心満たされて帰路につく。今度会えるのは、日本かな?

お店を出る頃、降り始めた雪。Bんちを出た頃には完全にあたりは真っ白に。このまま降り続くんだろうか…。

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16/12/2010

ラクレットの夕べ

P1000112時が経つのはいつも早くて、もう1週間後にはここを発つ事になる。そろそろ帰国の事も考えないといけない…。また嫌いな荷造りの心配かあ。

今朝はたまった仕事を少しやっつけて、午後からノンビリと家を出た。特に予定はなかったんだけど、乗ったのは84番のバス。家からサン・ジェルマンの方に向かうバスだ。今日はPCを持って出たので、いつものカフェに陣取り、美味しいカフェを飲みながら、行きかう人々を観察しながら、時々仕事。

やがて早番で仕事を終えたマガリ登場。少しおしゃべりしてから散歩に出発。途中ルーブル美術館の下にあるショッピングセンターでお買いもの。私はミュージアムショップで春に買えなかった伯母からの頼まれ物をようやくゲット。その他、少し子供向けの本を。マガリも友人への誕生日プレゼントをマリア―ジュ・フレールで選ぶ。2人で片っ端からフレーバーを確かめる。私は紅茶をあまり飲まない方だけど、特にフレーバーティーが苦手。マガリは私の影響で最近めっきり日本茶好きになったので、お友達にもちゃんとした緑茶を買いたいとの事。ここの緑茶は全部甘い香りがついてるかと思ったけど、1つだけ日本式緑茶を発見。マガリも良いものが買えたと喜んでくれた。

P1000594木曜日はデパートが遅くまで開いてるノクチューンの日。マガリとオペラ界隈まで歩き、お茶して今日はバイバイ。私はローレンちゃんのおうちに行くまでのひと時、デパートに贈り物を探しに行く。

デパートは日本でも私の苦手な場所の1つ。特に12月の人の多さはここでは尋常ではない。でもやっぱり時間がない時は色々と見比べられて、なかなか便利ね。それにしてもギャルリー・ラファイエットのクリスマス装飾は群を抜いて美しい。いつ通っても立ち止まって見入ってしまうし、内部のツリーもとっても素敵。お隣のプランタンは建物自体は大好きだけど、今年のピンクの照明はイマイチかな…。

P1000106_2今夜は銀行で働くローレンちゃんのご招待でラクレットの夕べ。18区に住む彼女のおうちへと急ぐ。いつものメンバー、ヴァンソンとニコも集う今夜は、私も楽しみにしていたお食事会。

ラクレットはスイスやフランスのサヴォア地方とかの雪深い、山深い地方のスぺシャリテ。ラクレット・チーズを溶かして、ふかしたじゃがいもやハムなどと一緒に食べるもの。ラクレット専用の電気器具(↓この写真はWIKIPEDIAから拝借)があり、フランスではけっこうお手ごろ価格で買える。みんなに聞いたら、引っ越しの際のプレゼントによく選ばれるんだと言う。日本のホットプレートのような感じでどの世帯にもあるらしい。

Raclette_2日本で言うところの鍋のように、冬場、人が集まればよく選ばれるルセット。簡単で失敗がなく、みんな大好き!確かに!!!私もラクレットは今日で3~4回目だけど、くせになりそう。本当、フランスのじゃがいもは味に深みがあって美味。そこに本場のフロマージュとくれば最強タッグです。

来年フランスに来れない私にかわって、2011年はみんなが日本に遊びにくるとか???日本での再会、楽しみです。

今日はすごく寒いけど、雪ではなく雨が降った。冷たい雨…。今週末も冷えるらしい…。

あ~、今夜も食べすぎた。

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15/12/2010

憧れの人、馴染みの人

19559921_jpgr_160_214b_1_cfd7e1f_jp今回リベンジに来たつもりが、完全にノックアウトされて、若干しおれ気味だった私。でもやっぱり南仏は素晴らしかったし、やっぱり来て良かったと思う事もしばしば。今朝はそれに+αな素晴らしい出来事が!!!と、言っても分かってくれる人はほとんどないと思うけど、とうとう私の憧れのあの人に会えるという、そんなポスターを見かけたのはちょうど2日前。「OSS117」で一躍スターの仲間入りをしたジャン・デュジャルダンの新作「un Balcon sur la Mer」の公開に合わせて、監督のニコル・ガルシアと彼が舞台挨拶にやってくると言う。もう嘘のような本当の話で、私は早起きをしていそいそとモンパルナスの映画館に向かった。

舞台挨拶と言っても色々なスタイルがあるから、どんな感じでやるんだろう…。ただ日本と違って、こんな大スターであっても、平日の午前中だし、そんなに人が集まらないだろうと言う事だけは想像できた。

P1000587日本では新作の公開は金曜日だけど、こちらは水曜日。案の定、映画館の一番大きなホールは半分も人が入ってなかった。上映開始時間の11時、係の人が彼らの到着の遅れを報告。最初に挨拶するんだ…って事は停留時間は短そ~。

10分くらい過ぎた頃だろうか?後ろの扉からだ~っと彼らが入ってきた。顔をよく見ようと前の方に陣取っていた私のちょうど横をジャンが通っていく。ひえ~~~。ニコル・ガルシア、ジャン・デュジャルダン、そして製作の男性、計3人が映画に対する思いを語った。時間にすると5分くらい???最後にジャンが「bon voyage」と言って挨拶終了。

この映画は監督自身も幼少時代を過ごしたアルジェリアでの初恋をベースに、大人になった主人公に起こる不可解な出来事…。そしてそれによって身を崩していく様子が描かれている。コメディ俳優として名をなした彼の演技派としての実力はすでに「Contre-enquête」で立証済み。これはまたそれとは違うラブ・ストーリーとしての要素も含んでいるので、新しいジャンの魅力が見られます!

と、ここで力説してもなかなか彼の映画は日本には入って来ないみたいですが…。

夢のような時間は、あっという間に終わり、映画もまあまあ良かったし、さて午後は何しよう…と、まずは映画館の近くにすごく安いストックの店があるので、そこにスーツケースを見に行く事にした。今回も帰りの飛行機はビジネスにグレードアップしておいたので、バゲージの制限が変わった今、ビジネスクラスは23kgの荷物を3つも預けられる事になった。いつもフランスからコリシモ(7kg制限の小包=41ユーロ)を3~5ケ送ることを考えれば、安いスーツケースを買った方が郵便局に行く手間が省けると言うもの。

あった、あった、40ユーロの布製スーツケース。1ヶ分の値段で3つ分の重量入れられる。これで十分!とりあえずお金を払い、閉店までに取りに来ますと言って、今度はゴブランへ。馴染みの人達、リディ母さんとブランジェのAさん(日仏カップルのパン屋さん)に会いに行く。

P1000588Seva Natura(13 Boulevard Arago 13e)は、私のパリの家族みたいなお店。いつ行ってもちり一つ落ちてない清潔な店内と、こだわりの食材がお気に入り。もちろん私にとってはリディ母さんと長男パスカルの優しさが一番の魅力。通常イートインは出来ないけど、私はいつも奥で食べさせてもらっている。今日もちょうどリディ母さんの手作り惣菜が出てたので(いつもあるわけじゃないのでラッキ~)、お腹も減ってたし、2つほど選んでランチタイム!

ひき肉のファルシとズッキーニの煮もの。野菜不足の私には嬉しいメニュー、それに母さんのお惣菜はとっても美味しいのだ。私は立って食べても良いくらいなんだけど、今日もテーブルをセッティングしてくれて、お皿に盛ってくれて、おまけのトマトまで添えてくれた。ミネラルウォーターまで開けてくれて、代金はいらないと言う。本当は家に呼びたいけど、毎日お店に出ててそれも難しいから、家に来たと思って遠慮するな…と相変わらず優しい母さん。その後、ちょうど休憩したいと思ってたから…と、いつものカフェにも連れてってくれた。

その優しさに応える方法はないかな???と思い、最近食料品のお土産はなるべくここで買うようにしている。今日も色々と説明を聞きながら、いくつか保存のきくものを選んだ。この2人の商品に対する思いは深い。それをマンツーマンで聞きながらの商品選びも私の楽しい時間。2人ともおしゃべりなので、ここに来るといつもあっという間に時間がたってしまう…。お店で、カフェで、女同士のおしゃべりはいつもきりがない。

そこにステファンから電話。今夜、家でルームメート達とラクレットをするから食べに来いとの事。今夜は残念ながらマガリと楽しみなお店を予約してた。でも21時からだから、アペリティフだけちょっと顔を出すね…と一旦電話を切り、今度は近くにあるAさんのお店へ。いたいた!「Aさん!」と声をかけると、いつも通り「あ~、おかえりなさい」と満面の笑みで一言。彼女は毎年こうして私を迎えてくれる。相変わらず忙しそうにお客さんをさばきながら「でもなんか、今回早くない???」正解です。いつもは春だものね。

私はここのパンが大好き。どんな有名店にも負けないくらい美味しい。今日もお気に入りのトラディションと日持ちのするパベを購入。おまけにつけてくれたお菓子も大事に抱え、再びリディ母さんの所へ。なかなか忙しくてパンも買いに行けないのじゃないだろうか?と彼女の分もパンを購入。パンを渡すと、なんか目をうるうるさせて喜んでくれた。値段の問題ではなくキリスト教の国ではパンを分かち合うと言う事には大きな意味があると言う。喜んでもらえて良かった…。

スーツケースを引き取りにモンパルナスに寄り、そこからまたバスで自宅へ。そこからメトロを乗りついでステファンの家へ。しかし遠いっ!!!メトロもめちゃくちゃ込んでるし、だんだん機嫌が悪くなってきた。それに駅から出ると雨まで降っている。超機嫌が悪くなった私だったけど、のんきな彼の顔を見ると怒りも若干おさまった。今日はずっと会いたかった彼のルームメート、ディディエにも会えたし、ここに来た価値もあったというもの。インテリなクマさんみたいな彼は、まだ若いのにこの広いアパルトマンのオーナー。ステファンを含めて3名の間借人がいる。フリーの看護士ってもうかるそうだ。

Chezmichel1レストランをキャンセルして、マガリも呼んで、ここでラクレットを食べていけと何度も言われたけど、マガリとステファンはあんまり合わないし(前に会わせた事がある)、それに明日の夜、私はローレンちゃんのおうちでラクレットの夕べってのが決まっていた。楽しみにしてた店だし、明日もラクレットだから、残念だけど…とおうちを後にして急ぎ足で店に向かった。

今夜のお店は有名な chez michel(10 rue de belzunce 10e)。数日前に電話したのに早い時間はもういっぱい。私たちが到着した時も店内に隙間なく並べられたテーブルに空きはなかった。有名店なので観光客もちらほら。でもほとんどは地元のフランス人だと思う。みんなの活気ある雰囲気や笑顔に、評判通りの良い店と確認。ただ、日本人の私にはちと塩っ辛いかな…。まあ、それはこの店に限った事ではないけど…。

Chezmichel3前菜には大好物サーモンのマリネ。なんと保存用ビンにぎっしりと入って登場。サーモン自体はめちゃくちゃ美味しいのだけど、粗塩がごろごろっと入っててそれはよけて頂きました。山盛りの葉っぱがありがたい。メインは乳飲子牛のフリカセ。ここのはサラサラスープであっさり目。野菜がたくさん入っているのも気に入ったけどフヌイユ(苦手食材)が~~~…ちょっとききすぎ。そしてデザートは…クイニーアマンを食べる気満々だったのに、お店に来たらそんなことすっかり忘れてしまってて、メニュー2段目のパリ・ブレストに即決。なんせ、これも好きなもんで…。後ではたと気付いて、後悔先に立たずです。…が、また来る理由が出来た。次回はクイニーアマンを必ず食べるよ~!

Chezmichel2あ、ちなみに、こんな所にも日本人が…。サービスの女性が不慣れな様子なので話しかけてみると「はい、2日目なんです…」との事。なんか船を知らない人がいきなり大海原に放り出されてるみたいで少し気の毒だったけど、その分鍛えられるのも早いんだろうな。

今夜もお腹は満腹ぷ~。帰りのバスではやはり眠気に抗えず…。よかった、31番バスの終点が近所で…。

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14/12/2010

キッシュ日和

19538598_jpgr_160_214b_1_cfd7e1f__2今日も寒い。なんかこちらに来てから天気予報では最高気温0℃とか1℃、最低気温も0℃とか-1℃…なんだかずっと0とか1の数字しか見ていない気がする。数字だけでも寒い…。

のんびり朝を過ごして、昼1シネマに出かける。モンパルナスの映画館で「le Nom des Gens」を見た。人助けもここまで来たらすごい!と言うハチャメチャな女の子に最近人気のサラ・フォレスティエ、最終的に彼女が本当の伴侶として選ぶ男性をジャック・ガンブラン(最近ちょっと老けたな)。かなり強烈なコメディで好き嫌いはあるだろうけど、私は気に入った。その後、早番のマガリが仕事を終えて映画館まで来てくれて合流。腹減りの2人で、まずは遅めのランチを。

ただ、この時間だとほとんど普通のお昼は終わってしまってるし、どこに行こう???と、前から気になっていた les saveurs de pierre emile(62 rue de vaugirard 6e)へ。ここならノンストップで店主ご自慢のキッシュを味わえる。素朴な雰囲気のキッシュとタルトのこのお店が、雑誌ku:nelで紹介されているのを見てから、キッシュ大好きな私としてはぜひとも一度は試しておきたかった。お味も大切だけれど、店主ピエール=エミール・アレラ氏の表情がなんとも良いのだ。こんな人がやってる店が悪いはずがない!と思わせるような顔…。

P1000572お昼のピークを過ぎた店内はお客もなく、従業員も雑談に花を咲かせている。色んな食材の組み合わせが面白いけど、私はいつも通りシンプルにキッシュ・ロレーヌとリンゴ・タルトにした。食材が新鮮だと、食にうるさいマガリも大満足。私はもう少しパリッと焼けている方が好きだけど、このポーション、手軽さは、1人の時や急いでいるときにはありがたい。

2階のイートインのスペースも気持ちがよくって、きっとランチ時はすごい混乱しているんだろうけど、夕方はのんびり過ごせる。サロン・ド・テとしてもいい感じ…なんだけど、1つだけ残念なのは従業員の態度。ベトナム人かタイ人、カンボジアかな?よくわからないけどそういう感じの言語を話すアジア人従業員の接客がとても横柄。いくらおいしいキッシュを出していても、雰囲気も大事に思う私のようなお客は、次はもう来ないかもしれない。それが従業員のせいだなんて、店主のアレラさんはどう思うだろう。雑誌の写真ではもうかなりご高齢のようだったし、セミリタイア状態なのかしら?彼女たちの接客態度を見たら、きっと彼は悲しく思うと思うんだけど…。

P1000579その後、マガリの家の方まで寒空の下、歩く歩く。途中カフェを探しながらお気に入りのle nemours(2 galerie de nemours 1e)まで来た時、何やらここで撮影中。そのせいで入れず残念だったけど、なんと!カフェの窓辺にはお気に入りの俳優フランソワ・クリュゼが!!!マガリと2人興奮しながらも、その場を去った。本当はもう少し見ていたかったけど、なんせ寒いのだ。寒いし、中には入れてもらえないし、規制線はりだすし、仕方なく去った。何の映画だろう…。彼が主演のLes Petits mouchoirs(上映中)はギヨーム・カネが監督だし、見るのを楽しみにしてたんだけど、上映時間がなんと2時間半。マガリ評はいまいちだし、最近、2時間超えの映画って映画館で見るのがちょっとつらい…。DVDで見る事になるかな…。

マガリんちの近くで彼女とは解散。私はその後キャロ姉と au 10ème(22 rue Mazagran 10e)でRDV。なんとも雰囲気の若いBarで先に到着した私は入るのを一瞬ためらったほど。しばらく周りをうろついて戻ってきた時、空席ができてたので、すかさず入店。今時のBIOっぽい軽食も食べれるお店で、メニューとにらめっこした挙句、今日2つ目のキッシュにチャレンジすることにした。だってその他はサラダ(寒いし!)とかスープ(液体だし!)しかない…。同じキッシュと言っても随分形態もお味も違うもので…。今、私もキッシュづくりにはまっているので、勉強になります(笑)

P1000583フランス人の友人と会い出すと、どうしても帰宅時間が24時を回ってしまう。今夜も東駅から31番のバスでのんびりと帰ってきた。始発駅からほぼ終点まで乗ってると、確かに時間がかかる。ゆえに眠たくなって寝ちゃうんだな、これが。そして自分のバス停を逃す…そして歩いて戻る。何度同じ事を繰り返すんだろう。でも、やっぱり、バスが好き!

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13/12/2010

再会

P1000571今回あてがわれた我が家ですが…、週末は日中も暖房がきかない…と言う事が判明。先週のちょうど日曜日、お昼過ぎに荷物を運び込み、引っ越し完了。その後すぐに家を出て戻ったのは夜遅く、夜だから暖房が消えているのだと思っていた。私の買った小さなファンヒーターは2000Wだから威力は抜群。だけどドライヤーをつけているようなものなので、うるさいし、1日中つけっぱなしにしておけるようなものではない。そこで昨日スタッフの方に連絡をすると、今日14時過ぎにオイルヒーターを持ってきてくれる事になった。

それまでに近所に買い出しに行ったりお昼を食べたりしながら時間を過ごす。このテルヌという界隈は決して嫌いではない。前にも書いたけど、留学時代に街歩きをした上で作った住んでみたい場所リストの1つに入っていたくらいだ。ブルジョアな界隈ではあるけれど、ヴィラージュと呼ばれる少し田舎くさい雰囲気の商店街があったり、生活にはとても便利だし、安全だし、良いお店もたくさんある。私が観光客でなければ、このエリアだけで十分幸せに暮らしていける要素があるんだけど…。でもやっぱどこに行くにも遠い。私はシャンゼリゼには用はないからな~。

物件担当のOさん、今日は日本人の旦那さまと登場。オイルヒーターは少し思ってるより小さかったけど、私のと併用すれば、この寒波でもなんとか生きていけそうだ。物件に不満はあるけれど、Oさんの親切には本当感謝している。

19539886_jpgr_160_214b_1_cfd7e1f_jp今日は夜1つRDVが入っているけど、それまでなんとなく中途半端な時間。そうだ!こんな時には映画館!って事で、さっそくバスに飛び乗った。今日は公開されたばかりのオドレイ・トトゥとナタリー・バイの新作「de Vrais Mensonges」を選ぶ。ピエール・サルヴァドーリ監督のコメディだ。彼らしい、そこそこ笑える罪のない作品です。色んな映画でちょこちょこ見かけるサミ・ボゥアジラ(発音は?)、彼が良い味出していた。

今日のメイン・イベントは前回の滞在で知り合ったSさんとの再会。彼女はワーホリの期限を迎え、パリを去る準備の真っ最中だった。忙しい所、時間を作ってくれて2人で行ったのは、やっぱり les Cocottes(135 rue St-Dominique 7e)。ここは彼女が1年近く働いていたお店で、6月に私たちが出会った場所。何と言っても思い出の場所である。

ここドミニク通りは、2002年に1本上のユニヴェルシテ通りに滞在して気に行った所。何と言ってもエッフェル塔がどど~んと贅沢に拝める。私はエッフェル塔信奉者ではないのだけど、ここから見えるエッフェル塔は、仰々しくなく、生活の中にすぅ~っと入ってくる見え方が好きだ。それに色々なお店が揃っていて生活もしやすい。ただ当時は、論文の提出でほとんど時間がなかったし、お金も節約モードで、こんなにおいしいお店が揃っているなんて知る由もなかった。

P1000553今やこの通りには、les Cocottes のオーナーであるコンスタン氏の第1号店 le Violon d'Ingres を始め、彼のお店は全4店舗あり、メディアでは良くコンスタン通りなんて呼ばれたりもしているようだ。

さて今夜は何を食べたかと言うと、前菜にはラングスティンのラヴィオリが入ったスープ。苦手なフヌイユが入ってると書いてあったので少し躊躇したけれど、今夜は甲殻類の濃厚なやつが食べたかった。出てくると恐怖の泡!でも泡々もフヌイユも気にならない程に旨みたっぷり。大正解です。メインは鶏肉のフリカセ。お米がホワイトソースと絡まっておいしい!デザートはここの名物タルト・オ・ショコラにするかめちゃくちゃ悩んだあげく、やっぱり少しさっぱりした味を求めてワッフルにした。なのに、なんとなんと!その後に厨房から差し入れ。食べ過ぎやんか~!と嬉しい悲鳴。

P1000555デザートのあとエスプレッソも頂き、さてお勘定の時。なんとなんと!!!届いたのは白紙の請求書。シェフもマネージャーJもなんて粋なことをするんだろう。これは2人からのSさんへの思いなんだろうな。一生懸命、働いてきた彼女へのプレゼント。私までお相伴にあずかって申し訳ない気もしたのだけど、Sさん、スタッフの皆さん、どうもありがとう。ごちそうさまでした!

でも今夜は私も少しだけお店の役に立てたかも…。食事の途中、店内でつながっているお隣のle Violon d'Ingres からサービスの男性がやってきて「S、英語もフランス語も分からない日本人のお客様がいるので手伝ってくれないか?」と言う。Sさんから差し出されて私、嬉しそうに出稼ぎに出ました。サービスの人の言葉を訳して、メニュー選びのお手伝い。なんか楽しかったな~。

P1000558Sさんとの再会は、またまた前向きな彼女からパワーをもらえて楽しいひと時だった。フランスに熱狂的にほれ込んで来たわけではない彼女だけど、その冷静な目でフランスを観察し続けた1年は、結論として彼女の人生にとってかけがえのない宝物になったみたいだ。フランスもそう、彼女にとって大切な場所になったみたい。毎日お店に出て、お客様と接し、スタッフと親交を深め、私が知らないフランス生活の側面をたくさん経験した彼女の話は、なんとも聞きごたえがある。楽しい時間をありがとうね、Sさん。これからフランスを出てしばらく旅をしながら日本に戻るそうだ。今度は2012年にパリで会いましょう!なんて、がっちり握手をして再会を誓った。もしかすると旅好きの彼女は、それまでに大阪に来てくれるかもしれないけど、パリでの再会もぜひ実現させましょうね。bon voyage, Sさん!

P1000559_2la fabuleuse tarte au chocolat de Cristian Constant

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12/12/2010

un dimanche

P1000678昨夜、遅くにパリに戻り、荷物が大きかったこともあって、リヨン駅からタクシーに乗った。同時に到着した2台のタクシー、こういう時どちらにしようかすごく迷うけど、昨夜は当たりだった。だいたいパリのタクシーで、気持ちの良い運転手に当たった事など殆どない。運転は荒いし、愛想も悪い。まれにフランス語が不自由な人もいたりする。それが昨夜は、こんな紳士的なタクシーの運転手さんもいるんだ、と感動。

まず、道の込み具合を説明してくれて、彼が最もよかろうと思う道程を提案してくれた。私は「あなたを信頼しますから、それで行ってください」と答えた。その後、セーヌ河の水の量がかなり増えている事から、世間話を始めて…

そう言えば昨日アレックスが「パリはとんでもない事になってたよ」と教えてくれた。ゴルドのお宿にはテレビもラジオもインターネットもないので、私は世の中で起こっている事を知る術がない。実は私たちが南仏行きのTGVに乗った日の午後、パリでは雪が降り続き、交通網が完全にまひ。パリ郊外の自宅へ帰るのに6時間を要したとか、オフィスや市内の受け入れ施設で夜を明かした人もあったとか…。それをようやく私が知ったのは昨日の事。アレックス情報によってだった。今はもう、その時の混乱を伝える雪も残ってないけれど、このセーヌ河の水位の高さがそれを物語っていた。

「パリを離れていたからぜんぜんその状況を知りませんでした」「どこに行ってたんですか?」「南に」「それはいいですね」「お天気もとてもよかったですよ」

そして運転手さんが不意に「ところで、あなたはパリジェンヌですか?」とたずねてきた。「いえいえ、ただのツーリストですよ。私のフランス語で分かるでしょう?」「ツーリストのあなたが、どうしてそんな完璧なフランス語を話すんですか?」「(褒め言葉を)ありがとう。以前、フランスで学生をしてましたけど、ずいぶん前に…」

もちろん私のフランス語は完璧からはほど遠いものだ。ただ、こういう世間話では、最近はずいぶんごまかしがきくようになってきた。それらしく話す事ができる、と言う事だ。深い話をすれば、あっという間に化けの皮ははがれるだろうけど(笑)

運転手さんは家の前で荷物をおろしてくれて、最後にもう一度私のフランス語を褒めてくれた。「良い滞在を…、そしてあなたのフランス語にもう一度 bravo!」なんか嬉しかったなぁ、単なるお世辞ではなく、心のこもった言葉に聞こえたから。きっともっと時間があれば、いいお友達になれたかも、このおじいちゃん運転手さんと…。

P1000530そして南仏の余韻も覚めやまぬまま、日曜日の今朝、私は北駅に向かった。先日、ここからみんなとブリュッセルに発ったばかり。今日はベルギー人のT君と日本人Yちゃんのご夫婦+生後9ヶ月の赤ちゃんMちゃんがベルギーから会いに来てくれる。適当な待ち合わせ場所も思いつかないので、タリス号が到着する北駅まで迎えに行く事にした。大阪かパリかブリュセル、この3都市のどこかで1年に1度しか会えないお友達だけれど、いつもこうして声をかけてもらえて光栄です。それに写真でしかまだ会っていなかったMちゃんにも会えたし!美男美女カップルのハーフだから、きっと美人になるんだろうな~。将来が楽しみだけど、ゆっくり大きくなってくれるようにお願いしておいた。私は歳とりたくないから(笑)

寒いパリ、観光って感じでもないので、ゆっくりどこかに座ってお話をすることにした。とりあえずバスに乗ってオペラ界隈に出て、プランタン内のレストランに行く。クリスマス前でどこも繁華街はごった返しているけど、とりあえず光あふれる空間でテーブルをゲット。私は謎のコキアージュのリゾットとカフェ・グルモン(エスプレッソと小さなデザートがセットになったもの)を頂いた。今日はT君のおごりです!

P1000535それにしても、もうすっかり2人とも親!子供を抱く姿も板について、なんとも不思議な感じだけど、とても頼もしく見えたわ。こうしてみんな本当の大人になっていくんだろうな…。まだ少し熱っぽいMちゃん(病気だったのです…)に「早く元気になってね…」と、小さなぬいぐるみをプレゼント。仲良くしてあげてね。

もともとこの日はステファンとの先約があったので、3人とは夕方にバイバイ。普通の約束ならもちろん変更して遠くから来てくれる3人とずっと一緒にいたかったのだけど、今夜はクラシックのコンサートに招待してくれるとの事で、チケットも購入済み。仕方がなかった。彼がクラシック???ちょっと腑に落ちない気もしたんだけど、きっと私の好みを考慮してくれたんだろう。これ、実は、サッカーの試合の代わりなのだ。もともとはPSGの試合を一緒に見に行く事になってて、私の滞在中にパリで試合があるのは2回だけ。5日は私が教室のみんなと約束があって無理で、18日は彼が大切なパーティに呼ばれて無理になった。結局のところこの大寒波で、外で試合なんて見てるどころじゃなかっただろうし、行けなくても良かったんだけどね…。でも約束が果たせなくて、何か代わりの事を考えてくれたのだろう。

P1000537今夜のコンサート、場所はなんとサント・シャペル(Sainte Chapelle)!もう長年足を踏み入れてないけど、ステンドグラスが最も美しい教会の中で行われる。でも、ふと考えた。夜だから、冬だし、暗い。ステンドグラスはあまり意味がないな…と。ここでコンサートが定期的に行われているのは知ってたけど、やっぱり同じ来るなら夏場来た方が良いんじゃないだろうか…。実際に来てみると、やっぱりステンドグラスは真っ暗で、教会内は工事中。そして何よりこの寒波のせいで、寒い!!!サッカーの野外観戦よりはましだけど、寒くて寒くて、後半は震えが止まらなかった。ダウンを着たままカイロ2枚貼って聴いている私がこんななのに、軽装の演奏者は、どうやって震えを止めてたんだろう。やっぱりプロです。

ともかく男性4人によるカルテット、そしてメゾ・ソプラノのソロ Ghislaine Roux さんの歌は素晴らしかった。曲目もシューベルトやバッハなど、馴染み深いものが多くて、リストの私の大好きな曲も入ってたし、聴きごたえのある時間だった。季節がら、アヴェ・マリアのオンパレードだったけど、本当に色々な曲があるものだ。心をぎゅっとつかまれた曲があったんだけど、プログラムを買わなかったので、誰の何か分からずじまい。ちょっと後悔。

せっかくの場所なので、ステンドグラスが観賞出来ればなお良しだけど、それがなくてもコンサートとして、とても感動的な時間だった。あまりクラシックを聴かないステファンもかなり気に入ったらしく、その良さを、その後夕食で合流したT君+Mさんカップルにも熱く語ってたわ。

今夜の夕食は、6月にも連れてってもらった韓国料理屋 JanTchi (6 rue Thérèse 1e)。他のパリの韓国料理屋をあまり知らないので比較できないけど、ここはけっこうおいしい。ちょっとフレンチに飽きてきたところなので、辛いのを食べまくります!

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11/12/2010

南仏プロヴァンスの12月 その4

P1000471昨夜は随分と早く眠りにおちたようで、夜中何度か目を覚ました。パキっと目が覚めた朝の4時頃、その時に、あんなに強く吹いていた風の音がまったくしない事に気付いた。もしかして今回のミストラル終了???

せっかく気持ち良く目が覚めたので、本を読みながら夜明けを待った。毎日、カメラを向けた夜明けだけど、今日は一段と遠景のグラデーションがきれい。それにしても本当に嘘のように風はやみ、木々の枝もまったくと言っていいほど揺れていない。まるで台風の目にでも入ったようだ。

P1000473今日もお1人様席で健康的に朝食を頂き、ウェンディとも楽しく話をして、お宿の精算も済ませて、荷物をまとめた。大好きな青の部屋にもしばしのお別れを告げる。さあ、いよいよ出発の時。

アレックスが約束通り11時に迎えに来てくれた。一家全員でお見送りをしてもらってお別れのビズ。ちゃんと休んで元気になってね!と手を振り、2012年の再会を約束。1年4ヶ月なんて、ずっと先のようだけど、毎年のようにきっとあっという間なんだろうな。

あ~、もうお店もレストランも開いてなくていい。ずっと南仏にいる旅にすれば良かった。パリに戻るの嫌だ…なんて思っている私がいる。12月のリュベロンはいらないものを全部そぎ落とし、素朴さだけがさらに際立つ。そしてそのいでたちがますます私の心を惹きつけた。やっぱりいつかは必ず住んでみたい場所…。

P1000503休日モードのゆる~い感じのアレックスはまだ小さい下の子レニー同伴で登場。土曜日も奥さんがお仕事なので、今日はアレックスが見るのだ。再会を楽しみにしていた上の子ユーゴーは家の駐車場でお母さんの運転する車に足をひかれ(なんと!)足をケガしたばかり。当分ギプスは外せないそうだ。と、言う事で今回は会えず残念!小さいレニーは、私が話しかけると笑いながら顔を隠して絶対に返事をしてくれないのに、アレックス曰く前回私が帰った後、列車を見るたびに mika、mika と言ってくれてたらしい。光栄な事に私の名前を覚えてくれた上、列車の中に住んでる人って思ってくれているらしい(笑)今回はほっぺにチュウはしてくれたけど、まだまだ笑って顔を隠すばかり。ちゃんと言葉でコミュニケーションをとれるのはもう少し先になりそう…。

P1000492今日のプログラムはもうアレックスが決めてくれていた。mikaはまだ行った事がないって言ってたでしょ?と、野性味あふれるカマルグの地に向かう。今日は天気が良いので、まずサント・マリー・ドゥ・ラ・メール(les Saintes-Maries-de-la-Mer)に行き、地中海の砂浜でピクニックをする。途中、大型ショッピングセンターに寄ってお昼の買い出し。さっき、たらふくパンを食べたばっかりなので、サンドイッチ1つで良いと言う私にアレックスもビックリ。

ミストラルがやんだおかげで、気温も上がった。初日のアヴィニヨン程ではないにしても海辺で食べるのには問題なし。太陽の光を浴びてキラキラする水面。12月の半ばにさしかかって海辺で食べれるってのは、やっぱりラッキーなんじゃないだろうか。レニーは久しぶりの砂浜でおおはしゃぎで、ゴロゴロ、ゴロゴロどこまでも転がっていく。破天荒な天使ちゃんは全身砂まみれで、私なんてどこから手をつけていいのかわからないくらいだけど、親はタフで慣れっこ。この写真、反町のCMみたいに、男同士の親子の図って感じで撮ってみた。

P1000504いつもアレックスの子供に対する態度を見ていて感心するのは、一つ一つ、子供の発する音に言葉で対応する事。レニーなんて、まだちゃんと話も出来ないわけで、泣いたり、ぐずったり、笑ったり、それが主な行動。それに対してどうしてその態度が良いとか悪いとか、ちゃんと言葉で説明するのだ。2,3度注意しても駄目な時は容赦なく叱るし。まあ当然と言えば当然なんだけど、日本の親よりもその発言が明確で言葉数が多いような気がする…。言葉で勝負できる国民性はこういうところから作られるんじゃないだろうか、きっと。

P1000488サント・マリー・ドゥ・ラ・メールの街中は閑散としているけれど、ゴルドよりはお土産物屋さんも開いている。そしてジプシーもひっきりなしに、私の手相を見てやると言いよってくる。アレックスがその度に「彼女はフランス語わからないから」と追っ払ってくれた。

教会は上に登る階段が閉鎖されていて残念だったけど、地下はオープン。有名な黒い人形サラは見る事が出来た。この人形も5月と10月の巡礼祭には外に担ぎ出され海に入っていく事になる。

その後、カマルグの湿原地帯を1周した。海と見間違うような大きな沼沿いには有名なカマルグの白い馬や野生のフラミンゴ、この辺りで飼育されている雄牛などなど。その風景は前に訪れたイル・ド・レにも似ている。まっ平らなその大地は自転車で走るのも気持ちがよさそう…。また次回の滞在が今から楽しみ。妄想ばかりが膨らみます!

P1000518塩田で有名なサラン・ドゥ・ジロ(Salin-de-Giraud)も通過したけど、やっぱり塩の山は見られず。これもまた次の旅でぜひ。

なんと今日の走行距離、彼らの家から私のゴルドの宿、そこからカマルグ周遊、そしてアヴィニヨン駅…と、全部でゆうに300キロ以上走った事になるらしい。すごい距離です。前夜まで泊まりの仕事で疲れていただろうに、アレックスにも心から感謝!

P1000523_2後ろ髪引かれる思いでTGVに乗りこむ。まるでシンデレラのカボチャの馬車のよう。2012年はできるだけ長めにリュベロンに滞在しよう。そんな事を思いながら日常生活に戻っていきます…。

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10/12/2010

南仏プロヴァンスの12月 その3

P1000374朝の4時半頃に目が覚めた。5時半ごろにはウェンディが用意してくれた簡易朝食会場にみんなが集まってきた。もうすぐにお迎えの車がやってくるので慌てて一人一人の旅の感想メッセージを撮影。ほぼ暗闇だったけど…。

今回はみんな初めてのリュベロンだったし、軽く挨拶したって感じだろうか?また来たい!ってみんな声を揃えて言ってくれた。今度はもっといい季節に、また一緒に旅をしましょう!!!

いつもみんなの乗る車を見送る時、一抹の寂しさを感じる。やっぱり関西弁でしゃべりまくれるって楽しいし、みんなと一緒だと旅特有の高揚感を味わえる。それが終わるってのは、寂しい。でも大きなトラブルなくみんなを見送れてほっとする気持ちもあるし、さあこれからフランス語に頭を切り替えて、フランス人との時間を楽しむぞ!と言う気持ちにもなり…、いつも複雑。今回は特に、空は青いけど閑散としているヴァカンス地に、ポツネンと独り取り残される感があり、寂しかったなぁ。

P1000386部屋に戻り、もうひと眠りして日が昇る頃再び起床。10時頃サロンに行くと、私1人分の朝食の準備がされていた。もうここに来るのは7回目だけど、宿泊者1人ってのは初めて。寂しい半面、なんだかとても贅沢な空間でもある。今日もミストラルは吹いているけれど、空は本当に真っ青で、サロンに差し込む光もとても美しい。写真を何枚でも撮りたくなってしまう。

それにしても今日の寒さは半端ではない。お庭の水場が完全に凍ってる。それでもこの青空につられてか、寒いのが嫌いなマックス(ここの猫)も顔を出していた。

P1000389ウェンディは今日もつらそうだけど、笑顔でコーヒーを持ってきてくれた。私が1人で気を使ってくれてるのか、いつもより雑談の時間が長い。結局、座り込んで話し込んでしまった。シーズン・オフの今、敷地内では新しい部屋の建設が始まっていた。1つは少し大きめのお部屋になりそう。ベルギーから長期で家族が来た時なんかにも使いやすいものになるそうだ。新しい隣人との話し合いも続いているようだ。今日も11時からやってくるのだと言っていた。いずれにしても工事はだいぶ遅れが出ているようで、春のシーズン開始には間に合わないかもしれない。

P1000402私はのんびりと朝食を頂いた後、暖かい青の部屋の窓辺でうとうとしながらひなたぼっこ。それはそれはなんとも言えない気持ちの良い時間。今夜は1人だし、村で何か食べて真っ暗な夜道を1人帰るのは嫌だったので、何か簡単なものを買ってくる事にした。その分お昼に何か暖かい食事をしたかったんだけど、あまりにくつろぎ過ぎてしまって、村に着いた時にはデジュネの時間は終わってしまっていた…。仕方がないので先日夕食を頂いた高級ホテルの光あふれるサロンに陣取り、例のサービスの男の子とおしゃべりしたり、午後ティーを頂きながら今までの旅を振り返りながらメモをとったり、友人に絵葉書を書いたり…そんな事をしている内にあっという間に日が傾き始めていた。

P1000432こんなに有名なゴルドの村でも、観光客向けのお店としては有名な蜂蜜屋さん le Miel Peyron が開いているだけ。その他は数少ない住人のために、カフェ、ミニ・スーパー、郵便局、薬局、雑誌屋、そしてパン屋(兼お菓子屋)が、かろうじて営業している。私は在庫寂しいパン屋さんで、お惣菜パンをいくつかと、ウェンディんちへのお土産にいくつかお菓子を買い求めた。お宿への帰り道、ゴルドの村を見ると上半分だけ、夕陽を浴びて黄金色に輝いていた。あまりに美しすぎて、友人に電話をしてしまったほど。ミストラルは昨日にも増して強く吹きつけ、まっすぐ歩くのさえ大変だったけど、すれ違う人も車もなく、風の音しかないこのゴルドの村を独り占めしているかのようなこの瞬間は、やっぱり無理をしてもここに来て良かった…と改めて思わせてくれた。

P1000440いったん部屋に戻って大きなベッドにゴロっとしたとたん、また深い眠りに落ちてしまったようだ。気付くと1時間ほど寝ていたようで、辺りは真っ暗になっていた。サロンに下りると、再び私用にテーブルがセッティングされていた。物音を聞きつけてウェンディが出てきてくれて、またあれこれと世話を焼いてくれる。そしてまた朝の続き…、朝よりもさらにじっくりと話をした。私がここに通うようになってもう6年。シーズン・オフでお客様が少ないからこそ、持てるこういう時間も悪くないわね。いつも親切で優しい彼女だけど、今回、女同士の内緒話も色々して、より近しい存在になれた気がする。

P1000441ここをカミュ夫妻から買い取り新しい生活を始めて5年。その間に2人の子供を出産して、彼女の生活は劇的に変わったと思うし、毎日ゆっくりと考える暇もないほど忙しかったのだと思う。私も教室を始めて最初の頃はまったく余裕がなかった。仕事の大きさも内容も違うけれど、そのあたりの大変さは理解できる。その上、手のかかる小さな子供が2人となれば、それは私の想像を絶する大変さだろう。今はこの5年間の疲れがどっと出てくる頃なんじゃないだろうか。ゆっくり休んで、また本当に元気になった彼女に会いたい。

でも、クリスマス休暇にはベルギーから親戚が集まるそうで…。彼女が心から休める日はあまりないのかな…。

今年最後のゴルド 大快晴
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09/12/2010

南仏プロヴァンスの12月 その2

P1000275朝、7時に起床。身支度をしていると7時半頃から少しずつ太陽が昇って来た。部屋にジワ~っと光が差し込んでくる。(写真は7H40頃撮影、青の部屋から)

プチデジュネは9時にサロンで集合。みんなでお喋りしながら、いつもの盛り盛りのパンをのんびりと食べていたら、あっという間にお迎えが到着する時間だった。

リュベロンに来るのが初めてのみんなには、やっぱり一番典型的な村々を紹介したい。お店はぜんぜん開いてなくても、今日はパリのお天気が嘘みたいに雲ひとつない快晴。みんなもこの季節、青い空を拝めないと諦めていたようなので、お天気が良いだけでみんなの気持ちまで晴れ渡っていた。ただ1つ問題はミストラル。雲をみんな遠くに追いやってくれたのは、この土地特有のミストラル。まただ…(笑)

P1000287_2ゴルドの近くにあるセナンク修道院を見てから、1時間ほど車を飛ばしてルールマランに到着。村の入り口にあるブランジェ+パティシエでみんな1つずつショコラを購入。春にここに来たときはテラス席でカフェとクロワッサンを頂いてその安さに感動したんだった(+鼻もつまっていた)。今日は誰も座る人がいない。

ちょうどお昼時で、わずかに開いているお店もその扉を閉めようとしていたその時、NHさんが素敵なバッグを発見。店主に中に入って見てもいいですか?と聞くと無愛想だけど良いと言う。入ると”くた”っとした感じの皮の手ごろなポシェットがあり、私も迷わず購入。Tちゃんもマフラーとボネを購入。もちろんNHさんの目を引いたバッグも引き取られて行った。閑散期の売り上げに少しは協力できたでしょうか?マダム。

P1000317_2さすがにルールマランはゴルド級に有名なので、すれ違う観光客が数人…。あとボニウ、ラコストと周り、村のいぬ・ねこに挨拶。そしてメネルブでワインの試飲。エマニュエル夫人のシリーズ等を手がけた有名な映画プロデューサー、イヴ・ルッセ=ルアール氏が持つ Domaine de la Citadelleを訪問。すると、なんとご本人がホールにいて、色々と説明をしてくださった(95年からはメネルブ村の村長さんでもある)。大阪のワイン・ミュージアムとも交流があったようで、ポスターが貼ってある。私達はここ(大阪)から来ました!と告げると、さらにご機嫌に館内の説明をしてくれて、受付の女性に「貯蔵庫と栓抜き博物館も見せてあげて」と言い残し、去って行った。今でも2年に1度は日本に行くそうでかなりの親日家。こんな大物に会えるとは、映画ファンの私としてはワインが飲めなくてもラッキ~でした。

P1000319_2南仏で人気のロゼは完売。でもこのドメインの自慢は赤。でもみんなが気に入ったのは白。N組のNさんが「今夜の夕食時に飲みましょう!」と1本購入。さあ、家路を急ぐよ!

ゴルドの村で車を降りる。N組のMさんとKさんは夕べの☆☆☆☆☆でシスレーのスパ。今回の旅行最後の夕食前に女度アップを目指す。残りの私達はホテルのサロンでほえ~っとくつろぐ。たっぷり2杯分は入っている濃厚なショコラー・ショーを頂きながら、旅の終わりを思った。1週間て本当に早い。私よりも密なプログラムをこなしていたみんなにとっては充実した1週間だったかもしれないけど、せっかくこんな遠くまで来てるんだから、せめて2週間は楽しんで欲しい…と、いつも思う。GWをずらしても何の意味もないんですよ、政治家のみなさん!誰に遠慮することもなく、後ろ指刺されることもなく、同僚達と協力し合いながら、確実に有給休暇を取得できるような社会でないと。そして会社にそれを強いる法の整備が必要。私ももっとみんなと一緒に旅をしたい…。そしてパートナーとも…。

P1000321_2相変わらず痛々しい感じのウェンディだけど、それでも笑顔で夕食のおもてなしが始まった。でも、スパ組の2人が戻らない。どうやら、シーズン・オフのせいかスタッフ不足で、思うように事が進んでいないらしい。19時にアペロ開始でお願いしていたので19時半ごろにはお料理が運ばれてくるし、ウェンディの体調を考えると、これ以上待たせられない…。早く食べ終わって、早く仕事から解放してあげよう…と、苦渋の選択。その場にいた4人だけで食事をスタートさせた。みんな揃っての最後の晩餐になるはずだったので、ちょっと残念。

P1000335_2お料理はアミューズにグリシーニと生ハム。前菜はズッキーニのスープ、メインはみんなの好き嫌いの少ないポークにきのこのブラウンソース+手作りピューレ。そしてデザートはタルト・タタン。メインが運ばれてくる頃、ようやくスパ組も帰宅。前菜を逃してしまったのは、本当に残念だったけど、スパの経験はそれ以上に贅沢で快適なものだったみたい。2人とも大満足。だんな様のミゲルが作るお料理は、いつも素朴で誰もに好まれる優しいお味。ズッキーニのスープ、私はおかわりまでしてしまった!

明日の朝、みんなは5h45にここを出発する。マルセイユ空港でパリ行きの飛行機に乗るためだ。マルセイユまではここから小一時間はかかる。いつもは出発の朝にお支払いをするのだけど、今回はそれが無理なので、夕食後に済ませることに。そして、みんなの中で一番フランス語が上手なMさんがウェンディに「mikaのお夕食分は私達が払います」と bonne surprise ! またみんなに気を使わせてしまいましたね。この場を借りて、どうもありがとう。楽しいみんなと旅が出来て私もとても嬉しかったです。

P1000353_3あの美味しい朝ごはんが食べられないのが気の毒で、ウェンディに何とかならないかな???と前もってお願いしておいたら、簡単な朝ごはんを夜のうちにセッティングしておいてくれた。しんどい体で、どうもありがとう…。

みんなは、荷造りに余念がない。私はNHさんとTちゃんのオンクル・ジュールで夜更かし。荷造りが完了したところでN組を訪問すると、ちょうど眠りに落ちたところみたいだった…。みんな、おやすみなさい。私も少しだけ眠ります。

あ、そうそう。私が昔、ボニューの村で見た満点星空には少し劣るけど、この日の星空もまんざらではなかった。きっとミストラルが空中のありとあらゆるものを吹き飛ばしてくれたお陰なんだろう。ただ、寒くて寒くて、5分もじっとはしてられなかったけどね…。

今日のゴルド 快晴
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08/12/2010

南仏プロヴァンスの12月 その1

P1000227記念すべき10回目のリュベロン、大好きなのは春の旅だけど、今回初めての12月。去年は真冬に30センチも雪が積もったと聞いてたのでちょっと恐れながらの訪問だったけど、なんの、なんの、12月でもやっぱりちゃんと太陽が私達を迎えてくれた。(天気が悪そうな写真は色調をいじっています)

いつものように早朝のTGVに乗り込みリヨン駅を出発。予定では10h24にアヴィニヨン駅に到着予定だったけど、途中列車が止まってしまい結局1時間半ほど遅れて到着。昨日に引き続き、乗り物の難?原因は前のTGVが故障して立ち往生していたため。まあついてないけど、私達の列車じゃなくて良かった。

P1000222実は今回、残念なお知らせが続々と届いていた。私がいつもお世話になっているゴルド村のお宿 マ・ドゥ・ラ・ボーム(Mas de la Beaume) のオーナー、ウェンディが体調を崩し、急遽検査入院をすることになったのだ。だから私達の到着時にお迎えが出来ない&だんな様だけでは大変なので木曜日の夜の ターブル・ドット(table d'hote お宿で夕食を出すこと)が出来なくなった…と。そして、いつも車での移動でお世話になっているアレックスは泊りがけの大きな仕事が入ったために、すでによそに行っていて、私達を駅で迎えてくれるのは5月にも来てくれたファブリス君らしい。大切な2人をみんなに紹介できないは本当に残念だけど、どちらも仕方のない理由。アレックスの場合は基本的には1人で仕事をしていて、仕事が重なった時に人を雇うわけだけど、大きなイベントの仕事は絶対に受けなければならないし、泊まりになるような長時間の仕事は、人を雇うと支払う分も多くなるから自分で行くしかないのだと前から言っていた。私も自営業の端くれなので、そういう事情はよくわかる。ただでさえお友達料金でサービスしてもらっているので、無理は言えません。でも私がパリに戻る最終日は家に戻れるので、どこか案内してくれるそうな…、それは嬉しい話だけど…。

とにかく始まった今回のプロヴァンス。一緒に来たみんなと楽しめたらそれで良い。

P1000196_2最初に散策したアヴィニョンでは街の中心地、オルロージュ広場に大きなクリスマス・マーケットが出ていた。ここで気になっていた Provence Lavandes を奮発。プロヴァンスの伝統で母親が嫁ぐ娘に手作りして贈っていたという素敵なデコレーション。編みこむリボンの価値で随分値段が違う。ラヴァンダンの花の部分を内に折り込んだマラカスのような形が基本形。香りが弱くなれば、丸い部分をパフパフっと押してやれば良いそうだ。香りがまったくなくなってもエッセンスをたらせばまた復活。半永久的に使える香りの置物です。

P1000197_2アヴィニヨンは南仏でもかなり大きな都市。それが驚いたことに、教皇庁(Palais des Papes)の前の広場に人っ子一人いない!シーズン初頭の4月でさえ、ここには人があふれているのに。まるでこの世の終わりのよう。私達6人の貸切状態だ。ある意味とても贅沢な空間。アヴィニヨンでこれだったら村々は店も開いてないのだろう。浪費しなくてすむけど(笑)

案の定、次に訪れたルシヨンは街の中心にある薬局以外、全部店を閉じていた。そんな中唯一開いていたのは、私がいつも立ち寄る雑貨店。可愛いお姉さんと少し話をしながら、いつものラヴェンダーの香りの缶詰をお土産に買い求めた。お店が閉まっていても、景色の素晴らしさは変わらない。初めてリュベロンにやってきたみんなは、あちらこちらで感嘆の声を上げていた。

P1000203_2今日はダウンコートも要らない奇跡的な16℃。そして快晴。フォトジェニックな村のあちらこちらを心行くまで散策して、次のラヴェンダー美術館(Musée de la Lavande)へ。日が暮れる前にお宿に到着したかった私達は1時間は少なくともかかると言われた見学はやめにして、ブティック内でラヴェンダーのミニミニ講座を受ける。その後はお待ちかねのショッピングです!ここには欲しくなるものばかりが並んでいる。これから1年以上はここに来られないので、私もその間楽しめるようにたくさん商品を買い込んだ。

なんとか日が沈む前にゴルドに到着。お宿の手前にある絶景ポイントで1日目のゴルドを撮影。やっぱりここに来るとみんな大興奮です。撮影はなかなか終わらない…(笑)

P1000233宿について車から荷物を下ろしていると、なんとウェンディがいつもの笑顔で出迎えてくれた。痩せて疲れきった顔はしているのだけど、いつもの満面の笑み。再会のビズをしながらも「え~、なんでここにいるの?体、大丈夫なの?」と私。入院の準備も万端に病院に行ったけど、とりえあずは様子を見ることになったそうだ。彼女も「mikaが遠くからやって来るのに、なぜ今入院しないといけないの???」と悔しく思っていたから戻ってこれて本当に良かったと言ってくれた。「私がいるから、明日の夕食も大丈夫よ!」と彼女。無理はしないで欲しいけど「大丈夫!」と言い張る彼女…。

P1000262_2ウェンディと共に1つ1つのお部屋を訪問してから、みんな荷物を運び込んだ。今回はブルーの部屋にした。ラダシエールも好きだけど、素晴らしい眺めがある分、やっぱりこの部屋が一番好き。2人ならフェリシーもいいな。部屋の扉を開けると、いつものようにむせ返るようなラヴェンダーの香り。自分の家ではここまで香りをつけるのは少し勇気がいる。この深い紫色の香りを嗅ぐたびに、ここへ帰ってきたことを実感するのだ。

N組はフェリシー。N組のMさんはお隣のオークル。NHさんとTちゃんはピジョニエの予定だったけど、水漏れのため現在工事中⇒オンクル・ジュールに変更。でもどの部屋も個性的でプロヴァンス色満載、みんな気に入ってくれたみたいです!

P1000246ゴルドはここらの集落の中では大きいほうだ。観光客も多いし、商店も多い。でもここでもお店はみんなほぼ壊滅状態。気持ちの良い青空が広がり、今日は気温も高い分、このひと気のなさに違和感を感じる。世界の果てに取り残されたかのようだ。車のない私達はやっぱりゴルド内で食べるしかないので、今夜唯一開いている村の☆☆☆☆☆ホテル La Bastide de Gordes へ。アペリティフをサロンで取りながら優雅な雰囲気に浸る…のはいいけど、暖炉の火が気持ちよすぎて、みんなとろ~っと眠たくなってしまった。お腹は減ってるけど、今すぐにでも気持ちの良いベッドに体を沈めたい気分。

(17時48分に撮影した青の部屋からの眺め)

P1000250お料理は62ユーロのメニューが1つ。もしくはアラカルトで頂くことになる。心なしか以前よりお料理の盛り付けが華やかで美しくなった気がする。シェフが変わったんだろうか?お味ももちろんホテルの格式に負けないくらいに美味しい。ただ、みんな眠たくて眠たくて、あまりそれどころではなかったんだけど…(笑)それにしても見て!この贅沢なフォアグラの量を!日本じゃ考えられない!!!

デザートを前にNHさんの体調が悪くなるハプニング発生。でもサービスの男の子がとても親切で本当に助かった。帰りはレセプションの人に泣きついて車を出してもらうのに成功。やっぱり何でも言ってみるものです。

P1000256リュベロン1日目の夜、こんな素敵な部屋にいると言うのに、私は眠い目をこすりながら手洗濯。LISMOでお気に入りのジャズを聴きながら…。でないとここにはTVもラジオもインターネットもないから…。

(左、見えにくいけどポワレされたフォアグラ2段重ね、これが前菜)

P1000258今夜のメニュー
アミューズ ナスのファルシ
前菜 このフォアグラ・ポワレ
メイン ドラド・ロワイヤル(鯛の一種)のロティ+リゾット
デザート マロンクリームのアイス、ショコラ+柑橘系ソース

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07/12/2010

Bruxelles

P1000144_2今日は2006年以来、久しぶりのブリュッセルへ日帰り遠足。みんなとは北駅でRDV。私達が予約したタリス号が技術的な理由で20分ほど遅れて出発することは、数日前にメールで連絡が来ていたけど…どうやら牽引車が故障して、次に出発する列車に引っ張られていくらしい。牽引車ってそんなに余分がないのかい?数日もこんなことしてるなんて…。2つの列車が同時に出発するわけで、同じ車両番号も2つ(ただし列車番号は違うけど)。ホーム途中で乗り込もうとしたら係の人に、あなた達のは一番奥よ、と言われて凍りついたホームを走る走る。

ブリュッセル・ミディ駅に到着してから、みんなで頭を悩ませたのは地下鉄とトラムの地図。前もそうだったんだけど、普段地図にはめっぽう強い私もここではまったくの無力。路線図が超複雑なのだ。何回も来ているブリュッセルだけど、いつも日帰りの短い滞在で路線図が頭に入ったことは一度もない。みんなで力を合わせてなんとか最初の目的地、グラン・プラスからもそれほど遠くない老舗のビア・カフェ??? A La Mort Subite (7 rue Montagne-aux-Herves Potageres) へ。昔のままの店内装飾が素晴らしい!ベル・エポックです。

P1000143今回は私をのぞいてみんな呑み助さんが揃っているので、ブリュッセルでは有名なビールを飲みまくるぞ~と張り切ってここへ来たのだ。でも…予想を超える寒さでみんな1杯飲むのがやっと。おとなしく飲みやすい白ビールを注文して、あてにフリット(フライドポテト)を…と思ったら、パリのカフェならどこにでもあるフリットがな~~~い。フランスにはフリットばかり食べているベルギー人を馬鹿にするジョークまであると言うのに、な~ぜ~???

後日談:ベルギー人の友達に聞くと、フリットは屋台などで買って歩きながら食べるのが主流。お店にはないそうだ。イギリスのフィッシュ&チップスと同じのりなのね。

P1000148メニューにはオムレツとサラダしかない。野菜をみんな食べたいのだけど、この寒さで生野菜はあまり欲さない。で、みんなでオムレツを注文したら、こんな想像外のフォームで供された。フランスとは違うことが色々あるとは知っていたけど、今日はさらに発見の連続。パンは正直まずい。バターではなくついてるのはマーガリン。でもおなかが減っているとなんでも美味しく食べれるものです。

みんな外の寒さがわかっているので、もうずっとここにいたい気分だけど、頑張っておでかけ。でもその前にこのメゾンのスペシャリテ、グーズ(だっけかな?)にN組が挑戦。ビールも醸造段階で色々な名前に変わるらしくて、これはかなり酸っぱいのが特徴。正直、おいしくないそうですょ。まあ、これも経験ってことで…。

P1000158その後、みんな揃って Musée Horta (25 rue Americaine)へ。大好きな建築家ヴィクトール・オルタの自邸でアール・ヌーヴォー建築の傑作の1つ。前に来たのはいつだろう。もうずいぶん前になる。大規模な修復工事を経て、なんだか見学するのも大変になった。全部荷物を預けなければならないし、写真の撮影も出来ない。でもみんなにブリュッセルのよき時代を少し感じてもらえたかな???

その後、トラムに乗ってグラン・プラスを目指すも、故障…途中で全員降ろされて、私達が乗っていたこのトラムは、別のに引っ張って行かれた…。今日は乗り物の難?

P1000166_3街中にあるすべての水分が凍りついている。街もどよ~んとグレーで、空気が冷たいのが目でもわかる。とても散歩って感じではないのだけど、こんな種類の寒さはもはや大阪では味わうことが出来ない。それはそれなりに楽しい私です。なんか子供の頃に戻ったみたい。

明日、南仏に早朝発つ私たちなので、パリに戻るタリス号は早めに予約しておいた。それまで自由行動。私はタンタン・ブティック(13 rue de la Colline)に行って、パートナーへのお土産を買い求めた。新しくなったタンタン・ブティックは明るくて広くてきれい。タンタン・ファンの聖地です(私はミルウのファンだけど…)。

17時20分にグラン・プラスで再集合。それがすごいことに20分からグラン・プラスの建物のファサードでイリュミネーションのショーが始まった。音楽と映像の演出。しばし見とれる。それにしてもちょうど始まるなんてラッキーだ。やっぱりついてないことと、ラッキーなことって交互にやってくる。こうしてバランスが取れてるんだなぁ。

P1000172今回行きそびれた眺望も素晴らしい楽器博物館の素敵なサロン・ド・テ。ここでお茶するのは次回に持ち越し。2012年の旅で、また来れるかな?

パリに到着したのは20時。私は遠くに住むことになったので、今夜のレストランは欠席。みんなのお宿のすぐ前にあるところを予約しておいた。ここ、美味しいからぜひ行きたかったのに…。残念。私はおとなしくバスに乗って帰路に着く。おうちに帰る前に近所のモノプリへ。

やっぱり夜、暖房が切れてしまうと寒い。寒くて目が覚めたほど。外がこれだけ寒いのだから仕方ない…って事で、引越し以来、激安暖房器具を探していたのだ。今夜寄ったモノプリには2台小さなファンヒーターが残っていた。19ユーロ(約2000円くらい)、安!!!ピンポイント暖房の代物だけど、2000Wあるので、なんとかなるでしょう。とりあえず希望の品をゲットしてホクホクの私はおうちに戻って、旅の準備をします。初めての冬のプロヴァンス。どんな感じだろう。楽しみです。

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06/12/2010

寒い…

P1000124今朝はプチデジュネからRDV。前から行ってみたいと思っていた Le Boulanger des Invalides (14 av de Villars 7e) でのイートイン。ただもともとプランは私達全員がサンジェルマンデプレにいるという想定でたてたもの。今やパリの果てに住む私には、ここでの朝食はちょっとキツかった…。満員のメトロに乗る気がせず、バスで行こうと思っても、1台目は目の前で行ってしまうし、その次はなかなか来ない。雪が雨に変わってもなお寒い今朝のパリ。私の心はちょっと折れ気味だった。なにより睡眠不足がつらい。出発前からほぼ2~3時間しか眠れてないので、そろそろ体が限界。ゆっくり眠りたい…。でも今日はみんなと過ごすパリ最終日。なんとか一緒に楽しい時間を過ごしたかった。

P1000128ひどく遅刻した私がお店に到着した頃、みんなはほぼ食べ終わっていたにもかかわらず、私にも何か食べるようにすすめてくれた。お言葉に甘えてクロワッサン1つとコーヒーを頂く。暖かい店内で冷え切った体がほどけていくようだった。もっといろんなものを試してみたかったけど、また今度…。とにかくみんな「おいしい!」と連発していたので、良いお店だったみたい。

その後、みんなの希望で、お店からすぐのところにある"奇跡のメダイユ教会" Chapelle Notre Dame de la Medaille Miraculeuse (140 rue du Bac 7e)へ。今まで何度も話には聞いていたけど、自ら足を運んだのは今回が初めて。小さなブティックにはたくさんのメダイユが袋詰めで売られていた。さながら神社のお守りのよう。本当にご利益があるかどうかは謎だけど、行きの飛行機があまりにも怖かった私はみんなと一緒に大量購入。だって信じられないくらいに安いのだ。これだけたくさん握り締めてたら、神様も意地悪はしないでしょう(笑)

P1000134そして隣にあるボン・マルシェの食品館でみんなお土産を買い求める。ここは良い品が揃うので、私も今日ここでお買い物を済ませれば、あとで慌てなくてよさそうだ。最初30分くらいで再集合しよう…と言っていたのに、みんなぜんぜん時間が足りなかったみたいで、気づけば2~3時間の時が過ぎていた。時間的にも、予定していた大モスケでのクスクス+ミントティーはなくなりそうだったので、腹減りの私はカフェでこっそり栄養補給。案の定、その後ここで解散になった。食べておいて正解でした(笑)この時すでに14時くらいだったから、クロワッサン1つでは大食いの私の体が持ちません…。

N組の3人はパリの街に最終ショッピングに繰り出し、HNさんとTちゃんは明日のブリュッセル行きのチケット引き取りに付き合ってくれる事に。ボンマルシェ~お宿、お宿~モンパルナスまで一緒にのんびりと歩きながら、気になるお店があれば立ち止まり…、このお散歩は私にとっても思わぬ楽しい時間だった。久しぶりに食べたメゾン・ド・ショコラのエクレアも最高に美味しかったし、大満足。普段あまりチョコレートに興味のない私だけど、ここのトリュフとエクレアには目がない。特にこれだけ寒いと濃厚なやつが食べたくなるわね…。

P1000131駅でチケットを無事ゲットして、HNさんとTちゃんも最後の追い込みに街へ。私は夕食までのひと時、マガリとお茶。明日は1日ブリュッセル、あさってから週末まで南仏に行くので、今週はもう会えない。マガリのiPhonによると南仏では太陽が見られそうだった。パリの真冬がきついのは、久しぶりとは言え、ここで5回の冬を過ごした私にはわかりきった事だった。でも改めてこの大寒波の中、そして青い空が見えない事が気分を憂鬱にさせることを痛感した。ただ温暖化で気温が上がってしまった日本の冬ではなかなか体験できないこの寒さ、子供の頃を思い出させる懐かしい寒さでもある。たまには悪くない。

P1000132今夜の夕食は l'Epi Dupin (11 rue du Dupin 6e)で。前に教室の生徒さんに教えてもらったこの店。最近の雑誌のビストロ特集とかでもよく見かける評判のこのお店はどうだろう???って事で予約してみた。3品(+アミューズ)で33ユーロ、パリではこのお値段は今やリーズナブルなほう。その上今の超円高は本当に助かる。

P1000133最後に到着した私がテーブルに着くと給仕の男性がやってきた。いつもの癖で、彼の言ったことを訳そうと思ったけど、よく考えるとそれはすでに日本語!!!「え?」とビックリして顔を見るとやっぱりフランス人。この人すごく流暢な日本語を話す人で、丁寧にメニューを説明してくれた。料理方法などは私も???な事が多いのでこういう人がいると助かります!お食事はいまどきの流れも取り入れた感じで、色々な繊細な味の遊びが楽しめる。メインは子羊のquasiって部位。同じ腿肉の一部みたいだけど、やっぱりgigot が好きかな。初めてやってきたこの店、トータルで気に入ったので、みなさんにもおすすめします!ただ自家製パンだけはもう少し柔らかめがいいなあ…。

さあ、明日はブリュッセルに遠足です。寒そ~。

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05/12/2010

引越し完了

P1000096今朝は朝一で代替物件の見学。もし気に入らなくても他に選択の余地はないのだけど、全部の荷物を運んでから、気に入らなかったときのショックはまた何倍にもなるだろう…と、まず見学だけさせてもらうことにした。

ドアの前には前回とは違う若い女性。前回のフランス暮らしが長いマダムよりは私達にまだ感覚の近い滞在3年目の女性だった。感じの良い彼女に案内された物件は最上階屋根裏部屋、私がもし今留学生で物件を探しているなら、申し分のないものだった。こじんまりとした室内に、必要なものは全部揃っている。清潔だし、白い壁に最上階の光が映えてとても明るいし、物件自体は十分に許容範囲。界隈も学生時代に考えていた引越しリストにあった場所の1つだし、ちゃんと熱いお湯の出る十分な水圧のシャワーも確認した。「じゃあ、お願いします」と私。水が十分に出ないような物件を与えておいて、住めないと言っても、返金はできないと言うのだから、ここを気に入るしかないわけだけど、本当にいやな物件でなくてよかった…。

P1000098ただ、生活するには便利な界隈とは言っても、サン・ジェルマン・デ・プレとは比較にならないほど、中心地からは遠い。交通の便も単線なので、まあ良いほうではない。とにかく今回も歩きつくしたい私にとっては不便としか言いようがない。それに排水システムが屋根裏部屋などによくある特殊なもので、排水がある程度たまるたびに、ゴ~っと轟音をたてるものだった。シャワーなど水を流し続けるときは1分ごとにこの音を聞かなければならない。これはかなりストレスになりそう…。あと1つ…、建物自体は集中暖房で昼間は十分に暖かいけれど、夜にはそれが切れるとの事。他に暖をとるものがないので、この大寒波中のパリで、どれだけ室温が下がるのか???それは大問題だった。昨日まで滞在していた女性は大丈夫でした…と言われても、人それぞれだし、私は相当な寒がりだ。まあ、とりあえず、今夜過ごしてみてから考えよう。

P1000101_2代わりとしてあてがわれたのは、ひどい物件ではないにしても、諸手をあげて喜ぶものでもない。今回はサンジェルマンに拠点を置くために御社の物件を選んだ訳で、あてがわれた物件そしてこの界隈に滞在するのは私の今回の滞在の意図から大きくはずれること、そして私の不満に思う気持ちは伝えておいた。それを考慮した対応をしてもらえるかは今後… on verraである。今はとりあえずこれ以上時間を失いたくないので、骨の折れる交渉はあきらめた。前回に引き続き、住環境には運のない私…。でもまあ気持ちはいつも前向きに!こんなことでもない限り、住むことがなかったこの界隈も楽しめるように、歩くことを少しあきらめてNAVIGOを使うことにしよう。

お昼前、そこからみんなとのランチの約束に向かう。今日はお約束の Le Comptoir du Relais (9 Carrefour de l'Odéon 6e)。ここのフォアグラ・トーストは本当にどこよりも美味しい。少しお塩を散らして食べると、格別の風味になる。春の滞在の時にはこれがメニューから外れていてがっかりしたのだけど、今回また復活。とろけるフォアグラを満喫してから1日だけの我が家に戻った。

P100011115時に約束していたステファンがやってきてくれて、一気に荷物を新居へと運び終えた。約5ヶ月ぶりの友との再会は引越し⇒カフェ⇒散歩の半日となった。今日はまた一段と冷えて、歩くと顔が痛い。私はいつでも歩けるように、ヒートテックにカイロ両面貼り…と、しっかり防寒(顔・頭以外)できていたけど、彼はまさか初日からこんなに歩かされるとは思ってなかったのか、割合に軽装で凍えていた。かわいそうに…(笑)。途中、ギャルリー・ラファイエットのクリスマス・イリュミネーションを見る。大勢の人に混じって私もその美しさにシャッターを何度も押す。中のツリーもパリで一番華やかだろうから、また日を改めて行ってみたいな。

P1000119パリの果てから今夜のレストラン Julien (16 rue de fbg Saint-Denis 10e) まではおよそ10000歩。ここも研修旅行では良く利用するお店の1つ。早い時間帯はお店もそんなに混んでないし、照明が明るく、本物のアールヌーヴォー装飾がじっくり楽しめるから好き。今や観光客相手の店の代表格かもしれないけど、その割にお料理もちゃんとしてる。今夜、私は今日のおすすめ2品頂く。前菜のオマールソースは大好きな味。もう1皿お代わりしたいくらいだった。そしてメインに鴨のマグレ。

P1000114食後みんなはイリュミネーション・バスツアーに参加するので、私はここで失礼する事に…。少しだけ早く家に到着できそうなので、新居での生活をカスタマイズして明日に備えます。

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04/12/2010

ノックアウト

P1000063_2昨日は低気圧の影響で、突風などによる被害が相次いだと聞いた。ちょうど私達の乗った飛行機がえらい目に遭っていた時間帯は関西もかなりの強風だったとか。飛行機がそう簡単におちるものではないって事はよくわかってるけど、本当に大事にいたらなくて良かった…って思う。

眠い目をこすりながら、カフェ飯の後、仲良しのマガリから電話。仕事を終えて、サンジェルマンまで会いに来てくれた。政府関係の仕事をしている彼女は、このところの政治情勢から、常にパリ市内だけど、ポストの移動が多い。さっきまでめちゃくちゃ眠たかったけど、親友との再会に意識はくっきり、はっきり。12時ごろ部屋に戻り、色々していたらもう4時。あわてて眠りについた。

P1000070で、今朝は研修旅行の定宿から数分のところに私はお引越し。今回はとても高くて住めない界隈に小さなステュディオを借りた。今回の旅を決めたのは、春のフランスでの部屋にまつわるトラブルからくるストレスが出発点だった。当初予定になかった旅なので、日程もいつもよりも短め。より効率良く滞在を楽しむため、一番好きな、映画館も豊富なこの界隈に部屋を借りてみた。

P1000071_2 Tちゃんが荷物運びを手伝ってくれて、引越し無事終了。その後みんなとのブランチのため 近所にある Da Rosa (62 Rue de Seine 6e) へと向かう。また雪が降ってきた。他のみんなを待っている間に、少し積もってパリはうっすらと雪化粧です。

ここへはN組(Nさん、Mさん、Kさんの3人組)のご所望でやってきた。期待してただけあって、みんなけっこう頼んでたな~。写真の生ハムはみんなでわけわけ。他に私は暖かい野菜スープを注文。十分に温まったところで、街歩きに出発。でもその前に!近くにある Debauve&Gallais (30 rue des Saints-Pères 7e)へ。ここは特にチョコ好きじゃない私もいつも寄ってしまうお店。N組やTちゃんは甘いものには目がないらしく、日本でまだそれほど有名でないこの一流ブランドに興味を持ってくれた。なんといっても200年以上の歴史を持つおそらくフランスで最初のショコラティエ。王室ご用達だったのはもちろん、私はこのサンペール通りのお店の建築(ナポレオンスタイル)がお気に入りです。

P1000075その後解散して、Tちゃんと私はレ・アール方面へ。私が前回の滞在でバッグを購入した kaem と言うお店。Tちゃんが私のバッグをすごく気に入ってくれて、同じものを買いたいとの事。嬉しいので私も同行。Tちゃん、最初思い描いていた色ではなかったみたいだけど、私とおそろいのモデルのすごく渋いかっこいい色のを購入。私が欲しいくらいだったけど、この色は最後の1品なんだって。良かったね!

その後、Tちゃんとも解散して、私はいったん家路についた。今夜はもう1人、1日遅れで到着するNHさんをホテル前でお迎えすることになってたので、それまでに少し日用品の買い物も済ませておきたかった。

P1000080部屋のすぐ近くには大きなスーパーがあってとても便利で、滞在中に使用する消耗品をたんと購入して家に戻る。そして部屋の設備を改めて確認すると、シャワーの水圧が限りなくゼロ…。これではさすがのフランス人も指先しか洗えんだろう!って感じの水の出だった。これは大変!と、私を担当してくれてたマダムに電話!と思って気づいたのは、私がフランスで使用している携帯、ORANGE(フランスの携帯のオペレーター)の電波がな~い!!!部屋の中で携帯が使えないって事だ。

これは、もしもシャワーを急遽直してもらえるような事があっても(フランスなので期待できませんが…)、ここでの生活はちょっと難しいって事だ。建物の外に出て、中庭をだいぶ歩いてもなかなか電波が安定しない。それにしても、パリのど真ん中で電波のないスポットがあるとは!家のトラブル以上に想定外の出来事だった。

P1000081ようやくマダムをつかまえて、事情を話すと、親切に対応してくれた。マダムの対応には十分満足している。奇跡的に、他のエリアだけど、私の日程に合う物件が1つ空いているので、そこへの移動をすぐに提案してもらった。もちろん短い日程で失う時間ももったいないし、そんなことでもうストレスを抱えたくないから、そうすることにしたけれど、なぜ???いつも私の滞在はスンナリ行かないのか?もうショックでショックで悲しみのどん底です。

今夜はもうお迎えとみんなとの夕食の約束があるので、引越しは明日することにした。ちょうどいいタイミングでステファンが電話してきてくれたので、明日の引越しを手伝ってもらうことにした。こういう時に男手は便利です。もちろん引越し時のタクシー代は払ってもらうけど、その前後、私1人で道路を移動できる荷物の量じゃないのです。

そうこうしているうちにNHさんから空港に着いたとの電話。研修旅行のお宿の方に肩を落として向かう。また追い討ちをかけるように、寒いんだな、これが…。

P1000086彼女を部屋に案内した後、お茶を飲みながら私の身に起きた不幸を早速聞いてもらった。そこにTちゃんも合流。3人で63番のバスに乗り込み、今夜のレストラン Mon Vieil Ami (69 Rue St Louis en l'ile 4e) に向かう。数年前に友人に招待してもらった時、美味しかった記憶があったし、最近ますます雑誌などでも評判が高いようなので、今回再訪。今は7時と9時半の入れ替え制になっているらしい。でも9時半を回ってもテーブルセッティングが終わらず、寒い道路で待たされていると(もちろん私達だけでなく全員)、なんだか無性にむかついてきた。

P1000087_2良い料理を出したらそれで良いのか?私達の担当のお兄ちゃんはそれなりにサンパだったけど、最近日本に行ったばかりのここのシェフは、私達に挨拶するわけでもなく、隣の常連客のテーブルで、私達のことと絡めながら、最近見てきたばかりの驚くべきニッポンを熱く語っていた。話の全容は明らかではないけど、常連客の無遠慮な視線に、それが決してよい話ではないのは容易に想像できた。

最近、フランスで感じるのは、よくも悪くも私達の国ニッポンが注目を浴び始めている、と言う事。1人では感じない視線やらコソコソ話も、数人の団体でいるとすぐに観察の対象になってしまう。それがしんどい…かな。

さあ、明日は物件見学からスタートです。

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03/12/2010

20℃⇒-2℃

P1000046_2春の旅はアイスランドの2回目の大噴火、今回の旅はヨーロッパ中を覆う大寒波。私の乗る飛行機はちゃんとCDGに着陸できるのか?ヨーロッパの主要空港のいくつかは閉鎖されているし、心配ごとが絶えない出発前夜である。

最近ようやく荷造りが少し上手になってきた。と、言っても始めるのがいつも遅い、ギリギリまで家の掃除をしないと気がすまない etc. やっぱりゆっくりは眠れなかった。最近はスーツケースのサイズを小さなものに変えたので、いっぱいにつめても出国時に制限重量を超えることはなくなったけど、念のために教室のSさんに頂いたハンディタイプのはかりで持ち上げてみる。19キロ!ばっちりです。

さあ、いよいよ出発。今回はまず4名の生徒さんと出国。1日遅れでもう1人到着。私を含めて計6名の旅。パリ、1日遠足のブリュッセル、そして南仏リュベロンを周って、南仏で解散。その後、私は再びパリに戻って、春のリベンジです。

でも、寒そう!出国前日、大阪はなんと20度と言う小春日和。そこからマイナスの世界の寒さはとても想像できない。けど、ダウン着て、カイロ貼って、今回も歩くよ~。

P1000059_2 ところで飛行機の離陸時、ともかく私はこの瞬間が嫌い、怖い、逃げたくなる。今回は本当に揺れました!生まれて初めてくらいの怖い揺れで、大げさな話、もう駄目かと思った。となりのTちゃんの腕にしがみついて、完全に千秋先輩状態です。恥ずかしい話だけど、本当怖かった。修学旅行の女子高校生達も、キャ~と声を上げるし、その声のせいでさらに怖さ増幅。飛行機が安定姿勢に入るまで、まったく生きた心地がしなかったわ。

春一緒に旅をしたSちゃんが、朝空港に向かっているとき行ってらっしゃいメールをくれたんだけど、そのメールの中に、私が彼女の夢の中に登場したって書いてあったのも気になったんだよね、実は…。それでこの揺れ!ちょっと怖いスタートでしたが、こんな怖い思いをもうしたので、帰国するまであとは楽しいことしかありませんように!

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30/11/2010

鹿児島 LOVE

Sh3i01690001先日、所用で鹿児島に幾日か滞在した。自由な時間はなかったんだけど、ぜひ行ってみたいと思っていた磯庭園には行けたので、大満足の私。桜島を借景とする素晴らしい庭園のデザインだった。ちょうど訪れた当日は、この季節にしては珍しい黄砂の影響で霞がかかったようだったけど、それでも桜島は格別の存在感を放ち、見る者を魅了する。

Sh3i01760001_3庭園内、市内には「篤姫」のロケ地を示す案内板が多々あり、懐かしい。また改めてドラマを見直したくなった。2年前の篤姫ブームの時は観光客も数倍に膨れ上がったらしい。すごいね、TVの影響は。

(左の写真は篤姫嫁入りのシーンが撮影された橋)

今年に入ってもう800回以上も噴火を繰り返していると街の人に教えてもらった。火山に縁のなかった私にとって噴火とは、もっと恐ろしいイメージだったけど、目の前の桜島は、目覚めたばかりのクマのあくびのように、音もなく静かに噴煙をはきだしている。あ~、この山は生きているんだと改めて実感。

Car2mq64どれだけ眺めていても飽きない。どんどん惹きつけられる不思議な感覚。ちゃんとしたカメラを持参しなかったことを後悔しながらも、携帯カメラでシャッターを押し続けた。

いつかTVで見たように桜島を東西南北の四方から眺めてみたいな…。きっと色々な表情を見せてくれるんだと思う。

鹿児島なんて行く機会のない場所だと思っていたけど、中央駅前は想像以上に大きく発展しているし、何よりひっきりなしに目の前を通るバスの量にびっくり。鉄道網があまり便利でないから?としても見たことがないくらいに夥しいバスの数だった。

そんなバスの1つに乗って、知覧まで足を延ばす。睡眠不足が続いてた私はバスで熟睡。ふと目を覚ますと、隣にはとても上品な美しい老婦人が座っていて、寝ぼけ眼の私に微笑みかけてきた。とても80には見えないこのご婦人は「どうして知覧へ?」と私にたずねる。事情を話すと、今度は戦争時の話をさりげなく聞かせてくれた。今度いつかプライベートでここにやってくることができたら、ぜひ特攻隊の記念館も訪れて、彼らに手を合わせたい。そう思っていたのだけど、今回はそれをする自由がなかった…。

近くて遠い鹿児島…。来年の3月には鹿児島まで新幹線が通り、乗り換えなしに行けるようになるらしいけど、それでもやっぱり国内旅行は交通費が高くつくので、どうしても二の足を踏んでしまう。でも絶対にまた行きたい場所、1つ増えました。

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04/11/2010

Facebookの功罪

先日、フランスのニュース番組で知った事。Facebook の登録者が、世界第3位の人口数に達したらしい。世界の人口の15人に1人が登録しているとの事。中国、インドに次いで、世界第3位。でもこれは架空の国。

去年の春フランスに滞在していた時、ちょうどフランスにも Facebook ブームが到来していたようで、人が集まるとそんな話を良くしていたっけ…。一時期の日本の mixi ーブームみたいに、それからもしばしば社会現象としてニュースでも取り上げられていた。

こういうSNSがどうも苦手で、mixi 国からも逃げ出した私。それでも時々外国に住む友人から届く Facebook への招待状…、最近では開封することもあまりなかったのだけど、数週間前、意外な人から届いた招待状が気になり、ポチっとクリックしてみた。するとそのメールの中には、今回招待してくれた人はもちろん、それ以外にも今までに私に招待状を送ってくれた人や、共通の知人では???みたいな懐かしい名前がちらほら。その中には、もう20年以上会っていない旧友の顔写真もあった。

彼女はアメリカ人と結婚してもう20年近くNYに住んでいるんだけど、そんな彼女から突然電話がかかってきたのが、もう10数年前。私がまだパリにいた頃、彼女が同じくパリに住む共通の友人に数年ぶりに連絡を取った時、私もパリにいることを彼から聞き、電話をして来てくれたのだ。

その後はNYでテロがあった時、私から彼女に連絡を取った。この22年の間に連絡を取り合ったのはこの2回だけ…。でも縁は切れることがなかったのだな~と今回しみじみ思った。

彼女の近況を知りたいとFacebook に一時的に登録をして、メッセージを送ってみた。すると返事はすぐに届いて、それも翌週、日本にちょうど里帰りするという。何という偶然!

こうして、私たちは22年ぶりに再会を果たした。私の知らないアメリカと言う国、NYで生きる彼女との再会は、やっぱり嬉しいものだったし、こうした再会をもたらしてくれるFacebookも悪くないのかな…と少し思ったりもした。

でもやっぱり居心地が悪くて Facebookはすぐに退会した。私は友達の友達はみな友達的な考えは苦手。友達なんてそう簡単に手に入らないもの。知り合い=友達という考えもない。”友達”という言葉は、もっと大切な人だけに使いたい…かな。

mixi が流行りだした時、日本でもよく言われていたけど、フランスのニュースでも Facebook 中毒の現象を伝えていた。ここでの友達が増えれば増えるほど、友人から届く更新情報は増えるし、ここでの存在を意味あるものにするためには、自らの情報発信や書き込みも必要になる。こうしてPCや端末から目を離せなくなる人が出てくるらしい。現実の世界での日常生活にも支障が出るなら、それは本末転倒と言うしかない。職場でも常にmixi の画面を見ているって人、いたもんな~。

確かにこういうツールに救われている人がいるって事はあるだろうし、こういう世界でも器用に生きられる人やビジネスに活用できる人を羨ましく思う気持ちがないわけではない。でも現実の世界に生きている、本当に大切な私の友人のほとんどはアナログ人間ばかり。だから mixi も Facebook もまだまだ私には必要のないものみたいだ。

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03/10/2010

B級グルメの週末

P9230055_2最近、ようやく秋らしさも定着してきて、歩くことに弾みがついてきた。歩き癖もついてきたので、友人のN嬢がおすすめしてくれた歩くための靴も購入。時間がある時は15000歩ほど歩くように心がけている。気持ちいい季節なので自転車も乗りたいのだけど、歩いていると、ふと立ち止まって写真を撮ることも出来るし、周辺の面白い事をゆっくり観察できるし、最近は散歩のほうがお気に入り。

土曜日は梅田で【ハーパー・リーガン】を一人観劇の後、中之島で行われている【食べ阪2010】でパートナーと合流。アジア料理好きな私たちは、食券を買って、屋台フードで小腹を満たした。これは30年近く米シカゴで続くフードイベントを模したものらしい。本場とはイベントの規模も集客力も格が違いすぎるけど、まずは何かしら楽しい事を興そうと頑張っている大阪を応援してあげたい。

Caitoj3lちなみに時を同じくして、【River!リバー!りばー!】なるイベントも中之島~八軒家浜で行われていた。こちらにも移動販売車がたくさん出ていて、奇妙なテーマソングと共にインパクトのあるメロンパンが目に飛び込んできた。富良野メロンパンって言うらしい。さっそく食べてみたけど、なんか癖になりそうな予感。でも移動販売って次どこで会えるかわからない訳だよね。次、巡りあえたら、たくさん買い占めて冷凍してしまいそう!

日曜日の今日も雨がやんでからパートナーと街に繰り出す。週末のB級グルメが続くのだ。今日はなんば周辺。GOLDEN SPOON で低カロリーなソフトクリームもどきを頬張り、五穀バームなる五感とねんりん家の合の子みたいなバームクーヘン専門店の Yama Baum を試したり、子供の頃からの大好物、GÜTEのチーズパンを大量購入したり…(ああ、夜中に全部食べてしまいそうだ…)。

P9250072_2その後は、パートナーがビール飲みたい!なんて言うから近くにあったなんばWALKの KELLER KELLER で肉々しい夕飯。最近、夜の外食と肉が続いているので、来週はなるべく自宅で野菜料理をつくろ~っと。あんまりサボると台所に立つのが億劫になるし…。それに何より最近食べ過ぎなのです。また危険区域に入ってきたので、注意しなければあっという間に元の体重に戻りそう。歩いた以上に食べてるので当然なんだけど…。

夕焼け2枚は、今回の記事とあまり関係ないけど、最近気に入って撮ってる夕焼け写真からセレクト。

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10/09/2010

お気に入りの場所

Caw4wviv木曜日あたりから、ようやく今年の酷暑も終わるんだな…と、信じられるような風が吹き始めた。自宅の水道から出てくる水もようやく"水"と呼べるような温度に戻ったし…。今年の夏は、湯沸かし器をつけてなくてもお湯が出てきたもんな~。本当、暑かった。

まだ涼しいとは決して言えないけれど、久しぶりに「あ~外を歩きたいな」と思い梅田から天満橋までちょっとお散歩。もちろん教室のある北浜を経由して、中之島~天満橋まで。

私が教室を北浜の地に選んだのは、もちろんこの界隈が昔から好きだったから。高校生の時、中の島美術学院に通っていた時に、ここ中之島にまだ見ぬヨーロッパの雰囲気を感じて、とても気に入ってしまったのだ。オレンジ色のライトアップ、浮かび上がる古くて荘厳な建築群。特に夜はとてもロマンティック。

人に話すとよく笑われるけど、ここは私にとっては、セーヌ川に浮かぶシテ島とサン・ルイ島。大阪の中のパリなのだ。

とは言うものの、教室を始めた7年前は、このあたりも少し寂れた感じだった。ブルーテントにSDFの人々。周辺にはお客の少ないレストラン達。それが、このところどんどん再開発が進み、川沿いも美しく整備され、オシャレなお店も増えて、気づけば都会のオアシスに変貌をとげていた。

Ca7q4um4距離にすれば、中之島から天満橋までは1kmちょっとだけど、公園内を駆け巡るワンちゃんや、思い思いに時間を過ごす人を眺めながら、そして時々足を止めながらのお散歩は、今の私にとっては、とても楽しいひと時なのです。

特に大阪に愛着のある私ではないけれど、ここには、あ~住んでみたいな…って思える何かがある、大好きな場所です。

酷暑よ、サヨナラ!

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31/08/2010

後悔しないために…

今日、ローラン・フィニョンが亡くなった。ツール・ド・フランスを2度も制した往年の名選手で50歳という若さだった。昨年、がんを患っていることをマスコミに公表はしていたけれど、今年7月に行われたツールでも解説をつとめ、声はしゃがれていたけれど、元気そうな姿を見せていたし、彼の闘病ぶりを応援するファンが沿道にあふれていたのに…。とてもショックで言葉が見つからない。

ピレネーのエタップでは、彼が病と闘う姿勢を称える賞(各エタップを盛り上げた選手に贈られる prix de la combativité にひっかけて同じ名前の賞) が贈られ、彼が若いころアシストをつとめた大御所ベルナール・イノーから、記念の盾を受け取る一幕も印象に残っている。

それなのに、あれから1ヶ月あまりで、彼は帰らぬ人になってしまった。

実は神戸時代にお世話になった鈴木成文先生が今年3月初旬にお亡くなりになった…と人伝に聞いた時のショックも未だ癒えていない。

神戸での職を離れて15年。もしかしたら鈴木先生は私の事なんかもうお忘れになっていたかもしれないのだけど、私の中ではいつかちゃんとした形で私の方から会いに行きたいと言う気持ちがあったのだ。神戸からパリへ、そしてパリ大学で修士号を取得して、帰国後、今の仕事を始めて今年で8年目。今なら、先生に胸をはって「お久しぶりです」と、会いに行けるような気がしていたのだ。

そんな折、今年の2月に2週間ほど東京に滞在する用事があったので、ぜひ鈴木先生にお会いしたいと思い、ホテルも先生のご自宅の近くにとっていた。でも東京での用事は過酷を極め、毎日が疲労困憊。その上、一緒に会いに行ってもらおうと思っていた東京の友人も忙しくしていたので、結局会えず仕舞いで大阪に戻ってきてしまったのだ。

また今度…

そんな風に思いながら、少し後ろ髪をひかれる思いで東京を後にした。その1ヶ月後に届いた訃報。なぜ、私は2月に先生に会っておかなかったんだろう…激しい後悔に襲われた。

そして今日、大好きな友人が東京に引っ越した。もっともっと彼女とここでの時間を一緒に過ごしたかったけど、もうそれもかなわない。

やっぱり何でも先延ばしにしてはいけないのだ、と改めて考えた。毎日毎日、後悔しないように、自分の気持ちに忠実に生きていかなければ、また次はないかもしれないのだ。

今夜、教室の後で、友人3人と話をして有意義な時間を過ごした。仕事も性格も違う私たちだけど、1つ共通点があるとしたら、自分らしく生きようと一生懸命模索しているところだろうか。

歳を重ねる毎に思いを強めていることは、無駄な時間は過ごしたくない、と言うこと。仕事も増え、責任も増してくる私たちの毎日は本当に1分1秒が貴重。だからこそ、本当に大切な人やものと真摯に向き合い、毎日をシンプルに過ごしたいだけ。

難しいことだけれど、これからの課題にしよう。後悔しないためにも…。

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29/06/2010

旅の終わり

P6290161昨夜遅く家に戻り、メールチェックなんかをしてるとあっという間に時間は過ぎてしまっていた。それに荷物を完全に作ったつもりなのに、なぜかまとまらない。いつもと同じ…。それでも少しだけ眠ろうと3h頃ようやくベッドにもぐりこんだ。目覚ましは5hにセット。日本の母にも念のためにモーニングコールをお願いしておく。

なのに…このわずかな睡眠時間を邪魔するかのように、眠りについてすぐゲリラ豪雨の音で目が覚める。窓も閉まっていると言うのに、私の目を覚ます轟音。うそ~~~、まじ???どうか雨よ、やんでくれ~~~!だって数時間後に私は、マレ地区のMiさんが泊まるホテルまでスーツケースを持って移動しないといけないのだ。手ぶらならそれほど気にならない距離だけど、スーツケースを転がしながら大雨の中行くわけにはいかない。

そんな事を考えながら、再度眠りに落ちたのもつかの間、あっという間に次々と目覚ましの鳴る時間になっていた。7時にはマガリが来てくれる事になってる。あいにく小雨がまだ降っていた。

準備ができてMag.が到着。最近体を鍛えてる彼女は、私が止めるのも聞かず、1人で重いスーツケースをおろしてしまう。その後をミニスーツケース、機内持ち込みの荷物2つかついだ私がよたよたついていった。絶対に1人では無理な作業なので、本当にありがたいMag.のヘルプです。

下に降りるとなんとか雨はやんでくれていた。水たまりを避けながら、Miさん+Tさんの泊まる Le Bourg Tibourg (19, rue du bourg-tibourg, 4e) まで歩いて行く。彼女たちとはロビーで9hにRDV。ここから一緒にタクシーに同乗して空港に向かう。

P6290155もちろん家の前でピックアップしてもらっても良いのだけど、Mag.は9hからオフィスで仕事なので8h30には出発しないといけない。だから少し早めに荷降ろしを手伝ってもらって、ゆっくりこのホテルの朝食をお礼に食べてもらうと思ったのだ。

リッチなコンセプト・ホテルらしいオシャレなプチ・デジュネ。山盛りのフルーツに高級そうなジャムが何種類も並んでいる。と、言ってもまだ目覚めたばかりでぼ~っとしてる私たちは、パンを少し食べるだけで十分だったけど(笑)そしてもう少し希望を言えば、もっと明るい所で食べたかった。中世の雰囲気がむんむんのこのホテル、朝食は地下のなんとも重々しい空間で頂きます…。

でも一緒に時間を過ごす事が大事。ありがとう、Mag. grâce à toi, j'ai passé de très bonnes vacances !

本当なら次のフランスは2012年に…と思っていた。でも今回、良い事もたくさんあったけど、嫌な事もたくさんあって、このフラストレーションを抱えたまま年を越すのはどうも納得がいかない。だから年内に戻ってきます、パリに。今度はあまり欲張らずにシンプルな旅を、10年ぶりになる冬のパリを楽しみ、そしてパリの友人達に会いに…。だからそれまで à bientôt, Paris ! 私は少し鈍っている心の感度に磨きをかけて旅に備えたいと思っています。

こんな風に???

P6060153

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28/06/2010

statut de notre amitié

お昼、郵便局で2つコリシモを最終発送。今年コリシモは全部で5つ送ったわけだけど、重さの感覚と言うのは本当に不思議。最初のは制限重量の7キロを少し超えたくらい。ばっちりだった。「7キロ超えたらボックスの耐久性を保証できませんよ!」なんて文句も言われたけど、今までだいたいいつも傷なくちゃんと届いてる。7キロまでは何キロでも同一料金のボックスだから7キロちょうどに入れられたらそれがベスト。でも体重計もはかりもない旅先の家では自分の勘だけが頼り。ちょうどにするのは至難の業だ。結局、郵便局ではかられた時、2つ目は8キロくらいで3つ目は6キロくらい。ちょっと誤差が出てきたけど、まだまだ許容範囲。なのに今日送った4つ目、5つ目なんかは両方4キロくらいしか入ってなかった。ショック。こんな調子ならきっとスーツケースもまだまだ余裕なんじゃないだろうか…。そこに少し押し込んで、コリシモ4つ目をぎゅうぎゅうにして、5つ目は送らなくてもすんだかも…なんて、ちょっとせこい考えがよぎったり。だって超過料金よりはめちゃくちゃ安いけど、それでも1箱41ユーロもするのだ。でもまあ、空港であたふたするのはもう嫌なので、これでひと安心!としとくかな。

P6280143その後 Saちゃんと今回最後のお食事を…と言う事で、リュクサンブール公園となりにある thé cool(13, rue Medicis, 6e)へ向かった。ここはいまどきの健康志向なサロン・ド・テ。脂肪分0、砂糖不使用のローカロリーなお菓子や8カロリーのキッシュと言う雑誌の記事に惹かれて来てしまった。私は遅いランチだったので、お菓子じゃなく、このカロリーオフ・キッシュを食べてみる。それにしてもこの8という数字は疑わしい。きっと私がノートを取る時に書き間違えたんじゃないだろうか。いや、でも800ならまあ普通だから記事にもならないだろうし、もし80だとしてもそれは信じがたいほど、限りなく普通に近いキッシュだった。だから8でも80でもどっちでもいい。800じゃなければ。

とにかく今日もうだるように暑いのだ。せっかくカロリーの低いキッシュを選んで食べたばかりだってのに、店を出てすぐの所にあるダロワイヨでグラスを買い求めてしまった。最終日と言う事で、いつも自分に甘いけど、今日はさらに甘やかしてやろうっと。ふふ。

その後、Saちゃんとドラクロア美術館へ。ずっと行きたいと思いつつ来た事がなかった場所。ドラクロアの絵に強い思い入れはないんだけど、当時のロマン派の人たちがここに集ったと思うと、それだけで胸が躍る。たしか雑誌の中に描かれた髪を切り落としたジョルジュ・サンドの肖像画はここで描かれたはず。

P6280145敷地内には小さなお庭があって、美術館を訪れた人や、普段からここによく来る人が思い思いの時間を過ごしていた。フランスでは各美術館で友の会みたいな制度があるから、お気に入りの美術館を見つけたら安く会員になって、毎日通う事も可能。フランス、特にパリには毎日でも通いたくなる空間がたくさんあるから、やっぱりパリは嫌いになれない。

Saちゃんともいよいよここでお別れ。7週間、本当にたくさん楽しい時間を一緒に過ごしました。Saちゃんの旅はあと1カ月ちょっと、来週から場所を変えて続きます。どうぞ安全で楽しい旅を!bon voyage ! 私は一足お先に帰りますね。

その後、サン・ジェルマンのいつものカフェでネットをしながらMag.を待つ。でもあまりの暑さのせいでだんだん気持ちが悪くなってきて、フレンチ・ディナーの予定を変更。今夜はミラマであっさりスープを食べて終わり!食後はカフェでくつろぎその後、Magはうちに寄って色んな荷物を引き取って行ってくれた。今度まで預かってほしい靴や、彼女へのプレゼントのバッグやら…。彼女とは数年前から出発の朝、一緒に朝食をとる事になってるので、また明日~と元気に別れた。朝食だけじゃなくって、荷降ろしも手伝ってくれる頼りになる友!

後はSにお別れを言うだけ。今年は彼がパリ市内に住んで、きちんと仕事をしていたので、定期的にけっこう会えた方だと思う。でも会うたびに、彼の心がざわついてきてるのを感じていた。彼とは人間の種類が似てるので、なんとなく落ち着かない気持ちが分かる気がするのだ。またどこか新しい環境に身を置いて、何かしたいんじゃないだろうか…。彼がずっとここに落ち着いていられるとは思わない。でも彼自身それがどこか、それが何かわからない様子…。

カフェで話し込んだ後、家の方まで送ってもらってお別れ。少なくとも今度また私が12月に来たら、彼はまだパリにいるそうだ。

SとMag.私のフランス人の親友2人。そしてフランスの大切な友人たち。彼らの事を考える度に思いだされる台詞がある。大好きなフランス映画 "CRAVATE CLUB" の一場面。親友である2人の男性の間に、ある日信頼関係を揺るがすちょっとした事件が起こり、その時彼らが友情について話をするくだり。

「じゃあ、俺たちの友情における statut は何だい?」

「そんなものはないよ。ないからこそ(友情は)美しいんじゃないか。例えば、一緒に仕事をすると決めた時、結婚をすると決めた時は書類にサインをするだろう?でも友達になろうと決めた時は、しない。そういうものなんだよ。まるで贈り物のように…」

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27/06/2010

l'échappée belle

出発の日も近づいてきたので、とりあえず一度荷造りをしてみる。体重計でもない限り、正確な荷物の重さを知るのは難しい。帰国便はアップグレードしたけれど、去年はそれでも追加料金取られたし、今年は絶対に空港でお金は払わないようにしたいのだ。明日、最後のコリシモを出す予定だったけど、もう1つ追加しようっと。

午後からマレ地区散歩。日曜日もこの界隈は活気がある。お店もほぼ全部開いてるし、時間のない観光客にはもってこいの場所。今日ももちろん暑いので、途中ジェラートの買い食いやらは欠かせません!

1人ウィンドーショッピングを楽しみながら、ちょっと気になる楽しい指輪があったので中に入ると 前にも見た事のあるmaroquinerieが…。そうだ!レンヌ通りでバッグを探していた時に、片っ端からバッグを置いてる店に入った時、見たんだ。縁があるらしい Marc Labat、かなりチープなお店です。でも1つどうしても気になるバッグがあったので、コレクションに欲しくなった。パラシュートの生地を使った軽い軽いバッグ。お値段も安いので迷わず購入です。ただ今日は無難な黒、ななめがけも出来る大きめサイズを選んでしまった。1番欲しかったのは紫の肩掛けタイプ。また冬に来た時、もしまだあったら買おっかな。

P6270124今日こそは伯母に頼まれてたミュージアムグッズを…と思い、ルーヴルに向かって歩き出す。そういえば朝から桃とアイスしか食べてない。それを思い出した途端、急に空腹感に襲われ、なぜか Le Café Marly に足を踏み入れてしまった。こういう高いだけの観光客相手の店には、もうなるべく来たくないのだけど…。でも目の前に広がるイヨ・ミン・ペイのガラスのピラミッドと旧ルーヴル宮殿との新旧コントラストは、私が好きなパリの景色の1つ。これを眺めながらのブランチ(とも言えないかなり遅い時間だけど)は、高くても仕方ないかな…。

私についた給仕のお兄さんは、どうしても日本語を話したい人で、まだちょっと上手じゃないから理解するのに力がいった。なんでももうすぐ東京に住むのだと言う。向こうに友達がいるから…と言ってたけど、最近こういう人本当に多い。とにかく目の前を通るたびに「おいしい?」と聞かれるとちょっとイライラする。だって、決してまずくはないけど、別にそんなに美味しいわけでもない。値段が高いし、空腹を満たすためにちょっとしたものを食べてるだけ。でも人前で「これはそんなにおいしくないですよ~、ふつ~です」なんて言えるわけもない。

夕方、Lちゃんと約束していたので、ここまで来てもらうことにした。彼女が来る前に、ルーヴルのブティックに行くつもりだったのに、カフェで色々メモをとったり、考え事をしていたら、あっという間に約束の時間。到着を知らせるSMSが届いた。外はとにかく暑いし、ここは高いので、店を変えてルーヴルの隣にあるle Fumoir (6, rue de l'Amiral de Coligny, 1e)へ。ここは空調もきいてて気持ちいい!そういえば長い間ここでご飯を食べてないけど、今はどんな料理を出すんだろう。今度あたり奥の間(bibliothèque)を予約してランチをしてみようか…。

仲良しのLちゃんとはいつも話がつきない。ハッと気づくともう19時。20時には研修旅行残留組のSaちゃんと夕食の約束をしていたし、ルーヴルのブティックも行かなきゃって事で慌てて店を出る。…が、ルーヴルのミュージアム・ショップは19時閉店!私とした事が…ショックです。あ~、ともかく決戦は空港のミュージアム・ショップへ。

仕方がないので、駅の方へ向って歩き出す。せっかくだからルーヴルのピラミッドから広場へ出る事にした。もう美術館も閉まっているので、ガラスのピラミッド下はほとんど誰もいない。ところがここでハプニング!ピラミッドから外に出て歩き始めた時、私たちを呼びとめる声が…。振り返ると監視員2人が私に向かって話しかけている。

「マダム、フランス語はわかりますか?」
「は、はい…」???
「それじゃあ、前を向いて、今度は動かないで!!!」

そんなん、急に言われても訳わからんじゃないですか。私、何も悪いことしてないですよ!って感じだ。Lちゃんも???な目で私を見つめている。なんかの濡れ衣で捕まるの、私???大げさだけど一瞬にしてそんな気持ちになってドキドキしてしまった。その瞬間、バシっと軽くはたかれて(全く痛くないけど何かで軽くはたかれた感じ)、もう1人の監視員がわ~っと背後で動いたのが分かった。え~~~、何、何~~~~~!!!ビックリした私は振り返りながら、身を屈めていると…

「これを退治しました。あなたがこれを見てパニックになってはいけないと思って…」

実は彼ら、名前は忘れたけど、刺されると危ない蜂の仲間が私にくっついてて、それを退治してくれたのだった。なんて親切なの!!!私はフワリとした麻のカーディガンをはおっていたので、そんなものがとまっているのにも気付かず、のんきに歩いていたわけだ。でも本当に刺されなくて良かった…。こんな帰国前にもし危ないものにでも刺されてたら…考えただけでぞっとする。この2人の親切に心から感謝して、その場を離れた。

Lちゃんともメトロの駅でお別れ。また冬会えるからしばしのお別れです。そこから私は猛ダッシュでSaちゃんとの待ち合わせ場所へ。

今夜のレストランは雑誌なんかでも話題の Glou (101, rue Vieille du Temple, 3e)。食べたかったメニューは残念ながら消滅していたので、ご自慢の黒豚のシャルクトリー盛り合わせと、うに入りタラマ(タラマは好物)の前菜2品で軽くすませる事にした。今年はハム系づいてるんだけど、最近ずっと目が覚めるほど旨い生ハムを探し求めてます。2年前にバスクで食べたとろける生ハムが忘れられず…ってところでしょうか。思い出はいつも美化されてしまうので、本当のところはどれくらいおいしかったのかさえ定かではないんだけど、まあ今年はそれを超えるものには合えなかった…かな。
(Saちゃん、シャルクトリー盛り合わせ写真くださ~い!)

P6270136現在休館中のピカソ美術館とその庭が見える2階の窓際は最高のテーブル。でも日本人をはじめとしてとにかく外国人多すぎる。もちろん自分のその一味であるので、文句は言えないんですけど…。やっぱりあんまり情報誌に頼らず、自分の足と感で見つけてみたいものだなぁ。

食後はSaちゃんと別れて、現在仕事でパリに滞在中の教室の生徒さんとRDV。彼女の仕事のお話が面白くてついつい深夜まで話し込んでしまった。どっぷり午前様。さすが旅行業界の人。夜中のパリも1人でスイスイっと帰っていきはりました。

けっこう長い1日になった。今日は前半歩数計がまったく作動してなくて、正確な数字はわからないけど、たぶん16000くらいはいったと思う。

明日は帰国前、最終日です。

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26/06/2010

汚れ犬との再会

今日はまた格段に暑い。いやがらせか!と思うくらい。もう本当にいい加減にしてほしい。性格悪くなりそう…。

P6290162今日はまず…木曜日の夜に到着したMiさんとTさんが、レピュブリックのお宿(2泊のみ)からマレ地区のお宿(3泊)へとお引越しするので、ちょいとお手伝い。大きなスーツケースを持っているので、タクシーでの移動を希望していた2人。迎えに行くと、タクシーの予約はしていないと言う。せっかくタクシーで行くならドア・トゥー・ドアかと思ってたのに、広いレピュブリック広場のどこにタクシー乗り場があるか、私は知らないよ~~~!

しばらく右往左往して、なんとか流しのタクシーを捕まえて、お祭り騒ぎのマレ地区に乗りこむ。今日はゲイ・プライド(gay pride)の日なので、マレ地区の皆さんは随分活気づいてます。

チェックインしたのは、Miさんに頼まれて探したちょっとリッチなホテル"Le Bourg Tibourg"(19, rue du bourg-tibourg 4e)。我が家の近くでって事だったので、人気の高いマレ地区を選んでみた。HPの可愛らしい雰囲気とは違って、インテリアはモダン・ゴシック?とでも言ったらいいのか、中世の濃い感じ。(中庭だけ見てると娼家っぽい?)部屋も思ったより狭かったけど、何が良いってエアコンがきいてて涼し~~~。それが一番ここを立ち去り難い理由だったりして。が、意を決してまた酷暑の街へ再び…。

P6260100その後、マレ地区の行きつけのサロン・ド・テ Le Loir dans la Théière (3, rue des Rosiers 4e)でMiさん達とブランチ。キッシュだけでやめておくつもりが、つい食後のデザートに心が奪われてしまった。ここのデザート、とにかくカットがでかいのだ。ぜったい2人分はゆうにある。その事を知らずに頼むと初めての人はたいがいビックリしてしまうので、Miさん達には「2人で分けた方がいいよ~」なんて言いつつ、私はがっつり1人で1ヶ頼んでしまった。マスカルポーネに赤い果実のソースがかかったケーキは、意外とあっさりしていて、するりと完食。

P6260102_2ところがMiさんとTさんは、せっかく頼んだレモンタルトのメレンゲ、1口食べてギブアップ。とにかく2人には甘すぎたようだ。残念でした…。ほとんど手つかずのお菓子がなんだか寂しそう(⇒)。

お会計を済ませて席を立った時、隣のテーブルの女性が「ねえ、どうしてそれ食べないの?」と聞いてきた。「う~ん、彼女たちには甘すぎるんだって」「そうなの。美味しそうなのにね」だって。実は彼女、いらないなら、ちょうだいって言いたかったんじゃないよね?

お店を出て、2人とは解散。私は久しぶりにゲイ・プライドのパレードも見たかったんだけど、16時からモンパルナスで私の好きな俳優マチュー・アマルリックのイベントがあったので、そちらに急いだ。バスは待ってもパレードのせいで来そうにないし、気が進まないけどメトロに乗るしかなさそう。この暑さとバスの不通で1号線も4号線もいやって言うほど混んでいた。

ようやく到着したモンパルナス・フナック。店の前でなんとなく気配を感じたのか、振り返るとマチュー・アマルリック本人と誰か、スタッフかな?彼はバイクで来たみたいで手にはヘルメットを持っていた。それにしても自分でもびっくりするくらい、イベントの前に会場前でよく会うんだな、こんな風に…私が会いに来た人に…。

19457486_jpgr_160_214b_1_cfd7e1f__2今日のイベントは彼の4つ目の長編監督作品 "TOURNEE" の宣伝。なんと彼、先日行われたカンヌ映画祭で監督賞を受賞してしまったのだ!もともと映画の制作側に興味があった彼も1996年にアルノー・デプレシャンの映画に主演してからは、俳優としてひっぱりだこだった。時々、なんで???と思うような謎の映画(映画的な価値を見いだせない)に出てることもあるけど、すべては監督業への金策だったのかしら?と、思うくらいに最近の彼は精力的に俳優業をこなしていた。とにかく、彼の知的で穏やかなものの言い方には時々イライラっとすることもあるんだけど、それが同時に彼の魅力でもあるんだよなぁ(女心は複雑なのです)。

小さな会場だけど、やっぱり映画の評判のせいか、いつものイベントよりは人が集まっている。ぎりぎりに到着した私は、イスなし、立ちっぱなしの遠距離だった。ついてない…。とは言うものの、こういうシネアストとの時間は私にとってはパリならではのプレゼント。私の限られた滞在期間の間に、好きな俳優さんの話が直接聞ける機会があるだけで、ラッキーとしか言いようがない。

P6260111_2で、今日の私の精いっぱいの写真はこれ(⇒)。情けない…。

ずっと昔、やっぱりこのフナックで、彼の主演映画、オリヴィエ・アサイアス監督の"Fin août, début septembre"の宣伝イベントがあった。その時マチュー・アマルリックを初めて生で見たわけだけど、その時の彼は何日シャワー浴びてないねん!って感じにくたびれていた。そこで隣にいたパートナーがつけたあだ名が”汚れ犬(けん)”。以来私たちの間では彼は”汚れ犬(けん)”で通っている。

でももう彼は単なる”汚れ犬(けん)”ではなくって、これから世界に知られる名監督になって行くのかも…。寂しいような、楽しみなような…。

夜はSと落ち合って散歩してリュクサンブール公園でくつろいだ後、彼のいとことそのお嫁さん(なんと日本人女性)と合流。オペラ界隈にある韓国料理屋さんJanTchi (6, rue Thérèse, 1e) に連れて行ってもらった。正確にはなんと発音するのか知らないけど、パリに住む韓国人や日本人の間でも評判の店らしい。色々つまみ食いしたけど、どれも美味しかった。基本、フランス料理の毎日なので、たまにはこういうアジア料理は嬉しいわね。数日後にはもう日本だけど…。

食後はSに連れられて、彼の友人デオと3人で10区のchez Jeannette でおしゃべり。ここも比較的よく来る場所。昔はひなびたおやじカフェで、近くに住むMag.の出勤前の行きつけカフェだったのに、数年前にオーナーが変わったようで、名前と装飾だけ残して店の雰囲気は完全に変わってしまった。でもまあ異国情緒ただようこの Faubourg Saint-Denis通りの中にあっては、今でも私にとっては入りやすい店の1つ。

デオはドイツ語も自由に操るアフリカ系フランス人。語学を生かしてドイツ系の企業で仕事をしているそうだ。面白い人だったので、話が盛り上がり、久しぶりに午前様。疲れました。またいつか会えるといいんだけど…。9978歩、やっぱり話してばかりだと歩数は伸びない。

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25/06/2010

謎はとけたが…

P6250086お昼頃、3つ目のコリシモを出しに郵便局に行く。そのままお出かけしたいところだったんだけど、4つ目のコリシモの箱を購入したので、それを部屋に置くために、ふき出す汗を拭きつつ屋根裏部屋に戻ってきた。螺旋階段をほぼ上りつめたところでフリ~~~ズ!私の部屋の前には小さな小さな廊下があるんだけど、そこには窓とさらに行き止まりの階段がある。そこに見知らぬ男性がいるではないか!!!

数秒間、物音をたてず彼を見ながら身動きできないでいると、視線を感じたのか彼が私に一瞥。「ボンジュール」と言ってまた視線を窓の外に向けた。私も戸惑いながら「ボンジュール…」。こういう場合はどうしたら良いのか…。大きな段ボールを抱えたまま、どこにも行けない。でも至近距離に見知らぬ人を置いたまま、デジコードしかない部屋の扉を開けるのはなんだかとっても嫌な感じがした。(imaginez un peu : ATMで背後に密着した人がいるのに暗証番号を押さなくてはならないような感じ?)

彼は死んでる階段に腰をかけ、耳にはイヤフォン…。どうやら彼はお気に入りの音楽を聞きながら、空を眺めているようだ。ちょうど時はお昼時。きっと今まで数回私を恐怖に陥れた(ちょっと大げさ)お昼時の物音は、彼が発していたんだろう。きっとここで休憩をしながら、お昼ごはんを食べていたに違いない。今までの怖い気持ちは一気に薄れていったけれど、それにしたってほとんど我が家と言えるエリアで見知らぬ人が休憩してるのはどうも腑に落ちない。(imaginez un peu : ちょうど一軒家で言うと門扉の中みたいな空間です)

どっちにしても、もう選択の余地はなかった。持っていた段ボール箱で暗証番号を隠して、ささっと入室。彼が立ち去るのを待った。それにしてもビックリした。この部屋については最初に色々書いた後も、本当に色々あったんだけど、おそらくこれが最後のビックリって事にして欲しい。

P6250087今日は、昨夜パリに到着したお友達のMiさん(+同行の友人Tさん)に会う予定になっていた。いったん16時頃にサン・ジェルマンでって事にはなってたので、それまでゴブランのリディ母さんの店に顔を出した。お腹が減っていたので、チーズスフレとテリーヌの入ったプレート、それにフルーツサラダを買ってまたお店の奥で食べさせてもらった(ちなみに私が勝手にイートインしてるだけですが…)。もちろん全部リディ母さんの手作り。お皿を持って来てくれたり、お水を入れてくれたり、フルーツサラダは御馳走してくれたり、相変わらず色々と世話を焼いてくれるリディ母さんです。

それを食べたら、カフェを飲みに行きましょう!と、いつものカフェで、いつも通り、リディ母さん、しゃべるしゃべる。今日は特に3人息子の愚痴をたくさん聞く事になった(笑)それにしても、いくつになっても親は子供の心配をしなくちゃいけないのだね。本当、大変だぁ。

母さんの話は長引き、幸いと言うかMiさんは迷子になったとかで、到着がかなり遅れるとの事。その後はLちゃんと待ち合わせしていたので、Lちゃんにサン・ジェルマンに来てもらい、Miさん達の到着をおしゃべりしながら待つ事にした。

P6250090って事で、今回はリディ母さんとは最後のおしゃべり。また12月に来るねって、約束して別れた。そうなのだ、年内に再度やって来ようと思ってる。今回のパリでの不本意な出来事の数々のせいで、少しずつ気持ちが固まってきた。来年は日本で取り組みたい事があるので、久しぶりに冬のパリにやってくるつもり。うん、ce n'est pas une mauvaise ideé !

良く足を運ぶサン・ジェルマンのカフェ café du métro (67, rue de Rennes 6e) で、Lちゃんとおしゃべり。Miさん達は20時頃にようやく到着。おなかが減ったので、ここでみんなで夕食を済ませる。おとといのMag.に触発されて、今夜はバヴェットステーキを選んだ。ここは気軽に食べれるカフェだけど、お料理もまあまあ美味しいので気に入っている。高カロリーの牛肉を大量に食べたんで、今夜も歩いて帰るよ~!いいお天気だったし、夕焼けがまた美しい…。

でも今日はおしゃべりの時間が長すぎて、歩数伸びず8728歩でした。

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24/06/2010

宣伝マン@le Havre

SNCFは予定通りストを決行。列車の本数がずいぶん減ったので、駅はごった返していると思ったら、やっぱり平日の日中にノルマンディに向かう人はそれほど多くないのか、駅も列車もがらがらで、ちょっとがっかり。

P6240078今日はそう、ノルマンディにあるル・アーヴル(Le Havre)と言う街に行く。知り合いの同世代フランス人夫婦S&Tが呼んでくれたと言うのもあるけど、私は正直この街があまり好きではない。オーギュスト・ペレが手がけた再建都市と言うのは確かに魅力だし、彼の建築は一度ゆっくり見なきゃと思ってはいるんだけど、なんかテンションが上がらない場所…。だから…という訳でもないのだけど、今回はこの街を訪問するモチベーションをアップするためにも1つ計画を立ててみた。それはお友達のアクセサリーブランドperlina を宣伝しに行く事!

P6240079_2もちろんパリでも出来ない事はないんだけど、まずはとっかかりになれば…と思い、やっぱり知り合いの紹介があった方が事はスムーズに運ぶだろうしね。

知り合いのS(奥さんの方)は、このル・アーヴルで子供靴のお店を友人と共同経営しているんだけど、そのお店の近くに彼女がよく利用するオシャレなセレクトショップがある。Sの趣味はだいたい分かってるし、その彼女が買い物をするお店のオーナーならば、きっと perlina の事も気に入ってくれるのではないだろうか…と思ったわけだ。案の定、オーナーさんは興味津々。最終的には4つのアクセサリーを引き取ってくれた。perlina のCさんもきっと喜んでくれるだろうな~!ふふふ、私までなんだか良い気分!

P6240073ル・アーヴルと言えば、やっぱり海。まだ泳ぐには早そうだけど、今日も快晴で汗ばむ陽気。気の早い人たちが水着で日光浴をしていた。海辺には豪華な一軒家が続き、また同じノルマンディでもトルゥーヴィルの方とは少し違った雰囲気がある。やっぱり戦争で破壊された悲しみを背負っているせいか、どれだけ太陽が降り注いでも、なんか重い。やっぱり好きになれない…ごめんなさい。でもS&Tとのご縁が続く限り、またやってくる機会がありそうだから、少しは仲良くなれるといいんだけどね。やっぱりそれにはオーギュスト・ペレの建築をじっくり見ることかな。

帰りの電車も遅れて発った上、パリ到着もさらに遅延。駅の売店も死んでるし、車内販売もないし、駅前のしけたピザ屋さんで買ったまずいサンドイッチが今夜の夕食か…。ル・アーブルにも10年後くらいにはTGVが通るらしい。そしたら、もう少しましなサンドイッチが手に入るようになるのかな。

遅い列車で退屈してるとパリのSからSMSが届く。日本のチームがデンマーク相手にすごい良い試合をしているらしい。あ~、トロカデロのおっきなテレビの前で日本の雄姿を見たかった~。

今日は車の移動が多くて、8599歩。

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23/06/2010

グレーヴ前日

フランスとはもうずいぶん長い付き合いだけど、明日初めてSNCFのグレーヴ(ストライキ)で迷惑を被る事になりそう。SNCFが明日の24日(木)に大きなストライキを予定していると言うのは、先週くらいからニュースでも言ってたけど、あまりピンと来ていなかった。でも先週の南仏からの帰り、アヴィニヨン駅で時間があったので、明日のル・アーヴル(le Havre)行きのチケットを購入した時、販売員のお兄さんが「24日はグレーヴだから、前日に必ず列車の有無をネットで確認してね!」と言うのだ。あ~、私の予約した列車がなくなるって可能性もあるんだ…と、その時初めて実感。そしてそれが現実のものとなった。

午前中にSNCFのサイトをチェックすると、私の帰りの列車がキャンセルされていた。これより早い列車に乗るのは向こうでの滞在時間が短すぎるので、1本遅らせると、最終列車になってしまう!だいぶ列車が減っていて、満員になって座れなくなっても困るから、今日中にチケットの変更をしておかなければ…。

P6230060お昼は週末に会ったばかりだけどC姉と今回最後のRDV。彼女の職場の近くにあるシネマテーク (Cinémathèque Française)内にあるカフェでランチ。今日は姉さんがおごってくれると言う。最近、悲しい出来事があったばかりのC姉。でもそんな事を感じさせないほど、いつも笑顔の素敵な人です。

ところでフランク・O・ゲーリーが手掛けたこの元アメリカン・センターは1994年に完成したものだ。すごい昔になるけど、彼は建築学科の学生だった私にも大きな影響を与えた建築家の1人と言えるかも知れない。"脱構築主義"が全盛だったあの頃、建築が造形物として自由な形を持ち始め、私もそこに建築の面白さを見出していた。安藤忠雄が作りだすストイックで整然とした空間も大好きだけど、建築物自体が巨大彫刻のように存在する、主張する建築も当時の私には面白かった。そして彼はそんなムーブメントの牽引車であった。

Cfあれからすごい時間がたって、私自身の好みも考えもそれなりに変わってしまった今、なんとなく過去の遺物のようにさえ見えてしまうこの作品。しばらく見捨てられた後、シネマテークという大役を再び与えられたにも関わらず、なんとなく物悲しい雰囲気。だって誰もこの巨大彫刻に目を留めないんだから。よく美人は3日で飽きるって言うけど、奇抜なデザインもすぐに飽きられちゃうんでしょうか…。
(私の手持ちの写真がないので、この写真はネットから拝借です)

C姉と別れてリヨン駅から63番のバスでオルセー美術館に近づく。伯母に頼まれていたミュージアム・グッズを買いに寄ったら、売店の入り口がない!!!最近とんと来ていなかったので、いったいどうなってるか分からないけど、以前はセーヌ川沿いの道路から直接ショップにアクセスできる入口があったのに、今は…ない!エントランスは相変わらずすごい数の人が列をなしていて、ショップで買い物をするために、ここに並ぶのはうんざりだ。仕方ない、日を改めて今度はルーヴルに行ってみよう。

SとのRDVの間にオルセー駅で明日のチケットの変更をすませる。やがて仕事を終えたSがやってきて合流して7区の普通のカフェでお茶。7区になんて来た事がない…と言う彼。友達からかかってきた電話で「mikaのせいで7区なんかでお茶してるよ」だって。確かに私のフランス人の友人は、みんな声をそろえて言う。7区と16区は死んでるって。16区はパッシー駅周辺をのぞけば、確かにお店も少なくて、高級住宅地ならではの人気(ひとけ)のなさ。まあ、一部の建築ファン以外にはあまり面白い地域ではないかなあ。7区も多くの行政機関や大使館が集まっていて、一種独特の雰囲気がある。それでもクレール通りやサン・ドミニク通りは私は好きだけどな、16区よりは。中心地に近いし、便利だし、それに美味しいお店も多いし!

P6230064って事で、夜は、去年 "肉"が食べれなかったリベンジに chez l'Ami Jean (27, rue Malar 7e)へ。今度はMag.と。去年は研修旅行の夕食で人数が多かったのでシェフのお任せになった。色々出てきてお手ごろ感があったけど、今夜はそんなに量は食べたくなかったしアラカルトで選んだら、高っ!この子羊ちゃん、40ユーロ近くしていました。もちろん肉は高品質、Mag.が食べたバヴェットステーキもおいしかった。でもMag.は給仕の男が気に入らないと言う。確かに私たちの注文を取ったこの人は、去年私が嫌だなって思った人だった。さすがMag.!人を見る目が同じ…。

P6230067とにかく今夜も盛況のこの店だけど、見渡す限り外国人ばかり。去年はフランス人もたくさん混じっていたように感じだけど、今夜は英語圏の人、スペイン人、日本人…と、外国人しかいないのが、ちょっと気になる。評判が評判を呼び、外国人観光客が増えるのは仕方ない事だけど、私はやっぱり地元の人で賑わっているお店がいいかな。一見さんが増えると、なんとなくお店の質が残念な方に変わっていくような気がするから…。

とは言え、お隣さんはニューメキシコ州に住むアメリカ人のご夫婦。旦那様はフランス語を話されないのだけど、奥様は昔フランス語の先生をしていたとか…。すごく素敵な方たちで、おしゃべりが楽しかった。結婚30周年の記念の旅行だそうだ。こういう出会いはいつも嬉しい…。

食後は、少しだけ過ごしやすくなったので、家まで歩いて帰る。Mag.との夜の散歩ももう今回はこれが最後かな…。19405歩。

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22/06/2010

15722

今日はお昼の約束の前に、2つ目のコリシモ(国際小包)を送るために郵便局へ。もうすでにじりじりと容赦のない太陽が照りつけていて、予報通り暑くなりそう。

ちょっと遅めのランチは最近雑誌よく見かける7区のbellota-bellota(18, rue Jean-Nicot, 7e)に行ってみた。2002年に2か月ほどこの界隈に滞在してた時から気になっていた生ハム屋さん!食べ友は研修旅行残留組のSaちゃんと、彼女の友人で日本人から来ているNさん。

P6220012_2雑誌で見た"火山盛り"に生ハム好きの私の期待は膨らんだ。冷たい生ハムは食べたくない。脂がいい感じにとけかけているところにおいしい無塩バターをつけて食べたい!"火山盛り"と言う名前が示す通り、この皿の盛り上がり、ここがポイント。下からロウソクをともして、その熱がいい具合に脂がとかす…と言うコンセプトらしい。

で???どうだったかと言うと「バターはない!」と言われた。なんだか(うちの高級ハムを)そんな食べ方するな…とたしなめられているかのような…7区の高級ぶった感じが鼻につく(笑)。そしてロウソクには意味があったのかどうか???正直、2品目の普通に出された生ハムとの違いがいまいち…。それとも"火山盛り"は、口に運ぶまで、もっと忍耐強く待つべきだったのだろうか???なんしか私のような凡人には大した違いは分からなかったのが、残念。もちろんハム自体はすごく美味しかったんだけど、お値段がかなり高いし、ま、美味しくなかったら怒るけど。やっぱり温める意味をもっと体感したかったわ。

のんびりデザートまで食べて、さらにきつくなった太陽の下をお散歩。Saちゃん達も興味を示してくれたのでラヴィロットのAN建築3つを紹介してから彼女たちとは解散。

夕方は、先日 Les Cocottes(135, rue Saint Dominique, 7e)で食事をした際、少しお話をさせてもらったサービス担当のSさんとRDV。社交辞令の嫌いな私たち、またぜひ会いましょうと約束をしたので、有言実行です!仕事を終えた彼女とお店の前で合流して、はて…どこに行こう…と思ったんだけど、なんだか無性に歩きたい気分だったので、とりあえずおしゃべりをしながら東を目指す。彼女も歩く事が多いらしくて、靴はすでにオフ用スポーツシューズ。暑いけど、楽しい。しんどいけど、気持ち良い。初夏のパリです。

P6220045とにかく初めて(まあ2回目だけど)とは思えない勢いで色んな話をして6区に到着。以前から目をつけていた Passage Dauphine 内にあるサロン・ド・テで追い出されるまで話し込み、すっかり意気投合。そこからさらに東へ。5区のミラマでいつもの蝦のワンタンスープを食べ、サン・ルイ等でアイスを食べ、ほぼ6時間近く私たちは喋りまくった。

ワーホリで滞在している彼女は今度の冬までのパリ滞在だし、日本へ帰国しても関東の人なので、そう簡単に会えるわけじゃないのだけど、こういう出会いって本当嬉しい。きっとそんなに会えないけど、たぶん切れない縁になるんじゃないかなって、社交辞令が嫌いな私たちですから(笑)なんかそんな気がしています。

東京ディズニーランドで働いていた彼女に「私、一度も行ったことない」と言うと「そんな人に会ったことない!国宝級です」とお褒めの言葉を頂きました(笑)じゃあ、人間国宝さんに認定って事で、今後も足を踏み入れない事を誓うわね!

まだまだ若くてチャレンジ精神旺盛なSさんにたくさんの元気をもらった、とっても良い時間でした。bonne continuation !

ところで…今年はなるべく交通機関を使わず、歩く努力をして「あ~今日はけっこう歩いたな」と思った日でも、私の場合はせいぜい12000~15000歩とかそんなものだ。Saちゃんのお友達Nさんの携帯には歩数計がついていて、やっぱり日本からやってくるパワフル観光客はゆうに30000歩は歩いているらしい。すごいわ~。30000歩も歩けば、900カロリーは余分に食べれる!ま、その疲労感と引き換えになるのが、たった900カロリーってのもなんだか物足りないけど…。

で、今日は15722歩。

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21/06/2010

ma dernière semaine à Paris commence doucement

今日はまず夏至。そして Fête de la Musique(音楽祭)の日。プロもアマチュアも、フランスの街角のあちらこちらで音楽を奏でる日。私にとっては今回の滞在の最終週が始まった日。あと1日、日帰りの遠出はあるけれど、ようやくすべての旅行を終えて、なんとなくホッとしている。メテオは連日晴れマークが続く。それも30度超。私にとってはあまり望ましくない気温だけど、まあ雨降りよりはよしとして、今週はのんびりしたいな~。

午後から2つのステュディオを見学。ゴブランはいつも安心して泊まれる宿としてキープしておきたいけど、やっぱり「ここは使える!」と言うお気に入りの部屋を中心地にもなんとかして見つけておきたい。いくつか希望を出した結果、一番興味のある2つの部屋は見られず、サブ的に希望した中から2つ見られると言う連絡をもらった。

確かに写真はマジック!実際の大きさよりも広く見せるし、細かなヨレっとした部分は見えない。まあそれらを差し引いてみても「こんなものかな…」と、今まで留学時代の部屋探しも含め、たくさんの部屋を見てきた私も納得できた。部屋を見せてくれた担当者の人も感じが良かったし、将来の候補として考えてみよっと。

P6210001 2つの物件見学の合間に、最近お気に入りのレ・アールに立ち寄り夕方なのにランチ。以前から気になっていた le comptoir de la gastronomie (34, rue Montpartre, 1e)に入り、がっつりした1品を注文。ここは隣にフォアグラなどの高級食品で有名な老舗を併設している。あ、どちらかと言うとこちらのレストランが併設だな、きっと。だから本来はフォアグラを食べるべきだったのかもしれないけど、なぜか頼んでしまったパルマンティエは味が濃すぎて完食出来ず…、ちょっと後悔。お店はノンストップで営業だけど、厨房の人が休憩に入る間は、カフェのみの営業になる。こんな空間を独り占めも悪くない。

正面には去年初めて行って気に入ったカフェ。本当はここに来たんだけど、今日は例外的に定休日外のお休みとか…。ちょっとついてない午後。

Anaisgris_2店を出てふとのぞいたのKAEMのバッグAnaïs に一目ぼれ。色々な色が揃っていたので全色試してみた。そして最終的にモーブを選択。今年はとにかくバッグ三昧。高いものはないけど、形の面白いもの、実用的なもの、含めていくつめだろう???ほとんど持ち替えないくせに、バッグ大好きです!(写真はお店のサイトから拝借!モーブがない)

夜はSと会う予定にしてたけど、Sはトランス系のグループを聞きに行ってるのでそこに来いと言う。私はその手のジャンルは苦手なので遠慮して、バスティーユでSaちゃんとカフェデート。久しぶりに日本語で話して楽しんだけど、なんとなくもうすぐ帰国するんだな~と同時にちょっとため息が出たりして…。明日のお昼は一緒に噂の生ハムを食べに行く事になった。

今日は16109歩。まあまあです。

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20/06/2010

田舎の家へ

le samedi 19 juin 2010

P6190155今日はゆっくりのスタート。昨日の南仏のお天気がまぼろしのように、今日のパリはどんよりとして肌寒い。

お昼の12hにRDV。週末一緒に過ごすC姉と、まずはアルスナル・パヴィリオン前に設置されている Maisons be GREEN というECO住宅を見学。RDVを取れば案内付きで無料で見学できる(それ以外は有料、それに高い!)。こんなのです。

水周りはTOTOが使われていて「これらは抗菌性の素材です」とか日本ではもうすでに当たり前のことを得意気に話しているのが、なんかおかしい。ウォシュレットは、こちらではまだ実際に見た事のない人も多くて、みんな照れくさそうにクスクス笑ってた。エネルギー設備も日本で言うエコキュートみたいなものが導入されていて、日本では実際どれくらい普及してるか知らないけど、実用化されて久しい日本から来ると、特に目新しい事はないなぁ。私はこんな紙の家よりフランス本来の石の家に住みたい。でもまあC姉さんご満悦なので、よしとしよう。

P6200181見学の後は、いったん解散して2時間後にC姉邸に集合。彼女の家で簡単にお昼を食べてから、彼女の運転で毎回恒例のシュヴィヨン(Chevillon)に向かう。シュヴィヨンはブルゴーニュ地方にある小さな小さな集落。C姉のご両親の田舎の家がある所。普段彼らはパリ郊外に住んでるんだけど、もう退職しているので、冬の寒い時期以外はよくここで過ごしている。と、言っても今年は冬が長かったので、まだあまりこちらに来るようになって間がないとの事。

早い時はパリから2時間半くらいで着くけど、今日はけっこう混んでて3時間以上かかった。いつも寄るサービスエリアも私のお気に入り。ここで自販機のコーヒーを飲むのが、けっこう好き。スーパーのカルフールが入っていて、C姉の車で明日家に帰れる事を良い事に、重めの缶詰食品(鴨のコンフィとか)をいつもここで買ってしまう。今年ももちろん買いましたょ。

P6200167懐かしいPママとRパパが笑顔で迎えてくれる。お天気は悪いけど、2人の笑顔を見るとそんな事はどうでも良くなる。Pママはまたたくさんのごちそうを用意してくれていて、ちょっと早めの夕食の後は、これまた恒例の麻雀大会なのであった。フランス人と囲む雀卓。不思議です。も~、C姉、安い手でどんどんあがるので、なかなか勝てない。今夜は2位でした。

夜はかなり冷え込んで、外気は9度。暖炉にも薪をくべた。C姉、明日は朝寝坊宣言。私もゆっくりさせてもらお~っと。

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le dimanche 20 juin 2010

P6200173ぐっすりと眠り、9h頃だったか健やかな目覚め。サロンから何の物音もしないし、どうやらご両親も私たちを起こさないように、自分たちの寝室に閉じこもってくれているようだ。私は身支度を済ませて、部屋の雨戸を開けた。今朝もかなり寒い。ユニクロのヒートテックにキャミソール、ハイネックのセーター、中綿ベスト、パーカ、暖房がMaxに入っていても、これだけ着ないと私は寒い。よかった!冬服手元においておいて。6月も下旬だと言うのに、なんて気まぐれなお天気。週間予報では来週(滞在最終週)のパリはかなり暑いらしい…。

P6200174 私が雨戸を開ける音を聞いて、ご両親もサロンに降りてきた。C姉は起きてくる気配がないので、3人で朝食を食べて、コーヒーを飲み、あ、そうそう、ご両親が最近買ったと言うネスカフェのドルチェグスト、我が家にもまったく同じタイプのものがあるので、ひとしきり盛り上がった。

お庭には可愛いリスちゃんもやってきて、芝生に顔を突っ込んでいる姿が可愛い。Pママとお庭に出て野イチゴを摘んだり、ぼこぼこ生えまくっているキノコを収穫する。見た目が恐ろしげなものばかりで「本当に食べて大丈夫???」と思ったけど、ご両親は2人とも引退したとは言え、元薬剤師。フランスの薬局ではサービスとして、市民が持ち込むキノコが食用かどうかを判定するらしいので、信頼するしかない…。しかし、これ大き過ぎない???見た目も悪過ぎだけど、バターでソテーしてもらったらけっこういけたわ。たぶん食べたのは bolet tête de nègle じゃなかろうか…。

P6200186お昼ごはんも豪勢に用意してくれたPママ。まだC姉一向に起きてくる気配がない。お昼の1時を過ぎたので、Pママが「もう起こしてもいいわよね」と部屋に入って行った。寝巻のまま食卓につくC姉。よほど疲れてたのかな???最近の私はこんなに長時間眠り続けるのは困難になってきた…。私の方が若いのにな(笑)

しっかりお昼ご飯を頂いて、私たちが食後のコーヒーを頂いている間に、ちゃちゃっとシャワーを浴びて身支度を済ませるC姉。と、言ってももう15h過ぎだし、今日は遠出はできそうにない。それにあいにくのお天気だし、恒例の遠足は近場で済ませる事になった。

P6200204シュヴィヨンから6~7km行った所にあるシャルニ(Charny)と言う集落で行われている小さなイベントを見に行く。犬ぞり犬、狩猟犬、救助犬、牧羊犬など働く犬たちが大集合+売店あり、ダンスあり、音楽あり…みたいな田舎の緩~いイベント。それでもけっこうな人出で逆に私はビックリ。

笑ってしまったのは「今から救助犬がデモンストレーションを行いますので池周辺にお集まりください」との案内に促され大勢の人が集まる中、黒い巨大犬がゴムボートに乗せられて岸を離れて行ったんだけど、ぜんぜん水に飛び込まない。確かに今日は寒いよ。でもそれじゃあ、おぼれた人は確実に死んじゃうよね。飼い主が岸から一生懸命呼びかけるんだけど犬は知らんぷり。ゴムボートを運転していた男性もしばらくは傍観していたけど、ことの成行きにとうとう後ろから背中を押し始めた。それでも黒い犬はボートのヘリに前足を突っ張って「イヤダ~」と微動だにしない。観客の失笑を買っていた!映像をお見せできないのが残念…。

P6200205今回は久しぶりのシュヴィヨンでのお泊まりだったけど、相変わらず食べてばかりの2日間だった。いつも「もっと食べなさい」と、Pママがどんどんお皿に盛ってくれるし、やっぱり美味しいから食べずにはいられない。お昼焼いてくれた鳥肉のグリルもキッシュも本当、美味でした。お土産ももらって、お庭のハーブを摘んで、パリに帰ります。

世話好きで明るくて活動的なPママ、穏やかでいつも優しく微笑んでる働き者のRパパ、この2人も私にとってはフランスの大切な家族みたいな人たち。再会を楽しみにしながら… merci beaucoup et à bientôt!

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19/06/2010

白馬の王子様

アヴィニヨンからの帰りのTGVは15分遅れて到着。おかげでゆっくりとホームでサンドイッチを食べ、ついでにデザートまで食べて、帰りの1等車でも爆睡。で、あっという間にパリ。暴風なし、風邪なし、太陽に恵まれた最高の南仏の2日間だった。

そんな余韻に浸りながら、リヨン駅から地下鉄の駅への改札口でちょっとトラブル。自動改札口を通る時、カルネの最後の1枚を通して通過しようとしたら、荷物がちょっと引っかかってすんなりとは通れず、もたついている間に"バシーン"と改札の扉に挟まれて痛い目に合った。結果、コロコロのついたミニスーツケースを持った手だけ外、扉に挟まれた痛みで怯んだ体は改札手前…と言うことで身動きがとれない。まるで罠に引っ掛かったウサギちゃんのように(良く言い過ぎ?)困ってヒクヒクしながら途方に暮れるばかり…。

フランスの駅をご存じの方はわかるだろうけど、日本と違い、駅の改札は基本無人。何かトラブルがあってもそれが見えるとこには誰もいない。心の中で「オ・スク~ル」と叫びながら周りを見渡しても、いるのは中国人観光客ばかり。ガヤガヤとうるさいばかりで、誰も私の状況に気付きもしない。

改札の扉は私の力ではまったく動かないし、どうしよう…と、しばらく考えていたら、隣を通過したフランス人のお兄さんが、ようやく私に気づいてくれた。最初は無言で一緒に開けてくれようとしたけど、やっぱり微動だにしない。「切符を持ってる?」と聞かれたので「最後の1枚で、通過中に挟まれちゃったんです…」と情けない私。「じゃあ、これを通して」とポケットから新しいチケットをくれた。あせってた私はびっくりして「merci …」と言うのがせいいっぱい。

ようやく罠から解き放たれた私に向かって、彼は素敵な笑顔で「bonne soirée!」 と言って去って行った。まるで昔のドラマのような話だけど「せめてお名前でも~~~」って気持ちになったわ。本当、ありがたかった。

日本のように駅員がすぐそこにいないフランスでは、改札1つでもタイミングを逃すとえらいことになる。どんくさい私はこれを教訓に、今後大きな荷物を持って通る改札はスピードアップを図ります!もしくは荷物用改札口をちゃんと利用します…(反省)。

両腕は打ち身のため、あおたん出来てます。

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18/06/2010

リベンジ2 ツールの聖地へ

P6180100L(2歳の次男)が部屋の前の廊下を走り回り、はしゃぐ声で目が覚める。また携帯の目覚ましもかけずに、携帯を握りしめて気絶していたようだ。7h30、Lに救われた。

身支度をしてリビングに行くとE(奥さん)はもう仕事に出かけていて、Alex.がH(長男)と朝ごはんを食べていた。LはいつもEが仕事に行くついでに、近所に住むAlex.のご両親の家に預けるらしい。繁忙期は出張でほとんど家にいないAlex.だけど、家にいる時、食事はすべて彼が作るそうだ。昨夜の食事もそう。働き者だ…。

P61801059hにおうちを出発。今日は、日曜日のパパ、ゆるゆるAlex.のコーディネートで私はついていくだけ。2週間後に夏休みに入るHも今日は学校をお休みして、私たちのドライブに付き合ってくれるらしい。この遠足を楽しみにしてたんだって。たくさんDVDを選んで車の後ろで一緒に観よう!なんて可愛い事言う。仲間だと思われているからね~。でも悪いけど、実は君よりずっと大人の私なので、今日は窓から見える風景を楽しませてもらうわね。

5月に行こうと思っていた(けど行かなかった)ペルヌ・レ・フォンテーヌ(Pernes les Fontaines)でAlex.の用事を済ませてから、いよいよ本格的な出発。以前から彼に聞いていたおすすめルートを行く。

P6180113_2マザン(Mazan)を通過して、まずはル・バルー(le Barroux)という美しい集落にあるアベイ・サントゥ・マドゥレーヌ(Abbaye Sainte-Madeleine)に到着。ここは現役の修道院だけど、歴史はごく浅くて1970年に創立されたもの。ちょうど堂内からは厳かなパイプオルガンの音、ミサでもなく、中には誰もいなかったので練習だったのだろうか?1人だったらずっとそのまま聞いていたいくらい心にしみる音…。でも男子2名は落ち着きがないので、あまり長居出来ず、残念!

P6180111ちなみに修道院の前に植えられた3本の木は、貧しい人、困った人を受け入れるという証しらしい。

ところでなぜここに来たかと言うと、ここには商品の充実した売店があって、商品の一部はセナンク同様、ここの修道士たちが昔ながらの製法で作っているのだ。Alex.もおすすめのオリーブオイルはここの一押しみたいで、すごく欲しかったけど持って帰る苦労を考えて、ラベンダーのはちみつだけで我慢。ところが後で分かったんだけど、HPから購入可能!日本にも配達してくれるみたいだ。割れないか心配だけど、自分のスーツケースの中で割れるよりはいいよね。いつか買ってみたいな。

P6180124さらにマロセーヌ(Malaucène)を通過し、いよいよ山にアタック!1つ目の山モン・スラン(Mont Serein)そしていよいよ"プロヴァンスの巨人"と呼ばれるモン・ヴァントゥ(Mont Ventoux)へ。2000m級のこの山はリュベロンにいるといつも遠くに見える山。遠くから万年雪のように見える山の上部は、木の生えない不毛地帯。石灰岩がむき出しの状態になっている。その殺伐とした風景がまた、サイクリスト泣かせの厳しいイメージを作り上げているようにも思う。晴れていれば遠くにモンブランも見えるらしいけど、今日頂上は雲の中です。

ツール・ファンにはたまらない数々の名場面を生み出してきたこの山だけど、私にとって忘れられないのは、ドーピングの汚名を晴らすべく、リシャール・ビランクが孤高のエタップ優勝をここで果たした事。まっすぐ前を見据えて、指を高く空に掲げて、頂上のゴールを通過したその姿、いまだに忘れられないな…泣いた!映像があったので、みんなでおさらいしてください。

P6180125_2今年は残念ながらツールのエタップには入ってないんだけど、この映像でもわかるように山岳エタップはいつもたくさんの人が沿道を埋め尽くしている。だいたい当日の1週間ほど前からキャンピングカーで現地入りし場所取りをしないと応援するのも難しいらしい。TVで見ていたあの人たち、1週間も前からとは…頭の下がる思いです。

どうやら今日から20日まで自転車のイベントが行われているようで、道中、頂上ともにサイクリストと観光客でいっぱい。私たちが車で通過する横を、マイヨに身を包んだ本格的なアマチュア選手たちが一生懸命ペダルを踏みしめている。彼らは無名の人たちだけど、なんだかツールのオフィシャル・カーに乗って、選手を追走しているような気分になった。それ、夢でした…。

P6180130山を越えて、今度は反対側に降りていく。ラヴェンダーを見に行くためだ。最近の温暖化で開花がどんどん早まっていて、7月上旬だったのが最近では6月の下旬に咲き出すこともあるらしい。でもやっぱり今日はまだ早かった。亜種のラヴァンダンはぼちぼち咲き始めているけれど、ラヴェンダーはまだ。今年の冬はここプロヴァンスでも積雪と寒さが長く続く異常気象だったからか、すべてが遅れているらしい。2週間後だったら、良かったのに…。でもその頃私はもう日本。どっちにしても見られなかったんだから仕方ない。私が夏にフランスに来ることはあまり考えられないので(こちらの暑さに耐えられないから)、もうラヴェンダー満開の花畑は一生見られないかもね…。

P6180142ソー (Sault)で遅めのランチ。ここは特に見るものもないし、美しい村でもないけど、とにかくラヴェンダー畑で有名。小さい集落のわりにはレストランなど食べるところが多い。それもきっとサイクリストのメッカ、モン・ヴァントゥのおかげね…。

とにかく、この素晴らしい天候の中、憧れのこの山に(自力ではなく車だけど…)登れた事は今回のフランス滞在の大きな思い出になった。大切な休養の時間をさいて付き合ってくれたAlex.に本当感謝しなくちゃね。どうもありがとう。

Alex.の両親の家に寄ってぐずるLをピックアップ。それからおうちに帰ってしばしお庭で寛ぐ。そのうちAlex.が今日引き取ってきた新しい車の大掃除を始めた。明日からの長期出張に活躍するらしい。私はその隣で長椅子にひっくりかえり、インターネット。日本のJoがオンラインだったので、スカイプでおしゃべり。掃除中のAlex.もHも、恥ずかしがり屋のLもみんな登場。スカイプの実力を知ったAlex.、これからは出張中にこれで家族とお話できるね。そのうちEも仕事から帰ってきて、Eのお友達もやってきて、テラスで一杯。大人の時間です。

P6180141私は少しその場を抜け出して"仲間"のHとおしゃべり。学校やクラスメートの写真を色々と説明しながらたくさん見せてくれた。それとお絵かきの作品も!Hは明日、学校でお遊戯会があるらしく「mika、明日見に来れないの?」と、またまた可愛い事を言ってくれる。「今夜、列車に乗ってパリに帰るから無理なのよ」「今夜も泊まっていけば?部屋使っていいよ」「明日はブルゴーニュに行かないとだめなの、ごめんね」… 子供は可愛いけど、時にcruel。今度、会う時にはどんな彼になってるんだろう。いつまでもHに友達と思ってもらえる私だといいんだけど…。まあかなり中年なんですけど…、この親しみやすいカエル顔が受けるんだろうか、なぜか動物と子供には受けがいい。

さあ、それじゃあパリに戻ります。家族全員でアヴィニヨンの駅まで送ってもらって、しばしのお別れ。本当お世話になりました!子供のいる現役世帯に泊まるのは初めての事だったので、なんだか色々面白い事もいっぱいあって、エキサイティングな2日間でした!

次は、冬、会えるかな…。

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17/06/2010

リベンジ 再び南仏へ

P6170092今日は7h46のTGVに乗るため5hに起床。夕べ遅くに家に戻ったので、寝たのは3h頃。かなりつらい。でも今回のチケットはかなり直前に買ったため、けっこう高くついて、その上1等車両とさほど値段の差がなかったので、ゆうゆうの1等。クロワッサンの朝ごはんを食べて、ちょっと居眠りをしたら、いつものようにあっという間にアヴィニヨン(Avignon)に到着していた。

先月、セニョン(Saignon)の青い部屋のテラスで、大好きなリュベロンにちゃんと別れを告げる事が出来ず、Alex.の親切に甘えて帰国までに再訪しようと決めた。最初はなるべくラヴェンダーの開花を見られるように、帰国直前の週末に2泊3日くらいで…と考えてたんだけど、残念な事にAlex.に泊まりがけの仕事が入ってしまった。6月は彼にとって一番の繁忙期なので仕方がない。「1週間予定を早められる?その週なら他の人に仕事を任せられるから、なんとか体をあけられるけど、翌週は家にも帰れなくなったから…」と連絡が入ったのは6月初旬。私もポワトゥ・シャロント(Poitou-Charentes)への旅や、芝居の日程、ようやく日程を合わせたRDV…そしてその後のブルゴーニュ(Bregogne)行き…等々、動かせない予定に挟まれて悩んだ結果、今日と明日の1泊2日に旅程短縮。この際、滞在時間の長さは重要ではないし、最高のプロヴァンスにきちんとお別れが出来ればそれで良い。それに別の所に泊まって1人で観光しても良かったのだけど、やっぱりAlex.の好意を無にすることはできない。

P6170079アヴィニヨンTGVに11h前に到着して、さて何をしようか…と考えたけど、16hには彼が仕事を終えて迎えに来てくれるらしいので、別の街に行く事はやめた。あまり好きではないこの街だけど、久しぶりにゆっくり歩いてみようと荷物をコインロッカーに預けて歩き出す。数日前から天気予報を見ながらため息をついてたけど、やっぱり大はずれでギラギラの太陽。気温もゆうに30度を超えそうな勢いだった。出発直前、ニース(Nice)周辺のヴァール県(Var)では先日のリヨン(Lyon)に引き続き、また大洪水。25人は亡くなったと言うニュースを聞いた。そのせいで私の乗ったTGVも終点のニースまでは行かなかったのだけど、自然災害と言うのは少し場所がずれると、それを実感する機会はほとんどない。それほど、ここアヴィニヨンの太陽は期待通りに光り輝いていて、少しばかり気が遠くなりそうなほどだった。

P6170095ウィンドー・ショッピングをしながら、街を散策。"Plein Soleil"を楽しみ、写真を撮りながら、時々街角のベンチで休憩。考えるのは次のヴァカンスの事ばかり。ランチは2年前に立ち寄ったセルフのお店で。またまた店主と話し込んだり…、独りと言っても16hまでの時間はあっという間に過ぎてしまった。

約束通り16hにはAlex.から電話。アヴィニヨン中央駅で、今回は純粋に友人として会う。知り合ってもう5年だけど、なんか不思議な感じ。さっきアヴィニヨン空港にお客を届けたばかりの彼の車はメルセデスの9人乗り。「ワ~、これ私1人用?ゴージャスなお迎えだね~」なんて笑いながら私の小さな荷物をぽつんと後部座席へ。彼も泊まりの仕事だったらしく、大きなスーツケースがあった。

そしてここから車で10分くらいのところにある彼のおうちへ向かう。去年紹介してもらったおうちと同じ集落内にあるけど、今度はアパルトマンじゃなく、家。でも一軒家ではなくて、不思議な形のおうち。うまく説明できないけど、上下階長屋みたいな感じ???いつもスマートなサービスの彼の完全なオフタイム、ほどけていく感じが面白いわ。

P6180154奥さんEと子供たちH&L(Lはまだ2歳くらい?)もまもなく帰って、大人は一緒にアペロの時間。ちょっとの間、自分の部屋にこもっていたHが、こんな似顔絵を描いてプレゼントしてくれた。絵を描くのが大好きな彼。事実と違う点もまああるけれど(笑)、彼から見た私はこんな感じなのね!Hは去年会った時の事をすごく良く覚えてくれていて、今日私が来るのを楽しみに待っていてくれたそうだ。嬉しいな、ありがとうH。今度の新学期から中学1年生(日本の小6)になる彼だけど、まだまだ子供っぽい。なぜか分からないけど、私はいつも子供から同類と思われるみたいで、さっそく仲間扱い…。Hが私の絵を描いてくれたお礼に、私は折り紙で鶴のおり方を教えてあげる。折り紙持ってきて良かった!もう彼は折り鶴に夢中!きれいに折れたのを私のと一緒にお母さんにプレゼント。

夕食はここでもバーベキューなのだ。フランスの家庭では、夏場のバーベキューは定番中の定番。出来ないと悲劇のようにバーベキューなのだ。日本の冬のお鍋みたいなもんかな…。おもてなし料理としても見栄えがして、間違いがない。でも日本でまったくバーベキューに縁の私がここでこれだけバーベキューのお世話になるとは…笑える。

P6170098今夜の私のお宿はHのお部屋。小5男子のお部屋を占拠。ごめんね~、H。彼は両親と川の字になって寝るらしい。ワールドカップ、フランス・チーム予選突破の望みは今夜ほぼ消えた…。

私の歩みは万歩計の故障で前半のカウント出来ず。だから8892の数字はあまり意味ないけど、一応書いておくね。おやすみなさい。

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16/06/2010

旅の合間 2 (une journée très chargée)

Zoom_affiche20100511152426_2今日は私にしてはけっこう予定がつまっている。

まずお昼に16区のフランス・ラングへ。私の母校でもあるし、パリに来るたび立ち寄る場所。それに今は研修旅行に参加してくれたSaちゃんもここに通っているので、今日は一緒にランチの約束。彼女のレッスンが終わる前に、ここで働く日本人スタッフYさんや、私もお世話になったE先生とおしゃべり。Saちゃんと近所の店で軽く食べた後、本校舎の方に立ち寄り、スタッフのCeやS先生ともちょっとおしゃべり。なんと嬉しい事にS先生、とうとう私の事をちゃんと思い出してくれたようだ。このブログにもその都度書いたけど、実はS先生とはちょっとした anecdote があって、昨年ようやくちゃんとした形で再会を果たせた事は、私にとってはちょっとした事件だった!S先生は職業柄たくさんの人に会ってるから、私の事は正直思い出せないって去年言ってたんだけど、私は長年の思いが果たせてそれだけで満足だった。でも今年は「mikaの事を思い出したよ」って。ディテールも合ってるので、社交辞令ではないらしい。なんか嬉しいなぁ~。またいつか、もっとゆっくり話せる時があればいいけど。

そんな話をしていると、F先生が「mika!」と声をかけに来てくれた。そこで仕事をしていたのに、私は気付かずに彼らと夢中で話してたのね。これも嬉しい再会。大好きな先生だったから。今はもう教えてないのかな…。ここに来れば、懐かしい留学時代に一気に戻れる感じがする。大学のマスター時代は、人との交流がまったくなくて、それが虚しくて一旦日本に帰ったほど。ここにいた時、私は真面目な生徒ではなくて、さぼってばかりだったけど、スタッフや先生みんなに良くしてもらって、パリ時代の大切な友人たちにもここで出会った。私にとってのパリの学校はやっぱり”ここ”って気がする。

2年後にはまたゆっくりフランスに来る予定なんだけど、その時は久しぶりにここに通ってみようか…と思ってる。CeやS先生は、いったい mikaをどのクラスに入れたらいいの???なんて気の早い話をしてたけど、私はどこでもいいわ。学ぶ楽しさを、今この年齢になって改めて実感できると思うから。

その後、Saちゃんが借りているアパルトマンを見せてもらって今日は解散。その後、私はバスティーユに向かい仕事を終えたMag.から明日の列車のチケットを受け取る。ネットで予約したチケットが自分でプリントするタイプのもので、もちろんパリの家にはプリンターはないから、彼女に会うついでに頼んでおいた。私のような旅行者のために駅でもプリントできる場所はあるようだけど、やっぱり出発前に慌てるのはいやだしね。それにチケットの日程変更をネット上でしたのは昨日だったし、前もって駅に立ち寄る余裕もなく、それに明日の出発はめちゃくちゃ早いのだ。

Mag.とのRDVは、Mag.がベルシーで仕事を終えて、バスティーユのスポーツジムに行く合間だったので、バスティーユになった。そしてその後はモンマルトルで10年ぶりになるJちゃんとのRDV。16区、バスティーユ、モンマルトル…と、今日はなんとも効率の悪い動線だこと…。

10年ぶりのJちゃん(Jは通称名)との再会。これはなかなか面白い偶然に導かれての事。NHKが放映している『東京カワイイTV』と言う番組がある。私は普段、テレビ番組をHDDレコーダーに検索してもらってるんだけど、その検索のキーワードに、もちろん”フランス”が入っている事は言うまでもない。それで、この番組でも時々フランスに関する内容を取り上げるので、検索に引っかかってた訳だ。番組ではずっと、ある若いデザイナーさんの活動を追っていて、その彼がパリ進出を試みた時、その都度カステルバジャック氏が登場、そしてその都度私はJちゃん元気にしてるかな~?と思っていた。

私がJちゃんと出会ったのは1998年。この年ソルボンヌの修士に入った事で、より家賃の安い家に引っ越そうと、それをきっかけに持っていたプジョーのおばちゃりを売りに出して、それを買ってくれたのがJちゃんだった。それからの付き合い。その頃、書かせてもらっていたパリのフリーペーパーに彼女に関する記事を書いた事もあるんだけど、それ程彼女の個性や経歴は魅力的だった。彼女は当時オーストリアの芸大の学生で、講師としてやってきたカステルバジャック氏に才能を買われて、パリのアトリエに引き抜かれた所だった。

そんなパリの思い出を思い返しながら番組を見ていたところ、なんと4月18日の放送でとうとう彼女が登場したのだ。以前、カルテルバジャック氏のアシスタントとして働いていた日本人女性に、この若いデザイナーがアドバイスをもらう…みたいな設定。懐かしいJちゃんの顔。いや~、それにしても、すごい偶然じゃない???ここまでの経緯。もうカステルバジャック氏のもとは離れてるみたいだけど、今も元気にパリで生きていると言う事がわかって、ちょうど私の渡仏も近づいていたので連絡を取ったところ、すぐに返事をくれ、今日の再会に…。

なんとなく呼び合った…と言うか、ちょうどJちゃんも、NHKの方からカステルバジャック氏の所で働いていた頃の写真を提供してほしいと言われて、私が撮った2人のツーショット写真なんかを見ながら、私の事を思い出してくれていたそうだ。いや~、会わなくなってもう10年がたってしまったけど、お互いなんとか頑張れてるよね!彼女も仕事が忙しそうで、次の展開がとても楽しみ。私の口からは語れないので、彼女の発信を待つとしましょう!これからパリで会いたい人が、また1人増えました。

P6160070夜は2008年に引き続き、2回目の観劇になる『UN PEDIGREE』@théâtre de l'Atelier。大好きな役者 Edouard Baer の独り芝居で、今回も15回だけの特別公演、それも今夜は初日!7列目。何度も何度もカーテンコールがあって感動したなぁ。彼もとても嬉しそうだった。

劇場の外の出ると、まだ外は明るい。Sが待っていてくれて夜のお散歩スタート。今日はどこまでも歩いていきたいほど、気分が晴れやか。色々な人に会えた長い1日だった。気持ちの良い疲労感と、大きな充実感。

夜のお散歩でかせいだ15918歩+夕食抜きは悪くないわね。明日はミストラルへのリベンジ、早起きをして南仏1泊2日に行ってきます。

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15/06/2010

旅の合間 1

P6150062この所は旅が続くその合間にパリって感じ。RDVが続く。

昨夜、パリに戻った後、パリ初旅行の受講生の方とRDV。彼女の旅友と3人で深夜までお茶。初めて会う生徒さんだったけど、初めてとは思えない程サンパな時。2人でパリを満喫しておられる様子に、私もなぜかひと安心。この数日は歩数ちゃんとはかってなかったけど、今日は13636歩。これからまたはかるよ~!

P615006615日(火)は、まず郵便局へ行き、2つ目の小包を発送。もう買い物はしない!なんて思いつつ、お土産はどうしても増えてしまう。今年は何個送る事になるんだろう。その後、何度か前を通って、そのたび気になっていたサロン・ド・テ La Fourmi Ailée (8, Rue du Fouarre, 5e)で1人ランチ。ちょっと様子を見るついでに、軽くお昼を…と思ったけど、ピークを過ぎた店内は居心地が良すぎて、食べ過ぎた~!今日のお料理+デザート(でっかいお菓子)、それにカフェまで。天井が高くて、壁いっぱいの本棚には本がいっぱい。お昼の12h~24hまでノンストップなので、便利に使えそう。特にランチとディナーの間の時間帯はお客さんが少なくて、いい感じです。

Sweetvalentineその後6区の映画館で、エマ・ルキーニ(Emma Luchini)監督の『Sweet Valentine』を観る。長編初監督の若い彼女は、私がフランスの田村正和と思っている ファブリス・ルキーニ(Fabrice Luchini)の娘だった!フランスの映画界も2世、3世が活躍しているけど、決して親の七光りだけではなさそう。テレビでのインタビューやBAを観た時、すぐに観たい!と思ったもの。『バグダッド・カフェ』や『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』のような乾いた雰囲気が好き。主演男優のヴァンサン・エルバーズ(Vincent Elbaz)もけっこう好きだけど、なんと言っても初めて見るこの主演女優の存在感は大竹しのぶ級です。日本で公開されることはあるかな…。最後はハッピー・エンド。

夜は93年くらいからの付き合い、一番古いフランス人の友人Bんちにお呼ばれ。久しぶりに会ったけど元気そう!美味しいタジンを頂いて、今日は本当良く食べた~。なのに…9559歩しか歩けず。でもよく食べてるけど暑い日が続いているし、意識して歩いているからか、そんなに太った感はなし。まあ体重計ないから、本当の事はわかんないけど…。

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14/06/2010

Poitou-Charentes

le samedi 12 juin 2010

~suite~
P6120290ニオール(Niort)の駅で18時にMag.と待ち合わせ。ニオールの友人たちに見送られて、今度はMag.のご両親が住む隣の県へ。先週からずっとポワトゥ・シャロント地方(Poitou-Charentes)内をうろうろしている。先週訪れたアングレム(Angoulême)はシャロント県(Charente)、昨日までいたニオールはドゥー・セーヴル県(Deux-Sèvres)、そしてMag.のご両親が住む小さな村クールセル(Courcelles)はシャロント・マリティーム県(Chatente-Maritime)にある。ニオールから約50キロ南へまっすぐ。年に数回しか運転しないMag.でも大丈夫なくらいまっすぐな道、そして左折。

前にも少し書いたけど、この地方はノルマンディーに匹敵するバター生産+消費地。日本の女の子が大好きなバターの産地エシレ(Echiré)はニオールの近くドゥー・セーヴル県にあるし、それに負けないくらい国内で有名なバターの産地シュールジェール(Surgères)はこのシャロント・マリチーム県にあり、それもクールセルのすぐ近く。だからこの辺りは乳製品に関する学校も充実していて、Mag.の妹さんはその専門学校を出て、パリのダノン社でヨーグルトの商品開発の仕事をしている。この妹さんはなぜかヒュー・グラントに似ているので、Mag.と私の間ではヒュー・グラントと呼んでいる。

P6130345小さな村、広いおうち、大きなお庭(対日本比)、周囲は広大な麦畑。ここでMag.は育ったのだね~。ずっと前から約束していた訪問、ようやくかなって嬉しい。楽しみにしていたMag.のご両親との出会い。おもろいMag.が出来あがった理由が分かるような、私の笑いのツボにはまる雰囲気を持つご両親を、私はすぐに大好きになった。

お天気のよい今日は外のベランダでアペロ。今日はヒュー・グラントも来ている。明日、親戚が集まるイベントがあるので、Mag.と2人車で今日ここに到着した。一番下の妹さんは結婚していて子供も小さいし、遠くに住んでいるので明日は来ないらしい。夕食時はフランスらしいものを食べさせてあげようと、色々と出してくれた。どれもどれも大好きですよ~と、いつものようにたくさん食べると喜んでくれたので、また食べ過ぎてしまった。

ニオールの家ではネットがつながらなかったので、ここではお母さんが書斎を貸してくれた。少し仕事のメールに返事を書き、スカイプで家族と話し、夜は更けていくのです…。
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le dimanche 13 juin 2010

P6130334朝、少々問題発生。トイレが…、トイレの水が弱い!紙がどうしても残るのだ。昨夜も若干不安を感じたけど、今日はさらにひどい。私が何度も水を流しているとMag.がやってきて、流れないのか?と聞いてきた。「紙が残るよ」と答えると「昨日から調子が良くないから気にするな」との事。でもね~…、このまま解決方法がないのだとすると、怖くておちおちトイレに行けないじゃん!それにこの家にはトイレが1つしかない!家の広さからすると、もう1つあってもよさそうだけどね。とにかく今日は夜まで親戚の家に全員行くので、それまでは問題先延ばし。

なんでも最近、お父さんがトイレを新調したらしい。ブリコラージュが盛んなフランスなので、トイレ工事を自分でしてもびっくりはしないけど、流れないならそれは失敗???しょっちゅう帰省しないMag.だけど、半年前に戻った時はシャワールームが工事中で(もちろん父作)、シャワーを浴びれなかったらしい。そして今度はトイレ…。ちょっと怒ってる???

P6130297まあ、とりあえず出発。今日はMag.の叔母さん(一番親しいtata)の還暦のお祝いが、彼女の家で行われる。Mag.も全員は顔を知らないと言っていたけど、40人近い親戚が集まってのお食事会。それもお料理上手のtataは、ほとんどすべての料理を自分で用意したと言う。恐るべきtataパワー。ただ私にとっては知らない人ばかりなので、ちょっとつらい。

アペロの時間が終わってテーブルについて、半セルフ方式のお食事が開始。右手にMag.、左手にヒュー、正面にMag.のご両親…でも正直、面白かったのは最初のうちだけ。12h頃に到着して、最後のお祝いのケーキにたどりついたのは18h頃。ざっとお片づけを手伝って、Mag.姉妹と私の3人が帰路についたのは19h頃…と、気絶しそうなくらいに長かった。まだ半分くらいの人が残って、パーティは夜まで続くと言う…。

食事をするテーブルにはテントがかかり日陰にはなってたけど、もや~っと暑い今日の午後、私はほとんど話す事もなく退屈で眠ってしまいそうだった。でもこういう集まりに参加したのは初めての事だったので、それはとても良い経験だった。それは心からそう思う。tataも喜んでくれたし!ただ、長かった…。

P6130311帰る途中、オルネー(Aulnay)にあるサン・ピエール・ドゥ・ラ・トゥール教会(l'Eglise Saint-Pierre de la Tour)に寄ってみた。これはサン・ジャック・ドゥ・コンポステル(Saint-Jacques de Compostelle)への巡礼の途中にある重要な教会の1つ。この地方に特有のロマネスク建築。でも今日はもう駄目だ~。もう教会もどうでも良い。疲れた。

Mag.家のトイレもますます不調で不安な夜です…。あ~、トイレの水が普通に流れるってなんて幸せなことなんだろう…。使えなくなって改めて分かる事…。
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le lundi 14 juin 2010

P6140004昨夜遅くにMag.のご両親が帰宅。私のいる部屋の隣が例のトイレなんだけど、彼らは帰るなり何かトイレで作業を始めた。想像するに、トイレが詰まった時に使うやつ(名前知らないけど)を激しく使っている様子。私も挨拶した方が良いかな…とも思ったんだけど、そんな姿きっと見せたくないだろうな…と思い、寝たふりしておいた。

今朝、Mag.が「トイレ、昨日よりはだいぶよくなったよ」と言う。たぶん本当だろうけど、まだ少し怖い(笑)「ご両親が昨夜帰るなり、何かしてくれたみたい」と伝えると、Mag.が2人宛てにきついメッセージを残してプレッシャーを与えていた事がわかった(笑)。たぶん本当はそんなきつい言い方はしてないだろうけど…、気の毒なご両親でした。

Iledere_vue_du_ciel9h過ぎにMag.と家を出発。今日は2人でイル・ドゥ・レ(Ile de Ré )までドライブなのだ。ここはまだまだ日本人観光客が少ないように思うけど、フランス人にしたら夢のヴァカンス地。私も去年、A&Pに連れて行ってもらって、気に入った。海にあまり興味のない私だけど、このイル・ドゥ・レはサイクリング用ピストが整備されているので、いつかここでサイクリングするのが夢。本当は今年したかったけど、今日はあまり時間がないので、またいずれMag.と、この島内に泊まってゆっくりサイクリングする約束をした。楽しみ!

*この俯瞰写真だけネット上から拝借。もちろん空撮なんて私には無理ですから(笑)でもフランス本土から突き出したイメージをお伝えしたく…。

P6140013_3家を出てから約70キロ、ラジオNOSTALGIE(フランスの懐メロ専門局) を聴きながら、2人で大合唱しながら、島へ渡る専用橋(ここにも自転車用ピスト有)を渡り、イル・ドゥ・レに到着。”フランスの最も美しい村々(les Plus Beaux Villages de France)”に選ばれている集落が島内には2つあり、そのうちの1つラ・フロット(La Flotte)のはずれにぽつんと残る修道院の廃墟にまず立ち寄る。正式名アベイ・ノートル・ダム・ドゥ・レ(Abbaye Notre-Dame-de-Ré)、通称デ・シャトゥリエ(des Châteliers)。イギリスとの百年戦争や、宗教戦争時に大きなダメージを受けて、けっこう早くから見捨てられてしまったようだ。1997年に今の状態に修復されたと言う事で、なんだかとても整然とした健全な廃墟になってます。

そう言えば今年の2月、この地方を大きな嵐が襲った。私も経験した1999年の嵐以来となる、フランス全土(+ヨーロッパの多くの国)を通りぬけた記録的な嵐 Xynthia 。一番大きな被害を被ったのはここより少し南のラ・ヴォンデ(La Vendée)だけど、実に50人を超える人が急な夜中の増水で、自宅で溺れ亡くなったと言う悲劇。幸い、私の知っている人たちには何事もなかったけれど、フランスは最近洪水の被害が多いように思う。自然災害だけは、どうする事も出来ないけれど、本当怖い…。

そんな大きな災害から数ヶ月、私の目の前に広がるイル・ドゥ・レはそんな悲劇を忘れさせてしまいそうに美しい。天気予報はいまいちだったけど、なんとか今日1日は持ってくれそう。私のポワトゥ・シャロントめぐりも今日が最終日。相変わらず海辺は風が強いけどね…。

P6140019次に車を降りたのは、サン・マルタン・ドゥ・レ(Saint-Martin-de-Ré)。今日は残りの時間をここで過ごす事に決定。まずカフェで朝のコーヒーを飲み、散策開始。去年は島内を全部回ったので、各集落にあまり時間がかけられなかったし、ちょうど良いわ。港の前のカフェを出ると、ちょうど干潮時。船がみんな泥の上に整列してる。こんな完全に丸見えになってしまって、今日は潮の満ち引きが大きい日なのだろうか。

イル・ドゥ・レは、フランス人にとっての有数のヴァカンス地だから、おしゃれなお店もたくさんある。なにもここで買わなくても良かったんだけど、Saint James のショップでパートナーへのお土産を買ってしまった。そして私にも1つ、ここのスポーツ・バッグを…。

P6140027島内は厳しい建築規制があるらしく、空が近く、統一感のある色彩、それだけでも気持ちがいいのに、それに加えてゴミ1つ落ちてない清潔感、玄関周りを彩る美しい花々、住民の美意識の高さが伺える。

ランチはまた港まで戻り、CREPERIE DE L'ILOT (16, quai Nicolas Baudin, St-Martin-de-Ré)で。すごい待たされけど、すごいボリュームのガレット。おかげでおなかいっぱいになって、デザートクレープまでたどり着けなかった…。

P6140036食後は港から海岸にそって歩く。さっき空っぽだった港もどんどん潮が満ちてきている。海がすごい勢いで満ちる音を聞きながら、私たちのおしゃべり散歩は続く。すると右手には刑務所。こんな眺めの良いところに刑務所なんてもったいない。フランス人みんなが憧れるバカンス地なのにね。刑務所はもっと不便な眺めの悪い所で良いじゃない?ここには低層の国民宿舎でも作るべき。やっぱり良いバカンス地だから、ホテルも結構高いしね…。

砂浜で遊ぶ家族を眺めながら、私たちもぼ~っと午後のひと時を過ごす。ただし、時計を気にしながら。家まで1時間は見ておいた方が良いし、その後駅までやっぱり1時間は見ておいた方が良いし、ぎりぎりに着くのはいやだし…。すっかり気持ち良くなって、帰るのが嫌になったけど仕方ない。良い子のシンデレラは帰路につきます。

P6140052_2おうちに帰ると、ちょうどワールドカップ日本×カメルーンの試合が行われていた。おやつを食べながらしばし観戦。ご両親もその頃帰宅して一緒にニオールの駅へ。心の中で再度ニオールの友達にお別れを言い、そして目の前にいるMag.のご両親にも心からのありがとう!を。またこの楽しいご両親にも会いに来たい。ただトイレだけ、間違いなく流れるようにしておいてください(笑)

19h10、パリに向けてTGV発車です。4泊5日のポワトゥ・シャロントの旅も終了。お休みを取って遊んでくれたMag.にもありがとう!また2年後、楽しみにしています。今度は絶対にサイクリングしようね!

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12/06/2010

à Niort

le jeudi 10 juin 2010

P6100196気づけばフランスに到着して早1ヶ月。長い旅も後半に突入していた。今日は日付も時間も間違いなくモンパルナス駅からTGVに列車に乗る。昨年に引き続き大好きな人達の住む街、ニオール(Niort)へ。予定時間から10分ほど遅れて13h過ぎに列車は到着。ホームの遠く向こうで手を振るAの姿がすぐにわかった。

A&Pとはホームで感激の再会。変わらない2人。でもこの1年、A(奥さん)は母親を亡くし(でも大往生)、P(旦那さん)はのこぎりで手の神経を痛め手術⇒リハビリを終えたばかり。それに害虫にやられて庭の一番大きな大切な木を失った。あまり良いニュースはないけれど、とりあえず目の前にいる2人は元気そう…。

駐車場までは階段を下りて上って…、毎度の事ながらバリアフリーにはまだまだ程遠い地方都市の駅。なのに2人は私の荷物を持つと言ってきかない。私の両親とほぼ同年代の2人にそんな事はさせられない。でも2人はまるで、久しぶりに帰省した娘のように私に接してくれる。いくつになっても親は親、子供を心配し、世話を焼きたがる。まるでうちの母のよう…。本当にありがたい事。

P6100187a駐車場では腰が痛くで階段の上り下りのできないF(通称ブロッコリーちゃん)が、待っていてくれた。彼女もこの1年、すでに別れてはいたけれど元旦那さんを病気で亡くし、息子夫婦は離婚、今は父親の介護、そして可愛がっている愛犬も高齢のためかなり手がかかる…と、こちらもあまり良いニュースがない。それでも彼女もいつも通りの笑顔と、力強いハグ、濃厚なビズで迎えてくれた。懐かしいメンバー4人が揃ったところで、さっそく腹ごしらえ。食べることに貪欲なみんなとはその事でも気が合うのかも…。また今回の滞在中も食い倒れの3日間になりそうな予感…。

P6100190皆のお気に入りのレストラン Mélane(1, place de Temple, Niort)で昼からがっつり3品。アミューズに豚肉のリエット、前菜に田舎風パテ、牛肉の赤ワイン煮込み…みたいなやつ(肉の下にはジャガイモのピューレがど~ん)、デザートはタルトタタン。ふ~、おなかいっぱい、きれいに完食。私が美味しそうに食べると、皆も喜んでくれるので、ついつい食べ過ぎてしまう。

Fはデザートの後、急いで父親の病院に向かう。重要なRDVがあるらしい。また夕食の時間にA&Pんちで合流する事になった。のんびりの私たち3人が店を出た頃、ぽつっと降ってきた雨が次第に本降りになってきて、Pが車に積んでいた傘を取りに行ってくれている間に、どしゃ降りに…。Aと私は近くのパッサージュで雨宿り。おしゃべりをしながらウィンドーショッピングしている間に小降りになってきて、傘もそんなに必要なさそう。気の毒なP。

さあ、去年ゆっくり見られなかったニオールの街を少し散策してからおうちに帰るょ!

P6100191まず最初にル・ピロリ(le Pilori)と呼ばれる建物へ。16世紀に建設された貴重なルネッサンス建築は昔の市庁舎、最近は展覧会会場として使用されているらしい。ちょうど最近ニオールに越してきたきた女流画家 ミレイユ・ランデルさん(Mireille LANDELLE)の個展が行われていたので、しばし鑑賞。画家自身が会場にいたので、ついでにおしゃべりも。旦那様が映画関係のお仕事をされているので映画に絵を提供したりする事もあるそうだ。でも今回展示されているのは女性の肖像画が多い。私の好みの作風ではないけれどパステル画は素敵。A&Pも地元の画家の作品をコレクションしているので、パステル画に興味を持っていた。

P6100193次に訪れたのは街の中心で圧倒的な存在感を放っているル・ドンジョン(le Donjon)。12世紀の終わり、英国王アンリ2世がアリエノール・ダキテーヌの結婚したのをきっかけに、この地を重要視して城を建設した時のものだ。古い歴史がある。まだこのあたりがイギリスだった頃のお話。さっきの雨が嘘みたいに青空が出ているすきに、てっぺんまで階段でのぼり、市内を見渡す事にした。ここニオールの名前は日本ではぜんぜん知られていないし、観光名所も市内にはあまりないけど、ここに豊かな自然があるのは一目瞭然。この街を横切り大西洋にそそぐセーヴル・ニオルテーズ川(Sèvre Niortaise)の周辺には美しい公園があり、市民の憩いの場になっている。

P6100198このル・ドンジョン、今は美術館として使われていて、ちょうど地元の愛好家達によるカリグラフィーの展覧会が行われていた。ここにもいくつも素敵な作品があり、またまたA&Pが購入意欲を示していたぞ。

夕方おうちに戻り、荷をほどき、居間に寛ぐ。寝室は去年と同じだけど、この家にはキッチンと居間が2つずつあり、去年使ってたのは冬用の上の階、そして夏場(6月~)は下の階…と季節によって使い分けているそうだ。下の階は直接庭に通じていて、庭と家の間には屋根のかかった広いテラス(我が家のリビングより広い)。ほとんど夏の間はここで食事をとり、リビングとして寛ぐのだそう。気候が穏やかなこの地方は早い季節からお庭が楽しめるから、この屋根付きテラスは半インドア、半アウトドアとして最大限に活用されるわけね。本当いいアイデアだと思う。これだけ屋根が大きいと雨がたくさん降っても、構わずのんびりできる。でも今夜はちょっと寒いので、完全インドアで頂きます。

P6100221Fも到着して、お料理上手のAが台所で支度を始めた。結婚して50年、この家も50歳、台所には色々な家電があって、今では少々時代錯誤な大きさだったりするけれど、どれも大切に使われている。

きれいに茹であがった立派なホワイトアスパラにかけるのはオランダ風ソース。う~ん、作るのを見てると食べるのが怖いくらいカロリー高そうです。メインは上等のお肉をPが外で炭火焼。家の中のオーブンでは野菜のグラタンを準備し、私も少しだけ猫の手でお手伝い。そしてフロマージュ、やっぱりこの地方は完全にシェーヴル(ヤギ乳)です。

P6100225どれもこれも私にとってはレストラン級に美味しかったのだけど、今夜私が一番萌えたのは、このデザート。苺のスープに浮かぶ、苺のアイスクリーム。もちろんこれもすべて手作り。私はあまりの美味しさに、はちきれそうなお腹をかかえながら、3回もおかわりしてしまいました。ちょっと写真の色が悪くて美味しそうじゃなさそうだけど…、これを食べた時はもう、バケツで飲み干したいくらいだった(笑)

P6110226夜、寝ようと部屋に戻ると、Aがやってきた。「これ、プレゼントよ」と小さな包み。夕方立ち寄った市内の有名なショコラティエのアソルティモン。それに私が店でカワイ~と見とれていたカエルのチョコも添えられていた。本当、甘やかされっぱなしです。でも嬉しい贈り物…。このカエルちゃんは絶対に食べられない!大切においておきます。どうもありがとう、A。

*このあたりは湿地帯として知られていて、カエル釣りが有名。だからカエル型チョコがあるんです。

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le vendredi 11 juin 2010

昨夜はまたメモを取りながら、気絶してしまったみたい。カメラは壁とベッドの間に挟まってかろうじて落下を免れていた。チョコレートはもちろん無事!眠りながらも一番大切なチョコレートの事は気にしていたので、私はチョコレートを避けるように大きなベッドの隅っこで丸くなって眠っていた。目が覚めたのは4時過ぎ。その後シャワーを済ませて、2度寝…。正式な睡眠は気持ち良すぎて、朝は寝坊をしてしまった。幸いA&Pもゆっくりだったみたいで、朝ごはんにかけつけた時は、Aはまだパジャマだった。Pが買いに行ってくれた山ほどの出来たてパンをテラスで食べながら、A&Pはあいにくの空模様を心配する。「私は2人とFに会いに来たんだから、どこに行けなくてもいいのよ!」と言っても2人の顔は冴えない。去年も2人が思っているような天候で迎えられなかった事が頭にあるようで、今年もこんな天気なのが残念で仕方ないらしい。今日も雷雨の予報。

Rochefort私たちの寝坊のせいで予定よりゆっくり目に出発。FとFの愛犬をピックアップして、今日の遠足、ロッシュフォール(Rochefort)へ。ロッシュフォールと言えば、1967年のジャック・ドゥミ監督の『ロシュフォールの恋人たち(Les Demoiselles de Rochefort)』のロケ地として有名。去年、日本ではデジタルリマスター版として上映されたので、観た人も多いのではないかな?

時々、ゲリラ豪雨に見舞われながら、これでは観光はとても無理なので、目の前にあったレストランLe Galion (38, rue Toufaire, Rochefort)で雨宿りランチ。さっきたらふくパンを食べたところなんだけど、他にすることもないし、リヨン風サラダにデザートまで食べてしまった。雨は確かにうっとうしいけど、こうして4人でテーブルを囲んで、おしゃべりをする時間、私はとっても楽しい。

P6110234_2お昼過ぎ、ようやく雨も小降りになって来て、近くの王立綱(縄)製造所(la Corderie Royale)に行く。船に使う綱と縄だけど王立!気合が入ってます。歴史は古くてルイ14世の時代、海軍力アップのためにコルベール(財務総監)が、この辺りに大きな海軍造船所つくる事を決定、主要都市のナント(Nantes)とボルドー(Bordeaux)の間に位置し、大西洋からも遠くない(23キロ内陸)この土地が選ばれたという経緯らしい。巨大な長い綱を作るためにエッフェル塔よりの高さよりも長い370mの長さのこの建物が建設された。今は博物館になっていて、中ではどのように綱が製作されていたかを見せるデモンストレーションなども行われる。もうすぐヴァカンスの小学生たちがいっぱい見学にやってきていた。

P6110245今、そのルイ14世の造船所では昔ながらの手法で、帆船が作られている。18世紀の名帆船 Hermione号(3本マストの軍艦)の復元という壮大な計画は、1997年にスタート、最近ようやく船らしくなってきたらしい。完成した暁には募金に協力してくれた人の中から抽選をして、実際に人を乗せてボストンまでの航海に出るとの事。2012年の予定らしいけど、本当にそれまでに出来上がるのかな…。まだ今こんな状態なんだけど…。処女航海抽選に興味のある方は、こちらで募金をどうぞ。

それにしてもこのHermione号に乗ってアメリカに渡ったラファイエット公爵は当時若干23歳だったって。まったく昔の人はすごい…。

229c0b1この後、観光局で予約をしたvisite guidée に参加。「きっとmikaは気に入ると思うわ」って言われてついて来ると、外観は何のことはない普通の家。でもこの家『マダム・クリゾンテル(邦題:お菊さん)』を書いたピエール・ロティ(Pierre Loti)の生家。軍人として様々な国を訪れた経験をもとに多くの著書を残し、日本にも2度ほど来日したらしい。そんな彼が少しずつ手を加えながら作り上げた家は、外観からは想像も出来ない複雑な内部空間を持っていた。

最初のサロンはフランス風古典主義でいたって普通。次にあるのがルネッサンス風サロン、こちらもまあ許容範囲。次はネオ・ゴシック。個人的には好きなスタイルだけど、かなり重苦しい装飾、そして狭い!なのにここに大勢の人を集めて頻繁に奇妙なフェットを楽しんでいたらしい。その階上には完全にオリエント趣味の部屋。モスクあり、トルコ風サロンあり。もう何でもあり!昔は中国趣味のサロンもあったとの事。最後に超シンプルな彼の寝室。まさに彼のファンタスムをすべて盛り込んだ夢の館と言ったところか?でも当時はバリアフリーの時代じゃないし、晩年の彼は階段が上がれず、せっかくのこの家も上のほうには行けなくなってしまったそうだ。

彼が著書の中で、日本人を酷評している事を考えると、ちょっとむかつくんだけど、面白いものを見せてもらった。当時はまだまだ変な事をすると世の中から変な目で見られる時代。彼も相当ロッシュフォールの人々に変人扱いをされていたらしくて、結局死後もこの街に埋葬される事は許されなかったみたい。世間は厳しい…。

P6110263ところで家の写真、なぜだか撮影禁止と思いこみ、結局1枚も撮ってないので、ちょいとこちらでお楽しみ下さい。

カトリーヌ・ドヌーブも歌った広場のカフェで帰宅前にちょっと一杯。今日はワールドカップ初日。広場に大型ヴィジョンも設置され、なんとなくお祭り気分、盛り上がってきたかな?

P6120269今夜はFのおうちでお夕飯。Fのお孫さん、可愛らしいLちゃんとも嬉しい再会。彼女、私のあげた折り紙の本で折り紙を練習してくれてたらしく、こんな可愛らしいプレゼントをもらいました。今年は”ひらがな”の本を持ってきた。お夕飯の準備が出来るまで2人で”ひらがな”のお勉強。なんにでも興味を持つお年頃だからね。今度会う日まで覚えてくれてると良いんだけど(笑)

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le samedi 12 juin 2010

P6120279今日はA&Pから朝寝坊の号令がかかっていたので、私も安心して朝寝坊。11h頃、おでかけ準備完了状態で下におりて行くと、2人ともまだリラックスした格好で朝食中だった。今朝もPが美味しそうなパンをたくさん買ってきてくれたみたいで、朝ごはん、どうしよう…と思ったんだけど、13hにはレストランでのランチが控えてたので、控えめにカフェオレとクロワッサン、それと桃だけにしておく。それでも一応食べたんだけど(笑)

今日は皆で過ごす最後の日、遠くへは行かずゆっくりする事にした。お昼は3人のお気に入りのレストラン、LE SALON de la Tartine (2, rue de la Boule d'Or, Niort)で。おしゃれな店内、このソファーに体を沈めて食べるのが、なんとも新しく、気持ちが良いとの事。サービスも若いスタッフが多くて、スマートな感じ。

P6120280_2私はAと同じ、メインにアボリジニーのスパイスを使った子羊のミニョン。そしてデザートに選んだチーズケーキは想像とは違ったあっさり味。お料理もちょっと新しめ???

今年皆で揃ってのお食事もこれで終わり。お別れの時が見えて来るとやっぱりしんみりしてしまうわ。

A&Pの家からレストランまで、今日は往復歩いてみる。片道30分ほどの散歩だけれど、市内のちょっとさびれた様子が残念。2人が結婚して、ここに居を構えた頃、高級住宅地として活気のあったエリアも、今は商店も店を閉じ、裏道ではドラッグの取引などが行われているらしい。こんなニオールの街でもドラッグの問題があるのね…。どの街も同じような問題を抱えているんだろう。何もここに限った事ではない。再開発の難しさ、地方都市の抱える問題も山積みだ。

P6120271Fのお孫さん、Lちゃんが、どうしてももう一度私に会いたいと言ってくれてるらしい。もちろん喜んで!と言うと、Fが車で迎えに行った。今日の午後はおうちのお庭でみんなでゴロっと長椅子に寝っ転がる計画。ようやくお天気になったしね!

私はテラスでLちゃんと”ひらがな”の復習をしながら、おしゃべり。子供のフランス語は容赦がなくて本当に難しい。でも私達は年齢の壁をこえた仲良しcopinesになれたみたい。今度、彼女に会えるのはたぶん2年後。今は日本に連れて帰りたいくらい可愛い彼女だけど、2年後はどんなおしゃまさんになってるのかな…。もう2年後は、きっと今みたいに会いたいなんて言ってくれないかもしれないし、そう思うと余計に今の時間が愛おしく思える。いつまでも今のまま良い子でいてね…なんてちょっと親心を体験させてもらったり、Lちゃんもどうもありがとね。

A&Pはこの家のテラス部分と、私のまだ知らない田舎の家の整備を考えているらしい。Fはずっと建築関係の仕事をしてきた人なので、一緒にあれこれそんな相談。Pが「2年後にmikaが来たときは、田舎の家もきれいになってるはずだから、今度はぜひ一緒に行こう!」って言ってくれた。今度はもっとゆっくり会い来たいな、この大好きな人たちに。

P6120275A&Pって私の両親と同世代だから、こんな事を言うのは少し変なんだけど、この人たちといると、私がすごく小さな子供に戻れる気がするのだ。なんだか無条件に甘やかしてくれる祖父母とでもいるような感じになって、とても癒される。父の両親は早くに亡くなったので会ったこともないし、母の両親も1人は早くに亡くなったし、もう1人は長生きしてくれたけど近くに住んでいたわけではないので、私はそれほど祖父母の愛情を知らずにきた。きっとこんなものなんじゃないのかな…って思うわけだ。とにかく無力である事が許されるって、なんて楽で、幸せなこと。やっぱり人生には逃げ場は必要で、この遠くに住む友人たちとの時間は、きっと神様がくれた贈り物なんだろうな…。1年に少しだけ私が子供に戻れる日…。

à suivre ...

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09/06/2010

写真ゼロの日々

8日(火)はまあまあのお天気でスタート。今日は粋なパリジェンヌF(70歳+α)とのランチからスタート。先日夕食を共にしたN&T、F&Gの友人Fとはいつも恒例の食事会で顔を合わせるのだけど、今回は車の事故にあったばかりで目が腫れているとの事で欠席。欠席が決まった時、電話をかけてきてくれて「ぜひ一緒にお昼でも…」とお誘いを受けたので、いそいそとおでかけ。

Wepler_2RDVのクリシー広場は大工事中。すごい騒音の中、携帯で電話をし合って元気そうなFと再会。車の事故は大した事はなさそう。なんでも広いお庭のある田舎の家の敷地内で、16歳になるお孫さんが車の運転をしてみたい、と言うことでハンドルを持たせたところ、いきなり庭木に衝突。ケガをしたのは、幸い?シートベルトをしてなかったF(軽傷)とFの愛車(重傷⇒廃車)だけ。お孫さんは無傷だったらしいけど、ご両親が見ている中での出来事で、なんともバツが悪かったらしい。

Fの提案でクリシー広場にある老舗ブラッスリー Wepler (14, av. de Clichy, 18e)でお昼をご馳走して頂く。Fの妹さんと一度会ったことのあるお友達が一緒。70前後の熟女3人とのランチ。不思議な図です。それにしても、Fは美しい女性。日本人の70過ぎにはあり得ないくらい皺は多いんだけど、昔、女優でしたと言ってほしい感じ。顔のつくりが美しいのはもちろんだけど、長年生きてきた女性の強さもあり、煙草をくゆらせる表情はなまめかしい。かと、思えば少女のようにお茶目で可愛らしかったり…、私は初めて会ったときから彼女の人生や人となりに興味を持っていたと思う。

でもあまりに色々と質問をするのは不躾なので、今日まで知らなかったこともたくさんある。旦那様がいないのは、離婚じゃなくて死別。離婚が多いこのフランスでは珍しく、Fと旦那様は最期まで誰もがうらやむ仲の良いカップルだったらしい。数年前に今のアパルトマンを終の棲家として買い求めたのに、すぐに病に倒れて、帰らぬ人になってしまった。Fは今でもその悲しみから立ち直れずにいるようにも見える。

この部屋から見えるところに、スペイン人がオーナーのレストランがあって、Fもそこの常連だったし、そこに行かない時でも窓から見下ろしたり、そこから聞こえる音に耳を傾けたり、いつも賑やかなそのレストランの雰囲気を生活に取り込んで楽しんでいたのに、最近、突然何も言わず店を閉めてしまったらしい。Fはさらに生活の一部を失って「寂しい…」と言っていた。

食事を終えて、Fのサロンに集った際、なぜか話題は戦争、ユダヤ人、宗教…etc.に。初めて会う人との話題としてはタブー視されがちだけど、私は歴史が好きなので、とても興味深く聞いた。彼女らの経歴を後で知ったのだけど、かなりの才女達…。

夕方、家まで車で送ってもらい、明後日からの旅に備えて靴探し。なかなか欲しいのがない。

夜はC姉さんと Le Potager du Marais (22-24, rue Rambuteau, 3e) で夕食。私の到着後、1ヶ月たってようやく会えた訳だけど、美しい季節を迎えた今、彼女は仕事のストレスもあり、時間を見つけては旅三昧。私もなかなかパリに落ち着いていないし、仕方ない。でも会えば話すことはいっぱい。彼女は財務省での今の仕事の愚痴、私は今回のパリの家の愚痴…、とは言え、比較的前向きな私たちは大いに笑い、大いに食べて、今度の田舎の家への遠足を楽しみに今日は別れたのだった…。最近の野菜不足を払拭するかのように、話題のBIOレストランで野菜山盛り食べておきました。

今日は話してばかりで歩数は伸びず 6684歩。
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Cojean_39日(水)は雨。まずは漫画家T君がベルギーに帰る前に一緒にランチ。質の高いセルフの店として人気の高い cojean に行ってみる。質も高いのだけろうけど、セルフなのになかなか良いお値段で(笑)、店員の態度もなかなかに尊大。ちょっとがっかりだけど、早く簡単に済ませたい時にセルフのお店がありがたいのは確か。ここもランチの時間をはずせば、人も少なくてある意味とても快適。

T君と別れた後、雨を避けるようにショッピング・ゾーンへ。でも欲しいものはあまりなく、夜の芝居の時間まで何をしようかな…と考える。

あ、そうだ!リディ母さんに会いに行こう!

雨が降るのでメトロに乗ってゴブランへ。リディ母さんと長男パスカルと嬉しい再会。今年はご近所さんじゃないので、なかなかここに来る時間もないけど、会えばまったくいつもの通り。ひとしきりお店で世間話をした後に、リディ母さんと隣のカフェへ。いつものようにお商売の話やら、行政のダメダメぶりやら、日常の話をして過ごすのが私たちの常。息子を4人も育てた彼女だけど、娘がいないので、少しは娘のように思ってくれてるんじゃないだろうか…、私が彼女をパリでの母と思うように…。休憩の時間を終えて再び店内に戻ると、おいしそうなチーズケーキを与えられて、嬉しい悲鳴。ここは cojean じゃないけど、質の高い食材しかおいてないので、みんなにも安心しておすすめしている。お惣菜などは、リディ母さんの手作りの事も多くて、信頼できる人が作っているので、安心しておいしく頂けます。

もちろんここに来たら行きつけのパン屋さんAさんの所にも挨拶。いつものように満面の笑顔で「おかえりなさい!」嬉しいな~、この言葉。そしてなんとまた1人カワイ子ちゃんが増えてました!私が来ると毎年1人ずつ増えているので、来年は4人目?いえいえ、一応3人で終わりだそうです。ここの子はみんな天使のようにカワイイ!こんな子なら家に欲しいって、子供嫌いの私も時には思ったりします。今年はここの旨いパンが食べれないのが残念でたまらない。次回はここに泊らなくても1回でも多く買いに来たいと思う。

夜の芝居の前にMag.と簡単に夕食。あまり時間がないのでカウンター席で食べれる Les Cocottes(135, rue Saint Dominique, 7e)へ。ここはお料理が美味しかったのと、雰囲気が気軽なので、けっこう気に入っている。さっきリディ母さんから大きなチーズケーキを与えられた所なので、控えめに食べて28€。やっぱりパリは高いね。

ところで食事中、ここでサービスの仕事をしている日本人の方が話しかけて下さって、とても感じの良い人だったので、また私の滞在中にぜひ会いましょう!と言う事になった。約束、実現できるかな…。

7546823b98c8212dc5e5f05e22c4d66c今夜はMarigny劇場で大好きな役者の1人、シャルル・ベルリング主演の『le Donneur de Bain』を観る。内容は Mag.でも意識が遠のく時があるほど。台詞が難しかった~…けど、演出が面白い。普通芝居を終えた役者はそでに引っ込むものだけど、ここでは舞台の脇に置いてある椅子に座って、続きを傍観している。時には衣装を着替えたり、くつろいだりしながら…。今回は正直ほとんど簡単な筋しか理解できなかったので、後で何かを読んで学習します。

観劇後、徒歩で帰宅。なんとか11376歩。こうしてカメラに一度も触れなかった2日間が終了。明日から4泊5日の旅に出ます。

注)今日は写真を撮ってないので、この記事内の写真はネットから拝借しました…。

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07/06/2010

大当たり!

P6070171_3快晴です!今日はベルギーに住んでいる漫画家のT君が、パリまで会いに来てくれるということで、お昼に待ち合わせ。前から気になっていたパンテオン近くにある映画館内のサロン・ド・テ salon du cinema du pantheon (13, rue victor cousin, 5e)に行ってみる。デジュネの時間が終わった店内は広々ととても気持ちがいい。名前の通り、本当に誰かのおうちのサロンに招かれたような感じ。カトリーヌ・ドヌーヴがインテリアを担当したとどこかで読んだけど本当だろうか?それにしても、私達を担当したアジア系のフランス語が不自由な男の子はちょっと困りもの…。カフェのメニューをまったく把握してない上、1つ頼むと前の1つを完全に忘れてしまう。すごくシンプルなオーダーを通すだけにけっこうな時間がかかって、疲れてしまった。飲食店をはじめ、どのショップでもいくら良いサービスを提供しようとしても、従業員が駄目だと印象は最悪。この男の子をはじめ、ボスの女性も(時間的にサービスは2人しかいなかった)、いまいち。ただ居心地はすごく良かったので、また近くに来るときは、試してみたい。

P6070175_3お店を出た後、近くにあるローマ時代の遺跡、古代劇場(Arènes de Lutèce)へ。良いお天気なので肩を出して、靴を脱いで、日光浴を楽しむパリジェンヌがいっぱい。語り合う老人たち、サッカーを楽しむ子供たち。彼らを眺めながら私達もお喋りの続き…。Sの幼なじみのT君は、Sの友人の中でも一番話しやすい人。政治の話やら、労働環境の話やら、T君の仕事の話やら、話も多岐に渡り、おしゃべりしていてもとても有意義で楽しい。今、漫画家としてお仕事も重要な時期に来ているようでストレスもあるみたいだけど、今後が楽しみな人です。

Viewmultimediadocument_3ところでWIFI GRATUIT (無料ワイヤレス・インターネット)も珍しくなくなった今、パリでは色々なところでサービスが提供されている。例えばこの古代劇場でも、なんと接続が可能!お天気が良い日はこんなところで仕事をするのも良いかも!目印は、このマーク。

夜、仕事を終えたSと合流。3人でセーヌ岸を散歩。今日のようにお天気が良いと、ここはまさにフランス人のピクニック会場。桜に反応する日本人のように、太陽と気温に敏感に反応するフランス人。この人達、観察していると本当に面白い。こんな風にもっと自由に、もっと原始的に生きたいと、私も心のどこかで願っているからこそ、フランスに惹かれるのかも…。みんな、ないものねだりですから…。おなかが空いたところで、サン・ジャック通りのミラマへ。フランスでは数年前に中華料理屋の衛生状況の悪さがメディアで取沙汰されて以来、客離れが続いているみたいだけど、ここは大丈夫みたい。裏方がどうなっているのか、本当の事はわからないけど、他の画一的な店と違い、メニューも豊富で、独自の路線を行くこの店は、毎年通ってしまう店の1つ。フレンチに飽きた時、ちょっと小腹が減ったときは、ここの海老入りワンタンスープが食べたくなる。2人にとっては初めてのお店だけど、どうやらかなり気に入ってくれたみたいです。

P6080183_3今日は13596歩。

あ、そうそう、T君がTABACに立ち寄った際、私も久しぶりにスクラッチ(ブラックジャック)を1枚購入。すると、なんとなんと、私の方の数字がすべてBANQUEを上回るという快挙!全部で15ユーロ獲得です。でも億万長者への道は遠いな~。

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06/06/2010

映画2本立て

今日もパキッと早起き。なのに超ゲリラ豪雨+雷。朝一の映画を見に行こうと思ってたけど、すっかり出鼻をくじかれた。今日はローラン・ギャロスの男子決勝戦。コート、大丈夫かな…と一瞬思ったけど、プロだもの、ちゃんとシートかぶしてるに決まってるわね…(笑)

19205994_jpgr_160_214b_1_cfd7e1f__2なんとか雨もやんだので、気を取り直して映画「Coco Chanel & Igor Stravinsky」を11h30~の回で見る。この映画の監督のジャン・クーネン(Jan Kounen)の作品って、「ドーベルマン」と「99F」しか見てないけど、どちらもすごく印象が悪くて、暴力的で下劣。そんな監督がこういう愛をテーマを撮るとどうなるのだろう…と、すごく楽しみにしていた。やりたい放題の2作に比べて、こちらはぐっと押さえ気味にストイックな感覚が支配する、とても美しい映画、気に入りました。ココを演じたアナ・ムグラリス(Anna Mouglalis)、私はシャルボルの「Merci pour le chocolat」 で見たきりだったけど、けっこう今は活躍してるいるのね。今回はこの太くて低い声がいい感じに生きていた。

その後、私の部屋にようやく念願の内鍵をつけてもらう。もちろんかりだされたのはS。先日BHVで買った内鍵、本当は金曜日の夜につけてもらうはずだったのだけど、私のアングレム行き列車事件があったので、今日になってしまった。なんとも簡単な内鍵なんだけども、これがあるだけでどうしてこんなに心が落ち着くんでしょう…。今日から心から安心して眠れそう。Sありがとう。

P6060160夜、Mag.とサン・ジェルマンでRDV。☆☆☆☆のRELAIS CHRISTINE で優雅にお茶…のはずが、サロンの中を駆け回る”ねずみ”を発見!もうその後は、落ち着いてお茶なんか飲んでる気分じゃなくなったので、フロントの人に教えてあげて退散。でも、ねずみの話になると、パリの人はみんな口をそろえて「パリはね…、仕方ありません」

あまりしっかり食べるほどおなかが空いてたわけじゃないので、近くの da rosa(62, rue de Seine 6e)へ。Mag.も以前私と来てからたまに使ってるみたい。春にテレビで見た、なんとかトラベラーって番組内で、ここのリゾットを美味しい~と絶賛してたので、食べてみたけど高いだけでイマイチ。円高なのに、この超シンプル・リゾットが2000円なんてちょっと私の頭では理解できない。

19256845_jpgr_160_214b_1_cfd7e1f__2今日は久しぶりに2人で映画。遅ればせながら、この春の話題映画「L'Arnacoeur」を見る。今、旬のロマン・デュリスと再び脚光を浴びだしたヴァネッサ・パラディのラブ・コメディ。きっと日本でも公開されるだろうから、ストーリーはお楽しみに…と言っても、たいした内容ではありませんけど…。特別笑えもしないけど、損した気分にもならない無難な作品です。

映画館を出るともう24h過ぎ。少し寒くなった夜のパリを歩いておうちに帰ります。17632歩。まあまあでしょうか。

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05/06/2010

穏やかな休暇

アングレム(Angoulême)のC&JBの家では、以前息子さんが使っていた2階にあるお部屋を使わせてもらっている。部屋の前には吹き抜けのある趣味の居間、私がいる間はめったに誰も上がってこないし、殆ど2階は貸切状態。寝室の横には専用のトイレとシャワー室もあり、まるで我が家のように寛げる。

P6040073フランス人のおうちに良く招待して頂くけれど、やっぱり親しき仲にも礼儀ありなので、おうちに泊まらせて頂くことは嬉しいながらも緊張してしまう。専用のトイレとシャワー室があるところは殆どなくて、主寝室の隣にあったりすると、もうトイレの水を流すこともはばかるほど、田舎の夜は早くて静か。シャワーの音もできるだけ静かに…なんて気になってしまう。だからこういう風に完全に隔離されていると、昨日の庭のお昼寝に引き続き、本当のびのびできるわ~。

と、言うことで夜のうちにシャワーも済ませさっぱりした後、目覚ましのセッティングもしないまま、握り締めて深い眠りに落ちてしまっていた私。でも何の音もない、しっかりしたベッドでの快眠の後は、きっちり6時間後にすがすがしい目覚め。

P6050086のんびりとお庭で朝食を取ったあと、街の朝市のあるレ・アール(Les Halles)へ。今日のお昼の食材を買い求める。田舎の生活では”食べる”と言うことはとても大切な時間なんだ感じる。それでも最近はどこの先進国もどこの街も同じように、巨大ショッピングセンターの台頭で、こうした昔ながらのマルシェや個人商店はみな大変そうだ。

P6050094_3規模は縮小しつつあると言っても、やっぱりC&JBは市で買うのが好きらしい。今日はお昼のメインとしてこのお魚(高級魚ですが名前忘れた)をクール・ブイヨンで静かに火を通す。本当に色々な食材があり、金柑や椎茸なんかもあった。フロマージュは私がロックフォール大好きと言うことで、彼らの一番のおすすめ La Petite Cave de Gabriel COULET を購入。

P6050099お買い物が済んだ後は、街で一番印象的な建築物、サン・ピエール大聖堂(La Cathédrale St Pierre)を見に行く。 ビザンチン様式の珍しいカテドラルで鐘の塔はなんと59m!5世紀に最初の教会ができ、今の形になったのは12世紀初頭と言う、歴史的にもスタイル的にも価値のある大聖堂なのです。

P6050122いったん家に戻ってCが食事の支度をしてくれている間に、JBが彼の大好きなショコラティエ Letuffe (1873年創業の老舗)のアトリエがある近くの村 トロワ・パリス(Trois-Palis)へ連れて行ってくれた。ここには12世紀の美しいロマネスク様式の有名な教会があって、小さいけれど訪れる人は絶えないとの事。

Letuffe では「好きなものを選びなさい」と、お土産をたくさん買ってくれて、なんだかおじいちゃんに連れられたちっちゃな女の子みたいな気分になりました(笑)

道中とけないかな~?なんて心配してたら、「おいしいから電車の中でなくなるよ」って…。確かにオランジェットには目がないけど、さすがに全部はいっぺんに食べられませんょ~(笑)

P6050130_2さてさてお昼の食卓、前菜はボイルした海老と、野生のスモーク・サーモン。脂ののったサーモンも好きだけど、やっぱりたくさんは食べられない。その点、この天然物は身が引き締まっていて、上品なうまみがあり、たくさん食べても気持ち悪くならない。今ではあまり手に入らない貴重品との事。

朝市で買い求めたお魚さんはいい感じに火が入り、身がほくほく。Cお手製のマヨネーズがまたおいしくて、このお魚にもとてもマッチ。もう何もかも美味しくて、調子に乗って食べすぎ。この時点でおなかいっぱい。

P6050131_2フロマージュは引き続きたくさん並んでたけど、もうおなかいっぱいなので、私は絶品のロックフォールだけ頂いた。あ~、今年はロックフォールをはじめ、ブルーへの愛情が復活。帰国したらブルーチーズの料理をたくさん作りたい!

食後、普段私とあまり話をしないJBがたくさん色々な話を聞かせてくれた。なんか一気に距離が縮まったみたいで嬉しい。彼の大好きな昔のレコードを聞かせてくれたり、結婚式の写真も見せてもらったし、今度はここへ行こうなんて、次回の滞在の話になったり、1泊2日の短い時間だったけど、ここへ来て本当に良かったと思う。

P6050146_2定期的に日本にやって来る2人なので、お別れの寂しさはあまりないけど、嬉しさと感謝で心はいっぱい。もちろんおなかもいっぱい!また2年後にはゆっくり遊びに来させてください。電車の窓から見えなくなるまで手をふりながら、どうもありがとう…。

パリの駅にはMag.が迎えに来てくれた。そこから一緒にセーヌ川沿いの夜散歩。良いお天気につられてか、すごい人出です。

今日の歩数:11994

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04/06/2010

je suis dans les nuages !

昨日(3日)は、まず私と同じ年くらいのXa.とランチ。電気関係の会社を自営している彼は毎日めちゃくちゃ忙しそう。事情もよくわかるのに、わざわざプライベートの車に乗り換えてパリに会いに来てくれた。サン・ミッシェル界隈で食べてからセーヌ川のほとりを散歩。色々な話をしながら、そよぐ風も気持ちよい快晴に恵まれて、楽しいひと時。忙しい中、どうもありがとうね。

P6030052私はその後も散歩を続けて、1人のパリを堪能。夕方には汗ばむ暑さになっていた(こちらは16h~17hごろが暑さのピーク)。夜はLちゃんのおうちにお呼ばれなので、AOKI で日本らしいお味のマカロンを買い求め、95番のバスに乗り込む。バスの外に広がるパリを街を眺めているうちに、次のヴァカンスは…などと妄想開始。気づいたら手帳を取り出して、かなり真剣に具体的な日程を検討していた。あまりに夢中になりすぎて降りるべきバス停を逃し、なんと終点まで行ってしまった…(笑)

到着すると、Lの彼V君がドアを開けてくれた。しばらくするとLの幼なじみN君もやってきて、全員集合。4人と1匹のお食事会。この夜はめったにお友達を呼んで食事を作ったりしないLちゃんがすべて手作りのお料理を用意してくれた。前菜にはフルーツと野菜のサラダ。ドレッシングももちろん手作り。メインはローストビープに緑胡椒のクリームソース。フロマージュはV君のお見立て。デザートはチーズケーキ。みんなでめったに料理しないLちゃんをからかいながら、でもどれもこれもなかなかおいしくって完食。屈託なく笑い合える楽しい仲間との時間はあっと言う間に過ぎて、家に帰り着いたのは1h前だった。

3日の成果は12444歩、心地よい疲労感に包まれながら夜中に急ぎの仕事をしていたら、あっと言う間に朝の5h前だった。もちろん日付は4日(金)に。金曜日もたくさんRDVが入っていたので、そろそろ目覚ましをかけて寝ないとな…とテーブルの上を片付けていたら、週末のアングレム(Angoulême)行きのTGVのチケットが目に入った。何気なく見てみると日付が4日…。

なかなか事態が理解できなかったけど、どうやら…

アングレムでお世話になるC&JBに都合を聞いたところ、私の好きな時においで…と言われたので、他の旅との兼ね合いも考えてまずおおよその日程を決め、そのあたりで一番安いチケットを購入。それが行き4日、帰り5日だった。でもそれを伝えたところ「あ~、4日はチベット旅行から戻る日だ…」と言われたので、ガ~ン。安いので変更できないと思うけどフランスについたら変更できるか窓口で聞いてみます!と言いつつ私はフランスに向かった。その時に、手帳やGoogleカレンダーのアングレム行きをなんとなく希望的観測で変更後の5日(土)、6日(日)と書いてしまってたみたい。

結局、チケットの交換はできず、予定通り行きますと言ってたんだけどそれが4日(木)。でも私は手帳とGoogleカレンダーばかり見ていたので、すっかり勘違いしたままに…。それも列車は朝早く7h40にモンパルナス駅から出る。どうやら寝ている暇はまったくなさそう。あわててシャワーを浴びて、荷造りをして、なんとか列車発車の1時間前6h40に家を出た。

7h20頃には駅に着いて、まず DEPART の掲示板をチェック。でもなぜかその時に私は自分の列車を7h50発と思い込んでしまい(言い訳:行き先表示のせい)、その後朝ごはんを買ったり、携帯のチャージカードを買ったり、薬局で靴ずれ用のバンドエイドを買ったり、超余裕で過ごしていた。再び掲示板の前に戻ってきたとき、ちゃんとチケットを見るとなんと列車は7h40発!そしてこの時7h36くらい。え~~~~~、まじ???と1人心の中で叫びながら列車に走っていく。また私の車両が一番奥で、列車に乗り込み座席に着いたのはなんと発車の1分前だった。もうイヤだ…、本当にぼけぼけの私。あまりの驚きとショックで列車の中でもほとんど一睡もできなかったわ。

無事10h過ぎアングレムの駅に到着。本来の予定通りC&JBの息子さんNが迎えに来てくれていて、市内へ。彼も仕事があるのでいったん解散して、お昼の12hに再集合、ランチを食べながらC&JBが駅に到着するのを待つことになった。

P6040053午前中だと言うのにもうジリジリと照りつける太陽。一睡もしていない私にはつらいまぶしさだった。あてもなく市内をぐるぐる回り、やがて感じのいい広場のカフェ ibicaba(12, rue Ludovic Trarieux, Angoulême)にたどり着いた。まだ平日の午前中だからかお客さんもなく、のんびりした雰囲気。お店をのぞいているとテラスに座っていた女性が近づいてきて「私はここにいるから、用があったら声をかけてくださいね」と言う。すかさずコーヒーを注文して店内に陣取る。

なんとなく店主の女性と世間話を始めて、彼女の娘さんが日本の大ファンだと言うことがわかった。話が始まるとあっという間に時間は過ぎていく。お店を出るとき、日本の小銭が財布に残っていたので、1つ娘さんに…と言って残してきた。夢がかなって、必ず日本に行けますように!

P6040068途中、テレビ局の人が入ってきて、明日店の前でドラマの撮影があります…と説明に来た。カフェの女性も言ってたけど、珍しいことではないらしい。確かにアンシアン・レジームの雰囲気を色濃く残す古びた街並みは、悪くない。

写真はさらに古い16世紀半ばに建設された hôtel Saint-Simon。珍しい中世の住宅を良い保存状態で残している。

12時のランチはNのお嫁さんも一緒。3人で駅前のレストランで食事を取る。よく知らない人達との食事なので、何を注文して良いのかまったくわからず、すべて2人と同じにすることにした。前菜はシャルキュトリーの盛り合わせを3人でわけわけ、メインは entrecôte(牛の肋間肉) のグリル。私もみんなにならって1人前を注文。でも出てきたのを見てビックリ。なんと400gもある(写真がなくて残念)!久しぶりにシンプルなお肉~て感じの料理を食べたかったので、嬉しかったんだけど、この量にはびびった。お肉はすごく質の良いもので、最初のうちは快調に口に運んでたんだけど、半分まで来たところで急に吐き気を催した。これ以上食べたら、本当に吐いてしまいそう。疲れきった胃腸にはこの量はまだ無理のようでした…。

と、言うことで私はここでなくなく断念。リタイヤです。それにしてもNは男性だから当たり前としても、お嫁さんのほうは細くてちっちゃい人。なのに余裕で完食するあたりはすごいわ。添え物の芋さえ残っていなかった…。

やがてC&JBが駅に到着。長旅をしてきた人とは思えない元気な帰国。60過ぎてもバックパックで旅する2人です。

若夫婦から両親に受け渡された私は、一緒に2人のおうちへ。ようやくここにたどり着いたって感じです。2人の事はもう5~6年くらい前から知ってるんだろうか…。奥さんのCとはすぐに仲良くなって毎年フランスに行くたびに「どうして来ないの?」なんて言われてたんだけど、最初のうちは旦那さんの方が怖くて、なかなか打ち解けられなかったのだ。でも少しずつ少しずつわかって来て、最近ようやく本当に仲良くなれた気がしたので、今年はぜひ遊びに行きたいと思ってやってきた。

しばらく留守にしていたおうちに風を通し、近所のスーパーに少し買出し。そして庭に寛ぐ。今朝の事情を話すと、お昼寝でもしなさいって、帰ったばかりの還暦を過ぎた2人に若い私が気遣われたりしてなんか変(笑)でも言われるがままに長いすに体を沈めると、抗いがたい眠気が…。私はすぐに深~~~い眠りに落ちていった。

P6040076目が覚めるとCは旅行の荷物の解体を終えて洗濯をすませ、JBはさっそく庭仕事。どれくらい眠ったのかわからないけど、なんかこのほっとかれ感が良くって、私も超リラックス・モードに。あきらめないで電車に乗って良かった(笑)

今日はアングレムの街をぐるぐる回った以外はほとんど何もしてないので、6000歩ちょっとしか歩けず。何もしてないけど、夜ご飯はまたばっちり頂きました。メインにはC手作り鴨のコンフィ。お店で頂くのとは違って、塩気が控えめで上品なお味です。添え物のおいもさんもニンニクがきいてて食欲増進。あと忘れてはいけないのは、この地方はノルマンディーに負けないバター生産+消費地。食卓にはいつもドカ~ンとバターです。旨い!前菜のラディッシュにもたくさんつけて食べてしまいました…。

お天気も良くて、気温も高い今日は遅くまでお庭で過ごせた。明日も特に予定なし、ゆっくり眠れそうです。

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02/06/2010

マレ地区探訪

明日はいよいよJさん帰国。私の家の近所で用事があるという事で、お友達のMさんと一緒に問題だらけの我が家を見に来てくれると言う。ところで前に書いたゴミ捨て場の件、その後、鍵は手に入れたのだけど、どうしても私には開けられない。サービスヤードにあるすべての鍵穴に鍵をつっこんでみたけれど、鍵が合うのは1つだけ。だから扉に間違いはなさそう。でもどうにもこうにも鍵が回らない。ところがJさんのお友達、通称鍵師(?)のMさんが苦労はしたものの、とうとう開けてくれたのだ、この開かずの扉を!!!それはそれはもう感動としか言いようがない。ゴミの臭いも気にならないほど、この扉の開いたことが嬉しかった。これで私もゴミが捨てられる!!!ここに到着して10日、ようやくまともな生活になってきた。

JさんとMさんを見送り、お昼過ぎ早めに家を出ようと思ったら、家の前(扉の前)でごそごそ物音。30分くらい続いたか?怖くて家を出そびれてしまう。誰が何をしているのか、確かめたくてものぞき穴さえないのだ、この家には。木の扉の向こうの敵(?)の姿は見えない。ここは最上階、他に部屋もなく、普通は誰もやってこない。扉の前でいったい何を…?怖すぎ~~~。Mag.に怖いから家まで迎えに来て…とSMS。OK!と返事をもらった頃、ようやく音がしなくなったので、この隙に家出決行!

P6020032結局Mag.とはマレの茶屋 le Loir dans la Théière (3, rue des Rosiers 4e)に直接集合。マレなら私達はいつもここ。早番で仕事を終えた彼女とショッピング+散歩。気になっていた brontibay の caracas (財布)を購入。いろんな色が揃っていて悩んだけど、今回は目が覚めるようなブルーを選んでみた。他にも今旬のおしゃれな総合雑貨店 MERCI や手芸好きには垂涎ものの ENTREE DES FOURNISSEURS、Mag.のお母さんのお誕生日プレゼントを探したり、色々とマレ、北マレ地区を中心に見てまわった。

ブルターニュ通り(rue de Bretagne)に辿り着き、ふと見上げるとギマール晩年のぜんぜんいけてない作品が目に入った。昔見に来たときより、磨きがかかったせいか、明るく清潔感あふれる雰囲気になっている。最近この辺りもすっかりBOBOに…。

P6020034ちょっと歩きつかれた所でMag.のお気に入り le marché des Enfants Rouges へ。パリ最古とも言われる1628年につくられたこじんまりとしたこのマルシェは、屋台村のような雰囲気もあり、表通りからはあまり目立たない隠れ家的存在。中にはchez Taeko と言う日本料理の屋台も入ってる。

Mag.とお茶を飲みながら、のんびり。今日はお天気にも恵まれて汗ばむくらい。日陰のさわやかさと、この人の少なさがとても気持ちよい。

夜はパリ郊外に住むN&Tのお宅で夕食会。パリ14区に住むF&Gが車で迎えに来てくれて、一緒に向かった。どちらも私の親と言っても良いくらいの年齢のご夫婦で、お友達とは言い難い存在だけど、毎年必ず会う大好きな人達です。

P6020040今日は他に、夏に息子さんが韓国で、韓国人と結婚するので、その後日本に遊びに行くかもしれないと言うご夫婦と、N&Tの長女(T同様、建築家)も一緒に食べる事になった。いつもながらに美しく彩られたテーブル。料理上手のNのお料理をおなかいっぱい食べて、大人の会話が続き、子供の私はすっごいお眠に…もう今にも電源が切れてしまいそう。目ざとい元警視のNに見つかってしまい、そろそろお開き。もうとっくに24時を過ぎていた。

ダイナミックで優しいN、いつでも泊まりにいらっしゃい…と言ってくれるので、いつか必ず…と思ってるんだけど、実現できるのはいつかしら。とりあえず今回はもう会いに来れないと思うので、感謝の気持ちを込めてビズ~。

今日はぜんぜん歩けてない。5057歩。けっこう歩いたつもりだったんだけどな。

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01/06/2010

フォアグラにも旬が???

P6010001今日も早起き。こちらに来てからずっと日本のリズムのまま生活していて、なんだかとても規則正しい?日本では朝方寝て昼頃起きるので、日本ではいつもフランス時間で生活している私。だから、こちらでは普通の人と同じように早く眠くなる。以前なら、すぐにこちらでも朝方寝て昼起きるようなスタイルになっていたのに…だんだん適応性がなくなってきたのは年齢のせいかしら???

午後から今年の旅友Saちゃんと久しぶりに再会。ニースの1人旅を終えて少したくましくなった彼女は、フランス語のレッスンも昨日から始まったようだ。散歩しながら、ちょうどノートル・ダム寺院の前を通ったので、久しぶりに中に入ってみる事にした。最近のパリ滞在時には、近くを通ることはあっても、中に入ることはほとんどなかったので、ちょっとドキドキ。でも内部は、お天気のせいもあるだろうけど、けっこう暗い!こんなに暗かったかな???ばら窓もあまり効果なし。また次の機会には、快晴時に試してみなければ。

P6010018_2次に見えてきたサン・セヴラン教会(eglise Saint-Séverin)もSaちゃんに紹介。歴史をさかのぼれば起原は6世紀、今の教会自体は15世紀のゴシック建築。内陣の外の周歩廊には個性的なヤシの木のような柱が見られ、この教会の大きな特徴になっているもの。ガーゴイルもなかなか立派だし、教会のスタイルに興味のある人にはおすすめの場所。

また雨が降ってきた。毎年足を運んでしまう le comptoir du relais (9, carrefour de l'odeon 6e)で、待った挙句15h頃ようやく席にありつけた。相変わらずの人気ぶり。でも、なんと!私の大好物、トロケルようなフォアグラ3トランシュ盛とグリル・パンの一品がない!!!他のフォアグラ料理はあるのに、それだけないょ~!!!サービスのお兄さんに聞いたら「もうしばらくしたら出てきます」って・・・。え~、フォアグラにも旬があるの???毎年この季節に来て食べてるけど…。ウソでしょ?と思い、もう1人別の人に聞いても同じ答え。う~ん、仕方ない。それならここに来た意味はあまりないけど、おなかが空いて倒れそうだったので、今日は野菜の盛り合わせにすることにした。最近かなり肉々しい食生活が続いていたので、今日はベジタリアンコースで、デザートもオレンジのサラダ。

雨がやまないので、近くにあるよく行くカフェ・メトロで寛ぎ、モノプリで買い物。でも雨足はどんどん強くなる一方。

Saちゃんとはここで別れて私は日曜大工品の充実しているBHVへ。Sとここで落ち合い今度つけてもらう内鍵を購入。安心したところで、肉断食を早くも断念。Sとよく行くフォーブール・サン・ドニ通りのインド料理街で旨いカレーとタンドリー・チキンにありつく。お気に入りのお店は Shan (82, rue du fg Saint-Denis 10e)。ここはしつこい呼び込みもなくていい。ようやく雨がやんだので、歩いてJさんちに。Jさんももうすぐ帰国…。

今日は10988歩。雨が降ってるわりには歩いたほうでしょうか。

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31/05/2010

quelques jours en Normandie

le vendredi 28 mai 2010
 
今日から3泊4日のノルマンディへ旅。のんびりしたスタートで10h50にサン・ラザール駅を出発。ルーアン(Rouen)を過ぎた所で今夜お世話になるPから電話。午前中、仕事をして半休をとってくれた彼も私と同じ電車にルーアンから乗ったらしい。「どこらへんに乗ってる?」「う~ん、真ん中くらい」「1等?2等?」「2等」「上?下?」「下」こんな会話をしているうちに、彼はやってきた。電車の中で再会なんて笑える!

P5280087駅から車に乗っておうちに到着すると、奥さんのDも半休を取ってくれていて、先に帰ってお昼の準備をしてくれていた。大好きなご夫婦D&P。一緒にいるといつも楽しい気分になれる2人です。年寄り犬ラジャも私の事を覚えてくれてたみたい。シェパードみたいな種のでっかい犬、立つと大きい男性くらい、体重も55キロほどあるらしい。でも彼とPの絶対的な信頼関係を見ていると、不思議な事にまったく怖くない。逆に泣きたくなるくらい愛しい気分になる。つながれてないし、家の敷地内を自由に動き回ってるし、気づいたら隣にいたり、後ろにいたり…。犬好きのフランス人でもけっこう怖がる人がいるらしいけど、私は平気だった。私もこの家族を信頼してるからなんだろうか。私の場合すべては”信頼”から始まる。

この家には鴨、魚、鶏、猫…と色々いる。動物大好きPの引退後の夢は、広い土地を買って動物達とのパラダイスを作ること。場所はたぶんナント(Nantes)。まだPの引退までには10年くらいあるから、ゆっくり計画してね。動物パラダイスに行けるのも楽しみにしてます!

Dが用意してくれたお昼ごはんをお庭で食べる。風は少しあるけど、太陽が出てきていい感じの暖かさ。今年は冬が長くてすべてが遅れていて、5月も末だと言うのに、なかなか外で食べる機会がないそう。フランス人にとってはお庭で食べれるかどうかは大問題だから(笑)

P5280084食後はオンフルール(Honfleur)へ。私にとっては3回目、13年ぶりくらいの訪問。ノルマンディーの良さを凝縮したような、小さいけれど洗練された可愛らしい街だ。2人もここに来たのはすごい久しぶりらしく、やっぱりここ良いね~って話になった。前来たとき2回ともサント・カトリーヌ教会(Église Sainte-Catherine )の隣にあるホテルに泊まった。今も変わらずホテルはあって、屋根には猫のオブジェが残ってるんだけど、オーナーさんが変わったのか、前の素朴な安ホテルから、素敵な☆☆☆になっていた。でもまた泊まりで来る機会があれば、ぜひ泊まってみたいところ。

街をくまなく散歩しても3300歩。小さい街…。以前、パートナーと登った丘も思い出の場所。時間のある人には眺めが良いのでおすすめです。

オンフルールのカフェ・テラスで日向ぼっこしながらおしゃべりに興じる。おうちに帰っても夕食までお庭でDとお喋り。おしゃべりと太陽が大好きな私たち…。

ただ、夜になって風が冷たくなってきた頃からまた蕁麻疹再発。目が特にひどくて、お岩さんになってしまいました。あ~、気分はだいぶ良いんだけど、まだ本調子ではないって事かな。夜はバーベキューの準備が出来てたけど、寒いのでお肉だけ外で焼いて、結局中で食べることに…。夕食のあとは、一緒に日本を旅した時の写真や動画を見て大笑い。楽しい人達との時間はこうしてあっという間に過ぎていくのです…。
~~~~~

le samedi 29 mai 2010

今日はお昼の12hにランチの予定。今日から私がお世話になるB&JMのおうちにD&Pと一緒に向かう。予定はそれだけなので、それまでに出かける準備が出来ていればよかった。

夕べもベッドにもぐりこんだ途端、気絶するように目覚ましもかけず眠りに落ちたようで、静かな何の音もない田舎の家では深い眠り…。気持ちよく6時間くらいでパキっと目が覚める。この家はWIFIが利用できたので、ちょうどネット上にいた母に、スカイプでD&Pと2人の家を紹介。2人とも初めて見る私の母に嬉しそうに話しかけてくれていた。

B&JMの家にはほぼ予定通り到着。アペリティフのあとぼちぼち始まった食事が終了したのはなんと17h過ぎ。すご過ぎるわ~。D&Pも夜の予定があったようで、時計を見たときにビックリしていた。気持ちの良い仲間と囲むテーブル。Bが用意してくれたおいしいお料理。フランス流の時間が流れる週末です。

途中、闘牛やら捕鯨やら動物関係の事で意見が対立。こういう白熱したデバは大好きなので、私もちょいとエキサイト。ただフランス語が…。もっとフランス人を「なるほど」と納得させるような意見をフランス語できちんと言えるようにならなければ…。本当もどかしい。

長い昼食会が終わった後、少しばかりサロンに寛いで、また20h~夕食。もう~今日は食べてばっかり!来週の水曜日に家を出ていよいよ彼と住み始める娘さんとその彼も一緒。恒例の石焼の焼肉、Pierrade。正直、おなかが苦しい…としか良いようがない。

P5290093今日と明日は去年と同じく、B&JMが予約してくれた近くの集落にある chambre d'hôte に泊まる。次回からは子供さんがみんな独立して部屋が空くらしく、2人の家で眠ることになるらしい。この chambre d'hôte、 インテリアとかあまりいけてないけど、細かな心配りがあってとってもリーズナブルなのでけっこう気に入ってたんだけどな…(お金を払ってくれるのは彼らだったけど…)。もう泊まれないなんて、ちょっと残念。

なんと今日は800歩しか歩かず、食べていただけのの1日が終わろうとしています…。
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le dimanche 30 mai 2010

夜中の2h頃パキっと目が覚めて病…。久しぶりの苦しみに体力消耗を実感。弱っていたのできっと何かに感染したんだろう。苦しい夜が明けて、恐る恐る朝食にチャレンジ。なんとか出かけられそうな気がしたので、きつい薬を飲み、頑張ってみる。9hにB&JMが迎えに来てくれて出発。でもBにだけこっそり症状を伝えておいた。

P5300101_21時間ちょっと車を飛ばして、まず最初に訪れたのはディエップ(Dieppe)、ここでまたすぐに調子が悪くなり、カフェで休む羽目に…。2人が心配してくれるので、ただただ申し訳なく、2つ目の薬を投入。なんとかまた歩いていけそうな気がしたので「帰って休む?」と気遣ってくれる2人に「ça va, ça va ! 」と笑顔で答える。

きつい薬がようやく効いてきたのか、海岸を散歩した後、お昼ご飯を食べる元気さえ出てきた。あいにくのお天気に強風。海辺はいつも風が強いけど、もう少し太陽出てくれると嬉しい。

P5300130食後は市街地を歩き、その後はお城のある丘の上まで一気に車で登る。風は相変わらず強いけど、ノルマンディらしい海の色、淡いブルーとグリーンのグラデーションがとてもきれい。

さらに車で西に向かい、ヴァロンジュヴィル・シュール・メール(Varengeville-sur-Mer)にある海辺の墓地(cimetière marin)に立ち寄る。ば~んと目の前に広がる美しい海を眺めながら眠る故人たち。お墓とは思えない恵まれた環境に、まるで公園のように寛ぐ人たちもたくさんいた。

P5300144_2ここには有名な現代画家ジョルジュブラック(Georges Braque)のお墓もあって、傍らにあるサン・ヴァルリー教会(Église Saint-Valery)のステンド・グラスも一部は彼の作品。

そこからさらに西へ。夕方にたどり着いたのはヴール・レ・ローズ(Veules Les Roses)。フランスでもっとも短いfleuve(海に注ぐ川)がある事で知られている小さな街。ここもノルマンディのラブリーな雰囲気をギュッと凝縮したような魅力がある。この地方ならではの茅葺の家も良い形で残っているし、川沿いの1キロあまりのお散歩はなんとも心地良い。

P5300159今日はbrocante が行われていて小さな街が大賑わい。途中、素敵なテラスのあるホテル Douce France (13, rue Dr Girard, Veules les Roses)を見つけてしばしお茶の時間。今日は少し風が冷たいので中に入ったけど、今度はぜひテラスで…。

12028歩こなして、おうちに帰る。午後、元気に過ごせたけど、家に戻ったとたん、薬がきれてきたのか症状悪化。みんなと一緒に夕食を食べたかったけど、とても長時間耐えられそうになかったので泣く泣くお宿まで送ってもらう事にした。Bが用意してくれてた夕食をすぐ温めてくれてお弁当として持たせてくれた。パンもおやつも一緒に…。今夜はおとなしく22hには就寝。明日は元気になりますように…。
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le lundi 31 mai 2010

P5310174泥のように眠り、その間にメキメキ回復したようで、今日は爽やかな目覚め。朝食もおいしくもりもり食べる。蜂蜜のあまりの旨さに、グリル・パンにノルマンディのバターをたっぷりぬって、この蜂蜜をたっぷりかけて何個食べたかな~。オーナーさんにこれをどこで買えるか聞いたら、ストックがあるから…とわけてくれた。ノルマンディ、フランクヴィル(Franqueville)の養蜂家Jean DUFRENEさんによる、キイチゴ、クローバー、ブナのブレンド。たれないタイプの固めの蜂蜜。また蜂蜜のコレクションが増えた。太るけどやめられません、バターと蜂蜜のトースト。旨すぎ~。

9h過ぎに2人が迎えに来てくれて、チェック・アウト。荷物を積んで遠足へ。元気になった私を見て、2人も安心してくれたみたい。

P5310186明日何をしよう?と言う話を昨日していた時、私がモネのお庭で有名なジベルニー(Giverny)にまだ行ったことのない事がばれて、今日はそこへ行く予定になっていた。でも月曜日はあいにくお休みらしい…と言う事で、路肩で緊急ミーティング。基本を押さえていないわりにはあちらこちらにすでに出かけている私。私は何度同じ所に行ってもぜんぜん良いのだけど、2人は私がまだ行ったことのない所に連れて行きたいみたい。

P5310182_2まずは今や巨大な廃墟と化しているガイヤール城(château Gaillard)を見下ろす丘へ。ここがまだイギリスだった頃、1196~1198年に建設された古城。長く続いた英国との戦争のため、フランスになったり、イギリスになったり…と言う歴史の舞台でもある。

その後、下に見えるレ・ゾンドゥリ(les Andelys)へ。感じの良いホテルがあったり、ちょっとこじゃれたお店やレストランもあったりして、可愛い小さな街。お店をのぞいたり、教会を見学したり、街を散策しているともうお昼。今日はクレープリーでランチです。食べるとまだ胃が痛んだりもするんだけど、たぶんもう大丈夫だと思う。

P5310201セーヌ川に沿って歩いていると今から出航しようとしているドイツの客船に出合った。パリからルーアンまで電車に乗ればたった1時間の距離だけど、こうした客船で移動すると数日かかると言う。なんかこういうので移動するのも良いな~なんて、また次回の旅への夢が広がるのでした…。

その後、2人が子供を連れてよく来たと言う運河に立ち寄り(地名失念)、彼らの家の近くにある巨大ショッピングゾーンに連れて行ってもらう。IKEAやカルフールなどなど、ありとあらゆる種類の大型店舗が揃っていて、とても1日では回りきれない。ショッピングモール大好きな私は大喜びでフランス式店舗を堪能。

18時59分の電車の時間までおうちのお庭で休憩。今回は体調が優れなくてちょっと残念だったけど、今年もみんなのおかげで楽しい4日間の旅が出来た。来年、来ないなんて je boude ! って言ってくれる友人達がここにいることに感謝です。

最終日は14125歩。体調悪いわりに食べ続けた4日間でした。大好きなノルマンディーにしばしのさようなら。また2年後に会いに来ます。それまで、みんなも元気で!

おまけ
P5310180ノルマンディーは麻の一大産地。麻の花が咲くのはほんの一瞬のことらしくて、それを見れるとかなりラッキーらしい。JMがあそこに見えるよ…と教えてくれたので、超ズームで撮ってみました。良い写真じゃないけど、雰囲気伝わるかな?繊細なうす紫のような花畑です。

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27/05/2010

ひとりぼっちの日

今日は1日雨。午前中家にいると、定年退職の年齢引き上げに対するマニフェスタシオンの声が聞こえてきた。最近、ニュースの話題と言えば、これ。フランスも日本同様、年金制度を支えていく次の世代が不足しているので、少しでも長く年金を受け取らずに働いて積み立ててもらいたい訳よね。

降り続ける雨も鬱陶しいけど、このまま家にいるのもイヤなので、午後からずっと行きそびれていた La Cité de l'Architecture et du Patrimoine (Palais de Chaillot にある建築をテーマにした博物館)に向かう。バスに乗っても、この雨のせいか、マニフェスタシオンのせいか、渋滞で車が前に進まない。あちらこちらで響き渡る怒りのクラクション。この音を聞いていると、よけいにイライラする。

P5270034ようやくたどり着いたこの博物館、入場券を買い求める時「15h30から無料で visite guidée に参加できますが如何ですか?」と発券担当の女性に言われた。今日は特に予定もないし、90分程度だと言うので、パリで学んでいた頃を思い出すように参加してみた。

ガイドさんの話し方がうまいのか、学んでいた建築がテーマだからか、話していることは殆ど理解できた。やっぱり積極的な勉強ができていなくても、無駄に時間は過ぎていないのかな…。目に見えた成長がなくても、学ぶことをやめない限り、フランスを離れてもレベルがガクっと落ちていくことはなさそう。

P5270025この博物館のカフェはエッフェル塔もどか~んと見える、ゆったりとした雰囲気の気軽なセルフで、けっこうおすすめ。入場しなくてもカフェだけの利用が可能なので、近くに来たらまた立ち寄りたい所。売店も建築関係の書籍が充実しているので、建築ファンにはここもたまらない。

P5270038今日は木曜日なので、デパートも21h過ぎまで開いている。博物館を出てから友人へのお祝いの品を探しに行き、閉店前のプランタン最上階のテラスでエッフェル塔を遠くに見ながらお茶。

ようやく雨がやんできた。これなら歩いて家まで帰れそう。雨だったせいか、まだ外は明るいのに、すれ違う人もほとんどいない。今日はこちらに来てから初めてまるまる1人で過ごした1日になった。フランス語でも日本語でもなんでも良いので、めちゃくちゃ誰かと喋りたい気分だったけど、ぐっと我慢して、歩き続けてようやく10123歩。

明日からノルマンディー3泊。旅の準備をして寝ます。おやすみなさい。

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26/05/2010

ノスタルジックなボリューム

今日はまず、早番で早く仕事の終わったMag.と,、彼女がいつも仕事前に立ち寄るカフェで3G対策。と言っても、私たちになす術はもうないんだけど…。電話で再度 ORANGE のオペレーターと話をしても、埒が明かないし、やっぱりゴミ箱に捨てるしかなさそう。59ユーロを有意義に使えなかったのが腹立たしいのはもちろんだけど、こういうにっちもさっちもいかない久しぶりに感じるフランスならではのイライラ、最近、旅行者としての私が忘れかけてた、フランスの大きな欠点を久しぶりに突きつけられたような気がする。もうここに住んでいない私は戦う気力も時間もない。

ここで私は遅めの昼食。想像よりすごいボリュームのサラダで夜までにおなかが空くか心配。だって今夜は前からMag.がご馳走してくれると言ってたから。最近スポーツジムに通い始めたMag.と、ここでいったん解散。私は1人カフェに残り仕事をしつつ、Mag.との夜の約束まで、映画に行こうか…と思ったり、でも雨もじゃんじゃん降ってるので、躊躇したり…。なかなかフットワーク軽く、思うことを出来ない今年のパリ…。

待ち合わせがオペラ界隈だったので、雨も降ってるし、結局デパート巡り…。でも買いたいものも欲しいものもない…。

P5260012_2Mag.が連れて行ってくれた今夜のお店は le Clos Bourguignon(39, rue de Caumartin, 9e)。フランスの有名人の中にもファンが多いこの店は、超シンプルな伝統的フランス料理が安く楽しめる人気店。カフェのような小さなつくりだけど、やってくる人が絶えない。一般的なフランス人が、おいしい、良い、と思う店が知りたければ試す価値のある店だろう。

私が頼んだ前菜はまたまたフォアグラ。でも3トランシュ。最近これだけの量を10ユーロ以下で出すところはほとんどない。メインは鶏肉のブランケット(クリーム煮)。お皿の直径、優に30cmはある。感想は、しょっぱい!!!しょっぱ過ぎる~~~。量が原因ではなくて、この塩辛さのせいで私は完食を断念。

Mag.が頼んP5260013 だのは巨大サラダと巨大デザート。ホイップたっぷりのアイスクリーム、ソースがけ。なんとかメルバ…だったかな。このボリュームに呆気に取られているうちに、Mag.あっという間にたいらげてた。これ、大好きらしい。

サービスも特に愛想が言い訳でもないし、でもやっぱり料理の質と値段、それらが認められて常連さんもたくさんいて、繁盛しているお店って感じです。

P5260017洗練されたお料理、流行のカードルもいいけど、たまには昔ながらのスタイルとボリュームに触れるのも楽しいものです。ただ、もう少しだけ塩分控えめでお願いしたい…。

今日はとにかく食べ過ぎた感じ。雨が完全に上がった夜のパリを散歩しながら家路に着く。夜の人気の少ないルーブル。なんとなく、ようやく、パリにいるな~って思えた時間…。

今日は11082歩。食べた量を考えるといまいちでしょうか。

おまけ
エスカレーターの搬入風景
P5260021   

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25/05/2010

quelle journée !!!

夕べ夜中にようやく本来あるべきワイヤレスネットワークを発見。大家さんの話ではPCを立ち上げたら一番上に出てくるはず…という話で、近いものからかたっぱしに試したけど今まで駄目で、毎日少しずつ表示されるものも変わっていた。で、今日初めて微弱だけど、これかな?と思う名前のものを発見。ようやく接続に成功した。最初試みていた頃はこの名前のネットワークはなかったけど(なぜだろう?)、ともかく試すべきネットワークの名前くらいは最初に教えて欲しい。

今度はゴミの問題が発生。そろそろゴミを捨てたい、週末にはノルマンディに旅立つので、その時には絶対にゴミは捨てて行きたい。本来アパルトマンのゴミ捨て場はみんながアクセスできるところにあり、見つけやすいものだけど、ここにはその共同ゴミ箱がない!大家さんに聞くと、鍵がかかっている場所にあり、鍵は部屋に置いてあるとの事。でもその鍵がない。どうやら鍵はそれまでの利用者がなくしたか持って帰ってしまったようで、なくなっているようだ。そしたら大家さんは、とりあえず道路にあるゴミ箱に捨ててくださいとの事。いや~、私はそんなことはしたくない。家庭のゴミを街のゴミ箱に捨てるなんて、あり得ないでしょう???それに人通りも絶えないこの街のど真ん中で、それはない!鍵の件は早急に対処してもらうとして、とりあえず管理人に聞いてみることにした。共同ゴミ箱の場所を教えて欲しい、それから今日は鍵を持ってないので、このゴミを捨てたいんですが…と言うと、つたないフランス語で「閉まってる、閉まってる」と繰り返す。それは知ってるけど…と、同じ事を繰り返し説明した。でも面倒くさいのか、今度は道路に捨てろと言う。まったく…この人まで!今日はわかった、そうしても良いけど、次回のために場所だけでも教えてくれ、と言うとついに逆切れされ、私のゴミ袋を取りあげて、外に出て街のゴミ袋に捨ててしまった。あり得ない、この人…。呆然として、次々と起こるあり得ない事に驚くばかり。

気を取り直して、せっせと手洗濯に励み、お昼から近所をお散歩。その後は今日早番のMag.とモンパルナス駅で待ち合わせをして、遅い昼食を取る。なぜモンパルナスかと言うと南仏に出発する前に la CLE 3G を買ったレンヌ通りのお店に一緒に行ってもらうため。なんと言ってもそこらへんの専門用語はとんとわからないから…と思ったけど、私一人でも十分なくらい幼稚なサービス内容だった。これここであなたから買ったけどちゃんと作動しませんよ!と説明すると、インストールしなおしたか?と言う?もう何度もやりましたよ!!!(本当はこちら風に100回やった!って大げさに言ったけど…)と、私。それでも気に入らないのか自分自身でもやってみる。それでも結果が私が言う通りなので、今度はORANGEに電話。電話の向こうの担当者も同じことを言っているようで、ここの店員はまた同じ事を繰り返す。本当、あり得ない!!!ただ無駄に時間が過ぎていくだけで、何一つ解決しない。それやったってば、ね、駄目でしょう???と私も何度も同じことを言わざるを得ない。

駄目なことは分かってるから、私はその先の解決方法が欲しい。この役立たずに59ユーロも払ったんだから、使えないのであれば返金をして欲しい。そしたらそれは出来ないと店員もORANGEも口を揃えて言う。ならば、同封されていた30ユーロ還元クーポンで、それだけでも取り返したいと思ったけど、よく読むと、きちんと利用者登録をして、身分証明書のコピーや、登録住所の住所証明などが必要との事。そんな面倒くさいこと、たった30ユーロのためにやってられない。仕方がない。もうこれはゴミ箱行き決定!なのに、ORANGEの担当者は、まだしつこく「同僚から明日連絡をさせます」との事。もう、そんな形式ばっかり、もう、いらん!!!

気づけばすごい時間が過ぎていて、私たちはこのお店で2時間以上を無駄にしてしまった。私は時間だけじゃなくてお金まで!!!本当、むかつくわ、この?なテクノロジーも、この人たちのいい加減さも。購入時に私のPCは日本製なのでちゃんと使えますか???とは聞いたものの、そんなこときちんと確かめるはずもなく、oui, oui, oui pas de problème !

これからコンサートに行くMag. とはこのお店で別れて、私はその後レンヌ通りのモノプリでお買い物。背中にPCもカメラもしょってるので、落胆のせいか余計に荷物を重たく感じる。さらにお買い物したものを両手に持ち、なんとなく家まで歩いて帰ってしまった。夜はJさんのおうちにまた洗濯がてら、遊びに行くことになってたけど、雲行きが怪しくなってきた。もう夜の9時を回っていたし、今日はまた色々あって疲れたので、どうしようかな…とJさんに電話をすると元気な声で「いらっしゃい」との事。また気を取り直して、一応念のため傘を持って、バスに乗り込む。するととたんにゲリラ豪雨+雷つき。バスに乗った以上、Jさんの家の近所で降りるしかない。その頃一番雨が激しい時で、最寄のバス停からおうちまで、傘はあったもののサンダルの足も、ズボンもずぶぬれ状態。あ~~~~~、ついてない日ってこんなものかな。家に入ってしばらくすると、雨もうそのようにやんでしまった。

このところの怒りと落胆をJさんとお友達のMさんが優しく聞いてくれて、ちょっと気持ちもすっきり。大雨の中、来た甲斐もあったと言うもの…。今日はおもりをつけて13591歩、まあまあかな。

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24/05/2010

フランス人はいつ働くのか?

今日は祝日。でも最近は祝日と言っても開いているお店がほとんどでにぎやかなものだ。

昨日に引き続き30度超えのパリ。小さな窓しかない女中部屋は何もしなくても汗が流れるほど暑い。色々なことがありすぎて長かった昨日、ようやくまともな睡眠(…と言っても暑すぎてベッドの上で寝てしまったけど)を取り、街に出る。午後はLちゃんとRDVがあるので、それまでに一度メールのチェックをしに行きたい。近所に WIFI GRATUIT のお店を見つけたので、ようやくアクセス。大家さんとのやり取りも、とにかく電話をしてくれないので、メールを見れないとお話にならない。

Lちゃんがお店まで迎えに来てくれて、気だるい暑さの中、散歩+ショッピング。靴はスーツケースの中の場所を取るので、ほんど持って来れず。安いサンダルを1つくらい買ってはきつぶして帰ってもいいかなと思っていたので(石畳ですぐにいたむ)、さっそく購入。暑さに耐えかねて…と言うのもあるけど。そして重いジーンズも1つこちらで買おうと思ってたので、良いのを見つけてお買い上げ。それにしてもスーツケースの重量制限って再度見直して欲しい。1週間の旅の人も3ヶ月の人も同じ重量しか持って入れないなんて少しおかしいと思う。だって滞在期間が1ヶ月を超えるとチケットの値段は2倍とまではいかなくてもずいぶん高くなるのだ。その値段に見合った重量制にして欲しいよなぁ。

Lちゃんと Chatelet 界隈のカフェに落ち着いて、今度はおしゃべりの時。最近、一流銀行の派遣から正社員になれたらしく、とても嬉しそうだった。そりゃ、そうだよね…、この就職難のフランスで、日本では考えられないような好条件の仕事だもの。一流企業ならではの手厚い福利厚生も色々とあるらしく、その点でもうらやましい限り。私はその恩恵にちょっとばかりあずかれるみたいで、最近すっかり高くなってしまった映画の入場券を1枚4ユーロで購入してくれると言う。ありがたい話なので、8枚ほど頼んでおいた。一番びっくりしたのは、なんと本来の有給休暇9週間と、週35時間労働制度から発生する調整休暇+ボーナスを休暇で取ると、全部で13週間のヴァカンスになるそう。たしか1ヶ月って4週間なので(笑)…3ヶ月と1週間って事になる。それをもちろん全部消費できるわけで、消費しても変な目で見る人もなく、悪く言われることもない。必要なのは同僚との調整だけ。早く日本も最低有給休暇が5週間ほどになって、全員がそれを等しく消費できる世の中になればいいのに…。それにしても3ヶ月ってすごいな…。

夜はSと靴職人のN+その妻Nと4人、サン・マルタン運河に集う。暑いので涼を求めてやって来る人で埋め尽くされている。Nは去年結婚したアルゼンチン人の奥さんと彼女の国にもうすぐ旅立っていくらしい。期間を決めない出発なので、半年かもしれないし、5年かもしれないし、戻ってこないかもしれない…との事。もしかしたら、もう会えないかもしれないと思うと、少し寂しい気もする。

みんなで近くのインド街でカレーを食べた後、私はSのうちで仕事をさせてもらい、その後家まで歩いて帰った。今日はそんなで比較的頑張って歩いたので14758歩。今回の私のパリは”歩く”がテーマなので、頑張って歩数を稼ぎたいと思います。

あ、ちなみに今おとなしく会社勤めをしているS。初年度なのに10週間の有給休暇があるそう。まったくフランス人って…。

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23/05/2010

不都合な出来事

夕べ深夜にパリの家に到着。今回、借りたステュディオは右岸、パリの中心地。慣れたゴブランを離れるのには抵抗があったけど、旅行者の特権でもう少し違う地域にも住んでみたくなったからだ。でもすぐにそれを後悔した。Mag.が帰ってから夜中に色々と不備のあることに気づいたからだ。

まずトイレが廊下にあることは承知の上だったけど、トイレに行こうと思って廊下に出ても、明かりがつかない。人感センサーがうまく機能してないみたいだ。帰ってきたときにはちゃんと内廊下の明かりはついていたいので、うちの前だけちゃんと機能してないって事だろう。いくらジャンプしても、手を振っても反応なし。仕方がないので、持っていたマグライトを片手に部屋を出たら、今度はうちの扉の閉め方が分からない。今までありとあらゆる扉を普通に閉めてきたけど、こんなに悩んだのは初めてだった。結局は夜中に館中に響き渡る爆音を気にせず、思い切りドアを引くしか方法がないことが分かった。普通にドアノブを回して閉めることが出来ない扉は初めて!とにかくそれが分かるまでに相当時間がかかって、もう外も明るくなりかけていた。

ようやくの思いでトイレに到着したら、今度はトイレ内の節電ライトが20秒ごとに消える。イライラするったらない。その他にも、玄関の扉に内鍵がない、窓にカーテンがない、テレビが映らない、電子レンジがない、シャワーを浴びたら、シャワーヘッドのホルダーが壊れている…etc.、とにかく不満がいっぱい。そして何より一番のストレスは使えるはずのインターネットが使えない事。仕事が出来ない、テレビもラジオもないので、まったく音も情報もない…。とにかく何よりネットが出来るところを見つけなれば…。

色々な事と格闘していたら、あっという間に朝の9hを回っていたので、寝ずにスーパーに生活用品を買いに行った。今日は日曜日だけど最近のパリはけっこうスーパーも開いているのだ。それにしても暑い!今日はパリも30度超えで、屋根裏生活者にはこたえる…。その頃Sがちょうど電話をしてきてくれて、部屋の状況を後で見に来てくれることになった。それまで私は仮眠…。

Sがやってきて、テレビにはアンテナがついてないので、見れるはずもないことがわかった。ネットは二人で色々やってみたけど×。廊下の人感センサーは少し角度を変えてもらって、なんとかつくようになり、内鍵は後日つけてくれることになった。さっき買い物に出たとき近くの何でも売ってるお店で3ユーロくらいの大判の布を買い、それをカーテン代わりにすることにして、シャワーヘッドはテープで固定。私がいる間くらいはこれで何とかなりそうだ。いずれにしても、大家さんには問題点と不満を伝えておかなくてはならない。こういう事は、こちらも言うのにエネルギーが必要で、骨が折れる。

夜はJさんとその旅友Mさんのおうちを訪ねて、おしゃべり。私と同じ大家さんから部屋を借りている2人だけど、こちらは超素敵なお部屋で、室内は特に問題なし。うらやましい…。って事で、我が家には洗濯機がないので、おしゃべりの時間を利用して、洗濯をさせてもらった。小さなものは手洗いで十分だけど、Gパンや外着にはやっぱり洗濯機が欲しい。

洗濯物をたんと担いで、夜も遅くなってきたので、「また夜に一杯やろう…」と、さっき別れたSをほったらかしておうちに帰って来てしまった。今日はほとんど寝てない上、色々あって本当に疲れた。あとで、Sから電話がかかってきて、いつもの仲間が揃っていたことがわかったので、残念だったけどまた今度…。

私は何の音もない部屋で、静かにこれまでの旅の復習でもします。

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22/05/2010

絶景アルプス生中継

le jeudi 20 mai 2010

P5200280朝早く起きてテラスで朝日を拝む。私たちがリュベロンを離れる今日になって、ようやくミストラルもやんだみたいだ。風のない穏やかな朝。8時にお迎えの車が来るので、お見送りのため、2人のお部屋をノック。楽しいみんなとの10日間の旅はここまで。NちゃんとSaちゃんは、これから車に乗ってマノスク(Manosque)へ。そこから電車でニース(Nice)まで行く。Nちゃんはニースで1泊した後、日本に帰国。Saちゃんはニースに1週間滞在した後、パリに戻ってきて計3ヶ月間、ヨーロッパ内を旅行。私がフランスにいる間はパリにいるので、またおいしいものでも一緒に食べに行きたいね。

P52003012人を見送った後、あまりにもお天気が良いので、私のテラスで一人朝食。今までの強風が嘘のように抜けるような青い空に、聞こえてくるのは小鳥の声だけ。朝食を食べながら、なんとなく、このまま南仏を終わるのは嫌だな…と思った。今年の南仏は風に吹かれ続けて、ネットが使えずイライラして、風邪も引き、アレルギーに苦しみ、仲間と過ごした時間は楽しかったけど100%の南仏じゃなかった。それにこういう完璧に穏やかな時間が欲しくて南仏に毎年来てるんだから、帰国までにもう1度1泊でも良いから来たい。昨日Alex.が電話をかけてきてくれたとき、念を押すように言ってくれた。「6月の末、再度来るならぜひ家に泊まりにおいで…」って。う~ん、好意に甘えようかな…と、昨日から漠然と考えていたけど、今朝、決心がついた。やっぱりもう一度来よう。

P520031411hに今夜から2泊お世話になるお宅の C&M が片道3時間かけて車で迎えに来てくれることになっていた。面識のないMag.も快く引き受けてくれて、2人で宿のカフェでコーヒーを飲みながら待つ。本当は私たちもマノスクまで今朝の2人と一緒に行き、そこからブリアンソン(Briançon)行きの列車に乗ろうと思っていた。そしたら「車で宿まで行くから列車の予約をしないように」との命が。片道3時間だよ!なんとも心苦しいことだけど、その親切を無為に断るわけにもいかず…。

予定通りに彼らが到着。駐車場まで荷物を運んで、さあ出発なのだ。アルプスの少女ハイジに会いに!再会の会話でしばらく盛り上がっているうちに、風景がだんだんと山深くなっていた。

P52003113時間の道のりは長いし、C&M のおなかも減ってきたので、セール・ポンソン(Serre Ponçon)の近くで昼食。この巨大な人口湖 Lac de Serre Ponçon は、ラ・リビエール(la Ribière)とリル・ドゥ・ルセ(l'Ile de Rousset) と言う2つの集落が犠牲になって出来上がった。湖に潜ると昔の集落がそのまま残っているらしい。雄大なお山に囲まれた美しい湖なのに、なんとなく悲しいお話。でもここの生活を支えていくためには必要だったんだろう。

P5200331その後、自然が作り出したありえない造形 レ・ドゥモワゼル・クワフェ (les Demoiselles Coiffées) を見に行き、家路についた。ここには写真のような奇妙な造形物がいくつか並んでいる。長い年月をかけて、風雨が切り出したこれら自然の彫刻作品は、まるでガウディの作品のよう。微妙なバランスを保ってかろうじて載っているように見える上の石。バランスが崩れたときには、いつか落ちてくるんだろうか…。考えると怖い。

P5200349最寄の街、ブリアンソンを通過して、小さな集落に到着。おうちのテラスから見えるのは雪の残るアルプスの山々。私に与えられた2階のお部屋からもテラスと同じ Prorel山が見える。100ユーロ級の贅沢なとってもラブリーなお部屋です。

P5200351お茶を飲んだり、お菓子をつまんだり、夕食までの時間はテラスでのんびり。まだTシャツとはいかないまでも太陽が出ているともう寒くはない。

今夜のご飯はこの地方ではよく食べられるラクレット。チーズたんまり、お芋もおいしいし、食べまくって、ど~んと胃が重い。食後のチーズもこの地方の有名なボーフォールなど3種類ほど。デザートはおいしいイチゴたち。今、こちらではまだ旬ですから。

P5200356明日は、フランスのもっとも美しい村の1つにも選ばれている集落へGO。

再会の日の夜は、食後も楽しいおしゃべりが続いて、あっという間に過ぎていく。Mag.もすっかり2人と仲良くなって、とくに私たちミーハー2人はTV界で働いていたMの話を楽しく聞いた。

ただ、たくさんのハエと格闘しながら…。田舎暮らしは、本当、ハエとの戦いです。
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le vendredi 21 mai 2010

朝は最近、目覚ましがなる前に目が覚めるようになった。今日も気持ちの良い快晴。ただ山なので、朝夕はやっぱり少しまだ冷える。

P5210362朝ごはんをみんなで食べて、保冷袋にお昼のピクニックの用意をつめて元気よく出発。今日の最初の訪問地は、フランスのもっとも美しい村の1つにも選ばれている集落サン・ヴェラン(Saint-Véran)。ここは2042mの高さに位置し、ヨーロッパの中でもっとも高い所にある集落でもある。

全体的には地味な色合いで、陽気な感じはない。1年の半分は(特に昔は)雪に閉ざされる所だからか、なんとなく閉鎖的な雰囲気もある。C&Mも言ってたけれど、山の人たちと言うのは、日本の古い農村のように頑ななところがあるらしく、外から来た人に笑顔で挨拶するような感じではないらしい。

P5210390とは言っても、気分はハイジ。羊さんの群れの中には、生まれたばかりの子羊さんもいっぱい。こんな可愛い子達を食べてると思うと少々心が痛む…。

この地方の伝統的な家屋が見学できる Musée du Soum は、昔の生活様式を教えてくれる貴重な存在。日本で言う1階は石造りの家畜のスペース。これは動物の体温を利用して、家を温めるという意味もあったらしい。そして2階以上が住まい。2重窓もなかった時代、この雪深い村の冬はさぞ、大変だった事だろうと思う。

P5210361_2村には2ヵ所ほどパン焼き場があり、使われていた時代の写真とともに公開されている。。雪に閉ざされている期間、人も物もまったく動けなかった時代、パンも住民たちの手で保存用にた くさん焼き、家の保管庫で保存をしていたらしい。家の中の適度な湿気で、表面の硬いパンはなんとか食べられる状態を保っていたらしいけど、どうしてもカビそう。6ヶ月たったパンって、どんな感じなんだろう。まあ、おいしくないことだけは確かだろう。

洗濯場にも昔の写真があったけど、これもまた大変だっただろうな。冬場の水の冷たさはどこでも大変だろうけど、ここは特に寒いし大変だったに違いない。ゴム手袋もない時代、刺すように冷たい水で大きなシーツなんかを洗ったかと思うと、もう今の洗濯機に感謝、感謝。

お昼、太陽が隠れてしまって、少し肌寒くなったので、ピクニックをあきらめて、村の中にあるホテル Le Grand Tetras でランチ。リモージュから来ていた老人会の団体旅行客50人ほどと一緒になって、にぎやかなのなんのって、C&Mも苦笑。

私は夕食に備えてサラダだけにしたんだけど、隣のMag.が食べたステーキのブルーチーズ・ソースが美味しすぎて、彼女のフリット(フライドポテト)をソースと共に半分以上もらっちゃいました。これじゃあサラダを頼んだ意味も半減…。

P5210404食後、まだ2~3mの雪が残る イゾアール峠(col d'Izoard)へ。標高2361mの山だけど、まだ道路が雪で閉ざされていててっぺんまではいけなかった。スキー場以外でこんなに高く積もった雪を見たことがないので、感動しまくりの私。誰も触れることなく積み重なっていった雪は、なんとなくブルーの色をしていて、時折顔をだす太陽の光をキラキラと反射していた。

P5210412下界に降りて最寄の街、ブリアンソンの旧市街を歩く。写真は一番お店などが集まっている通り。Cはこのあたりの店も最近は観光客目当ての店が増えて、昔のよさがなくなってきたわ…と嘆いていた。どこも観光で食べている地域は同じなんだね。観光資源も生き残りをかけて、ある意味仕方がないんだろうけど、どこに行っても同じような店って、本当つまらない現象だ。

振り返るとまたそこには山が…。このあたりはどこまで行ってもこの山の景色からは逃れられない。巨大アルプスの山は雄大だけど、雄大すぎて、自然の怖さを感じる。だから私は心が休まらない…。それにやっぱり少し高いところに行くと、胸が苦しくなるので、ここにいて心も体も心底リラックスすることはないのかも…。

P5200358家に戻り、夕食までのひと時仕事をしようとPCを立ち上げると、パートナーがオンライン。スカイプで絶景アルプスを生中継した。C&Mも家の中も全部紹介。ただ彼は歯磨き中で、次々知らない人を紹介されて、ビックリしてたけど(笑)

夜はもちろんCのお料理を頂き、ゆっくりとお喋りをして、お休みなさい…と言いたいところだけど、集っているハエをバスルームと寝室から追い出すのに一苦労。田舎ではハエを大好きになるか、こうして格闘し続けるか、見えないふりをするか…、この3つの選択肢しかないみたい。

私の部屋、パッチワークのベッドカバーをめくるとこんな風に。夜バージョンも可愛いでしょ?
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le samedi 22 mai 2010

P5220427今朝も快晴のスタート。午後からは少しかげりが出てくるらしいので、朝食を食べて早速お散歩へ。

まずはヴァレ・ドゥ・ラ・クラレ(Vallée de la Clarée)へ。静かな流れかと思いきや、少し行くと滝。轟音をたてる水流からマイナスイオンをいっぱい浴びる。

P5220443その後、途中ネヴァシュ(Névache)と言う街に立ち寄って観光局で資料をもらってから、イタリアとの国境にあるエシェル峠(col de l'Echelle、1766m)、残雪で最後まで行けなかったけどグラノン峠(col du Granon、2413m)etc. いくつかの景勝地へ案内してもらった。その間はずっと晴れたままで、私の小さな雪だるまさんもあっという間にとけてしまってちょっと残念!

今日は、長い冬から目覚めておなかを空かせたマルモットをたくさん見かけた。動きが早すぎて写真は撮れなかったけど、可愛い顔で、走り回っていた。春の到来をずっと楽しみに待ってたんだろうね!

P5220454おうちに戻って、ちょっと遅めのランチ。またCがあっという間に用意してくれて、やっぱりちゃんと前菜、メイン、フロマージュ+フルーツのデザート。写真はこの地方でよく食べられているトゥールトン(tourton) という名の揚げ物。中身はお肉だったり、フロマージュだったり、色々。あ~、とにかく南仏に引き続き、よく食べた3日間でした。パリに戻ったら今年は歩くよ~!

食後、テラスにくつろぎながらPCを立ち上げると、今日は母がオンライン。母にもここの家族や山の景色を生中継することが出来て良かった。

Cともここでようやく2人になって話すことができた。今回はMag.を連れて行ったので、なかなか2人になる機会がなかったけれど、大病を患っていた彼女も治療がようやく済んで、最近、先生から完治の宣言をしてもらったらしい。これで一安心。苦しい治療をあきらめず続けて本当によかったね…。

さあ、出発の時。夕方の列車でパリに戻る。最初、フランスで初めての夜行列車に乗る予定だったんだけど、最後の最後になってMag.がやっぱりTGVで帰ろう…と弱気発言。まあどこでも寝られる私と違って、乗り物では一切眠れない彼女だから仕方ない。車で国境を越え、イタリアの小さな駅、なぜここにTGVがとまるのか良く分からないけど、Oulx駅から5時間ほどかけてパリに戻ることにした。少ししんみりと駅のカフェでお茶を飲みながら遅れている列車を待つ。コーヒーや紅茶、コーラなど4人がそれぞれ何かを頼んでも、合計5ユーロほど。物価安っ、ここ。

今度ここに来れるのは2年後だろうか。山の生活はハイジほど得意ではないけど、やっぱりC&Mにはまた会いに来たい。

あ、ちなみに低燃費ハイジの映像を口頭で訳をつけながら見てもらうと、みんなに大うけ。あのしつこいハイジの声をアルプスの山に轟かせておきました!



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19/05/2010

ma chambre bleue à Saignon

le mardi 18 mai 2010

P5180148今朝はゆっくりと朝食を取り、ボニューの村内をゆっくり散歩しながら過ごした。Figaro japon でも紹介されていたアンティークのお店には素敵なお宝がざっくざっく。くまなく見たかったけど、店内からは煙がモクモク。強風のせいで燃している薪がえらい煙を発していた。尋常じゃない煙で、お店のお兄ちゃんもてんてこまい。私たちもスモークされそうだったので、残念ながら退避した。また次回ボニューにはぜひ宿泊したいので、その時ゆっくりと見に来ますね~。

11時に車到着。また億万長者にAlex.を取られたので(笑)、今日はまたシャイなFab.さん。この間よりうちとけて、お話もたくさんしてくれるようになった。

P5180174前回初めて訪問して、今回絶対に泊まりたいと思っていたオペド・ル・ヴュー(Oppède-le-Vieux)は残念ながら今回も通過のみ。でも前回行けなかった一番てっぺんの廃城まで行き、村内をくまなく散策し、広場にある Le petit café のテラスでゆっくりランチ。ジリジリっと日差しが皮膚にしみこんでいくのを感じるようになってきた。これぞ南仏の日差し。日焼けは嬉しくないけど、この太陽はやっぱり南仏の重要な要素だと思う。

このカフェには3室の chambre d'hôte があり、次回の滞在のために全室見せてもらったのは収穫。ぜひ泊まりたいお部屋があったので、今度こそ絶対泊まるぞ!この村もほとんど何もないんだけど、なんか惹かれるんだよな…。カフェのお料理もおいしかったし、滞在が今から楽しみ。

その後、初めてのモベック(Maubec)、ロビオン(Robion)をのんびり歩き、Mag.の乗るバスが到着するアプト(Apt)へお迎えに行く。

P5180227ちょっと遅れて到着のバス。久しぶりのMag.と再会のビズ。フランスで私が彼女をお迎えするってなんか変な感じだよね。ここから今夜の宿泊地セニョン(Saignon)へFab.さんの運転で一気に上っていく。ここに来たら必ず泊まる Auberge du Presbytère で今回は2泊。もちろん私のお部屋はブルー。NちゃんとSaちゃんはお向かいのルージュ。どちらにも贅沢なテラスがある。私のはリュベロンを見渡す恒例の景色。ルージュは泉の広場に開けた村の風景。こちらもかなり可愛いお部屋です。ベッドも2つに分かれてるので、友人同士の旅におすすめ。もちろんどのお部屋も超可愛いけど!

Mag.は予約が遅れて今夜だけここ、明日は数十メートル先の chambre d'hôte へお引越しって事になった。

P5200303まずはお宿のテラスでお茶。再会の会話も弾む弾む。Mag.とはなんでこんなに仲良くなれたんだろう…。今となっては何でかも分からないんだけど、彼女を他の人に copine と紹介すると怒られた。amie って思ってくれるのは本当にありがたい事だ。とにかく毎年、毎年、南仏に行く私に、どんなに良い所か私も連れて行け…と言った彼女。それからずいぶん時間がたっていた。今回、リュベロンはここの2泊だけだけど、私の大好きなリュベロンの中でもベスト3に入るこの小さな村で約束が果たせたのは良かった。

お喋りのあとは、Mag.も私のテラスでのんびり読書。私はネットがつながったので、スカイプでこのテラスの素晴らしい眺めを日本の家族と友人と分かち合う。インターネットの世界は弊害も多いけど、こういう事ができるのは私の留学時代には夢のまた夢だった。ああ、日進月歩のテクノロジーに感謝だわ。

P5180261今夜の夕食はお宿のレストランで。私がフランスで食べるのは、ほとんどが同じパターンなので、あまり紹介のしがいがない。前菜はほとんどフォアグラだし、メインはだいたいが子羊。今日もその例にもれず…。でも今日のフォアグラは自家製でこちらでよく飲まれるアペリティフ Beaume de Venise で香り付けがしてあるもの。メインは子羊ちゃんと言っても今日はここリュベロンの子羊ちゃん。部位も昨日とは違うし料理法も違うので、私自身は飽きることが、ない…。ちなみにデザートはきれいに彩られたグラス2玉を頂きました。

風邪は少しましになってきた。でも今度は蕁麻疹が…。体が相当弱っている模様。でも歩みは目標の1万歩超11562歩。ええ感じです。

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le mercredi 19 mai 2010

今日、私は完全休息日。ゆっくりと起き出して朝食もとらず、お昼の12hにMag.が迎えにくるまで、部屋で呆けていた。人間、1人では生きていけないし、1人では寂しいけど、この雄大な自然を前に、ちょっとした孤独感を味わうのは、正直心地良い。

P5190265まずはMag. のお引越し。去年「へ~、ここにも chambre d'hôte もあるんだね~」と奇妙なアート作品がおいてある室内をのぞきながら、前を通ったところだった。各部屋もかなりユニークにデコレーションされ、色々な彫刻作品がおいてある。オーナーがどうやらアーティストらしい。私はこういう現代的な装飾は苦手なので、泊まることはないだろうけど、ここには私たちのお宿にはない気持ちの良い広いお庭があった。

おなかが減ったので、みんなと泉の広場にあるお店のテラスでランチ。食べたいものはもう売り切れ。迷ったあげく、生ハム・サラミの盛り合わせにした。生ハムにちゃんと無塩バターつき!ただ想像を超えるボリューム。大好物とは言え、塩分取りすぎやな、これは。

食事中、私たちのテーブルの脇で2回ほど風が巻き上がって、地面の天然乾燥ハーブ(?)がワサ~。さらにさらに美味でした(笑)

午後、Mag.とNちゃん、Saちゃんは一緒に下界(アプト)へ降りていくという。私はもちろん non ! 今日は何もしない日と決めたので、部屋とテラスを堪能するのだ。と、言ってもやっぱりまだ風は強くて、テラスでなかなかゆっくりは出来なかったのだけど…、お昼寝したり、お茶を飲んだり、のんびり、のんびり。

P5180247途中やってきたお掃除のおばさんたちとしばしおしゃべり。ここのテラスから見える集落の名前たずねても知らない。こんな近くにあるのに知らないんだ…。住んでると、そんなものかな。昨日、Fab.さんと話してたときも、彼はアヴィニヨンの人だけど、私たちが訪問したどの集落も来たことがないと言っていた。小さな頃、両親に連れられてルシヨンは行った事を覚えてるけど、それ以外は覚えてないらしい。「あなたたちのお陰で、たくさん良い場所を知ることが出来ました。また家族と来ます」だって。来ようと思えば、毎週でも来れるなんて、うらやましいなあ…。

夕食前、アプトから戻ってきたみんなと合流。昨日、Mag.と2人で上ったセニョンの一番高いところへ、今日は4人で上る。相変わらずの強風に吹かれながら、みんなで旅の感想を収録!また2年後に来るぞ~。

P5190274今夜はお友達から教えてもらった村内の la Cuisine de Soko で。私はもうひとつの候補 la Petite Cave と悩んでたので、最終的にはMag.が選んだ。その名前からも分かるように、なんとこのセニョンにも日本人が住んでいて、なんと自身のレストランを持っている。本当、日本人てあちらこちらで活躍していてすごいわ。彼女はもう数年前からここに家族と住んでいて、レストラン自体は2年ほど前にオープンしたらしい。ここ2年は連続して来てたのに、ぜんぜん気づかなかった…。彼女のお料理は、その都度のテーマでどんどん変わっていくらしい。だからフランス料理というわけでも、日本料理というわけでもない。今週のテーマはタイランド。久しぶりに味わうアジアティックな風味。パートナーと私はアジア料理も大好きで日本にいる時は週に1度くらい食べに行くくらい。日本人て、何でもおいしく食べれる感性と環境を持っていて、食に関してはかなり恵まれていると思う。食に関しては我が国が1番でしょう…と言う自負も私にはあるんだけど、ただここでしかおいしく食べれない食材があるのは確かで、旅行中は出来るだけそういうものを食べたいと思っている。だから今夜も Soko さんのフレンチを食べてみたかったのが正直なところだ。

今日は何もしてないので、万歩計つけず。風邪ほぼ完治。 mais je me sens encore faible...

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17/05/2010

再びリュベロンへ

P5170030_2朝5h45にMiさんの部屋をノック。Miさん、「私が出たあと部屋を使っていいよ」と言ってくれたので、遠慮なく荷物をまとめてお引越し。正午のチェックアウトまで、この快適な部屋の住人になる。6hには別棟の3人も集合し、頼んでいたタクシーも到着。いよいよ別れの時。今回の研修旅行は5人と言う小さなグループだったので、みんなでゆっくり話も出来たし、本当に楽しい1週間だった。プロヴァンスが初めての人がほとんどだったけど、みんな心から気に入ってくれたみたいで、準備のしがいもあったというもの…。今日から1日だけ、残ったNちゃんとSaちゃんの3人旅。

P5170051_2私に関して言えば、エクスは結局仕事をしにきただけになった。Alex.のお迎えまでは再びネットカフェでお仕事。今日はエクスから今夜の宿泊地ボニュー(Bonnieux)までにあるアンスイ(Ansouis)、キュキュロン(Cucuron)、ルールマラン(Lourmarin)の3つの集落をめぐる。月曜日と言うことで閉まっているお店も多かったのだけど、何よりミストラルの暴風のせいで心地よいお散歩とはいかなかった。どこに行っても風、風、風。ついでに私の風邪も順調に鼻づまりが進行。とうとう我慢ならず、ルールマランの薬局でスプレータイプの鼻炎薬を購入。

車に戻ったとき「めずらしい、今日は何も買ってないの?」とAlex.。「そうだよ、薬を買っただけ…」

ルールマランで座った素敵なテラスのカフェも、クロワッサンと小さな1口サイズのエクレアとカフェで3・5ユーロと言う、なんともお財布に優しい1日だった。そういえば今日はここまで何も食べてなかったのだった。

P5170083_2なんとなく覇気のない私たちを不憫に思ったのか???、Alex.がリュベロン山の標高550メートルの所(通称 la Tour Philippe)まで連れて行ってくれた。もちろんこの高さだから風はますますひどく、まっすぐ歩けないほど。でもその眺めの素晴らしさと言ったらない。あちらこちらに散らばる集落を確認できるその絶景、久々に感動!次回、南仏に来たとき、天気がよければここで絶対にピクニックだな。Alex.、いい場所を教えてくれてどうもありがとう!

ここから先は車が入れないハイキング・コース、セードルの森(la forêt de cèdres)。それは時間の余裕と元気と覚悟があるときにぜひ(笑)。

P5170096_2今夜のお宿、ホテル・ル・セザール(Le Cesar)は、3回目。でも久しぶりだったので、期待度◎。なぜってここのお部屋にはリュベロンを見下ろせるテラスがついている。ホテルとしてはいまいちのところもあるんだけど、このテラスはまさに☆☆☆☆ランク。…なんだけど、今日は本当に暴風のため、テラスに立ってることもままならない状況。お天気はけっこう良いのに、残念!

3人揃っての今夜のお食事は、ラコスト(Lacoste)を眺める方角にひらけるホテルのパノラミック・レストランで…。夕日が落ちていくのを見ながらのお食事は、またどれもおいしくって、パンも出されるがまま、全部完食。体重の増加を体で感じながらもプロヴァンスでご飯を食べないなんて、やっぱり無理。

P5170108_3アミューズの後、前菜には今年シャトーヌフ・デュパップで初めて食べたフォアグラ。これから食べるよ~。メインは子羊のすね肉(souris d'agneau)、料理法にもよるんだろうけど、私はやっぱり gigot (もも肉)が好きかな。 デザートはフルーツたっぷりのブランマンジェ。可愛いでしょ?最近はこういう pot に入れるの、流行ってるのね。

今日は目標の1万に遠く及ばない6849歩。でも風に吹かれてたので、ちょっと+してもよいかもです。

明日はフランス人の友人 Mag,が合流。どんな風になるかな。

あ、そういえば楽しみにしていたテラスからの夜空。強風が雲を吹き飛ばしたせいか、こぼれおちそうな満点の星空だった。…けど、私まで吹き飛ばされそうだったので残念ながら長居は出来ず。また次回に期待!

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16/05/2010

南仏研修旅行最終日

P5160345_2もう曜日の感覚がなくなっていたけれど、今日は日曜日。早いものでもう今回の研修旅行最終日となった。明日帰国するMiさんとYさんにとってはまさに最終日。お買い物にも気合が入ります。

まずはシャトーヌフ・デュ・パップからリル・シュール・ラ・ソルグ(l'Isle sur la Sorgue)に向かう。この小さな街は200ものアンティークショップがある事で知られ、さらに日曜の朝市には+200もの露天商が軒を連ねる。そしてふんだんな水。街中に運河が通り、水草の絡まった古びた水車がいくつも見られるのだ。

P5160335_3のんびりの私たちはAlex.に11時のお迎えをお願いしてたけど「向こうで少しでもゆっくり出来るように高速で行くよ!」と、気前よく高速に乗ってくれた。高速料金なんていくらでもないだろうけど、そういう気遣いが嬉しい。もちろん追加料金を取られることもないしね。

街の入り口付近で車を降りて、人の賑わいに紛れ込んでいく。今日はその有名な日曜の市って事に加えて大型連休の最終日。風は相変わらず強いけど晴れてるし、かなりの人出。お店の人たちとのお喋りを楽しみながら、私は欲しいと思っていた撥水加工された超大型テーブルクロス2枚に、ドアの取っ手などの金物類をさくさくっと買い求めた。あとどうしても今回欲しいと思っていたムスティエ焼きのような絵柄の生地は赤しか見つけられず、断念。やっぱり青が欲しい。Miさんもここまで持ち越していたマルシェ用かごバッグ、結局気に入ったのが見つけられず、私が荷物が増えたことで急遽ゴルドで買い求めたバッグを日本に大切に持って帰ってね!と言われた(笑)

P5160351_2今日は最終日なので、お昼もちゃんと食べましょう!(いつもは朝食たっぷり+夕食)という事になって、健康的なBIOレストラン l'Islot vert (52-54, rue Carnot, l'Isle sur la Sorgue)で頂く。清潔感たっぷりの店内、キッチュな色合いが可愛らしい。私は鶏肉と野菜、スムール(クスクス粒)のタジンにした。野菜たっぷりで味付けもあっさり、おいしかったです。

この街でゆっくりと時間を過ごした私たちは、今夜の宿泊地エクス・アン・プロヴァンス(Aix-en-Provence)へ。今日のプログラムはとってもシンプル。

明日、マルセイユ空港から発つ2人のため、最終日の宿泊地をマルセイユにするか、ここエクスにするかすごく悩んだんだけど、結局エクスで大正解。Alex.にその事を話すと、マルセイユなんて今日はとんでもない!と言う。なぜってフランスのサッカー、リーグ1をマルセイユが制したので、今日は街中すごいお祭り騒ぎらしく、車も街中には入れないほど人が集まっているとの事。あ~良かった!

エクスは10年ぶり、3回目。今夜のお宿はホテル・カルディナル(hôtel Cardinal)。中心地にも近いし、通りは静かだし、レセプションの人たちも親切だし、ホテル自体想像していたより素敵。それにグラネ美術館のまん前。3人は別棟にあるキッチン付スィート(なのに120ユーロくらい)。Miさんは普通のダブル、72ユーロのこのお部屋、明るくて広々してとっても気に入りました。私は…と言うと予約時に選択の余地がなくトイレ・シャワーが向かいにある女中部屋風の48ユーロのお部屋。でも居心地もいいしノー・プロブレム。今度来ることがあってもぜひここを利用したいな。今度はぜひMiさんのお部屋で(笑)

P5160366日曜日でお店もレストランもほとんどしまってるけど、夕食にはまだまだ時間があるので、みんなはお散歩へ。私は、本来なら使えるべき la Clé 3G+ (日本のイーモバイルみたいなやつ)がまったく機能しなかったので、ここまでまったくメールチェックできず。仕事ができないストレスを解消しに、さっそくホテル近くのネットカフェへ。たまっていたメールに返事を書いていたらあっという間に夕食の時間だった。

今夜は5人揃っての最後の晩餐。どこで食べようか迷うほどレストランは開いてない(笑)のでホテル・サン・クリストフ(hôtel St-Christophe)内にあるアール・デコのインテリアのブラッスリー・レオポル(brasserie Léopold )を選んだ。前菜、メイン、デザート3品で29ユーロ。リュベロンのロゼも頂き、楽しいような少し寂しい最後の夕食。

P5160368ここでちょっと笑ったのがデザート。またここでも好きなものを好きなだけ…と言われたのだけど、どれもかなりビッグサイズ。とりあえずイチゴのタルトとフルーツサラダをお願いしたら、フルーツサラダの代わりに、レモン・メレンゲのタルトがやってきた。「私これ頼んでません」と言うと「Ah, c'est pas grave. 食べ放題だからこれも食べて」と置いていった。c'est pas grave…って、私はこれ好きじゃないんだけど…。結局忙しさがピークに入った店内、彼はフルーツサラダを持ってくることなく、私のおなかもはちきれそうだったので、フルーツサラダにお目にかかることなく、家路に着いた。

風邪悪化。今日がピークかも。明日はお見送りの為に朝の6時にロビー集合。頑張って起きます。

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15/05/2010

AOCシャトーヌフ・デュ・パップ

P5150286 昨日は突然花粉が大量に降り始めて、私は一気に花粉症に。薬を買って飲んだら速攻効いたんだけど、今日は別な風に体がだるい。昨日の花粉症で見逃していたけど、どうやら”風邪”を引いた模様…。去年はひかずにすんだけど、やっぱりフランスに到着すると出発前の疲労が出てしまうんだろうか。あわてて風邪薬やビタミンCを投入。はい、いつものように鼻がつまり始めました。こんな時こそ、Sさんのくれた魔法の水が必要なのに…、ない。

かろうじて味覚を保ちながら、旅は続く…。

今日はどうしてもAlex.が来られないので代わりのFab.さんが初登場。背が高くてシャイで笑顔の素敵な人だ。Alex.には大勢の有名人の顧客がいる。日本で知られている人だと、ジャン・レノやジョン・マルコヴィッチ、南仏を一躍有名にしたピーター・メールさんなどなど。その人たちの話を聞きながら、ドライブするのも私の楽しみの1つ。常連さんでイギリスの億万長者が突然やってくることになって、その人はAlex.でないとイヤ!って人なので仕方ない。億万長者には勝てません(笑)Fab.さんも優しい人でよかった。

相変わらずというかますますひどくなる風。まさに春の嵐。

P5150298モノプリ・ファンのMiさんが帰国前にモノプリで買い物したかろう…と寄った、メロンで有名なカヴァイヨン(Cavaillon)は、暴風のせいもあって、皆から何の評価もされなかった(笑)。13年前にあの丘の上の教会まで登ったのよ~、眺めが良いのよ~…の説明もむなしく、モノプリで買い物をしただけ…。実は私にとってもこの街はメロンというよりエロおやじの街。リベンジならず、なんとも可愛そうなカヴァイヨンでした。

風をよけるように車に乗り込み、次に向かったのはサン・レミ・ドゥ・プロヴァンス(Saint-Rémy-de-Provence)。ここには2度ほど来たことがあるだろうか…。もう立ち寄ることはないと思ってた街なんだけど、今回は旅友のはからいで、フランスでも脚光を浴びているショコラティエ、ジョエル・デュラン(Joël Durand)さんのアトリエ訪問が出来るようになった。旅友の知り合いはアトリエを仕切っている日本人のご夫婦。そして今はあと2人の日本人がアトリエを支えている。どこに行っても見えないところで日本人が頑張ってるんだね。

P5150309世界に3台しかないという巨大な製造機もあり、製造過程をざっと説明していただいて、タイム・アウト。ショコラは高い、なぜなら製造過程でかなりロスが出るのでコストがかかってるのだ、と聞いた。なるほど。

実は男前のジョエルさんに会えるかな~?なんて少し期待してたけど、彼はいまや世界を飛びまわるビジネスマンのようです。

この街に着いて、見学のRDVまでけっこう時間があったので、強風をよけてランチでも…と、おやじカフェに入ったら、これがまた超むかつくカフェで、何度せかしても頼んだものをなかなか出さない。カフェなんて早く食べられなければ価値半減!約束の時間も気になってたので、キャンセルしようと思ったら、少しずつもってくる。それが、まずいのなんのって。あれ、ぜったい、オーダーとってから冷凍食品買いに走ってたんだろうね…と、言いつつ私がカードでお金を払ってると、急いでいるのに機械が紙詰まりをおこすし、ようやく紙が出たと思ったら、私のカードを一緒に返さない。最悪。

まあ、こういう時ってあるわね。

フランスなら特に…、私は割合こういう事ではのん気なほうなんだけど、紙が詰まったときにはブチって来てしまい、私のカードを返して!と少し声を荒げてしまった…。私たちの事を気にかけてくれてたサービスのお姉さんには少し悪かったかな…。でも本当にむかつくカフェだった。

P5150324_2Fab.さんを解放するべき時間もとうに過ぎて、今夜の宿泊地シャトーヌフ・デュ・パップ(Châteauneuf du Pape)へ。お酒がまったく駄目なのに、なぜこの街に来たかというと、この週末大型連休のため、このあたりのお宿が全滅だったのだ。最初に予定していた行程をそのせいで何度か変更せざるを得なかった。

でも物価の高いゴルドの村からやってくると、どこもかしこも安く感じる。今日のお宿 ル・ガルビュール(Le Garbure) はフランスの旅行サイトでお料理がおいしいと評価されていたので楽しみにしていた。私たちは夕・朝食込みの forfait でお願いしたのだけど、私の場合、広いダブルのお部屋をシングルユースして、お食事がついて96ユーロ。最近ではどんなしょぼいホテルの朝食も7~8ユーロは当たり前の時代なので、まあまあお得だったんじゃないでしょうか…。ただ、この街にはカーヴしかないけどね。

P5150326_3夕食時、普段は飲まないけど、せっかくなのでここの土地のワインを飲むことにした。白希望の人が多かったので白にしたけど、シャトーヌフ・デュ・パップって赤のイメージ。マダムは白も多くはないけれど、おいしいんですよ!って。まあ、まずいからやめとけって言う人はいないか…。でも貴重な白を頂けたならそれも嬉しい。お味はう~ん、私にはドライすぎました。

お食事は量がほどほどでそろそろ胃がもたれて来た私たちにはちょうど良かったかも。そう、今日も前菜はアスパラ(+今回初のフォアグラ)です。今日はターブル・ドットなのでメニューは選べないのだ。それにしても旬とは言え、続きますな…。

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14/05/2010

ミストラル

P5140186夕べから強い風が吹き始めた。この土地特有のミストラルだ。その間雨は降らないけど、数日この風がやむことはない。と、言うことは私たちがリュベロンにいる間は強風が吹き続けるってことだ。そしてその後、プロヴァンスらしい良い天気がやってくる。毎年、天気の事だけはどうしようもないけれど、ちょっと残念だな。気温もそれほど高くないし、期待してた初夏って感じではない。まあ雨が降らないだけまずは良しとしないと、かな…。

P5140217今日は午後から、私も初めてのリュベロンの北の地域を行く。まずはヴナスク(Venasque)の絶景ポイントに立ち寄る。絶景に喜びながらも、みんな初めての山道ドライブでちょっとグロッキー。ちょうど昼休みの時間帯で、この村の薬局は閉まってるので、次に通りかかったところで、酔い止めの薬を買うことにした。もちろん私はいつも通りへっちゃらです…。

今日のハイライトはローマ時代の面影を色濃く残すヴェゾン・ラ・ロメーヌ(Vaison-la-Romaine)。フランスのポンペイと呼ばれているここはちょっとした街で、一応なんでも揃うし、観光客相手の店も多い。いくつかのローマ遺跡を含む大きな博物館もあり、さながら街中が古代博物館のよう。この下の街(新市街)と上の旧市街(Haute Ville / Cité Médiéval)を結ぶウヴェズ川にかかるローマ橋も見逃してはいけないものの1つ。

P5140216旧市街はほとんど商店もなく、美しい中世の姿を残している。てっぺんには廃墟となった古城、ここから素晴らしい眺めが堪能できる。どこもかしこも写真におさめたくなるフォトジェニックさだ。ただ5月の大型連休とあって、観光客はとても多く、静かなお散歩とはいかなかった。5月にはいるとプロヴァンスの有名どころはどこも人であふれかえる。私がここに4月に来たいのはそういうわけもあるのだ。少々涼しくても、観光客の少なさはヴァカンス感をさらに盛り上げてくれる(私の場合)。

ヴェゾン・ラ・ロメーヌを散歩してるときから突然むずむずがやってきた。そう、強風のせいでプラタナスの花粉が全力で飛び始めたもよう。目はかゆいし、鼻水はたれるし、くしゃみは出るわで、もう大変。私だけじゃなく、グループの女の子たちも、そして道を行きかう人たちも、みんなくしゃみ。まるでスイッチを入れたかのようにくしゃみがあちこちで聞かれたので、つらいながらもなんかおかしかった(笑)。

P5140245その後、隠れたようにひっそりと存在する美しい村、セギュレ(Séguret)に立ち寄り、散歩とお茶。夜は楽しみにしていた ル・マ・ドゥ・トゥルトゥロン(Le Mas de Tourteron) で頂く。

このお店はお友達のソムリエEちゃんの知り合い、若干30歳(くらい)のN氏がすべてを任されている、プロヴァンスではとても有名なお店。ただゴルドから4キロほど離れたところにあるので、車がないとなかなか行きにくい。今回はAlex.にここまで届けてもらって、食後はN氏がなんとお宿まで送り届けてくれると言う。ご好意に甘えて寄せて頂くと、なんて素敵なお庭!風がなくて、もう少し気温が高ければ、ぜひお庭でお食事してみたい。でも中もセンス抜群のインテリアで、温かい雰囲気ながらも背筋がピンと伸びるような格式を感じるレストランでした。

P5140263お食事はもちろん、どれもこれも美しく彩られて、お味も最高。ハーブ類がふんだんに使われていて、私はどれも気に入ったけど、グループの中には香草が苦手な人がいたので、メニューは読み込んだほうがいいかも。確かに私もレモングラスとかは苦手。でも今日はぜんぶ大正解でした。とくに気に入ったのはアミューズのコリアンダーのきいたスープと前菜のアスパラのココット。デザートもたくさんある中から自由に選べるので、私はとりあえず3種類チョイス。どれもおいしかったので、他のも全部試してみたかったけど、”格式”がそれをさせてくれなかった(笑)。もちろん私のおなかももういっぱいだったんだけど…。

なんと今夜はみんながご馳走してくれると言う。こんな嬉しいシュープリーズでゴルド最後の夜は楽しくおいしく暮れていきました…。

今日はずっとつけるのを忘れていた万歩計をつけて歩いてみた。基本、プロヴァンスは車の移動がおおいので、あまり期待できないかと思ったけど、今日はなんとか1万歩を達成。10985歩でした。

P5140211おまけ
ヴェゾン・ラ・ロメーヌの古代遺跡で見つけた鳥の巣。可愛いのでちょっと失礼してパチリ。何?何?って感じでドキドキしてたようなので、びっくりさせてごめんなさい。

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13/05/2010

休息日

今日はAlex.に車も頼まず、ゴルド(Gordes)でのんびりと過ごす日。夕べ、未練がましくPCをベッドに持ち込んだけど、結局何も出来ず気絶していたみたい。PCもバッテリーが切れて私のとなりでスヤスヤ眠っていた。

P5130154copieux な BIO の朝食をみんなで頂き、その後解散。みんなは頑張って2キロほど先にあるボリーの村(village des bories)に行くと言う。とにかくゆっくりしたい私はお宿の敷地内でのんびりと過ごした。

次回このお宿に来る時は、青の部屋からの眺めが変わっているだろう。お庭の小さなプールの奥には美しいリュベロンの山が見えてるけど、なんとそこに今2階建ての家が建設中。ウェンディ達も交渉して、なんとか位置をずらしてもらい、出来る限り可能な眺めを確保したみたいだけど、すぐ前に家が建つってやっぱり残念なことに違いない。隣接する敷地のそれもすぐこちら側に建つのだからかなり圧迫感がある。それでも私はここが好きだし、人も大好きだし、彼女たちがここを続ける限り毎年戻ってきたいと思う。

午後2時ごろ「疲れたわ~」と皆がヨレヨレになって帰ってきた。ヨレヨレだけどおなかはみんな空いていたので、一緒にゴルドの村に向かった。

P5130156Alex.から評判のライトミールのお店を聞いていたので、そこを訪ねた。村の入り口にあるファーストガストロ(FAST GASTRO)はお手ごろ価格でちょっと食べたいときにとても便利。素材にこだわったヘルシーな感じで、背の高いおっきなジェラルドさんが、お料理教室、出張料理人もやっているそうな。私は今日はあまり動かないし、夕食に備えて、ナスのキャビア風ペーストが入ったBIOなキャロットスープにしてみました。評判どおりおいしかった。みんなもそれぞれ大満足。Yさんなんか、食べたタイ風ソースのサンドイッチがあまりにおいしかったらしく、明日も絶対に買いに来ると断言!

その後,みんな村内でショッピングに燃えまくり、私もいつものお店5軒をダダダダダっとはしご。いつもナップを見に行く Imagine、雑貨が素敵な La Méridienne、はちみつ職人の可愛いおじいさんがいるお店 Le Miel Peylon、その横のパニエ専門店、そして必ずオリーブの形をした可愛いチョコを買いに来る Sous l'Olivier de Magali。去年、La Méridienne で買い求めたお茶セットをパートナーがすぐにだめにしてしまったので、また今年もリベンジに素敵なセットを買い求めました。手荷物さっそく増えちゃってどうしよう…って感じなんだけど、去年のに引けを取らないものが見つかって嬉しい!一緒に飛行機に乗って帰ります。

みんなそれぞれが何かを買って、でも今日のはじけ具合は私が一番だったかも…。やはり恐るべきゴルド。

今日は夕食がお宿で頂ける table d'hôte の日。やっぱり食べた後、家まで歩いて帰る必要がないってのはずいぶん気が楽。昨日なんかも夕食後たった20分の距離だけど、寒くて寒くて縮み上がってしまった。

私たちの横のテーブルにはミゲル(ウェンディのだんなさん)のご両親がベルギーから来られていた。顔、そっくり…。

P5130162今日のメニューは前菜に旬のアスパラガス、メインはアニョー、デザートはガトー・オ・ショコラ+旬の果物(イチゴとさくらんぼ)。table d'hôte はメニューが決まっていてお客は選べないことが多いけど、私は嫌いなものもなく全部おいしく頂きました。今回のメンバーには羊肉が苦手な人が何人かあったけど、今夜のジゴ・ダニョーの香草焼きなんかは一番食べやすいんじゃないかな。Saちゃんも全部は食べられなかったけど「おいしい!」って言ってた。

だんなさんのミゲルが作って、笑顔が最高のウェンディがお客に振舞う。私もこんな暮らしがしたいわ…。かなわぬ夢だ。だいたいパートナー、料理人じゃないし…。まあヴァカンス中だもの、無茶な夢を見るのも許されるでしょう。

それにしても、今日は料理の写真しかない。食べた以外、特に何もしてないし…。デブ注意報が点滅し始めました。

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